官能物語 2020/07/16 14:00

母の浮気/12

 風呂上がりの香りと火照った肌の具合に、良太は、ドキドキした。視界の端に、むっちりとした白い太ももがある。それは、どんなに柔らかくてすべすべとしていることだろう。この頃、母の太ももに触れたことなどない良太は、その感触を全く忘れてしまっており、もう一度思い出したい気持ちでいっぱいになった。

 さっきの男などは、その太ももを割り開いて、奥にある秘所に舌までつけていたのである。そう親しくもない他人がそんなことまでできるのに、実の息子である自分が肌にも触れることができないとは、なんとも理不尽な気がするけれど、息子だからこそ触れられないということは、良太にも分かっていた。せめては、近くで、見つめていようと思っていたところ、

「おやつでも食べる?」

 母が立ち上がる気配を見せたので、良太は、慌てて、お腹が空いていないと伝えた。

「そお?」

 母は、ソファの背もたれに背をつけて、軽く目をつぶった。さっきの営みで疲れたのだろうか。タンクトップを大きく膨らませている乳房のその谷間が、良太の目にまともに映る。その瞬間、良太は、むくりとペニスが立ち上がるのが分かった。さっきの交わりを見たあとに抜かなかったのだから、性のエネルギーはあり余っているわけであり、そんなときに、極上の乳房を目にしているのだから、勃起は当然のことだった。

 そして、こちらも当然のことであるが、良太は焦った。母親の体で勃起しているなどということが分かったら、軽蔑されるかもしれない。白昼堂々、浮気をしている母に軽蔑されるかもしれないという恐れも、それはそれで何かおかしい気もしないでもないが、良太はそこまでは頭が回らなかった。とりあえず、今はここから立ち去らなければならない。

「あっ、そうだ、良太」

 そろそろと立ち上がろうとしたときに、いきなり母の目がパチリと開いたので、思わず、良太は逆に腰を深く沈めるようにした。

「な、なにっ?」
「晩ご飯何がいい?」
「えっ、な、何でもいいよ」
「何でもいいって言われるのが、一番困るんだよねえ」
「じゃ、じゃあ、ハンバーグは?」
「一昨日食べたばっかりでしょ」
「に、肉系なら何でもいいよ」
「肉ね……あっ、そうだ、鮭の切り身を解凍してたんだった! 鮭でもいい?」
「そしたら、訊く必要なかったじゃん」
「ふふっ、それもそうだね……ところでさ、良太。どうして、そんな変な姿勢しているの?」
「へ、変って何が?」
「だって、お腹押さえるような格好して……お腹痛いの?」
「えっ、べ、別に痛くないよ」
「……ちょっと、腕どかして、お腹のあたり見せて」
「えっ、な、何で?」
「何か隠しているでしょ」
「な、何を?」
「それを知りたいの。お母さんとの間に、隠し事はなしだよ、良太」

 よく言うよ! と良太はツッコミを入れたかった。
 良太は、勃起が見つからないように、若干前屈みになっていたのである。

「ほら、見せなさい、良太。見せないと――」

 そう言うと、母は、息子のわきの下に手を入れて、こちょこちょとくすぐってきた。

「ちょ、ちょっと、やめてよ」

 良太は、くすぐりに耐えきれずに、とうとう、前屈みを解いた。
 その瞬間、柔らかな半ズボンに小さなテントが張られているのが、見えた。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

記事のタグから探す

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索