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脱糞の記事 (8)

おかず味噌 2021/07/30 16:00

クソクエ 地下闘技場編「前哨戦 ~武道家娘の道着脱糞~」

 煌々としたライトが「六角形」を照らし出す。

――レディ~ス・エン・ジェントルメ~ン!!!

 紳士淑女を表わす言葉はけれど、戦場に集う猛者共には似つかわしくない。

 ここは、ライズィン町の地下闘技場。

 生物の根源的な本能である暴力を糧とし。富と名声、それら人間の醜い本性を浮き彫りにさせる娯楽はやはり「平和の使者」には相応しくない。

 にも関わらず。魔王討伐を旅の目的とする「勇者一行」が、なぜこのような魔窟に迷い込んでしまったのかといえば――。


 時を遡ること、数日前。

「フンッ!!ンウゥ~~!!!」

 ヒルダが雄叫びにも似た気張り声を上げる。獣じみた咆哮に伴って、彼女の肉体に力が込められる。

 上腕筋、大腿筋、腹筋や広背筋に至るまで。まさに全霊をもって目前の試練に挑むが如く、全身の筋肉に指令が送られる。(括約筋にも余すところなく)

「やっぱり、ビクともしないね…」

 珍しく、諦めを口にするヒルダ。何もそれは彼女の個人的な事情によるものではなく。あくまでパーティにおける共通の実情としてであった。

 石扉から手を離し、ヒルダは暫し呼吸を整える。思いがけず膂力を発揮したことと、ただでさえ蒸し暑い気候も相まって、彼女は激しく発汗している。

 湿気で貼り付く衣服に、さらにヒルダの肌から滲み出した汗が混じり合うことで。彼女の下穿きの中は現在どうしようもなく「ムレムレ」になっている。

――早く、風呂に入りてぇ!!

 沐浴を好むわけではなく、普段はむしろ面倒に思うヒルダとしてもさすがに。「穢れた体を清めたい」と願うも、だが町から遠く離れた遺跡においてはその願望もすぐには叶えられそうになかった。

 ヒルダは全力を込めたものの。別にそれは形振り構わず、力を暴走させたのではない。きちんと「閉める」べきところは「引き締めて」いた。

 それでも。わずかに下穿きの中を濡らす感触にヒルダははっとさせられる。やや冷たく生温かいような、汗とは明らかに違う液体。またしても彼女は。

――今ので、ちょっと「チビっちまった」よ…。

 勢い余ることで、意図せず「尿意」を解放してしまったのである。股布に擦れるそこに微かな火照りを覚える。

「紺色の布」の外側からは窺い知れないだろうが。もはや内側に「シミ」が描かれているであろうことは紛れもない。そんな己の失態に対し、彼女は。

――こりゃ、今夜の「成果」がますます楽しみだね~!!

 終日穿き続けた「汚れ物」にまた一つ「汚物の跡」が刻み付けられたことに。だがヒルダは落胆することはなく、楽観的にそれを愉しむのであった。

「ヒルダさんでもダメなら、もう…」

 最後の頼みの綱が断たれたことに、失望を隠せない様子の勇者。重い溜息をつき、項垂れる彼の横顔を見て、ヒルダは。

――すまないね、勇者サマ。アタシが不甲斐ないばっかりに…。

 心中で詫びる。あるいは謝罪の言葉を口に出しても良さそうなものであったが(彼は「ヒルダさんのせいじゃないですよ」と恐縮するに決まっている)、彼女としてはそこに別の意味での「至らなさ」も含まれているのであった。

「ワタクシが代わりましょう」

 後方から発せられた声の主はアルテナだった。「力仕事」とはおよそ無縁である彼女。

「ケッ!アタシで無理なのに、アンタに出来るとは到底思えないけどね!」

 吐き捨てるように言うヒルダ。皮肉の籠った助言を聞き入れることなく。

「ただ闇雲に『攻める』だけでは、開くものも拓きませんよ?」

――こうする、のです!

