麒麟がくる 31話の感想

麒麟がくる 31話「逃げよ信長」の感想ですよー。

麒麟がくる

　金ヶ崎の戦い
あああ〜　前回に引き続き、
これぞ戦国時代！大河ドラマ!!
期待していた戦闘や光秀・秀吉の連携などは見られませんでしたが、信長と光秀を中心に、家康、秀吉の人間ドラマが…熱い！
各々の依って立つところと野望が際立っていて、時には団結し時には争う
群像劇がシビレちゃうほど面白い！

　織田信長。
「あァァァんまりだァァアァ」エシディシの感情操作術！
プライド高く、子供っぽく、下々のことは考えず。
無様は見せず、人を信じ、決断し、見栄を張るに美しい。
　おまけに部下の頑張りは見てくれるという、これは担ぎたくなる英雄ですよ。
今が大事な者なら邪魔で恐ろしく、野望を持つ者なら強く大きな希望になる。

　「主君・親以外が本名を呼ぶのは失礼」という知識が今回ちょっと邪魔でした。
「信長は生きなければならない」あたりはそうだからこそ強く覚悟の証明にもなるのですが、他は普通に殺されかねないからなぁ（笑

　明智光秀。
今まで悩みに悩んでましたが、ここで、平らかで大きな国のためには戦も人殺しも厭わぬと、覚悟決めてしまいましたね…
後の焼き討ちなで斬りが、怖い。(ガクブル
　また信長陣営で孤立していた/していくのが、経歴と性格で納得できました。
周りからだと上司に一人取り入るのがうまく、大義名分を振りかざす偉そーな奴じゃないですか（笑
　初期の美濃勢の同輩は仲悪い稲葉良ですし、中途採用から信長配下(未来)の細川藤孝がほぼ唯一の同輩なのでは。

　ただ視聴者・信長視点では全く偉そうでは無く、八面六臂の活躍に一番の苦労を背負ったのですよね。
・いち早く浅井長政の叛逆を調べ
・死にかねない信長を体を張って諌め翻意させ
・一番危険な殿を勤め上げ
・命がけで帰って褒められる前に、信長の誇りを癒し、敗戦処理のよき相談役
いやこれ主人公ですわ。
信長ももう大好き中の大好きですよ。

　「生きていれば、次が有る」
小憎らしい斎藤道三も、全てを捧げたかった足利義輝も、もう何も無いですからね…
生きて、ただ生きて。

　木下藤吉郎。
あの時間が無い折に長いなぁとは思いましたし、誇張も有りそーな気はしますが（笑
でも貧しさと己の貪欲さを憎んだのはきっと本当で、一世一代死んで当然の役目に食らいついたのは、間違いな事実なのですよね。
光秀は信長にもちゃんと報告してあげて！と思ったり（笑
　今回で藤吉郎=秀吉の、頭を下げ侮蔑され泥にまみれても、他の全てを失っても、上へ上へと上る姿に強いプライドを感じました。
無力無能な自分や野望を諦める自分だけは決して許せない、そんなプライドを。

　光秀の、義を重んじ決して私心をおかず嘘を言わないから主君に愛されるけど、藤吉郎とか伊呂波大夫とか、人身操作術に長けた者には利用されちゃう危うさは変わりませんね。
　あ、でも麒麟の声は嘘になるのか、冗談なのかな。

　足利義昭
国内平定に対し、短期的には信長・光秀が正しくて、長い戦乱の時代を終わらせたい！という願いに血を流して苦労する姿に惹かれますが、
長期的には義昭・お駒ちゃんの和平推奨、地道な人道支援が正しい場合が多いですし。
本当はより正しくは、各人が皆、出来ることをやるのが一番でしょう。
朝廷と幕府を立て、時に武力を用い、人道支援も広げていく。
　ただ義昭には金も武も無く、権威を奪われるのは死活問題という…
人生奪われて、生き死にの権利奪われて、それでも選び取った生き方否定されて、従い続けるなんて出来ませんからね…
実はプライド相当に高いようですし。
　間に入るべき人があんま仕事出来てないしな！(笑

　徳川家康
彼も幼い日の干し柿を、あの日出会った男の顔を覚えていたのですね。
理想を夢のようだと笑う家康に、光秀はその理想の体現者、仕えるべき君の横顔を見たように感じます。
でも、今はまだ遠く。

　光秀の出世と覚悟、信長との蜜月、義昭・お駒ちゃんとの断絶。
熱い戦争・群像劇とともに、悲しい未来も見せつける、素晴らしい話でした。
みんな仲良く理想に向かって欲しいと願ってしまうけど、命と理想と誇りが同じでも違うから、争うことからは逃げられないのですよね。
　光秀は、信長と同じ道は行けないといつ決めるのだろう…

　今回は鎧甲冑、そして陣羽織が実に美しく、目を奪われました。
松永久秀の猛々しい華々しさ、信長の目に強く残る鮮やかな朱と黄、光秀の背中の大きい桔梗紋。
　あと信長様の側を守る兵の動きが実に手早く綺麗で、こっちも見惚れました（笑
守る！立てる！察する！全部テキパキ！

　一つだけ不明点が。
明智光秀だけが浅井長政の叛逆を知ったのか。
誰から、どんな文が届いたのか、良く分かりませんでした。
特別忍びを使ってたとか、この地域を他の武将より詳しい…は少し有りますか（笑
文章とかちょっとしたセリフあったのかもしれないけど見逃したかも。