母の浮気/10
彼のだらしない顔を見ながら、良太は、やっぱり相当気持ちいいんだろうなあ、とセックスの快感を夢想してみた。いずれはしたい……というか、できればすぐにでもしたいと思っているものの、相手がいなければすることができないわけで、相手と言えば、カノジョもいない良太にとっては、セックスは夢のまた夢に過ぎなかった。せめては、こうして、現場を盗み見ることで、イメージトレーニングをするしかない。
「ああっ、奥さんっ、本当にすごいですっ、おおっ、す、すぐに出ちゃいそうですっ」
しかし、長くトレーニングすることはできなそうだった。というのも、どうやら彼の方に限界が近そうだからである。まだ合体してから、二分くらいしか経っていないというのに、そんなことあるのだろうか。動画だと、男優が女優に思い切り腰を打ちつけているけれど、あれは、演技なのだろうか。あるいは、彼が早いだけなのか分からないけれど、なんにせよ、
「奥さん、奥さんっ!」
男は、焦ったような声を上げながら、腰を振り始めた。
「ああっ、いいわっ、もっとっ、もっとちょうだいっ!」
母が、クンニされていたときよりも、大きな声を出した。
ぐちゅっ、ぐちゅっ、という水音が聞こえてきて、良太は、唾を飲んだ。母が、父以外の男に犯されているのを見るのは、何か不思議な光景で、夢のようではあったけれど、それに興奮しているのは紛れもない事実である。
良太は、半ズボンの中で、痛いほど勃起しているのに気がついた。
「もっと強く、激しくしてっ! ああ、奥に当たってる。すごいっ、いいっ!」
母は顎を上に向けるようにしていた。良太は、母の白い太ももが、男の腰にからみついているのが見えた。男が離れるのを許さないと言わんばかりのその格好に、良太の鼓動が早くなった。もしも、今、オナニーすることができたら、最高の快感を得ることができるだろう。良太は、ぐっと拳を握るようにして、ペニスをしごかないように努めた。
「奥さんっ、ダメです、もう出ますっ!」
「ダメよっ! もう少し、もう少しだから!」
母が焦ったような声を上げる。
しかし、男はその声を振り払うように、
「ダメだっ、出るっ!」
叫ぶような声を出すと、最後に一突き大きく、母の股間に自分のそれをぶつけるようにしたあと、動かなくなった。おそらく母のナカに射精しているのだろうと思った良太は、そのあまりの早さに、拍子抜けするような思いだった。それは、母も同じだったようで、
「もおっ……こんなに早く出しちゃうなんてぇ……」
その口から不満げな声が上がるのを、良太は聞いた。