義弟と交わって/18
わたしは、お腹の中が温かくなるような感覚を得て、幸福感でいっぱいでした。浩二くんに子種を注がれて、彼のものになってしまったような気持ちになり、それが幸福感につながっていたとしたら、やっぱり、わたしは、彼のことを愛してしまっているのかもしれません。そんなことをうっすらと思うでもなく、感じながら、しばらくは、快感の余韻に浸っていました。
どのくらい時間が経ったのか、気がつくと、浩二くんが隣にいるのが分かりました。男性の方が快感が引くのが早いということでしょう。わたしはうずくまった状態からごろんと仰向けになりました。わたしの目に、浩二くんの部屋の天井が映ります。
「ごめん、真由さん……」
浩二くんが、隣から、申し訳なさそうな声を出すのが聞こえます。何を謝っているのだろうと思ったわたしは、
「ナカで出しちゃって……」
と続けられた言葉を聞いて、ハッとします。そのときまでわたしは、浩二くんに中出しされたことを、すっかりと忘れていました。そうでした、中出しされていいかどうか聞かれて、わたしは、いいと答えたのです。わたしは、素早く、今日が安全日かどうか計算しようとしましたが、そもそもいつが安全日でいつが危険日だったか、この頃、夫とレスだったため、そういうことさえ気にしなくなっていましたので、すぐには思い出せませんでした。それでも、
「大丈夫だから、気にしないで、浩二くん」
とわたしは、精一杯虚勢を張りました。いいと言ったのはわたしですし、今さらどうすることもできないことですし、少しは年上の余裕を見せたいということもありました。
「兄貴にさ……嫉妬したんだ」
浩二くんが、ぼそりと言いました。
「えっ、嫉妬?」
「そう。だって、兄貴は、真由さんに中出し、し放題だろ」
そんな「し放題」と言われるほど、してもらったことはありません、最近は特に。
「だからさ、おれもさせてもらいたいって思って、真由さんのこと好きだから」
浩二くんの告白に、わたしは頬が火照るのを感じました。「好き」という言葉で舞い上がるほどの若さではないはずなのに、その言葉には、確かな言霊がありました。
「もしもできたりしたら、おれ、責任取るから」
浩二くんは、わたしのことを真顔で見つめます。
「せ、責任?」
「うん。兄貴から真由さんを奪うよ」
その言葉に、わたしは、心臓をつかまれたような思いでした。