ぶるがり屋 2020/06/04 03:17

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 10話の感想

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 10話
「愛する人は ずっと見守っている」の感想です。


ヴァイオレット・エヴァーガーデン1 Blu-ray
石川由依 (出演), 子安武人 (出演), 石立太一 (監督)
ポニーキャニオン
2018/04/04

ヴァイオレット・エヴァーガーデン

 愛の込められた日傘が美しく。
冒頭の遠い親族かな? 以外は皆良い人ばかりで、美しく優しい、切ない物語でした。
お母さんやヴァイオレットはもちろん、自動手記人形の仲間、年老いたメイドさんもとても丁寧に配慮していて、優しくて。

 アン、賢くて良い子なのですよね。
ヴァイオレットを人形だと勘違いしたのはまぁ、
色々人形っぽくて無機質な返答をしたヴァイオレットが悪い(笑
 アンなりに考えて頑張って、我慢して。
お母さんが言えないこともその先も分かって。
自分が悪い子だからと苦しんで。
泣き出して飛び出すのも、お母さんを泣かしちゃったから。
ヴァイオレットの法要を受け入れたのも、「腕が柔らかい肌にならない」という言葉に、ヴァイオレットの傷に触れたと感じたからだと思いました。

 お母さんが手紙を書く理由は、その手紙は誰へのものか。
「とっても遠く」はいつの誰と誰か。
明確には描かずとも丁寧な描写の積み重ねで、展開も結末もほぼ途中で分かるのだけど。
それでもお母さんのベッドが綺麗に片付いたシーンでブワッと涙が出て、母から受けたと同じように子にしたキスに胸が暖かくなり、ヴァイオレットの溢れる涙に締め付けられて、たまりません。

 いやいや50通は多過ぎるだろう!と思いましたが(笑
子の成長を願うならせいぜい25歳、多めで自分が死んだ30歳前後までで良いだろうと考えているうちに。
きっとアンへの、お母さんの想いが溢れて、書いても書いても尽きなかったのではないかな、そう思えました。


 ああ、自分の痛みさえ知らなかった少女が、
人が人を、母が子を子が母を愛することに、それが遠ざかってしまうことに泣いて、
でもその気持ちを守るために泣かず。
任務外でも子供と遊び、慰め、それでも泣かず。
やっと泣いていい場所で、涙を止められず零れるままに泣くんだ。

 「届かなくていい手紙なんてない。」
今はこの言葉も、ヴァイオレットの言葉でもあるのですね。

その愛を届けるために、手紙を届けて。


 この10話は、前回の総決算的な物語からのエピローグかな。
見る前はそう思っていたのですが、手紙を通して成長したヴァイオレットが人間になった、自分で自動手記人形として生きることを選び取ったのが9話で。
自ら手紙を通して人と触れ合っていくのが、ヴァイオレットの手紙で人が成長していく物語が、これからの『ヴァイレット・エヴァーガーデン』なのかなと思いました。
だから、もっと何話でも見たいです。

 アン役は諸星すみれさん。
素晴らしい、いたいけで感情溢れる演技でした。
すぐ後で『BNA』の主役も演じていて、今夜は諸星すみれさんアワー(1.5)でしたね!

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索