47都道府県で戦うSLG「覇県を握れ」。
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今日はゲームテンポの改善に関して書いていきます。
「四国志大戦」および、「四国志すぺしゃる」で感じた事なのですが、エリアが増えるほどゲームテンポを改善したり、操作量を減らしてやらないと、しんどくなっていきます。
市販の戦略SLGでも、ゲーム後半になるほどユニット数や領域が膨れ上がり、1ターンがどんどん長くなるという作品は多いです。そういうゲームデザインでも、数回程度遊ぶ分には、楽しい事が多いのですが、製作者側としてもテストがものすごく大変なんです。
覇県を握れは、複数回プレイに耐えられるような内容にしているので、仮に1プレイが10時間以上かかるとしたら、何十回何百回とテストする僕にとっては、地獄でしかないという。
プレイヤーとしても、何度も遊んでいるとボリュームが負担になってきて、気軽に遊べなくなってきます。そのため、本作は操作量やゲームテンポにかなり気を使って作っています。たとえば次のような工夫をしています。
・そもそもエリア数を抑える
四国志系列とは違い、思い切って1県1エリア制にしています。多すぎる領域の管理によって、ゲームテンポが悪くなるのを防ぐという意味合いに加え、ゲームの動作を軽くする、統計データを反映しやすくするという狙いもあります。
都道府県単位の統計データは沢山あるのですが、これが市町村単位になるとかなり調査が難しくなるのです。またエリア数が多いほどAIの思考時に負担がかかってしまいます。
・クイック戦闘
ゲームテンポの問題は、四国志大戦から四国志すぺしゃるの段階でも意識しており、すぺしゃるの段階で実装した陸戦クイック戦闘を引き継いでいます。敵が弱い時などは、戦闘をカットして結果だけ見ることができます。圧倒的に強くなった後の、マップの塗りつぶしにとても便利!
・兵器製造の集中管制
四国志対戦では兵器は各エリアごとに生産内容を指定し、そのエリアに自動配備されていました。四国志すぺしゃるになってエリア数が増えると、生産エリアから前線に兵器を移動させるのが面倒になってきたので、兵器は各エリアで作り、完成したものはエリアではなく県に属するようになりました。
覇県を握れではさらに簡素化して、エリアごとに生産内容を指定するのではなく、県全体で一括して指定するようになりました。
エリアごとに生産内容を指定したほうが、工業力の差が出て面白くはあるのですが、操作量の削減を優先した形です。 また本作ではずっと1エリアだけでプレイする事もあるので、四国志シリーズのようなやり方だと、複数の兵種を同時に作れないという問題もあったのです。
・食料と燃料の自動輸入
四国志シリーズでは手動で食料と燃料を買っていましたが、今作ではターン終了時に自動で輸入にしました。操作量も減りましたが、それ以上に買い忘れて損失を被る事がなくなりました。
・全部占領しなくても勝利になる
財政再建、首都に人口を集める等、日本全土を占領しなくても、勝利条件を満たせるようにしています。これはゲーム後半に消化試合になってテンポが悪くなるのを防ぐのに加えて、弱小県でも勝利条件を満たしやすくするという狙いがあります。
・・・。
ただ闇雲に操作量を削減すればいいかというと、そうでもないです。ゲームテンポを良くしすぎると、今度は操作に対する手応えが薄くなるという問題があったりします。
当初は地域振興も強化するパラメーターを指定したら、あとは毎ターン自動で行ってくれるようにしていたのですが、イマイチ成長しているという実感に乏しくなってしまったので、四国志シリーズと同じ形式に戻したりもしました。
それとDLsiteの体験版は11/12に更新しています。
体験版をプレイ中の方は、お手数ですが新しいバージョンでお楽しみください。