 アルテナは門扉に手を添える。

――あら、何て「硬く」て「立派」な…。

 なぜかその口調には、妙ないやらしさを覚える。

――まるで「石」みたいに「ガチガチ」ですわ…。

 当たり前だ。まさしく石なのだから。

――ここは、こんな風になっているのですね…。

「くぼみ」を指でなぞる。淫靡な手つきに彼は顔を紅潮させ、下を俯いている。

「オイ!ふざけるのも、いい加減に――」

 ついに耐え兼ねて、ヒルダが口を挟もうとしたところで。

「解りました!」

「了承」ではなく「解決」を意味する言葉を、アルテナは発するのだった。


 その後のパーティの会話は、およそ以下のようなものであった。

「この『穴』に、『玉』のようなものを『嵌める』のです!」

「はい。『棒』ではなく『玉』の方です」

「そうすれば『割れ目』が魔力で満たされ、パックリと『口』を開けるはずです」

 いちいち引っ掛かるような物言いのアルテナに対し、ヒルダは黙り込んだままだった。

「なるほど!でも、その『玉』はどこにあるんですかね?」

 感心したように目を輝かせ、彼は「宝玉」の行方を問う。

「あら。勇者様はすでに『二つ』お持ちじゃありませんか」

 さも分かりきったことを訊ねられたかの如く、首を傾げて見せるアルテナ。

「僕が…?」

 予想もしなかった回答を受けて、彼もまた首を傾げる

「まあまあ。冗談はさておき…」

 掌を合わせ、ひと度アルテナは神妙な面持ちとなる。

「ど、どっちにしろ、一旦引き返すしか無さそうだね!」

 そこでなぜか慌てたように、ヒルダは話を纏めようとするのだった。


「これで、また『フリダシ』かよ…」

 徒労を宣う女戦士に対し、勇者は――。

「そんなことないよ!手掛かりが見つかっただけでも、大きな前進だよ!」

 あくまでも前向きに述べる。そんな彼の勇猛さに当てられることで、ヒルダは再び股間が「別の液体」で湿るのを感じた。

「とりあえず、ここにピッタリの『タマ』を探すところからですね!」

 彼はアルテナに微笑みかける。そこに邪気はなく、どこまでも仲間を信頼しているというように。

「まあ、あくまで可能性の一つという意味なのですが…」

 だがしかし。己の意見が採用されたにも関わらず、女僧侶はどこか浮かない顔だった。


 最寄りの町へと戻った一行は、早速聞き込みを開始する。

 その結果。ライズィン町で近日開催される「地下闘技大会」の優勝の副賞として、「二対の宝玉」が与えられることを突き止めたのであった。

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おかず味噌 2021/05/18 16:00

オススメ作品紹介「賭博最弱伝クミコ」

 今回紹介させて頂くのは、「肌色黄金水」様によるこちらの作品。


 賭博最弱伝クミコ


 かの「大名作」を彷彿とさせるタイトルの通り、「クミコ」の前にもまた「凄惨な運命」が待ち受けている。


――ざわ…、ざわ…。


 秀逸なテキストを読むに。秀麗なイラストを見るに。いかにも生意気そうな彼女の「約束された敗北の便」に、自ずと期待は高まってくる。


――ぶり…、ぶり…。


「ポーカー」「麻雀」「ダーツ」など、あらゆるギャンブルが目白押しで。
「露出」「脱糞」「おむつ」など、特殊な性癖を満たすこと間違いなし。


 数多くの「抜きどころ」がある中で。
 筆者のお気に入りは何といっても、とある「着衣脱糞」シーン。


 最低限の尊厳をもかなぐり捨て、最大限の苦痛と恥辱に顔を歪めながらも、やがて「地の底」とでもいうべき「沼」へと堕ちてゆく彼女の姿。


「わしは…それが見たくて…」


「その羞恥…汚辱を見たくて…見たくて…」


「もう…何回も抜いてしまったよ!!」


(もちろん「血」は抜かれません…)


 思えば、同人作品を買うというのはある種の「ギャンブル」にも似ている。
 即ち。なけなしの金を「ベット」し、その「アタリ・ハズレ」に一喜一憂し「綱渡り」にも似た「賭け」に挑むことになる。


 果たして。己の欲望を満たすものかを熱に浮かされつつも、冷静に吟味し。
 より「単刀直入」にいうならば、自前の「大刀」ないしは「小刀」を存分に研ぎ澄ませるに足るものかを推し量るのである。


 だが「当作品」において、そうした懸念はまさしく杞憂である。


 あなたは安心して、「希望の船」に乗り込むがいい――。


 この期に及んで尚。些細な金額の前に臆し、試供品をチビチビやることで、己の「欲望の解放」に正直になれないでいるのならば…。


 さりげなく近寄ってきた「ハンチョウ」に、こう言われることだろう。


「へたっぴ」と――。

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おかず味噌 2021/03/19 10:00

オススメ作品「 スカトロRPG『だっぷん奮闘記』 」

~臭いムチムチうんこをブリブリして気持ちよくなるなんて変態でござるっ!~
(「作品名」がタイトルに収まりきらなかったので、こちらで↑)


 およそ一ヵ月ぶりの「新作」を、約三か月ぶりに「続き」を、かろうじて投稿し終えたところで。
 ここは一つ。実に一年ぶりとなる「オススメ作品紹介」を、久しぶりに書かせて頂こうと思う。(「ブリブリ」煩いでござるか…?)

 さて。すぐにでも「紹介」に移りたいところだが、その前に。「手前味噌」ながらも、まずは当記事で連載中の「クソクエ」について。
 当作品はいわゆる「ファンタジー」及び「異世界モノ」における「スカトロ」を描いたものであり。その「世界観」において「某有名RPG」を雛形にさせて頂いていることは、お察しの通りであろう。
「小」についての描写を含んでおきながらも、「タイトル」を「大」のみを表わす表記にしたのは――、「某サークル様」において、すでに「同名」の「作品」が存在したという理由からだ。(当記事でも「紹介済み」)

「異界」における「登場人物」として、もはや「テンプレート」ともいえる「戦士」や「僧侶」。それら「現代」にあっては、およそ相見えることのない職業の「ご婦人」方。髪色や造形はまるで「外国人」のようでありながらも、紛れもない「異世界人」の女性。それでいて、どこか親近感を禁じ得ない彼女達の――、「RPG」などではあまり積極的に描かれることのない「排泄行為」。
 そうした秘めたるべき禁じられた「欲求」に応えるべく「作品」がまた一つ、「現世」に「現界」した。

 ところで。一口に「女戦士」といっても、そこには多様な「デザイン」が存在することは言うまでもない。
「本作」は――、(厳密にいえば、彼女たちは「女戦士」ではないのだが)本来「戦闘」に特化したはずの女性たちが自らの内なる敵と「格闘」し、まさにタイトル通り「奮闘」する様子が描かれている。


<ブリュンヒルデ>

 流麗な「金髪」と、透き通るような「白い肌」が特徴的な女性。
 筆者の描く「女戦士ヒルダ」の「豪快さ」と比較すると、どこか「繊細さ」を思わせる「クール」な見た目の彼女。
「青」と「白」を基調とした「気品溢れる」装いながらも、あくまで肌は盛大に晒され、きちんと「主張」されるべき部分は「主張」された格好。
 そんな彼女の「職業」は、「女戦士」ではなく「姫騎士」。
「高貴な身分」にありつつも「便意」に耐えきれず。やがて彼女は「紺色のブルマ」を「モコモコ」と膨らませてしまう。

