機動戦士ガンダム 水星の魔女 20話 の感想
機動戦士ガンダム 水星の魔女 20話
「望みの果て」の感想です。
各種動画配信サービスにて配信中
【監督】⼩林 寛
【シリーズ構成・脚本】⼤河内⼀楼
【原作】矢立 肇、富野由悠季
【出演】市ノ瀬加那、内田直哉 ほか
(C)創通・サンライズ・MBS
機動戦士ガンダム 水星の魔女
人の心ーッ!!!!
30分ず〜〜〜っと。心掴まれ揺り動かされ振り回されました。
速くて濃くて溜まっていたものが吐き出されて、物語が大きく進んだのに全く晴れやかな気持ちになれません。
ああ、うん、『鎌倉殿の13人』後期と被ってなくて良かった……
日曜日沈むわ。
マルタン律儀&オモチャ!
半分弄ばれたのに、わざわざ報告&またイヂられるマルタンがもう、可愛いっ!
後半でもしっかり、劇場のせいで傷つけてしまいそうなチュチュを止めて、ニカに謝る前の真っ正面な気持ちをぶつけて、協力する。
真面目で臆病で、格好良くて可愛くて、大好きなキャラです。
今思うと、マルタン代表の地球寮と、スレッタに怒るペトラのシーンだけが癒しだったなぁ……
口はヤンキー心は乙女
ペトラがまた、
最高に可愛い〜〜〜!!!!
ホントに口はずっと悪いけど(笑、心揺らぐスレッタを助け、ラウダの礼をしっかり届け(当人ほぼ文句でしたし)、恋を指摘されて照れるし、倒れている生徒を助けるし。
スレッタにとって、ニカ、ミオリネ、地球寮のみんなに続く「優しくて良い人」になったでしょう。
生きることはできた、母が間違っているのは分かった、でも進む道がまだ見えないスレッタに、「何のために生きるか」と問い、普通の少女の答えを吐露した。
そして、スレッタの目の前で倒れた。
そう… なのですよね。
スレッタをフォローしたり、倒れている2人を助けなかったら、砲撃を受けなかった。
でも、だから。
スレッタの、きっとこれから先のラウダの、生きて進む理由の一つになると思うのです。
「だから、人を助ける為に前へ進む」理由に。
奪った奪われた嫌いだ
正直今回、シャディクの心中と陰謀の結末まで描かれるとは思いませんでした。
こんなものは終わりじゃ無くて、これからなのですね。
グエルとシャディクのバトル、見応えたっぷりでした。
学園用調整や2人の目的を考えるに、操縦技術はわずかにグエルが上、話術はシャディクが完全に上。
物語開始前ならシャディク圧勝だったっでしょう。
戦い傷ついた末にに、危険を計算した上で生き延びシャディクも殺さなかったグエルが戦いを勝利し、自分すら駒扱いしたシャディクが戦略では勝ったのだと思います。
ただ、シャディクをよく知るグエルだからこそ単刀直入過ぎて時間を失わせ、死に逃げを許さずシャディクを、きっとこれから救うのだと思うのです。
間違って、正しくなくて、憎しみで戦って、それでも奪わず進むと決めたグエルだから。
絵が好きで、無口で皮肉屋だった少女
うわぁ、という声が出てしまいました。
冒頭で地球での虐殺を見てしまう姿に、そしてシャディクの開放するという救いの後の「魔女は最後まで利用させてもらう」の絶望か。
OPを見るたびに、ソフィは絶望と憎しみの中でも自分らしく生き切ったのだと、そんなソフィを横で見ながら、ノレアは憧れ愛していたのだと、痛いほどに伝わってきていました。
憎くて怖くて先に何も無くて、止まれないノレア。
大好きで輝いて見えたソフィの、顧みられないむごたらしい死。
圧倒的な破壊力と、孤立無援とデータストームによる、滅び。
壊して殺して、死んでいくだけの。
エランと呼ばれた少年は
アーシアンでなかった、寄り添えなかった、勇気が一歩遅かった。
それでも初めて一人生き延びる為でなく、死も覚悟して戦ったのは、喧嘩ばかりの少女の為。
素朴な絵を描く、抱きとめた体は小さく細く、震える手の怯える少女の為。
体を張って、命がけで、大声で叫んで、やっと届いた言葉の先で、少しだけ見た希望の中で
ノレアは燃え尽きた。
ああだけど、憎しみで燃え尽きるままだったノレアが、笑って生きることを考えて、愛することを思い出したのは、君のおかげなんだ。
https://twitter.com/hanae0626/status/1665274729501196289
偽エランくん、2人とも恋をして、2人とも死に別れたのか……
ガンダムで繋がり、ガンダムで絶たれた恋。
この歪んだ世界で、僕たちは
今回は喪失感が途轍もない……
失われる大事なものの多く。
シャディクはとうの昔に絶望して自分の死さえ計算に入れて陰謀を進め、傷ついて身を投げ出してそれでも何も得られないグエル。
失態に失態を重ね権力を奪われかけるベネリット、影でテロ戦力を提供していた宇宙議会連合。
目の前の壊れかけた学園、瓦礫、死体。
引鉄を引いたのはノレア。
引鉄を渡したのはシャディク。
その罪は間違いなく、でも彼らを悪として排除すれば終わりなのか。
違う、それは違うと、彼らこそが被害者だったと、私たちは見てきました。
世界が歪んで、学園という子供たちの世界も歪んでいたと、見てきました。
だから、今回。
大人の理論で敵対し差別してきた、アスティカシアの生徒たちが手を携え肩を並べ。
また、誰かを助けようと手を繋いで。
普通の少女が人を助け、ヒーローがその気持ちを思い出し、また多くの子らが人を助けようと続く姿が、輝いて見えたのです。
大きな破壊と絶望と、その中の小さな営みと希望。
前に進む理由を自分で見つけたスレッタと5号と呼ばれた少年は、何を目指すのか。
失ったミオリネは、ラウダは。
祝福と呪いを受け継いだ子供たちは。
ラウペト最高!ラウペト最高!ほら君も
今回一番辛かった気がします……。
地球寮、トマト菜園。
"幸せの象徴"として描かれて、だからこそ壊される大事なものに、ラウペトが挟まれるなんて思わないじゃ無いですかー!?
オタクの密やかな萌えだと思ってたのに、辛いわ!
逃げながら減らないペトラの文句に、「これ真っ直ぐにラウダに言えるのかな」「それとも好き過ぎて、目の前じゃあんまり言えないのかな」とかニヤニヤしてたんですよ。
だから、ペトラ。
ラウダに愚痴を言ってよ、言えなくても見せてよ、最終回はランチとディナーを奢らせててよ。
なんとか生きててくれ……ペトラ!
放映後、怒涛の供給!
水星の魔女スタッフは、本当にオタクとカプ好きと……人の心を分かっている!
分かった上で丁寧に喜ばせ傷つけ、転がしてくるぜ……!
https://twitter.com/G_Witch_M/status/1665275723194433537
https://twitter.com/G_Witch_M/status/1665274997454307328
https://twitter.com/G_Witch_M/status/1665278745811251207
正直どんな気持ちでwebラジオ市長に臨めば良いのか分かりませんよ!
いやメタな視点で落ち着かせてくれるとは思うのですが(笑