ダンジョン飯 9話 の感想
ダンジョン飯 Blu-ray BOX 1《通常版》 Blu-ray
【原作】九井諒子(「ダンジョン飯」/KADOKAWA刊)
【監督】宮島善博
【シリーズ構成】うえのきみこ
【キャラクターデザイン】竹田直樹
【モンスターデザイン】金子雄人
【料理デザイン】もみじ真魚
【音響監督】吉田光平
【アニメーション制作】TRIGGER
【発売日】2024/4/24
【出演 】熊谷健太郎, 千本木彩花, 泊 明日菜, 中 博史
ダンジョン飯
飯は、腹を満たすだけではない。
種族差や呪術・魔法という幻想世界の面白さと、飯でつながる人の絆。
素晴らしいドラマでした。
主人公ライオスが中心にいるとは思えない展開でしたが(笑
コント展開!
エルフ差別とウンディーネ鎮静失敗の流れが完全にコントでした。
トントントンと展開が軽過ぎる早過ぎる(笑
センシではありませんが、人の生死が怖いぐらい軽いですよ。
死の禁止。
今までも実はそうでしたが、ここでやっと「やっぱりおかしいんだ」「ダンジョン内での慣れなんだ」と明示してくれた気がします。
あと、ダンジョン内での食事や栄養は軽視されてて、だから価値が低いのもまた見せてくれました。
まー今回の食材は馬肉と差が無いですし、特にタンス一家パーティだと帰還の魔法がある分、食料の重要度がダダ下がりですね。
金と装備一式が消えるのはやっぱり辛いなぁ!
テンタクルス怖い
元ネタは『Wizardly』のStrangler Vineかな?
触手モンスターはD&Dではイソギンチャク系、Wizだと草なイメージです(笑。
今回のように遠距離が弱かったり、他にも人数が少なかったりすると死体が見つからないので、割とこのダンジョンでは凶悪ですね……
金も経験値も低そうで、ゲームだとエンカウントしたくないモンスター代表な気がします(笑
赤く痒く腫れ上がるのも御免被りたい!
精霊と魔力
この世界の魔力とは。
本来は「世界中に漂っていて、生活している中で人体がゆっくり吸収し、意識的に消費することで精霊を使役する」がこの世界の魔力と魔法なのだと理解しています。
※違ったら該当ページを教えてください!
ここで「ウンディーネを飲もう!」と発想できるのが、魔法書などでよく学び、またこの数日ダンジョンで「モンスターを食べる」手法を知った、マルシルだからこそなように思えます。
マルシルの今までと、皆との今が導いた答え。
吸収しやすい調理で魔力球種まで良くなったかは疑問ですが(笑
大量に飲みやすくなったのは間違いないかな。
ドワーフ強い
強烈な水流を抑える筋力もですが、沸騰する鍋を抑え続けられる耐熱能力も、ドワーフ
でないと無理でしたね(笑
ナマリ。金儲けを第一で、でも情け深くて。
センシ。武器も防具も愛せなず、ダンジョンの正体と料理を愛して。
2人とも普通のドワーフ社会からははぐれ者なのに、どうしようもなく、また立派にドワーフなのが愛らしい。
ナマリを今も信頼するライオス、別れて喧嘩しても心配でならないナマリ、見過ごさず後押しするタンス翁、協力するセンシとナマリ、全員て青携え、一緒に飯を食べる皆。
信頼は生まれるものでなく、飯は腹を満たすだけでなく
友情とは成長のおそい植物である。
それが友情という名の花を咲かすまでは、幾度かの試練、困難の打撃を受けて堪えねばならぬ───
『キン肉マン』より。
元々はジョージ・ワシントンの名言とのことですが、物語として心に焼き付いたのは、やはりキン肉マンのおかげでした。
信頼も、そうでしょう。
勝手に産まれたり出来るものでなく、育もう、育み続けようとしてやっと育つもの。
ナマリはライオスパーティでゆっくりと育んでいて。
今タンスパーティで、育みたいと思った。
そして食事は栄養補給だけでなく、魔力補給だけでなく。
手を携え、日々の頑張りを報い、人と人とをつなぐ。
友情と信頼を育むものでもある。
このおぞましいダンジョンの下で、マルシルとナマリが得た素晴らしい知見なのでしょう。
人嫌い、人誑し
「ライオスが人間嫌い」はちょっと正確でないと思うのです。
社会とかグループを維持する「明文化されないルールとそれによる強○」が理解出来ずに理不尽にしか取れない。
「人間社会の一部」な存在は興味がない(精神的に忌避する)けど、同じ目的や趣味、思考を持つ個体は大好きで。
あと多分、他者に理解されなくても何かに一所懸命な人、そんな情熱には敬意を持ち、好意を寄せているように思えました。
正義感や世界のあり方への考え方の他に、この人の一番大事なものへの敬意が、ライオスが人を惹きつける魅力なのじゃないかな。
よく分からなくて気持ち悪くて面倒なやつだけど、あいつが本気で困っているなら、少しぐらい命をかけても良い。
そんな風に思えるのが、ライオス。
まー今回はそんな魅力3シーンぐらいで、あと全部格好悪かった気もしますが(笑
今週のモンスターカード
触手系でキャリオンクロウラーと、ドワーフで行商人をば。
原作ネタバレ感想
ナマリ良かった……
金第一で喧嘩っ早くて、情け深くて優柔不断で、一流のこだわりで……
この話と最後辺りのライオスパーティとしての優しさ人間臭さが好きです。
また前回も書きましたが、『九井諒子ラクガキ本 デイドリーム・アワー』で描かれた彼女の性衝動…… ああ、これは普通のドワーフ社会では生きられません。
だから恥ずかしい!受け入れがたい!でも……!
キャラに血が通いますね、あの後、見せてもらったのかな。
『九井諒子ラクガキ本 デイドリーム・アワー』
おすすめです!
九井諒子ラクガキ本 デイドリーム・アワー
【著者】九井諒子