<風香>

「黒髪」で、やや「活発」な印象を受ける女性。(少しばかり「幼さ」の残るその見た目は「女子」と呼んだ方がより的確だろうか…?)
「職業」としては、やはり「女戦士」ではなく「くノ一」。だが「日本古来」から続く「伝統職」である「忍者」もまた、広義に含めれば「女戦士」といえるだろう。
 そんな彼女の服装は、「機動性」を重視した「忍装束」。身体にぴったりと貼り付き、「ボディライン」をたわわに露わにする格好。そして、その下に穿くのはもちろん――、「ふんどし」であり。「尻の谷間」に深々と食い込む「Tバック」にも似た「下穿き」において、幾度となく「大小便」を垂れ流してしまう。


 他にも、「オムツ失便」「おまる脱糞」「下痢」「快楽失禁」「放尿」など――。
 倒錯した「性癖」を満たすべく、様々な「イベント」が目白押しで。
 当該シーンの「イラスト」はもちろんのこと、「効果音」がさらなる臨場感を演出し、「卑猥」で「下品(褒め言葉)」な「テキスト」は――、筆者自身も一介の「エロ書き」として思わず見習いたくなるほどに、上質な雰囲気を醸している。

「RPG」といっても「戦闘」などは一切なく、「ストーリー」はほぼ「一直線」であり、ゆえに「操作性」というものはあまり感じられないものの。
 裏を返せば、「エンターキー」を押下することで、サクサク進めることが出来るので。片手は「キーボード」に添えつつ、もう一方の手で「自前のコントローラー」を握りながら「同時プレイ」することだって可能だ。

「和洋折衷」の作り込まれた世界観と、「和洋便器」で行われる「排泄」の数々。そして何より「和洋装束」に身を包んだ、魅力的なキャラクター達による「お漏らし」。
 さらに。紆余曲折あって「ストーリー後半」では「選択肢」として「食事」を選ぶことで、翌朝の「便状態」が変化するという「やり込み要素」も盛り込まれている。

 全ての「回想」を「解放」するまで、あなたは「暴発」を堪えながらも、

――「エンディング」まで、出すんじゃない。

(と、それはまた違う「名作」の謳い文句だったか…)

 兎にも角にも。希「小」で壮「大」な物語をぜひ、ご堪能あれ!!

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おかず味噌 2020/11/24 16:00

ちょっと悪いこと… 第三十一話「弟の視点 ~肛門と芳香~」

(第三十話はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/369724

ついに――。僕の「眼前」で「やってしまった」お姉ちゃん。
「大人」としてあるまじき「失敗」、「女性」としてあり得ない「失態」を晒し――。
「後悔」と「羞恥」をその身に受けつつも、為す術もなく、ただただ「立ち尽くす」姿。
「臭い」も「汚れ」もそのままに、明らかな「不快さ」を思わせる「下痢便お漏らし」。

 けれど僕は、自らの「内」から湧き上がる「衝動」に打ち震えていたのだった――。

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おかず味噌 2020/11/20 16:00

ちょっと悪いこと… 第三十話「弟の視点 ~御恩と咆哮~」

(第二十九話はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/382975


――純君、お姉ちゃんもう出ちゃいそうなの…。

「両手」で必死に「お股」を押さえて、「涙目」になりながらお姉ちゃんは言う。

――お願いだから、「おトイレ」に行かせて…!!

 お姉ちゃんは僕に「懇願」する。昔から「お願い」するのは、大抵「僕の方」だった。いつだって、僕の欲しい「玩具」を持っているのは「お姉ちゃんの方」だったし(お姉ちゃんが持っているから欲しくなるのであって、いざ手に入るとすぐに飽きてしまうのだが)、「遊んでほしい」「構ってほしい」とゴネるのはもはや僕の「専売特許」だった。だけど「今だけ」は――。

 お姉ちゃんの「望むもの」は――、「行きたい場所」は――、僕の「方」にあった。
「廊下」の真ん中、「トイレ」の真ん前で、僕たちは向かい合っていた。僕の「後ろ」、お姉ちゃんから見ると僕を隔てた「向こう側」に「それ」はある。今、最もお姉ちゃんが求めるべき「救いの場所」が――。

「優秀な姉」を持つというのは「弟」からすると「タイヘン」なものなのだ。あからさまに「比較」されることは少なくとも、度々「お姉ちゃん」を「引き合い」に出され――、「お姉ちゃんはこうだった」とか「お姉ちゃんはこうじゃなかった」と「大人たち」は皆、ただ「姉弟」というだけで「同じだけ」の「願望」を僕に求めてくる。

「中学」に上がって「最初」の「クラス」の「担任」は、かつてお姉ちゃんを受け持ったことのある「先生」らしい。最初の「ホームルーム」の後、僕はその「先生」に――、

「松永さんの『弟』なんだね」

 と言われた。大して「珍しく」もない「名字」だが、「名簿」を見てなぜだか「ピン」と来たらしく――。数多くいる「教え子」の内、それから数年が経つにも関わらず。ただ「名字が同じ」というだけで「もしや」と思い出されるほど、それくらいにお姉ちゃんの「威光」は「健在」であるというわけだ。そして――、

「『期待』してるよ!」

 と、なぜか「謎」の「信頼」を寄せられたのだった。それを言われた僕はというと、「嬉しい」とか「良かった」という気持ちは全くなく。むしろ、盛大な「プレッシャー」に「押しつぶされそう」になっただけだった。

「親戚」やはたまた「両親」に対しても、その「恩恵」は「有効」で。それはまさしく「水戸黄門」の「印籠」のように。「偉大な姉」の残した「功績」は、あくまで僕のほんの少し先にある「足跡」として――僕が望む望まないに関わらず――僕の進む「道」を、「歩きやすい」ように「明るく照らす」のだった。(それが、実は僕を「歩きづらく」させているのは別として…)

