母さんでもいいや/26
そうしていると、徐々に、冷静になっていく自分を里穂は感じた。冷静になって、今置かれた自分の状況を考えてみる。息子の上になって自ら腰を振り、絶頂に達したあと、抱き締められているアラフォー。里穂は、バッと、息子から体を起こすようにした。
「どうしたの、母さん?」
「ど、どうしたもこうしたも無いわよっ!」
「なんだ、まだ息子とシたこと、気にしてんの?」
その気楽な声に、里穂は、カッとした。
「当たり前でしょ!」
「やれやれ……」
どうしようもないなあ、と言わんばかりの口調で言った息子は、母親の腰の辺りを押さえた。そこで、里穂は、まだつながったままであるということに気がついて、息子の上から降りようとしたけれど、時既に遅く、息子は、腰を突き上げるようにしてきた。
「はあっ!」
里穂は、熟した体を震わせた。先の行為の残り火に油が注がれたようになって、一気に、体が熱くなるのを覚える。
「や、やめなさいっ!」
なんとか正気を保とうとして、声を鋭くしようとするけれど、
「でも、おれまだイッてないし」
と息子は言って、続けざまに、腰を突き上げるようにしてきた。たくましい男のモノが膣口をこすり、膣壁を圧迫すると、里穂の脳髄に電流が走るようになって、何も考えられなくなりそうである。
「自分でするのと、こうされるの、どっちが気持ちいい?」
息子が意地悪い声を出したけれど、里穂は答えることができない。
息子は、しばらく下から肉棒を突き上げ続けて、母親を喘がせたあとに少し腰を止めるようにしたが、里穂に休みを与えたわけではなくて、身を起こすために過ぎなかった。里穂は、息子の顔がすぐ近くにあるのを認めた。
「もう母さんは、おれの女なんだよ。だから、これからも、おれが好きなときに、いつでも何度でもするから」
息子がはっきりと宣言するように言った。
――いつでも、何度でもって……。
そんなこと許されるはずがない。その気持ちを口に出したところ、
「いいんだよ、おれが許すの。母さんは、おれのものなんだから。そうだろ、里穂」
息子は、また名前で呼んできた。
そんなわけないという気持ちで首を振ったところ、そのうなじを押さえられてキスされるのを、里穂は感じた。すぐに舌を入れられて、口内をまさぐられると、あまりの気持ちよさに、抵抗する気力が失われてしまう。
しばらくの間、息子の舌は、里穂の口の中をなぶり続けた。