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どうする家康の記事 (42)

ぶるがり屋 2023/10/30 18:45

どうする家康 32話 の感想

どうする家康 32話
「小牧長久手の激闘」の感想です。


見逃し配信 - どうする家康 - NHK

【作】古沢良太
【音楽】稲本響
【出演】松本潤、岡田准一、有村架純、野村萬斎、イッセー尾形 ほか
【デザイン】GOO CHOKI PAR
(C)NHK

どうする家康

 決戦!小牧・長久手の戦い
徳川家康と豊臣秀吉、天下を大きく左右した戦、勝者は。

まずは悪口作戦!

 なかなか動けない中、最初の策は「悪口・侮辱作戦」!
『三国志』の曹操を誹謗した檄文を書いた陳琳を思い起こします。
向かい合った両陣で罵り合うシーンも見ますし、一般的な作戦なのかな。

 やはり寺育ちは違う……!
学と知恵と筆運びとくると、榊原康政なのでしょうね。
とはいえまだまだ悪口慣れてないのが見えて可愛い(笑

 それでも痛いところを突けたのか、秀吉は流してるけど、やっぱりムカついてますね。
周りも織田勢の先達・同格だった者たちからはバカにされてて。
まだまだ血筋と正統性の穴が痛いのかな。

新・羽柴勢

 羽柴秀長、可愛い弟君だ。
真面目で戦略も政略も知るし、これは有能ですわ。
カリスマと異能は無さそうですがけど、人をまとめる誠実さと人当たりの良さ。
秀吉に欠けている「信頼」を埋めてくれる人材ですね。

 大きな戦力は、「筑前」呼びの池田恒興に武辺の森長可。
いかにも小田は以下の名将といった威風ですが、好き好んで秀吉についているというよりは、恩を売って得をする為、盤石ではない関係ですよね。
 悪口の看板持ってきたのは、恩を売るより面白がってるほうが比率が高そうな(笑

 しかし子飼いの武将も育ちつつあり。
加藤清正と福島正則が登場。
特に加藤清正、まだ若いのにこの秀吉に具申する勇気と真面目さを持てるのか。
これは器が大きいですよ。

徳川勢の今

 膠着状態を変える一手は、羽柴勢の「中入り」!
徳川麾下、戦略眼は本多正信が随一ですね。
またちょっとサボってるけど(笑

 はや、とことん斜めな正信と真っ直ぐ過ぎる井伊直政との確執か、と思ったら似た者同士か(笑
この2人組むと物騒だなぁ(笑

 代々の家臣でないからこそ、自ら家康を主君と選び取った2人。
「憎んだり恨んだりするのが苦手」なのは良い評ですよ。
こんなに違う2人なのに、惹かれる理由は同じ。
「戦なき世を作るのはそういうお方だ」

いざ出陣!

 皆でつなぎ合わせた知恵に知略に、土にまみれて兵にまみれて。
榊原の成長、本多忠勝榊原康政のライバル心、忠勝の強がり。
若き四天王の成長、心根。

 そして彼らを率いるは、徳川家康。
今川義元に学び、織田信長に鍛えられ、武田信玄から兵法を学びとり、
何よりよき家臣たちに恵まれたから、
今、天下を獲る!

 でもよく考えたら信雄の前だよ!(笑
形式上は主君だよ!

今こそ見せよう徳川の武

 いやもう痺れました。
今まで君主としての全てを昇華した徳川家康。
今までの苦難の全てを力にした徳川の将たち。
敗北に屈辱に耐えて耐えて、ついにつかんだ天下分け目の戦いの花舞台!

 四天王の一番槍
榊原康政!

 父母から受け継いだ誇りと、武田より引き継いだ恐怖の証・赤備え
井伊直政!

 天下無双
本多忠勝!

 全員格好良かったですが、この3人でさらに燃えました。
特に本田忠勝、不格好なのに強そうで、気合に溢れてて、最高ですよ。

秀吉の敗北

 「中入りはわしの策ではねぇ」
地の底を這うような、低く淀み乾いた声。
最初秀吉とは思えませんでした。
それほどまでにこの敗北が、予想外で屈辱だったのか……

 今まで人の心のなさを見せつけ続け、家康たちを苦しめ続け、お市・柴田勝家を殺した秀吉の、狼狽。
いや~本当にムカつくし嫌らしいし、負けると小気味よい、最高の悪役ですよ。

徳川の勝利!