 いつだって「家族」の話題の中心は「お姉ちゃん」にあり、そこにおいて僕はただただ「従者」の如く、まるで「助さん、格さん」のように「脇役」に甘んじるしかなかった。
 そうしていざ――最近「漫画」なんかで流行っている「スピンオフ作品」のように――僕に「スポットライト」が浴びせられると。ただ「弟である」というだけで、「過度」な「期待」は容赦なく僕に「降り注ぐ」のだった。そしてそれは僕が「大きくなる」につれて、より「分かりやすい」ものになっていった――。
 思えば、僕がある「時期」から「無意識」にお姉ちゃんを「避ける」ようになったのも、そうした「姉の七光」に「嫌気が差した」からかもしれない。

 だけど、あくまで今この「瞬間」だけにおいては――、
「立場逆転」。今や「エラい」のは「年長者」である「姉」ではなく、僕より「勉強」が出来る「大学生」のお姉ちゃんではなく、「不出来」な「弟」である僕の方だった。

 僕はお姉ちゃんを「トイレ」に行かせないよう、「通せんぼ」をしていた。

 別にお姉ちゃんを「嫌っている」わけでも、「ムカついている」わけでもない。むしろ「あんな事」があってさえ僕に対する「態度」を変えることなく、変わらず「優しい」お姉ちゃんのことが僕は「大好き」だった。でも、それとこれとは話が別なのだ。
 あくまで「いじわる」のつもりだった。似ているけれど「いやがらせ」とは違うし、ましてや「いじめ」なんかではないつもりだった。

――このままだとお姉ちゃん、「お漏らし」しちゃう…。

 ついにお姉ちゃんの口からその「言葉」が飛び出す。「お漏らし」という「四文字」。「大人」がほとんど言うことなく、ましてや決してすることのない「恥ずかしい失敗」。
 その「一線」を今、お姉ちゃんは「越えよう」としていた。
「アソコ」が「ムズムズ」してくる。「全身」から「そこ」に「血液」が集まってくるような感覚と同時に、僕の中の「意地悪な気持ち」がさらに加速し、高められてゆく――。

――ダメだよ。

 僕は短く言った。すると、お姉ちゃんの顔に「絶望」が浮かんだ。

――いいじゃん。どうせ、いつも「お漏らし」するんだから。

「皮肉」を込めて僕は言った。自分の口からも出たその「ワード」に、僕はまた少し興奮を覚えた。

――イヤだ!!恥ずかしいから…。

 お姉ちゃんは下を向く。その体は「小刻み」に震え、何度も足を組み替えたりしている。かなり「限界」が近いのだろう。
 お姉ちゃんが押さえた「スカート」のその「内側」――、その「中」の「景色」を、僕はすでに知っている。そこから「溢れてくるもの」についても、もう僕は一度視ている。
 だからこそより「リアル」に、お姉ちゃんの「我慢」がひしひしと伝わってきた。

――本当にムリ!!「おしっこ」出ちゃう!!でりゅ~!!!

 そして。ついにお姉ちゃんは「決壊」を迎えた。スカートの中から「一筋」の「水流」がもたらせられるはずだった。そこで僕は――、


「目を覚ました」のだった。


 一瞬、何が起こったのか分からなかった。ついさっきまで、確かに「廊下」にいたはずなのに、次の瞬間には「ベッドの上」にいた。あるいはこれが「瞬間移動」「空間転移」というものなのだろうか。それとも、あまりに「衝撃的」な光景を目にしたことで、僕は「気絶」してしまったのだろうか。
 だが。「記憶」を紐解くように、一つずつ順番に「思い出して」みようとすると――。所々に「空白」があり、そもそもそこに至った「過程」というものがごっそりと抜け落ちていた。それに。よくよく考えてみれば、あまりに「チグハグ」であり得ない「状況」だった。「夢」を見ていたのだと、そこで僕は初めて気付いた。

「夢」というものはどうしていつも「唐突」に、それも一番「肝心な良い所」で終わってしまうのだろう。あともう少し、ほんの一息で「クライマックス」が見れたというのに。「ラストシーン」はいつだって、手の届かない場所にあるのだ。

 僕はもう一度、「眠ろう」かと考えた。あるいは「続き」が見られるかもしれない、と淡い期待を抱いたからだ。だけど経験上、「見たい夢の続き」は決して見れないものなのだ。であるならば、まだ「夢想」が「リアル」な内に、せめて自分の「想像」で「先」を補おうと。僕は目を閉じて、瞼の裏にその「情景」を思い浮かべた。
 すでに「固く」なった「おちんちん」に手を伸ばす。それを「想像の世界」を旅する「乗り物」の「ハンドル」に見立てて、強く握りしめる。

――本当にムリ!!「おしっこ」出ちゃう!!でりゅ~!!!

 そこまで「巻き戻し」、「再生」する。聞き馴染んだお姉ちゃんの「声」で、夢の中の「発言」を「再現」する。そして、今度こそ――。

――ジョボボボ…!!!

 お姉ちゃんは「お漏らし」をした。お姉ちゃんの「スカートの中」から生み出された「おしっこ」が強かにフローリングに打ち付けられる「音」を、確かに僕は聴いたのだ。
 お姉ちゃんの「パンツ」がみるみる内に濡れ「湿った色」になってゆくのを僕は視た。(本当は「見えない」のだろうけど、想像は「夢の中」以上に「思い通り」なのだ)
 何度だって、その「瞬間」を繰り返す。最初の「一滴」が零れ落ち、やがてそれが「滝」になってゆく様子を観察する。そして、何度目かの「繰り返し」の時。お姉ちゃんの「決壊」と同時に、それに合わせるように、僕は「射精」した。

――ドクン、ドクン…!!

