息子の告白/11
恥ずかしくなったわけだけれど、事実が消えるわけでもないので、何とも言えずにいると、高典は、
「母さん、おれ、もう母さんのナカに入れたい」
と切なそうな顔をして言った。
――え、も、もう……?
いずれそうなるとしても、もう少しペッティングやらなにやらをしたあとだと思っていたので、久美子は急な展開に驚いたけれど、しかし、自分は一度イッたわけだから、彼もイカせてあげないと、公平ではないような気もした。
それじゃあということで、久美子が、寝転がったまま、身につけている下着をどちらとも脱ごうとすると、
「おれにやらせて、母さん」
と言って、久美子が断る前に、高典は、まず、すっと母親の背に手を回して、ブラジャーのホックを外してしまった。経験が無いくせにどうしてこんなことを知っているのか、と思ったその気持ちが顔に出てしまったのだろうか、息子は苦笑を漏らすと、
「今は何でも動画が教えてくれるからね」
と弁解して、そのままブラジャーを取り払った。乳房をまともに息子の目の前にさらした久美子は、再び、恥ずかしさに頬を火照らせた。息子は、強い光をその目に宿して、乳房を見てきた。久美子は、つい、両腕で双乳を隠して、
「そ、そんなに見ないで……」
と横を向いてしまった。その久美子の腕に、すぐに高典の手がかかって、
「母さん、ちゃんと見せてよ」
と久美子の腕を乳房から離すようにする。
「……綺麗だ、母さん」
久美子は、思わず目をつぶった。
「触ってもいい?」
という息子の声に、目をつぶったままこくりとうなずくと、すかさず、息子の手が乳房にかかるのが感じられた。男のがっしりとした手に乳房をつかまれた久美子は、まるで魂をつかまれたような気分になって、自分が彼のものになってしまったという錯覚を覚えた。
息子の手がゆっくりと自分の乳房を揉み始めるのが、久美子には分かった。乳房を揉まれてもそれほど気持ちいいと思ったことはないけれど、不思議なことに、今は揉まれるたびに、甘い快感の電流が生まれて、体が自然と震えるのだった。
「あっ、あっ、あっ……」
と声まで漏れ出てしまう。こんなことは初めての感覚だった。ずっと男に触れられていない体が過剰に反応しているのか、それとも、
「可愛いよ、母さん」
他ならぬ彼に触れられているからだろうか。
そのとき、ひときわ強い快感の電流が、乳房から脳髄へと走って、
「ひあんっ!」
久美子は、声を大きくした。