 爽快な、今までの徳川家の歩みの総決算たる勝利でした。
うんうん、これはもちろん勝利のえびすくいで締めですよね!(笑



 しかし、この勝利は戦国の終わりでも天下取りでもなく。

 勝利に沸く武将たちと、遠く眺める石川数正。
衰えたのではなく、今までの若さと老練というだけの差だけでなく。
京を大阪を、今の政治・支配形態を秀吉の強さを知るから。
一人だけ戦略政略を持つ視点が有るから。
今の勝利だけでなく、違うものが見えてしまうのか。
だから、一人だけ違う道を選んでしまうのか。

どうする家康

 次回予告。
小牧長久手の戦いの後… ってそれよりも
真田昌幸きたー!
しかも名優佐藤浩市さん!

これだけでも見る価値100%ですよ。

 次回、『裏切者』
おお、秀吉が問いかけた!
その言葉は
「どうする家康」

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ぶるがり屋 2023/10/30 18:41

どうする家康 31話 の感想

どうする家康 31話
「史上最大の決戦」の感想です。


見逃し配信 - どうする家康 - NHK

【作】古沢良太
【音楽】稲本響
【出演】松本潤、岡田准一、有村架純、野村萬斎、イッセー尾形 ほか
【デザイン】GOO CHOKI PAR
(C)NHK

どうする家康

 小牧長久手の戦い・前編
徳川家康 VS.羽柴秀吉 直接対決。
天下分け目の戦い と言えなくもない時代の大きな岐路になった大戦。
ついに天下の形を口に出し、打って出る徳川家康。
古老と四天王の成長と絆が、初回から見てきた視聴者にとって感慨深い回でした。

敵も味方もリニューアル!

 回を増すごとに装束が艶やかになってきましたが、今回は特に全員模様替え+各々"らしい"戦装束になり、目が楽しかったです。
家康は恰幅が増し勇ましく清涼な君主然。
徳川家臣はまさに武士中の武士といった勇ましさ。
羽柴秀吉はどんどん派手に、でも今回はちょっとダボついてて似合わなかったかな?

我ら徳川四天王!十六神将!!二十四将!!! …あれ?

 決戦を前に、一人一人と確かめ合う家康。
過去と今、そして未来を思わせる今までの視聴者へのご褒美であり、また家康の人心掌握術の成長を感じさせてくれました。

 二古老四天王との絆はどれも痺れましたが、本多忠勝との絆は唯一ですね。
もうとっくの昔に最高の主君と信じ切ってるくせに、認めていないと嘯き、天下取って当たり前と笑う。
第一の臣で、反省を共に過ごした最高の友だ。

 …あ、本多正信は四天王じゃなかった!
古老扱いしてた酒井忠次が四天王筆頭だった!
これちょいちょい間違えちゃうんですよねー。

石川数正は何を思う

 徳川家臣団の中で、一人直接秀吉と会い、裏切りも打診され。
家康の下なら死ぬも良し天下狙うも本懐という武辺ものばかりの家臣団の中で、一人沈む石川数正。
 家康や忠勝の成長ぶりにもう自分は不要、後を任せても良いとまでは考えているのでしょうが、この後の決断は、何が彼をそうさせるのか。
家康方が滅びない、止まれる「手打ち」のため、かなぁ。

 『へうげもの』の愛読者だったので、初花肩衝の登場にめちゃくちゃ興奮してしまいました(笑
秀吉の実と利と美と人をどのように見定めるのか、ぎゅっと詰まった名シーンですよ。

名将英傑新登場!(居ました

 小物で素直な織田信雄、猛々しい偉丈夫・森長可、戦国の勇・池田恒興と、典型的かつ期待通りのキャラ、笑っちゃうけど満足!
織田信長のように叱る家康に、「はい!」って答えちゃう信雄が情けないけど可愛いですよ(笑

 正直初期から織田家臣にいて欲しかったですが、登場から活躍までぎゅっと詰めて見せるだけに、印象深い演出ですね。
いややっぱりもっと長く見せてー!