 全身を包み込む「気怠い」感覚と、おちんちんに残った感触。その「余韻」にしばらく浸っていた。そしてそれらが引いていくと同時に、失っていた「罪悪感」が襲ってくる。「イケないことをしている」という実感が確かにあった。

――これでもう「何回目」だろう…。

 お姉ちゃんのことを「想って」、お姉ちゃんを「おかず」にしてしまうのは――。
 その「行為」を「覚えて」からというもの、それをする時はいつだってお姉ちゃんのことを考えてしまう。「状況」は違えど、時には「テレビ」や他で見た「創作物」を頼りにしながらも、けれど「相手」はいつも「お姉ちゃん」だった。そして、「妄想」の中の「彼女」は何度だって「お漏らし」をしてしまうのだった。

 僕はきっと「オカシイ」のだろう。「家族」であるお姉ちゃんに対して「そういう目」を向けてしまい「あらぬ想像」を抱いてしまう。もはや「異常者」以外の何者でもない。僕はすっかり「変態」になってしまったのだ。
 でもそれは、何も「僕だけのせい」ではない。「お姉ちゃんのせい」だってあるのだ。「あの夜」お姉ちゃんは少し「ヘン」だった。僕の部屋に入ってきた時から、お姉ちゃんの「様子」はどこかいつもと「違って」いた。
 いや、「ヘン」だったのは僕だって同じだろう。いくら「秘密」がバレたからといってあんな「告白」を、さらにはあんな「お願い」をお姉ちゃんにしてしまうなんて――。

 あの夜の「出来事」こそ、まさに「夢の中」みたいだった。何度「正確に」思い出そうとしてみても、上手くはいかなかった。あれほど「リアル」に、僕のすぐ「目の前」にはお姉ちゃんがいて。お姉ちゃんの「お尻」に「お股」に「触れる」ことだって出来ていたのに。その「感触」を「匂い」を思い返そうとすればするほど、それらは「モヤ」が掛かったみたいに、薄い「ベール」を隔てた「向こう側」にあって、決して「触れられない」場所に存在するみたいだった。
 一つ一つの「行為」は「体験」はそれこそ「断片的」に思い浮かべられ、まさしくそれは「夢」のその「特徴」にとてもよく似ていた――。

 僕は「ベッド」から起き上がる。今日は「休み」でまだもう少し「ごろごろ」していたかったけれど、いつまでも寝ているとまた「ママ」に叱られてしまう。
 それにもう少し寝るにしたって、その前に僕には「やらなければならない事」がある。
 僕は「パジャマ」も「トランクス」も脱がずに「射精」してしまっていた。その方が「いざ」という時――急にママが僕の部屋に入ってきた時など――に「緊急回避」することが出来るし、何より僕としてはその「方法」のほうが、何かに「包まれている」ような気分がしてより「安心」するのだった。
(本当ならば「お姉ちゃんのパンツ」に出したいところだが、僕の「悪事」が「バレて」しまって以来、それは控えるようにしている)

 だけど。分かりきっていたことだが、自分の下着の中に「出してしまう」というのは、その後が「気持ち悪い」のだった。これは最近「発見」したことだが――、「精液」というのは、出た「直後」はドロドロと「ゼリー」のような感じをしているが、時間が経つと「液体」のようになってしまう。それが「トランクス」に付き、濡れてしまう。まるで「お漏らし」をしてしまったような「冷たい」感触。あるいはお姉ちゃんも「同じ感触」を味わったのだろうか。

「ベッド」を出て「洗面所」に向かう。パジャマの上からだとさすがに「濡れている」のは分からないだろうが、「臭い」はするかもしれない。それに下着を「洗っている」のを見られないようにしなければ。やはりそれも「あの夜」のお姉ちゃんと「同じ」だった。
 ゆっくりと、なるべく音を立てないように「ドアノブ」をそっと回そうとした。そこで僕は思い出す。今日は家に誰も「居ない」ことを――。

 そういえば昨日の夜、ママに聞かされていた。
「明日はパパの会社の人の結婚式に行く」のだと。
「パパ」だけでなく「ママ」も結婚式にわざわざ「お祝い」に行くということは、ママの「知り合い」でもあるのかと思い僕がそう訊くと、どうやらそうではないらしい。
「付き合いよ」とママは苦笑しながら答え、パパはなんだか申し訳なさそうに小さくなっていた。「そういうものなのか」と僕にだって少しくらいは「大人の事情」というものが理解できたが、「大人はタイヘンだな~」とやはり子供じみた感想を抱いただけだった。

 お姉ちゃんは今日も「バイト」らしく、夕方まで帰らないらしい。ということはつまり、今この「家」に居るのは「僕だけ」ということになる。
 こんな事なら、もう少し寝ていても良かったと「後悔」した。「口煩い」ママの居ないこんな日だからこそ、ここぞとばかりに「自堕落」を発揮するべきだった。
 それでも。せっかくの「休日」なのだから、もう少し「有意義」に過ごそうという気持ちがしないでもなかった。
 だがどちらにせよ、まずはその前に、僕には「やるべき事」があった。
 僕はもはや「堂々」と、誰に「遠慮」することもなくドアを開け「廊下」に出た。そこで、確かに「その音」を聞いたのだった。

――ピチャピチャ…。

 あるいは「お漏らし」にも似た「水の音」。それは「洗面所」の方から聞こえてきた。

――「誰か」いるのかな…?

 僕の「疑問」はけれど「不安」に変わることはなかった。少なくとも「家族の誰か」であるに違いないと思ったからだ。
 となると、あくまで確率は「三分の一」。それはやがてある一つの「可能性」へと絞られてゆく――。

――もしかして…?

