母の浮気/74
しかし、そのときは突然にやって来た。
――出るっ!
急に、肉棒の底からせり上がってきたかと思うと、その上昇を止めようもなく、良太は亀頭を盛大に爆発させて、射精した。どくどくどくっ、どくどくどくっ、と思い切り、母の体内に精を吐き出した良太は、これまでの中で、もっとも気持ちいい射精を味わっていた。何もかもが真っ白になるような、それほどの快楽である。しばらくの間、良太は、そのまままったく動くことができなかった。
どのくらい経ったのだろうか、放心からさめた良太は、母が微笑んでいるのが見えた。
「いっぱい出たわね」
息子が我を取り戻したことが分かったらしく、母はそう言った。出たことは女性にも分かるのだろうか、と良太は思ったが、母がそう言っているのだから、そうなのだろう。良太は、照れくさい気持ちになった。母とシたことを後悔はしていないけれど、やはり、それは普通ではないことであって、確実に人としての道を踏み外してしまった気がして、恥ずかしくなったのである。
「ふふっ、気持ちよかった?」
一方で、母にはそんな気持ちは、まったく無いようである。良太は、ホッとした。それでこそ、救われるというものである。
「今さらだけど、母さん……」
「なあに?」
「ナカで出しちゃったけど、大丈夫なの?」
「大丈夫よ。ちゃあんと、備えはしてあるから」
それがどういう備えなのかまでは突っ込まなかったけれど、良太はこれにもホッとした。さすがに、母をはらませることになったら、これはまた、恥ずかしさなどとはまた別次元の問題である。そうして、母が道理でこれまで、他の男たちにも気楽に中出しを許していたはずだと納得した。
さて、と、一度出したからには、もう離れた方がいいのだろうか。確かに、肉棒を勢いを失ったわけだけれど、せっかく合体したのだから、そう簡単に離れたくないのも事実だった。
「もう少し、こうしていてもいい? 母さん」
「どうしたの、良太。そんなことを訊いて。さっきは、すごく強引で、男らしかったのに」
母は、からかうように言った。
そう言えば、と良太は、射精とともに、自分の中から、凶暴な部分が消えているのを認めた。世に言う、「賢者タイム」である。しかし、オナニーの時とは違って、罪悪感というか、やっちまった感はなかった。ただただ、満足感だけがある。
良太は、母に向かって、体を折り曲げるようにすると、その唇に、自らの唇を重ねた。母は目を閉じたようである。そのまま、キスを続けていると、良太は、母の手がこちらの頭に回るのを感じた。次の瞬間、にゅるりと口内に、何か淫靡なものが侵入するのを、良太は認めた。