母の浮気/36
うつ伏せになった母に対して体を傾けた状態で、江藤さんが腰をぐいっ、ぐいっ、と打ちつけるようにする。
「ああっ……いいっ……はああっ!」
母が、ぎゅっと拳を握りしめるようにしながら、喘ぎ声を高くする。
「すごいっ……ああっ、ダメッ……ああああっ!」
江藤さんが、腰を振るたびに、母は感極まった声を上げる。今度は江藤さんに気持ちよくなってもらいたいと言っていた彼女だけれど、どうやら、またイッてしまいそうな雰囲気だった。
「気持ちいいかい、あやか?」
江藤さんは、顔を母の頭に近づけるようにして訊いた。
「気持ちいい! 裕也さんのおちんちん、すごいっ!」
「あやかのナカも気持ちいいよ、本当に」
江藤さんは、母を慈しむような目をして見ていた。ただ性欲を処理しているだけではない気持ちが通ってくるような気がして、良太は、焦りの気持ちを濃くした。本当に本当に、江藤さんに母を盗られてしまうのではないか、そんな気がした。
「嬉しい、裕也さん……わたしの体で気持ちよくなって、ああっ、好きにしていいから。好きに動いてぇ……」
「ありがとう、そうさせてもらうよ。じゃあ、イカせてもらうからね、あやか」
そう言うと、江藤さんは母の頭に顔を寄せたその状態のままで、さきほどよりも早くリズミカルに腰を振り始めた。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あっ!」
母の声が間断なく上がる。
ぶちゅぅ、ぶちゅぅ、ぶちゅぅ、という、いやらしい水音が高く響く。
「ああっ、ダメッ、イクッ、イクッ、裕也さん、一緒に、一緒にぃぃぃ! はあああああっ!」
大きく体を痙攣させて、母は絶頂に達したようである。それに合わせるように、江藤さんは、腰の動きを止めた。江藤さんも射精したのだろうかと、良太は思ったけれど、どうやらそうではなかったのが分かったのは、少ししてから、顔を俯かせていた母が、
「はあっ!」
びくんっ、と体を震わせて、
「あ、あ、ダメッ……イッたばかりだから……ああっ、ダメッ、ダメッ!」
母が顔を上げた。その目には疲れたような色があったけれど、それが徐々に、とろんとしたものになった。
「まだイッてないから、このままイカせてもらうよ、あやか」
「ああっ、そんなっ……あああっ、はあああああんっ!」
母は、ほどなくして、またビクンッ、ビクンッ、と体を震わせて、絶頂に達したようだった。
しかし、江藤さんは、まだイッていないようで、三度、腰を振り始めた。