 僕の脳内に「あの夜」覗き見た「光景」が蘇ってくる。決して「夢の中」の「出来事」じゃない。紛れもなくそれは「現実」のものだった。
 お姉ちゃんはまた「やってしまった」のだろうか。あれほど僕の前で「反省」したにも関わらず。だけど思えば、お姉ちゃんは「謝り」はしたものの「もうしない」とは言っていなかった。

「音」を立てないように「静か」にドアを閉める。「あの夜」と同じように、「抜き足」「差し足」「忍び足」で。僕は「白昼夢」を見ているかのように「その場所」を目指したのだった――。

「近づく」につれて、どうやらその「音」が「洗面所」から聞こえてくるものではないことに気づく。もう少し「奥」、それは「浴室」から届いてくるものだった。
 誰かが「シャワー」を浴びているらしい。どうして「こんな時間」に?誰もいないはずの「家の中」。あるいは「家族」ではない「誰か」を想像し、少しばかり僕は「不気味」さを感じた。
「恐怖心」を抱きつつも、けれどわずかに「好奇心」が勝った。恐る恐る、「入口」から「顔だけ」出して覗き込む――。

 曇った「摺りガラス」越しに「シルエット」が浮かび上がっている。だがそれだけの「情報」では「人物」を「特定」するには至らなかった。
 やがて「溜息」が聞こえてくる。聞き慣れた「声」。それは紛れもなく「お姉ちゃん」のものだった。だがそこで再び、僕の中に幾つかの「疑問」が浮かぶ――。

――お姉ちゃんは「バイト」じゃなかったのか。
――どうしてこんな時間に「シャワー」を浴びているのだろう。

 それについて考えている内に、やがて「シャワー」が止められ「水音」が止んだ。

――ヤバい!!

 ここに居るのが知れたら、またしても僕は「あらぬ疑い」を掛けられてしまう。
(いや、かつて僕に掛けられた「嫌疑」はあくまで「冤罪」などではなかったのだが…)

――早く、ここから「逃げ」なければ!!

「逃亡」を図る間もなく「二つ折りの扉」が開かれる。そしてそこから「伸びてきた腕」を目にした時、僕の「視線」は引き剥がせなくなり、僕はそこから動けなくなった。

 お姉ちゃんは「服を着ていた」。

「裸を見れるかも」と少なからず抱いていた「淡い期待」は、けれど「裏切られる」ことになる。「がっかりする」と同時に、またしても次の「疑問」が生まれる。

――どうして?お姉ちゃんはシャワーを浴びていたんじゃなかったのか?

 あるいは「お風呂掃除」でもしているのだろうか。お姉ちゃんのことだから――、それもあり得る。ロクに「お手伝い」もしない僕とは違い、お姉ちゃんは「家事」だって難なくこなすのだ。だけど、どうやらそれも違うらしい。

「フタ」を閉めた「洗濯機」の上には、お姉ちゃんの「パンツ」が置いてあった。

 それがそこにあるということはつまり――、お姉ちゃんは今、「下」を「穿いてない」ということだ。
「お風呂掃除」で「服が濡れる」ことを「防ぐ」ためだろうか。いや、それだってわざわざ「下着」まで脱ぐ必要はないだろう。
 幾つかの「事実」により「消去法」によって残された一つの「可能性」。それはつまり「習慣」としての「入浴」ではなく、あくまで「突発的」な「理由」によって、「必要」に迫られての「沐浴」。僕が「最初」に考えた通り、やっぱりお姉ちゃんは――。

 再び、その「想像」に思い当たったことで。さらに僕はそこから動けなくなる。またしても、お姉ちゃんは「お漏らし」をしてしまったのだろうか?これで一体「何度目」なのだろう。とはいえ、あくまでそれはお姉ちゃんの口からもたらせられた「伝聞」のみであり、実際に僕がそれを「目撃」したわけではないのだが、それでも――。
 お姉ちゃんの「自白」を裏付ける、厳然たる「証拠」として。あるいは「洗濯機の中」には今、お姉ちゃんの「下着」が、「おしっこ」によって濡れた「お漏らしパンツ」が、入っているのだろうか。

「距離」にしてほんの「数歩」。あと少し手を伸ばせば、僕はそれを「ゲット」することが出来るかもしれない。紛れもないお姉ちゃんの「粗相の証」を、「行為」の「成果物」を、この手に収めることが叶うかもしれない。
「壁の影」に隠れたまま、僕はそこから少しずつ「身を乗り出す」。すでにお姉ちゃんは「体を拭く」行程に至っているにも関わらず、「罠」にハマる「小動物」の如く、僕は「無警戒」にも「洗面所」に「足を踏み入れた」のだった。

 そこで。「浴室」から出てきたお姉ちゃんと「目が合って」しまう――。

 より「正確」にいうなら、僕とお姉ちゃんの「目線」は決して「交わる」ことはなかった。なぜなら僕の「視線」は、お姉ちゃんの「下半身」に注がれていたのだから――。

 僕の目はまさしく、お姉ちゃんの「パンツ」に「釘付け」になっていた。
「下着姿」のお姉ちゃん。淡い「水色」。僕の「物色」の「記憶」の中にはない、それは「初めて」見るものだった。
 そして――。「下着」そのものなら、それ「単体」ならば何度も「見ている」ものの。それをお姉ちゃんが「穿いている」のを見るのは、やはり「初めて」のことだった。

 僕はさっき「予め」、「射精」しておいて良かったと思った。これも最近「発見」したことなのだが――、「射精後」というのは「回復」までにそれなりの時間が掛かるのだ。
 いかに「刺激」を与えても「反応」せず、「アソコ」は「元気」にならないのだ。
 だからこそ。すでに一度「射精」を終えていたのは、まさしく「僥倖」といえた。
(もちろん「その後」にこんな「展開」が待ち受けていることなど、思わぬ「おかず」がもたらせられることなど、僕には知る由もなかったのだが…)
 あるいは「射精前」であったなら――、僕は「勃って」しまっていたかもしれない。
 お姉ちゃんの「パンツ」を目にしたことによる僕の「反応」を、「条件反射」とでもいうべき「欲情」を。パジャマのズボンの「前面」に表れた「隆起」によって、知られてしまったかもしれない。僕の「勃起姿」を見られていたかもしれなかった。

