ぶるがり屋 2015/02/01 18:17

今週の へうげもの 感想 2015年 1月第5週

あらすじ

 大久保長安事件から、キリシタン追放令、そして高山右近追放へ。
大久保忠隣と処分も含め、処罰されない者たちにもその余波は大きく…。


へうげもの(19) (モーニング KC) [コミック]
山田 芳裕
講談社
2014-11-21

感想

 大久保長安失脚からその余波、キリシタン追放令。
そして高山右近追放と、大久保忠隣失脚へ。

 今回は歴史の流れとは遠い、脇役と言うか敗北者たちのドラマでしたが、とても読み応えが有りました。

 ほぼいきなり出て来たキャラですが、大久保忠隣、格好良いなぁ。
これぞ家康がかつて愛した、秀忠が今愛するあるべき武士の姿なんだろうなぁ。
潔い。
逸話だと将棋は最後まで指したそうですが(今Wikipedia読んだ!)、数寄と趣味と武士としての生き方を端的に魅せつけられました。
しかし板倉勝重はチョイ役と思っていましたが、大事な役を何回もこなす中堅人物でした。
大阪勢、朝廷に直接厳しく当たる立場なので、引いては重要人物になるかも?

 そしてここしばらく進んでいた、家康と秀忠の軋轢がついに本格化。
家康は息子への疑いを名言しちゃったし、秀忠は恨み骨髄に達しそうです。
秀忠の意見も権力も頭ごなしに否定したようなものだからなぁ…
大阪の陣や織部に厳しく処断するのは秀忠じゃなくて家康な流れになってきました。

 そして覚悟を決めて南国へ追放される高山右近。
右近本人の覚悟や計算も渋いのですが、やっぱり古田織部、織田長益、高山右近たち、利休の弟子3人組みはええなぁ。
年経た男たちの生き方、認め方、そして友情ですねぇ。
右近の追放で織部が反徳川に傾くかと思いましたが、少なくとももうちょっと先になりそうです。

 それにしても、古くは滝川一益、明智光秀、そして長益や織部が望んでいた、若くして功を立て、老いて家督を譲り、家の事に悩まされず数寄に生きる、という生き方。
なかなかに、難しいものですよ。
今の所、作中で成功しているの丿貫ぐらいだよなぁ…

 家康独立以降、徳川譜代として常に家康・秀忠の近くで貢献してきた三河武士、大久保忠隣。
荒木、織田、豊臣、前田だと渡り歩き、自らの進行、数寄を貫き流浪した高山右近。
全く違う生き方、立場の二人の、それでいて自分の生き方を愚直に貫いた二人の、鮮やかな退場の姿でした。
お見事!

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