母さんでもいいや/19
里穂はたまらない気持ちになってきた。息子の指も気持ちいいと言えばいいのだけれど、やはり体が求めているものはそれではないのだった。
「どうする、母さん。指でイカせてやろうか?」
息子が、笑いながら言ってくる。まるでこちらの気持ちを見透かしているかのようなその笑みに、里穂は、反感を持ったけれど、とはいえ、どう言い返せばいいのか。Yesとは答えられないし、かといって、Noと言えば、指よりたくましいものを欲しがっていることが分かってしまう。
「どうなんだよ、母さん? 指がいいの?」
そのとき、里穂は、膣内にさらなる挿入感を得た。息子の指が二本に増えたのである。彼は、その二本の指をまとめて、抜き差しするようにしてきた。里穂は、耐えられず声を上げた。
「ああ、いい声。もっと、聞かせてよ、母さんの声」
息子の言葉に、里穂は、ぐっと自らの嬌声を抑えようとするのだけれど、どうしても、抑えきれず、
「はあっ……ああっ!」
と声を上げてしまう。
息子は、二本の指を動かして、いっそう膣内をかき回し始めた。里穂は、相応の快感を得ながらも、やはり欲しいものは、これではないのだという気持ちを捨てきれなかった。それでも、このままイケば気持ちも収まるかも知れない。だんだんと高みに昇っていく里穂は、
――このまま……このまま……。
と祈るような気持ちであったけれど、その祈りは届かずに、
「ふうっ……」
息子の指は止まってしまった。
「ああっ……」
里穂は、がっかりして、吐息を漏らした。それを耳ざとく聞き取った息子が、
「もっと続けて欲しかった、母さん?」
と訊いてくる。里穂は、やはり、顔をそば向けて答えとした。その首筋に、息子の顔が落ちて、里穂は、チュッチュッとキスされるのを感じた。優しい快感にピクッピクッと体を震わせていたところ、秘唇に硬い感触を得たのが分かった。
――あっ……。
と思った瞬間に、里穂は、待ち望んでいたモノが自らの体の中に埋め込まれるのが分かった。
「はあああっ!」
里穂は、体をのけぞらせるようにして、声を上げた。それは、圧倒的な迫力で、里穂の体をたちまち征服してしまう。硬いモノが奥まで挿入されると、里穂は、指一本たりとも自らの意志では動かせないような気持ちになった。
「ああ、母さんのナカ、やっぱ気持ちいいな」
すぐ近くにいるはずの息子の声も、里穂にとっては、どこか遠くから響いてくるように聞こえていた。