 僕の「安堵」とは別に、むしろそれについては「そっちのけ」で。僕の「視界」は相変わらず、お姉ちゃんの「そこ」で満たされていた。
「勃って」いようといまいとも「男子」であれば確実に「あるはずのモノ」が。だけど、お姉ちゃんには「存在しなかった」のである。
「考える」までもなく、それは「当たり前」だった。「保健の授業」で習わずとも、僕はそれを「知っている」。「男子」における「性器」、その「棒状のモノ」の「代わり」として、「女子」には「性器」としての「穴」が「付いている」のである。

 お姉ちゃんの「下半身」、「パンツ」のその「前面」には「何も無かった」。そこに「起伏」はなく「隆起」するものもなく。ただ「なだらか」な「見た目」をしていた。
「パンツ」の上部、その左右には「腰骨」が張り、浮き出ている。細くなった「側部」の「布」は「上半身」と「下半身」とを分かち、その真下からお姉ちゃんのか細い「太腿」が伸びている。
「腰の部分」をよく「観察」すると、「白い部分」と「やや褐色の部分」とが「境界線」を表わしていた。それは恐らく、お姉ちゃんの「穿いていた跡」なのだろう。
 その「下着」は、普段お姉ちゃんが「穿いている」ものより、いくらか「小さめ」の「サイズ」らしい。特に「派手」というわけではなかったものの、果たしてお姉ちゃんはその「小さめの下着」を穿いて、これから「どこに行く」というのだろう。確か、今日も「バイト」だと言っていたはずだ。だけど、それは「本当」なのだろうか――。

「パンツ」の上限、その「ど真ん中」には、可愛らしい「リボン」のようなものがあしらわれていた。
――「プレゼント・フォー・ユー」。
 まるで「贈り物」のような「装飾」は、あるいは誰かに「捧げる」ことを意図したものなのかもしれない。
 さらに「注視」したところで、僕は気づく。「布」と「下腹部」との「境目」、そこには何やら「モジャモジャ」としたものが「はみ出て」いることを。
 それはお姉ちゃんの「陰毛」だった。あくまで「俗称」ではあるのだが、「男子」と「女子」とでその「呼び名」は変わってくる。お姉ちゃんは「女子」だから当然、それは「マン毛」ということになる。
「パンツ」の中に「収まり」きらなかった、お姉ちゃんの「マン毛」が「数本」ばかり「はみ出して」いたのだった。

 些細な「綻び」さえ決して見逃さない、僕の鋭い「観察眼」でもって改めて「パンツ」の「中央部」を確認してみると。その「前面」が実は「なだらか」ではないことを知る。
 そこには「ぷっくり」と、「穏やか」ながらも確かな「丘」があった。「凹凸」などはもちろんない。だけど、お姉ちゃんの「ぺったんこ」の「お腹」とは違う、わずかながらも「膨らみ」があった。
 それこそまさに――、その「内奥」に「洞穴」の如く、お姉ちゃんの「性器」が存在していることの「証明」であった。

「時間」にして、たった「数秒」。その間に僕は「それだけのこと」を思ったのだった。そして間もなく僕の「思考」は、まさしく「お姉ちゃん自身」によって「遮られる」ことになるのだった――。

「純君、起きたの?」

 お姉ちゃんは僕にそう訊ねる。僕が「そこに居た」ことに少なからず「驚き」はしたものの、「どうして?」とは訊かれなかったということはつまり――。お姉ちゃんは僕が「家に居る」ことについては、あくまで知っていたらしい。

「うん、さっき起きたところ…」

 別に「嘘」はついていない。目覚めたばかり、というのは「本当」だった。あくまで「ナニをした」ことを除けば――。

「てか、お姉ちゃんどうしたの?」

 今度は僕が「質問する番」だった。

――「どうして」家に居るの?
――バイトは「どうした」の?
――「どうして」シャワーを浴びていたの?

 そこには様々な「疑問」が「一つの問い」として含まれていた。

 僕に「訊かれた」お姉ちゃんは、分かりやすく「動揺」する。その「反応」がもはや「答え」を表わしているようなものだった。
「優秀」であるはずのお姉ちゃんの「弱点」、昔から「嘘が下手」なのだ。

「いや、なんか『汗』かいちゃって。昨日の夜、ちょっと『暑く』なかった?」

 ほら、やっぱり――。
「ジュースをこぼした」とでも言えば良かっただろうに。むしろここ数日「冷え込んで」きたというのに。お姉ちゃんの「嘘」には、あまりに「無理」があった。
 何か「別の真実」を「隠そう」としているのは「明らか」だった。そして「隠したい」ということはつまり――、

――もしかして、お姉ちゃんまた「お漏らし」しちゃったの?

