官能物語 2020/06/17 16:00

義弟と交わって/18

 わたしは、お腹の中が温かくなるような感覚を得て、幸福感でいっぱいでした。浩二くんに子種を注がれて、彼のものになってしまったような気持ちになり、それが幸福感につながっていたとしたら、やっぱり、わたしは、彼のことを愛してしまっているのかもしれません。そんなことをうっすらと思うでもなく、感じながら、しばらくは、快感の余韻に浸っていました。

 どのくらい時間が経ったのか、気がつくと、浩二くんが隣にいるのが分かりました。男性の方が快感が引くのが早いということでしょう。わたしはうずくまった状態からごろんと仰向けになりました。わたしの目に、浩二くんの部屋の天井が映ります。

「ごめん、真由さん……」

 浩二くんが、隣から、申し訳なさそうな声を出すのが聞こえます。何を謝っているのだろうと思ったわたしは、

「ナカで出しちゃって……」

 と続けられた言葉を聞いて、ハッとします。そのときまでわたしは、浩二くんに中出しされたことを、すっかりと忘れていました。そうでした、中出しされていいかどうか聞かれて、わたしは、いいと答えたのです。わたしは、素早く、今日が安全日かどうか計算しようとしましたが、そもそもいつが安全日でいつが危険日だったか、この頃、夫とレスだったため、そういうことさえ気にしなくなっていましたので、すぐには思い出せませんでした。それでも、

「大丈夫だから、気にしないで、浩二くん」

 とわたしは、精一杯虚勢を張りました。いいと言ったのはわたしですし、今さらどうすることもできないことですし、少しは年上の余裕を見せたいということもありました。

「兄貴にさ……嫉妬したんだ」

 浩二くんが、ぼそりと言いました。

「えっ、嫉妬?」
「そう。だって、兄貴は、真由さんに中出し、し放題だろ」

 そんな「し放題」と言われるほど、してもらったことはありません、最近は特に。

「だからさ、おれもさせてもらいたいって思って、真由さんのこと好きだから」

 浩二くんの告白に、わたしは頬が火照るのを感じました。「好き」という言葉で舞い上がるほどの若さではないはずなのに、その言葉には、確かな言霊がありました。

「もしもできたりしたら、おれ、責任取るから」

 浩二くんは、わたしのことを真顔で見つめます。

「せ、責任?」
「うん。兄貴から真由さんを奪うよ」

 その言葉に、わたしは、心臓をつかまれたような思いでした。

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