残された人、拾う人

 於愛の方も良かった。
瀬名は自分を認めて見出してくれて、同好の士で、夢を見せてくれた人。
家康と瀬名、大恩ある2人なのですよね。
 言ってくれないことも分からないこともある、だからこそ、自分が出来る最善を、2人の為に尽くす。
良い人だ。

どうする家康

 今までの全てがここに。
天下へ向かって大決戦!
次回、『小牧長久手の激闘』
どうする家康。

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ぶるがり屋 2023/10/29 14:11

どうする家康 30話 の感想

どうする家康 30話
「新たなる覇者」の感想です。


見逃し配信 - どうする家康 - NHK

【作】古沢良太
【音楽】稲本響
【出演】松本潤、岡田准一、有村架純、野村萬斎、イッセー尾形 ほか
【デザイン】GOO CHOKI PAR
(C)NHK

どうする家康

 家康の罪と報い
おお……おお。
王道を目指し、覇道に抗い、なればこそ諦めざるを、約束を破らざるをえなかった。
取り零した、救えなかった。
これが、神君家康となる罪。

清洲会議

 丹羽長秀、池田恒興登場。
もっと早く出て〜!
今まで織田勢の描写がどれだけ薄かったことか!
と思ったけど、長秀はもうこの後出ない可能性も高いな……
恒興は徳川にとって池田家がそれなりに重要なのでまだ出番は有りそうですが。

 Σあれ、前田利家この流れで出ないの!?

 織田家が幕府レベルでは武力で成り上がったのもあって、信長が死んだら完全に実力主義ですね……。
正統性は大事だけど、担保するのは武力。

織田に準じた男、その最期

 柴田勝家、死す。
う~ん、もうちょっと、ほぼ唯一初期から描かれていた織田信長家臣として、元々の人物の側面として、丁寧に描いて欲しかったのです。
ちょっと残念。

 描写の少なさは置いておくと、愛する主君に想いを馳せ、同じ瞳の愛する姫君の側でずっと戦い続け、命を捨てて守り侍った柴田勝家の姿。
寂しく切なく、とても美しいおじ様でした。
「一緒に育った姫君を最後まで共にした騎士様」で、とっても好きです。

 それでも愛する姫お市が、一緒に死ぬと最後に選び取ってくれた。
報われた、んだろうなぁ。

お市の誇り

 お市の方、死す。
信長にどうしようもなく惹かれ、家康と約束した、悲劇の姫。
美しい着物の姫姿も美しかったですが、甲冑に身を包み天守から見下ろす姿は、何よりも美しかったですよ。

 信長には遠く及ばず、女としてい政治戦略に翻弄され、奪われ、憎しみも遠くなった先に、幼い頃夢見た姿を選びとって。
そして死んでいくのですね……
儚く苛烈で、美しい。

苦渋の、選べない選択

 うぐぐ、少年家康と少女お市の約束が、ここまで苦しい約束になろうとは。
道義と情を捨て、瀬名と信康の願った夢に背き。
しかもきっちり前々回でお市との約束を浮かび上がらせて、徳川家臣団もお市が好きになって、
からのこれですよ!
胸が痛い……!

 臓腑を抉り出すよな苦しみで選ばざるを得なかった選択肢、「お市を助けに行かない」も、当然のようにお市に通じても救いにはならず、まさか。

浅井三姉妹の物語

 ずっと大河に「浅井三姉妹視点のドラマ見せてくれないかな〜」と思っているのですが、思いがけず叶いそうで、とてもワクワクしています。
勝者・英雄目線でない、勝者で敗者で、織田豊臣徳川全てでかつ敵でもある視点から描いたドラマ。
見たい!

 そして今回。
母を愛し、母の愛と苦しみを知り、力と戦と敗北を知り、家康を憎んで天下を狙う烈女・茶々。
織田の血に翻弄され、と豊臣を呪いながらも一部となり、徳川の大敵となる。
 新鮮な人物像で、なんと最後の敵に相応しいことか。

 このドラマ、戦国の「女の戦い」も折々に強調して描いていて。
築山事件のように男性側がその戦いを救いのように求めてしまうの描写は今までもいくつか描かれてきたと思います。
しかし今回のお市ー茶々のように、間違っている「女の戦い」が描かれるのは初めて見ました。
「憎しみを増幅し続ける男、憎しみを止める女」という理想像でもなく、今までの間違った戦いである「男の戦に入って間違える女」でもなく。

 様々な過去を持つ男女が各々に自分の立場で、戦国を戦い抗い、苦しみ嘆き、間違って傷ついて、奪って失って、生き抜いているのがこのドラマの良さの一つなのだ。
そう、感じます。

魔王を継いだ男 秀吉

 「今までで一番良い顔してるで」
エグい!
そして戦友勝家への情も、お市への敬慕の念も無い!
残酷酷薄人の心が無い秀吉は今まで何作も描かれてきましたが、ここまで愛も情も見えない秀吉像は初めてですよ。
秀吉にとって「利用できる」以外の価値を持っている相手、信長と家康ぐらいしか確定してませんし。
それも「利がある」なら見殺しにしますよね。