 僕の口が、そんな風に動こうとした時。けれど「動き出す」のはお姉ちゃんの方がわずかに早かった。
 今さらになって、お姉ちゃんはようやく「それ」に気づいたらしく。ふいに「慌てた」ように、手で「パンツ」を隠そうとする。もはや「手遅れ」であるにも関わらず。
 あるいはその「格好」はまるで――、「我慢している」みたいだった。

「あっ、ごめん…!!」
「ごめんなさい…!!」

 僕たちは「同時」に謝った。やはり似た者「同士」なのだろうか。
 それにしても。「見た側」の僕は分かるとして、「見られた側」のお姉ちゃんまでもがどうして「謝る」のだろう。
 お姉ちゃんがどう思うかは別として。僕としてはむしろ「嬉しいハプニング」であるはずなのに。(いや、それをそう感じることが「姉弟」としては「間違い」なのだろう)

 みるみる内に「羞恥」の顔を「染めた」まま――、すかさずお姉ちゃんは僕の「横」をすり抜け、そのまま「歩き去って」しまう。「洗面所」に「一人」取り残された僕は、元々の「目的」を果たすことが出来ぬまま、ただ茫然と「立ち尽くす」しかなかった。

「今日は『パパ』と『ママ』、居ないみたいだね」

 再び、戻ってきたお姉ちゃんに声を掛けられた時、僕は顔を洗う「フリ」をしていた。「洗面所」に来たのだから、何かしら「目的」が無ければ「不自然」だろう。あるいは、僕が「覗こう」としていたことが「バレて」しまうかもしれない。

「うん。『結婚式』って言ってたよね」

 水を止めて、僕は答える。
――どうして、そんな「分かりきったこと」を訊くのだろう?
 昨日の夕食の時、お姉ちゃんだってその場に居て「聞いていた」はずだ。だが質問の「意図」はともかくとして――、顔を洗い終えた僕はそれ以上することもなく、仕方なく振り返ったのだった。

 お姉ちゃんは「寝巻用」の「ショートパンツ」を穿いていた。そのために一旦部屋に「戻った」らしい。(僕としては少し「残念」だったが、まあしょうがない)

「純君、今日は何するの?」

 お姉ちゃんに訊かれる。何の「変哲」もないその「質問」に――、けれど僕は無駄に「勘繰り」を覚えてしまう。

「べ、別に…!!『ゲーム』でもしようかなって…」

 僕としてはなるべく「平静」を装ったつもりだった。だがそれこそが「余計」だった。休日の「予定」など特に決めてはいなかった。だからそこは、いつもみたいに「別に…」と答えるだけで良かったのだ。にも関わらず、僕はお姉ちゃんのその「問い」に何かしらの「疑心」を感じ取ったのだった。(ある意味でそれは「正解」だったのだが…)

「そっか…。ちゃんと『勉強』もしなくちゃダメだよ?」

 お姉ちゃんは「ママ」みたいなことを言う。だけどその「口調」はあくまで優しく、「諭す」ような「物言い」だった。というよりもむしろ「心ここにあらず」という様子で、お姉ちゃんは「別の何か」を「言いたげ」だった。

「お姉ちゃんは、今日も『アルバイト』?」

 やはり「分かりきったこと」を僕は訊ねる。

「うん…、そうだよ」

 そう答えたお姉ちゃんは、やっぱり何かを「隠している」みたいで。あるいはそれを僕に「打ち明けよう」としているみたいにも思えた。
 だけど結局、その「真実(?)」がお姉ちゃんの口から告げられることはなく、お姉ちゃんの口元がそう「形を取る」ことはなく。あくまで「真相」は分からないまま、やがて「憑き物」が落ちたみたいに。やがてお姉ちゃんの顔からは、その「気配」がすっかり「消え失せて」いた――。

「早起きは三文の得」というのは、どうやら本当らしい。(別に「早起き」でもなかったし、そもそも「得」ではなく「徳」なのだと知ったのはかなり後になってからだった)
 お姉ちゃんは僕に「お小遣い」をくれた。「夕食代」とのことらしい。「帰り」が遅くなった時のために、すでにママからも「500円」を貰っていたから「断ろう」と思ったが、今時「小銭」だけではやや「頼りなく」。お姉ちゃんが何度も「いいから!」と言うので、貰っておくことにした。
 それに。お姉ちゃんから「お小遣いを貰う」のは、何だかとても「懐かしい」ような気がして――、僕はしばらくその「千円札」を大事に「取っておこう」と思った。

「ありがとう…」

 僕が「お礼」を言うと、お姉ちゃんは「満足」したらしく。

「じゃあ、お姉ちゃんは『準備』があるから――」

 と、自分の部屋に帰って行った。

 僕も一旦、自分の部屋に戻ることにした。未だ「ズボン」と「下着」は「濡れたまま」で、すっかり「冷えた感触」は落ち着かなく、とても気持ち悪かったが。それを「処理」するためには、お姉ちゃんが「家を出て行く」まで待たなければならなかった。
「射精」からまだあまり時間が経っていないにも関わらず、下着の中で「おちんちん」が「膨らんで」きているのが分かった。ついさっき見た「光景」によって、再び「燃料」を与えられ、「そこ」が確かに「熱」を帯びていくのが分かった。

「おちんちん」を「ズボン越し」に「弄ぶ」こと「数十分」。ようやくお姉ちゃんが家を出て行った。「玄関」から「物音」が聞こえ、僕は部屋のドアを「こっそり」と開けて、お姉ちゃんの「後ろ姿」を眺めていた。(何だか、お姉ちゃんがとても「遠い場所」に行ってしまうような気がした――)

 僕はすぐさま部屋を出て「洗面所」に向かう。「濡れた下着を洗う」前に、けれどまず「洗濯機の中」を漁り始める。「イケない」と思いつつも、僕はどうしてもその「誘惑」に打ち克つことが出来なかった。
 すっかり「慣れた手順」で、一番上にある「タオル」をめくり、その下にある「それ」を容易く探り当てる。

――本日のそれは「黒」だった。

 まだ少し「温かい」、紛れもないお姉ちゃんの「体温」の残った「それ」を「広げ」、「内側」を「確認」する。

――お姉ちゃん、ごめんなさい…。

「懺悔」しつつも、あくまで「これで最期」と誓う。
お姉ちゃんの「パンツの中身」、その「お尻」の部分には――、

「ばっちり」と「ウンスジ」が付いていた。

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