母さんでもいいや/30
いいわけない、と思った里穂が、
「と、とにかく、離れなさい」
と合体を解こうとしたところ、
「でも、おれ、まだイッてないから」
息子はそう答えて、腰を動かしてきた。彼の言葉通り、勢いを全く失っていないたくましい肉棒が、里穂のナカを前後する。
「はあっ!」
里穂は、顎先を上げるようにして、声を上げた。
「やっぱいい声だよな。母さんの声。熟女の魅力ってヤツ? ずっと聞いていたくなるよ」
熟女は熟女だろうけれど、息子からそんな言われ方をしなければならないとは。ムッとした里穂だったが、息子の腰が規則正しく動き、膣内をこすられ、膣奥を突かれると、また自分の中に性の炎が立つのが分かった。もう、これで今日一体何度目になるだろうか。里穂は、自分の欲望の深さ、欲求不満の大きさに驚くような思いだったが、その思いを長く抱いていることはできなかった。
ー―ああっ、いいっ!
息子のたくましいものが、それほどの激しさではない、むしろゆっくりとしたペースで動き続けると、確実な性感の波が、体の中心部から起こって、頭のてっぺん、足指の先まで洗うようになる。これを続けられると、また、あの絶頂の幸福感を得られる。里穂は、母を○す息子を止めることもできずに、ただ身を任せようとした。
すると、そこで、息子の腰が止まった。途中で、快楽を中断された里穂は、また焦らされるのだろうかと思ったけれど、今度はそうではなくて、
「よっと」
息子が少し体位を変えようとしているのだった。
里穂は太ももの裏に息子の腕が入るのを感じた。そのまま、息子は体をさらに前傾にしてきて、里穂は自分の体が「く」の字になるのを認めた。いわゆる、まんぐり返しという体位だったが、里穂は知らなかった。
ーーこんな、格好でするなんて……。
羞恥に頬を染めると、息子は、
「いくよ、母さん」
と言って、斜め上から肉棒で突き刺すようにしてきた。
「あああっ!」
少し挿入される角度が変わっただけであるというのに、さっきとはまた違ったところをこすられて、しかも、そこがさっきよりも気持ちがいいということに気がついて、里穂は、喘ぎ声を大きくした。
本当に自分の体は一体どうなっているのだろうか。息子がしてくるあらゆることが快楽につながってしまう。しかし、それは、もしかしたら当然なのかも知れない。もともと同じ体だったのである。相性がいいのも当たり前だった。あるいは、近親相○が禁忌なのは、この禁断の味わいのせいなのではないだろうか、と里穂は考えた。