 そして今回、こんな底が無い化け物を、より計算高さとドス黒さで驚愕させた茶々が本当に恐ろしく、悲しい。

どうする家康

 今回、とても好きです。
家康が天下を取るために切り捨てた、真田の約束とお市との信愛。
生き延びるため、天下を獲るために捨てた白兎の優しさが、家康の最後の敵を生む。
家康の首を食い千切らんとする、もう一度切り捨てなければいけない人々になるのですね。

 次回、『史上最大の決戦』
苦しんで、捨てて、裏切って。
やっとつかんだ天下への道。
どうする家康。

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ぶるがり屋 2023/09/21 01:24

どうする家康 29話 の感想

どうする家康 29話
「伊賀を越えろ!」の感想です。


見逃し配信 - どうする家康 - NHK

【作】古沢良太
【音楽】稲本響
【出演】松本潤、岡田准一、有村架純、野村萬斎、イッセー尾形 ほか
【デザイン】GOO CHOKI PAR
(C)NHK

どうする家康

 少年漫画的エンターテイメント!
 徹頭徹尾陰険な小物なだけな光秀像は嫌いだけど、
NINJAバトル!
うさん臭さしかない本田正信!

はいはい笑ったよ!私の負けー!

 史実とか現実的にはありえなかろうが、芯が入った描写で笑って燃えちゃいすよ。
よく分からない本気を感じます(笑

THE 小物!明智光秀

 終わって考えてみると、家康と信長と秀吉の物語からするとノイズで。
また人の心を蹴飛ばしてきた光秀と、人の心を掬い背負ってきた家康との違いを描いてきたのですね。
だからこそ、長い太平の世を築いて栄光と中心に満ち満ちて死んだ家康と対比して、三日天下で無様なまま独り死ななければならない。

 酒向芳さんの明智光秀、ちょっと残念な人物描写でしたが、笑っちゃうほど小物で嫌味ったらしい、お邪魔な光秀でした。
お見事!

NINJA !

 なんでこんなに殺陣が良いの(笑
本当にこの作品は、NINJA BATTLEを最高に魅せてくれますよ。
ブラボー!

伊賀越えは冥府越え

 今までは力尽きて王道人道を守れませんでしたが、今回は誓い通り、最後まで人を信じ人を守る家康の覚悟。
そして情だけでも理だけでもなく、相手を見て利を語る能。
だからこそ、命をかけて守る家臣たち。
築山事件と本能寺を経て、成長した家康を見せつけられました。

 正信は一度は抗っても敬愛し続けた。
大鼠は命を捨てて戦い言葉を尽くして嘆願した。

これこそが本当の家康の徳であり。
家康の政が認められ報われた瞬間であり、家康が目指す天下を理解した転機になるのかな。

 それにしても"いけしゃあしゃあ"本田正信"THE NINJA 悪役"百地丹波、そして家康の理も利も立場も違う問答が最高でした。
この3人のシーン、無理だろうとは思うけど、また見たい!

間違えられて死んだ裏切り者

 穴山梅雪……!
権謀術数を操る名将が理想に殉じようと奔走し、裏切られ裏切り、枯れ果てて。
最期に贖罪として死を選ぶ。
瀬名の夢想、厭離穢土浄土の理想、家康の願雨世の為に。

 美しい死でした。

NINJA、忍者、侍、人

 NINJA描写はおかしいのに、服部一党の夢想と現実が、
生々しくて辛い!
そうですよね、名家で権力あったら故郷に居続けますよね。
逃げるように這い出て、帰れないから物語当初の困窮っぷりだった訳ですよね……。

 家康最大の危機(その2)の転機で、「武士になった」と認めることが、「徳川家臣になった」証なように思います。
半蔵が、大鼠が、服部党が、
また本田正信が、徳川一家になったのだ。

戦国の女性の人生、大鼠編

 戦国の道具としてでしか価値を見出せなかった大鼠が、瀬名の願いを受け継ぎ、家康の特に惹かれ、生来の優しさ強さを伴侶に求められる。
戦国での民の苦しみ、女性の苦しみを何度も何度も描いてきた今作ですが、初めて明るい未来が描かれた気がします。

 大鼠は結婚して、よくどつくかかあ天下がいいなぁ。
半蔵がまだまだちょいちょいダメ男なので、仲良く頑張って欲しい。
そしてまた、戦国でしたたかに元気に生きる女性の姿を見せて欲しいですよ。

どうする家康

 光秀の首を見る秀吉、怖~い笑顔だよ(笑
次の天下人は、無貌の道化師、羽柴秀吉!

