ぶるがり屋 2023/06/18 18:37

機動戦士ガンダム 水星の魔女 21話 の感想

機動戦士ガンダム 水星の魔女 21話
「今、できることを」の感想です。


各種動画配信サービスにて配信中

【監督】⼩林 寛
【シリーズ構成・脚本】⼤河内⼀楼
【原作】矢立 肇、富野由悠季
【出演】市ノ瀬加那、内田直哉 ほか
(C)創通・サンライズ・MBS

機動戦士ガンダム 水星の魔女

 今までの転機は「学園物語が終わる」でしたが、世界の秩序崩壊が始まってしまいました……
パーミットスコア6の結果、虐殺後のミオリネ、敗北後のシャディクたち、
そしてその結果、クワイエットゼロの起動、議会連合の戦い。
主人公たちは何を望み、何を選び、掴むのか。

壊れかけの空の下で

 今回学園内のカットはほぼずっと、歪み瞬く空が映り続けていました。
壊れかけた、不安な人々の心の映すような空。
 この中で、笑顔で人のために動き続ける姿が、スレッタの本質なのだろうなぁ。
今までは、プロスペラの、エアリアルの、ミオリネの指示を受けていれば正解だった、一番人を救えた。
でも今は違う。

 変わったかと問われ、「多分」と答えるスレッタが眩しいですよ。

君が困っているなら

 そんなスレッタを当たり前に助け、一緒に学生たちを助け回る地球寮メンバーがまたね!
癒しで救いですよ。

 中でも成長著しいチュチュ。
泣き言言っていた、あの塗料でスレッタを邪魔してチュチュと殴り合った2人(1人は殴り合う前にKOでしたが)にトマトを分ける姿。
もう、アーシアンだからスペーシアンだから敵、ではないのですよね。

 ニカは罪を償いまた理想を目指すと決め、マルタンのおかげだと感謝した。
マルタンは最後まで助けなかったことを謝り、ニカを応援すると誓った。
これからも仲間だと誓った。
 ああ、良かった。救われた。
…ちょっと本気で、ここで物語終わってハッピーエンドにならないかな?と願ってしまいました。
これ大河内脚本&ガンダムだから、ここで終わるわけないんだけどね!

 トマト配給をミオリネなら許すまでもないという笑い話、虐殺報道があっても、みんな信じてるんだなぁ。
あのわがままクソスペわがままな、不器用で優しいミオリネを。

風邪はどこに吹いて

 ペイル裏切った(笑
そりゃ確かにクワイエットゼロにもテロにも関与してないけどさ!
一番の悪の、今回殺し殺された非人道兵器ガンダムを作ったのは議会連合だし、ガンダムで少年少女殺してたのペイルじゃん!

 おまけに現れたクワイエットゼロ要塞とガンドノードに対し、誰何せず発砲してるのですよね。
この世界の暴力の垣根ひっくー!!
 こりゃデリングが強行するし、最高権力者になりますよ。
建前が必要でも、最終的に武断と暴力でのみ動く世界……。

巨大な敵、巨大な悪

 データストームによる地球圏支配とは、もっとオンライン的で一方的支配だと思っていたのですが、思ったより物理でした。
クワイエットゼロ、SRPGのボスユニットじゃん!(笑
これから先、ガンドノードを広げれば地球圏支配になるのかな?
それとも一度支配したらネットワークが繋がり続けるとかなのか。
物理的距離と時間が大変そうな。

 議会連合が急に繰り出してきた艦隊規模もMS数も世界が傾くレベルの数で、それをたやすく駆逐してしなうクワイエットゼロの恐ろしさよ……

 これ多分ZやZZの戦死・大破数より多いんですよね。
普通に行えてしまうプロスペラとエリクトの精神性も恐ろしく。
またこんな大戦禍ですら一人で背負ってしまうミオリネの優しさと真面目さが、本来は立派なものなのに、痛ましいですよ。

罪と弱さと

 叶えたい夢があった、大事な仲間が居た。
人を騙し、傷つけ、学園破壊に協力し、この大戦禍につなげてしまった。

今まで仲良く楽しく仕事して居ましたし、本来は似た特性だと思うのですよ、ニカとベルメリア。
技術者で、技術で人を助けたくて。

 でもベルメリアは、一度も他の選択肢がなく、一人生き長らえ、理想に違え、人を傷つけ、騙しながら生き続けてしまった。
自ら謗り、謝り、泣いて膝をついても。
ゆっくりと足を痛めないように膝を落と寿司、aペイル社の人体実験や今回大戦禍に協力したことも話さず、今またスレッタが七に赴こうとしても、非難はして求めはしない。

