ぶるがり屋 2024/03/10 23:08

光る君へ 10話 の感想

光る君へ 10話
「月夜の陰謀」の感想です。


見逃し配信 光る君へ NHKプラス

【キャスト】吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、吉田羊、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
【作】大石静(脚本家)
(C)NHK

光る君へ

 世を変える変事と、2人だけの恋。
色々な魅力が混じり重なり編まれるこの物語。
息を飲みました。

進む陰謀の中で

 進む陰謀、失った友、汚れてしまった自分。
今までも「自分の居場所」「安らげる場所」がぼんやりしていた藤原道長にとって、全てが壊れてしまったように思えます。

 前回、直秀の死で道長とまひろの決意が固まった!
と思ったら全然固まってませんでした(笑
人の心を知り、一番優しい詮子お姉ちゃんでさえ、人の心や結婚を利用し、父のように笑う始末。
 逃げない理由があんまり無いな……(笑
と言うか直秀の死と罪が重いからこそですよね。

 恐ろしい、そして小狡く卑劣な陰謀。
得られるのは権力ただ一つ。
直秀の死を背負って、そんなものの為に?

まひろのまなざし

 生きることは苦しいのだ、人はみんな苦しんでいるのだ、間違いを政で正すべきだ
そう決心したまひろに映る世界は、儚く侘しく、愛しいものだったのでしょう。

 今まで煩わしかったいとの苦しみに寄り添い、父の女遊びを覗きに……
いやこれは生来のゴシップ好きかな(笑
ただ父の献身的な愛と貧しい女性の孤独死への静かな怒りは、直秀の死と道長の悲嘆を経た変化なように思います。

 死にゆく女性は、為時らしく学問が好きで利発な女性なのかな。

漢詩にこめるのは志

 思いを込めて交わされる詩歌!
おお平安時代〜〜!!
大きく素朴な道長の文字と、美しく正しいまひろの文字、和歌と漢詩。
藤原行成くんありがとう!
現代語訳ありがとう!

二人の契り

 今が辛いから、願いが叶わないから。
罪を知って、生まれが生き辛くて、2人は願った。
だけど生まれで、愚かさで、自分らしさが罪を犯した。

 まひろは生まれと自分の力で、正しい世に近づこうと決めた。
道長は、きっと心の奥底でその願いもあったように思います。
それでもずっとずっと、逃げたかった。
 まひろは道長を愛していたから、彼が幸せに生きるよう、彼が彼らしく進めるよう、選んだ結果なように感じました。

 罪にまみれて心繋がったまま、ではなく。
愛だけでなく、喜びに包まれるでなく、追い詰められて、狂おしい想いの果てに、結ばれた2人。
黒い闇の中で赤い鮮烈が瞬く、原色の人間の。

 一夜の、きっとこれは愛、約束、誓約。
二人は結ばれた。
誰にも知られない影の底で。

幾重もの心

 まひろは道長と幸せになりたかった。
道長に何より幸せになって惜しかった。
だから悲しくて、嬉しいと思う。
そんな涙だったのだと思います。

 また、捨てたいと思うほどの父に、失敗時に生き残ることを願われ。
かつ、汚れなきものだったことさえ父の道具に過ぎなかったのは、道長にとって救いだったのか苦しみなのか。
これも両方なのかなぁ。

寛和の変の英雄

 巨悪の陰謀、無血クーデター。
恐ろしい、なのですが小狡く卑劣な陰謀。
天をつかんだ藤原兼家右大臣家。
兼家は笑い、道隆は心酔し、詮子ははおぞましさを覚え、
道長は嫌いながらも飲み込み進むと決めた。
道綱はちょっと可哀想(笑

 策を成した、権力を奪った。
天皇を謀り、裏切って捨てた。
しかしそれを何より評価するのは兼家だけなんだよ道兼。
権力を得て、人を評価する側になって、君は変わるのか。

 陰謀で手に入れた権力で、何を行い何を得ていくのか。
とても怖くて、最高に楽しみです。

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