官能物語 2021/01/09 14:00

母さんでもいいや/22

 里穂はつながったまま体を起こして、息子と向かい合う格好になった。いわゆる対面座位である。こんな格好でシたことなどない里穂は、初体験に緊張しながらも、楽しい気持ちも覚えていた。

――楽しがるなんて……。

 相手は息子なのである。いけないことだと思いながらも、浮き浮きとした気持ちを抑えることができない。

「なに、にやにやしているの、母さん?」
「べ、別ににやにやなんて……はあっ!」

 里穂は、息子の手が、尻へと回り、片方の尻たぶをがしっと掴むのを感じた。

「本当に気持ちいいな、母さんのナカ。おれ、はまりそうだよ」
「な、何言ってるの。わたしたち、親子なのよ」
「親子だから、こんなにいいのかもな。禁断の交わり的なさ」

 「的」ではなくて、もろ禁断の交わりだった。里穂は、頭では、今すぐにでも息子の体から離れなければならないと思いつつも、心には喜びがあり、体にも悦びがあって、とても離れられる状況ではなかった。

「母さんも気持ちいいだろ?」
「…………」
「なんだよ、さっき、気持ちいいってはっきり言ってたじゃん」
「た、たとえ、気持ちよくても、親子でシちゃダメなのよ」
「でも、もうシちゃってるわけだし。一回シたらさ、あとは、もう何回シても一緒だろ」

 そう言うと、息子は、母親のうなじにもう一方の手を回してきた。里穂は、顔が彼のそれに引きつけられるのを感じた。そうして、すぐに唇が奪われるのを認めた。舌を入れられると、頭の奥に霞のようなものがかかって、何も考えることができなくなる。息子の舌は、丹念に母の口内をねぶった。まるで内側から里穂を食べようとでもしているかのようである。

――ああ、すごいっ……。

 里穂は、体の内側から湧き上がる快感に、体を震わせることしかできない。キスがこんなに気持ちいいものだったなんて、信じられないくらいである。さっきイッたばかりであるというのに、また性感が高まって、オーガズムへ至る階段へと足がかかるのを、里穂は認めた。

「ふうっ……」

 長いキスをやめた息子が口を離すと、二人の唇には唾液の糸が引かれていた。自分の欲望の表れを見せつけられた思いの里穂は恥ずかしくなったが、その恥ずかしさがさらなる性感を呼んだ。

「母さんのナカ、めちゃくちゃ締め付けてくるよ」

 息子が、笑いながら言った。
 そんなこと言わないでほしいと思った里穂は、ぷいっと横を向いたが、すぐに、

「ひあんっ!」

 と声を上げさせられた。

 見ると、乳首に吸い付いている息子の姿があった。

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