 清洲会議から羽柴秀吉の織田勢支配、抗い立つお市。
「信長を殺す」と振り上げた拳の先は既に散り、倒すべき敵は居るのか、大義はどこに在るのか。

 次回、『新たなる覇者』
どうする家康。

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ぶるがり屋 2023/09/21 00:27

どうする家康 28話 の感想

どうする家康 28話
「本能寺の変」の感想です。


見逃し配信 - どうする家康 - NHK

【作】古沢良太
【音楽】稲本響
【出演】松本潤、岡田准一、有村架純、野村萬斎、イッセー尾形 ほか
【デザイン】GOO CHOKI PAR
(C)NHK

どうする家康

 待ち人、来たらず。
笑って、アクションに手を握って、やっぱり笑って、でもあまりにも哀しい。
そんな本能寺、織田信長の最期でした。

闇に堕ちた武神

 昏い瞳の本多忠勝が怖くて悲しくて。
そうだよね、築山を経て、瀬名の死と家康の変貌を見て、平八郎も変わらないはずないものね。
病んでも当然だものね……。

 と思ったらお市様訪問に目を輝かせ、惚れ抜きそうな本多忠勝。
目に光が灯って良かったは良かったんだけど、「ギャグ補正」と「女に弱い」スキルが付きそうな(笑

魔王 織田信長は如何にして

 勝気で繊細で人好きな信長が如何にして魔王と生きたのか。
答え:藤岡弘、に育て鍛え抜かれたから
なのがズルい(笑

 藤岡弘、さんの織田信秀の言動が「なら言う」説得力の塊で困る(笑
いや藤岡弘、さん当人は優しさも大きいのですが、この優しさの欠けた厳しいばかりの藤岡弘、に育てられたらこうなっちゃうよ!
強いよ!圧が強過ぎるよ!

魔王を殺すのは勇者か次の魔王か

 信長の本心と恐怖の吐露、そしてお市様の憎しみと願いの言葉。
ああ、ここまで来てもまだ、変わり切れないのか。
未熟で甘い白兎のままなのか。
 憎しみも捨てられず、信長の優しさも孤独も苦しみも分かってあげられて。
だから迷って惑って、だから生き延びるのか。
だから、人を救えなくても、その心を掬え続けて生きるのか。

魔王の死、人間の死

 「あっ死んだ……!」と思ってからが長いし強い(笑
ちゃんと致命傷は致命傷だったのですが、岡田准一無双が過ぎる(笑

 父・信秀の呪いをまとって孤高の魔王と生き抜いて、理想を叶え欠けて、死ぬ。
白い寝巻きがどんどん血で赤く、心が家康と過ごした日々に熱く染まって。
唯一愛した家康に心染めて……
「なんだお前か」
で笑っちゃいましたが、絶望するでなく、光秀を憎む訳でなく、天下を少しだけ語りかけるのは意外でした。

 多分、信長にとって光秀はお気に入りはお気に入りだったのでしょう。
でも家康は愛した弟で、自分を憎んでも怖がっても最後まで隔絶しない、唯一の人間だった。

 信長は最後を家康に葬ってもらうという夢が潰え、また孤独に死んでいく。
最愛の弟の記憶に浸って終わるのは、幸せと言えるのか。
巨大な魔王の死に世が揺れる中、一人死を悲しんだのがその家康だったことは、救いなのかな。

 本能寺は、喜劇で悲劇で、気持ち悪くて滑稽で、一緒に突っ込んでしまえて、哀しく寂しい物語でした。

化け物・秀吉に人の心はあるか

 秀吉、ちゃんと信長のこと愛してた(笑
死を望んで予測してたけど、ショックを受けて呆然とするほどに。
でもすぐチャンスだと思い出して、自分の野望を優先した。

 そしてこっちも光秀を計算してなかった(笑
もう!みんな光秀の扱いがヒドいよ!

忠臣・森蘭丸

 蘭丸……
務めを果たしたな。
短い時間、少ないカットだったけど、美しく烈しかったよ。

どうする家康

 結果として謀反者とならず、引き続き天下を狙える立場な訳ですが、
愛と野望の狼王・信長が消えたら、次は無貌の道化師・秀吉な無理ゲー具合ですよ(笑
まーこの2人の後、石田三成や毛利輝元や前田利長がどんなに傑物でも怖くはないですね。
天下を取るしかない。

 天下にどう繋がるのか、と思ったら伊賀越え&NINJAで1話使う気か(笑
とはいえ大河ドラマファンとしては、やっぱり伊賀越えは期待しちゃいます。
次回、『伊賀を越えろ!』
どうする家康?

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