リアルな表現とは
リアルな表現とは
今日はテクニカルな話ではありません。どちらかと言うと表現の方向性やこだわりといったアート思考の話です。マテリアルノードを色々といじっているうちにリアルな表現とは何か疑問が浮かんだのでまとめてみます。
昨晩の時点のテクスチャ
最初に貼ったテクスチャです。砂のみで簡素な仕上がりです。これはこれで作り物っぽくていいのですが、少々物足りなく感じます。
テクスチャ追加
そこでTextureHeavenで配布されている「grass_path_2」という画像を使って草を生やしてみました。
現実の地中海遺跡のCGを作るのならばこれで十分かと思いました。しかし今作っているのは地中海遺跡のジオラマです。それも映画のセットやプラモデルのジオラマ作品ではなく、子供がLBXというロボットを戦わせるためのステージです。おそらくジオラマとしてのクオリティはボーイズトイと同等のものでしょう。そのように想定すると、このレンダリング結果はあまりにもリアルすぎに感じます。石で作られた遺跡部分は適度にチープさが維持されていますが、地面のみ現実味がありすぎてかえって浮いてしまっています。
あえて別のテクスチャに変えてみる
そこで別の地面のテクスチャを試してみました。
使用したテクスチャ画像は、TextureHeavenで配布されている「forrest_ground」です。「森の地面」の名が示す通り地面に多数の木の枝が落ちています。近くに木が一本も生えていない土地にこのテクスチャを使うことはあり得ない話で、もしも今作っているCGが現実世界のものであるならばけして選ばないテクスチャです。しかし今回再現するのは人がバトルステージとして作ったジオラマです。草などの緑を表現する際に芝生パウダーをまぶしたと考えれば、この画像を使うのもあながち間違いではない気がします。実際、画面に適度に嘘っぽさが加わりジオラマという作り物感が増しました。狙い通りです。
リアルって何?
今回「もしもLBXという小型ロボットで子供達が遊んでいる世界で、商品としてそのバトルステージジオラマが存在したら、どのようなものになるのだろうか」を考えながら、色々とマテリアルをいじっていました。そして嘘表現が効果的なこともあり、必ずしもフォトリアルを突き詰めればいいわけではない、という結論に達しました。
ほんとリアルって何なんでしょうね。
以上