 でも、ここで終わりたくはない、とも思って居るように感じます。
ベルメリアを見てニカが贖罪の覚悟を新たにしたでしょう。
そしてベルメリアも、強○されず殺されない今この状況で、ニカの隣で、何を選ぶのか。

生きて、その先で

 5号(仮称)くん生きてた!逃げてた!ちゃっかり仲間になった!(笑
いやもー、スレッタと5号くんの図太さ生き汚なさ、そして優しさが好きだなぁ。
プレイボーイエラン様の真似をやめたら、格好良い少年なんだ。

 ペイル社4CEOへのお灸も期待してますが、それより地球に降りて、ノレアのスケッチの場所を回って欲しいですよ。

大人の責任

 「嫌なもんだな。大人っていうのは。」
グストン査察官、最終的にスレッタを化物棺桶ガンダムに乗せることになってしまいましたが、最初から最後まで、お願いしてるのですよね。
この作品に数少ない、相手に、子供たちに選択肢を提案してくれる大人。
そんな人だから苦しんでしまうこの世界が怖いし、ミオリネスレッタたちが変えていって欲しいですよ。

2つなくても

 母と姉に置いていかれた、一番愛した人に置いていかれた。
人を殺した。

傷ついて、動けなくて、そこから、ついにここまで来たのですねぇ。
もっと傷ついても、何も得られなくても、やるべきだと思ったから、進む。
傷つけないために、守るために。

 死地に飛び込むスレッタを助けないわけがないチュチュ、誰も一人にしないと勇気を振り絞るマルタン。
地球寮と一緒のスレッタ、スレッタを助ける地球寮のみんなが、本当に癒しで救いです。
みんな幸せにあって欲しいなぁ。

 ふと。
スレッタは、多くの人たちも守りたいように、プロスペラとエアリアルも守りたいのかな。

ラウペトー!! えっそっち!?

 ペトラ生きてたー!やっほい!
何もかもにおいていかれて奪われたラウダの闇落ちは当然な流れでしたが
「あいつのせいだ……ミオリネ!」はえっそっちー!?でした(笑
言われてみればスレッタには同類感沸いてたし今のグエルを引っ張って行っちゃったのも、悲劇を起こした(と見える)のもミオリネかー と納得。

 ラウペトは2期から割と丁寧に描かれたので、ここに来てのラウダのミオリネの敵化は大きな役割があると思って考えて。
死んでも殺してもミオリネ&スレッタにとってそこまでの関係性ではないですし、関係性の強いグエルもこれ以上失っても物語的意味が思いつかないのですよね。

犠牲に出来ない、のではなく

 全部自分で背負ってしまって動けないミオリネに、ラウダは問うのかな。
自身の罪と、デリングとベネリットの罪まで背負って動けないミオリネに、生の憎しみの声をぶつけて、ミオリネの生きる意味と戦う意味を思い起こさせるのだろうか。
それは間違った憎しみだけど、間違いなく遺された遺産で、ミオリネが変えたいと願う憎しみの連鎖なのだ。

 ミオリネは搾り出せるのか。
デリングでもない、プロスペラでもない、スレッタでもない、グエルでもシャディクでもない、
ミオリネの進む道を。

 個人的には、「誰ももう、犠牲にできない」ではなく。
「犠牲にしない世界を作るんだわ凄い私が!」という答えを期待しています。

 ただラウダくん、ミオリネの魂の答えよりもグエルの説得の方が止まりそうなんだよなぁ(笑
あ、いやだからこその「父の死の真相」なのか。

ラウダの間違い

 これは完全に二次創作的妄想なのですが、
ラウダにとって女性は"大事なものを傷つけて去っていく"存在で、だから最愛の兄グエルを奪ったスレッタとミオリネを憎むし、ペトラが去っていくことに耐えられないんじゃないかな、と妄想したり。

呪い、ガンダム!

 『ガンダム』という作品&ブランドで、愛されキャラがファンからガンダムに乗らないでー!と思われるの凄いな(笑
ここまでガンダムそのものが厄い作品は初めてですよ。
今はまだ道筋が見えませんが、物語の終わりに、この呪いは祝福に変わるのか。

 そして罪と祝福を背負った主人公2人、スレッタとミオリネは、どんな答えへ進むのか。
OPのように、スレッタとミオリネは、お互いが居るから自分の道を選び取って、お互いが隣に居ないから、自分の道を進むのだと、そう思っています。

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