官能物語 2020/09/16 14:00

母の浮気/74

 しかし、そのときは突然にやって来た。

――出るっ!

 急に、肉棒の底からせり上がってきたかと思うと、その上昇を止めようもなく、良太は亀頭を盛大に爆発させて、射精した。どくどくどくっ、どくどくどくっ、と思い切り、母の体内に精を吐き出した良太は、これまでの中で、もっとも気持ちいい射精を味わっていた。何もかもが真っ白になるような、それほどの快楽である。しばらくの間、良太は、そのまままったく動くことができなかった。

 どのくらい経ったのだろうか、放心からさめた良太は、母が微笑んでいるのが見えた。

「いっぱい出たわね」

 息子が我を取り戻したことが分かったらしく、母はそう言った。出たことは女性にも分かるのだろうか、と良太は思ったが、母がそう言っているのだから、そうなのだろう。良太は、照れくさい気持ちになった。母とシたことを後悔はしていないけれど、やはり、それは普通ではないことであって、確実に人としての道を踏み外してしまった気がして、恥ずかしくなったのである。

「ふふっ、気持ちよかった?」

 一方で、母にはそんな気持ちは、まったく無いようである。良太は、ホッとした。それでこそ、救われるというものである。

「今さらだけど、母さん……」
「なあに?」
「ナカで出しちゃったけど、大丈夫なの?」
「大丈夫よ。ちゃあんと、備えはしてあるから」

 それがどういう備えなのかまでは突っ込まなかったけれど、良太はこれにもホッとした。さすがに、母をはらませることになったら、これはまた、恥ずかしさなどとはまた別次元の問題である。そうして、母が道理でこれまで、他の男たちにも気楽に中出しを許していたはずだと納得した。

 さて、と、一度出したからには、もう離れた方がいいのだろうか。確かに、肉棒を勢いを失ったわけだけれど、せっかく合体したのだから、そう簡単に離れたくないのも事実だった。

「もう少し、こうしていてもいい? 母さん」
「どうしたの、良太。そんなことを訊いて。さっきは、すごく強引で、男らしかったのに」

 母は、からかうように言った。
 そう言えば、と良太は、射精とともに、自分の中から、凶暴な部分が消えているのを認めた。世に言う、「賢者タイム」である。しかし、オナニーの時とは違って、罪悪感というか、やっちまった感はなかった。ただただ、満足感だけがある。

 良太は、母に向かって、体を折り曲げるようにすると、その唇に、自らの唇を重ねた。母は目を閉じたようである。そのまま、キスを続けていると、良太は、母の手がこちらの頭に回るのを感じた。次の瞬間、にゅるりと口内に、何か淫靡なものが侵入するのを、良太は認めた。

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