頭の中の会話2
セ「なんでこの体って何をするにも苦痛なんだろうか…」
ア「成功例がないからですよ」
セ「成功例か…どうすればいいんだ?」
絶「成功と言っても色々あるからな。お前の言う自分を満足させることが成功例だとすると、とてつもなく深い溝を埋める必要が出てくる。大阪城の堀を埋めるのと同じくらい難しい」
セ「尚更どうすれば…」
絶「見方を変えてみるとかだろうな。成功の見方をだ…とはいっても、売り上げだとかイイネだとか自分を満足させるだとか色々やって、それでもだめだったからどん詰まりなわけだな」
セ「そうなんだよなぁ…どれもこれももうやったんだ…どうしてやればいいんだろう」
ア「子供の時はどうでした?」
セ「覚えてないぞ…というか、物心ついたときから成功とかなかったきがする」
絶「そんなはずはないだろう。周りからすれば出来ていると言われることもある」
セ「そりゃ、なんもしてない奴よりはできてるさ…だけどさ、それでも楽しくないし、成功例とはいえない」
ア「うーん。それを成功と受け止められれば、もう少し楽になるんですけれどね…」
セ「何もしてない奴よりは出来て当り前さ、それのどこが成功なんだってばよ」
ア「それこそがハードルが高いんですよ」
セ「ギターにしろなんにしろ、全く触ったことのない奴よりはそりゃできてるさ、けど、ちょっとやったくらいの奴にすら劣るんだ」
絶「…お前の言うZUNさんの絵はどう思う?」
セ「ヘタかもしれないけれど、デザインセンスとかは素晴らしいし、キャラクターもまた色々描けてるし、数もすごい、自分にはあんなに考えられない」
絶「…人の事になると随分褒める所が出てくるんだな。それを自分に向けてやれないのか?言っておくが、キャラクターの名前や設定だけならゆうに100は超えてるだろう」
セ「描いてないんじゃ頭の中の妄想で終わりだ。作りたいんだよ。制作したいんだ」
絶「話を戻そう。ZUNさんや他の人の妬ましいや羨ましいを自分に当てはめるとどうだ?」
セ「いや、当てはめるも何も、劣っているんだから比べようがない」
絶「劣っているか…世のなかには、なんであんなのが売れるんだろう?というのもあるぜ…たしかに藤ちょこという人に比べたら、全てにおいて劣っている、だが、劣っているが悪い事か?」
セ「劣ってるのは悪い事だろう。まぁ、なんというか、劣っているというよりは同じラインに立ちたいんだ」
ア「それが自分が満足できるラインなんですね。…背景はいいとしてもキャラクターだけでもそう描きたいと」
セ「そうなんだ。けど、空中幼彩さんはぽよよん♡ロックという目指す人がいた、自分にはそれがない、あれば真似するとかコピーすればいいんだろうけれど…頭の中の創造を具現化するしかないんだ」
ア「色んな人の絵を見すぎて目だけ肥えてしまった部類ですね。けれどどれもこれも自分が目指す絵柄ではなかったと?」
セ「そうなんだ…あ、この絵いいなとかはあるんだけれど…誰かわからなかったり、そこまででもなかったり…ただし、このくらいかけたらいいなは多いんだ。わけがわからないよ」
絶「頭の中の絵柄が明確に分かれば、それを写せばいいんだろうが…それができないから苦労してるわけだ」
セ「その通り…朧気すぎてダメだ。だからといって今から模写とか色々する元気はもうない」
ア「ですね。もうないです。だから今のままでいいと思えるようになって描く、それしかないですよ」
セ「それが嫌だと言っている。上手くなりたいを捨てたら…ダメになると思っている」
絶「話が前の段階に戻りそうだな」
セ「同じところをグルグル回っている感じがする、疲れたぜ」
絶「正にその通りだろうな、同じところを行ったり来たり、しかも休みなくだ疲れもする」
セ「せめて、絵が描ける様にさえなれば…」
ア「描きたいが描かないといけないになってますね。好きな事がやらねばならなくなった瞬間できなくなります」
セ「けれどもやりたいと思っている」
絶「このくらいにしておこうぜ…また堂々巡りになる」
セ「そうだけど…成功例がないか…」
ア「実際には成功例はあったんですよ。自分がそう思えないだけで」
セ「あったのか?…そうなのか?そうなのか体よ…?好きで始めた事なのにな…」
絶「好きだから出来て当り前、好きなのになぜできない…その思考が自分をだめにしてるんだぜ?」
セ「好きならやるだろう」
ア「強○になってるんですよ。もうすでに強○的にやらなければならないことになってます…それだと苦しいだけで延々とできないままですよ」
セ「どうすればできるようになるんだ?」
絶「それをこれから考えていくんだ」
セ「もう、考えまくったぜ」
ア「考えているようで、考えてないんですよ。別の事を考えることができないで同じことをずっと考えているのは、思考の停止です」
セ「思考停止か…そうなのかな、それにしては苦しいぞ」
ア「嫌な事ばかり考えているんですから、苦しいですよ」
セ「じゃあどうすればこの呪縛から逃れられるんだ?」
絶「すぐには無理だろうな」
セ「もう嫌だぜ。疲れたぜ…もう考えたくないぜ」
ア「それに素直に従って考えない事も大切かもしれませんね」
セ「どうしても考えてしまう」
絶「まぁ…こうした話を日記のように書きとどめておくのも悪くないだろうが…今日はこの辺にしておこうぜ」
子供の時のように、無邪気に描ける様になりたいと思っている。
世界が狭かった…だから見えている世界も狭かった。
世界が狭いことは実は悪い事じゃないんじゃないかと思う。
広く浅くでは温泉や井戸は掘れない。広く深くできないのであれば、狭く深くでよかった。
色々な物を見すぎた。長くも生き過ぎた。期待もしすぎた。何もしない事を恐れ、何かをした結果酷い目にもあった…。
だが、これから先も寿命が尽きるまではなにかしらしたり、やったり失敗したりするんだろう。もう何もしたくなくても、何かしなきゃいけない。
何もしなくていい日が続いているのに、何かをしようと急く。どうしてかなぁ。
とりあえず歯切れが悪いけれど、今日の所はおしまい。