官能物語 2021/01/10 14:00

母さんでもいいや/23

 いつの間にか、うなじを押さえていた手が、背中に回されているのを、里穂は感じた。背と尻を押さえられた状態で、里穂は乳首を吸われた。遠い昔に彼に対してしてあげていたことを思い出したけれど、これはまったく趣の異なるものであって、あのとき感じなかったものを、里穂は、感じていた。もちろん、性感である。

「はあっ……!」

 息子は、その声に、いったん、乳首から唇を離すと、

「乳首、弱いの、母さん?」

 やはり、微笑を含んで訊いてきた。弱いも何も、それが分かるほど責められたことがない里穂は、あいまいにうなずいたが、息子は母の反応に構うことなく、再び、乳首へと向かった。

 息子の舌は、里穂の乳首を存分に責めた。舌でレロレロと乳頭を舐めるようにしたかと思うと、舌先を使って乳首を倒すようにしたり、唇で吸ってきたりした。軽く歯を当てられたときには、

「はあっ!」

 びくんっ、と体を震わせて、里穂は小さくイッてしまうほどだった。

「気持ちいいんだね、母さん。乳首、立ってるよ」

 乳首から口を離した息子が意地悪い声を出した。彼の言うとおり、確かに乳首はピンと勃起していた。まるで、もっと舐めてほしいと言わんばかりである。乳首はテカテカと光っている。もちろん、息子の唾液のせいだった。彼の性戯のあとを自分の目で見て、里穂はぞくぞくとするのを覚えた。相変わらず、膣内にはたくましさがあって、そこからは、際限なく性感が送り込まれてくる。

「母さんの乳首って綺麗だよな。全然、黒ずんでなくてさ」

 里穂は、綺麗と言われて嬉しくなるのを覚えつつ、黒ずんだ乳首を見たことがあるのだろうかと、また息子の性遍歴の一端を見るような思いだった。この年で、どれくらいの女性と経験しているのだろうか。あまり息子の女性関係に干渉したことなどない里穂が、一つだけ注意して言っておいたことがあって、それは避妊の件だったのだけれど、いままさに生でシているわけだから、そのアドバイスはあまり彼に対して効果がなかったということである。

 息子は、みたび乳首へと向かって、自分の母親に嬌声を上げさせ続けた。

 里穂は、だんだんとたまらない気持ちになってきた。乳首へのたわむれは、まさにたわむれという程度のものであって、もっとちゃんとした快感がほしくなったのである。里穂は、知らず自ら腰を動かすようにしていた。その動きに反応した息子が、唇を離して、

「欲しいの、母さん?」

 と訊いてきた。

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