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どうする家康の記事 (42)

ぶるがり屋 2023/02/19 23:23

どうする家康 7話 の感想

どうする家康 7話
「わしの家」の感想です。


見逃し配信 - どうする家康 - NHK

【作】古沢良太
【音楽】稲本響
【出演】松本潤、岡田准一、有村架純、野村萬斎、イッセー尾形 ほか
【デザイン】GOO CHOKI PAR
(C)NHK

どうする家康

 エグーい!!
家康の名前、その名の願い。
全部坂から転げ落ちるフリじゃないですかー!?

子供可愛や、妻可愛や

 一族郎党の滅びを背に、再び結ばれた元康と瀬名。
影が無い訳では有りませんが、2人ともお互いを愛し、その愛を疑っていないことに、大きく胸を撫で下ろしました。
多くを傷つけて失ってきたから、生き残ったか族には幸せになって欲しいじゃないですか。
仲睦まじい4人の姿は、尊いものですよ。

 いやまぁ、歴史の先を知ってるとこれはこれで痛々しいんだけどさ!
だから今はまだ幸せに浸らせといてよ於大の方様!
いやーホントお邪魔で邪魔な姑でしたよ(笑

 だからこそと、「国」を「家」と目指した家康の夢が輝き、だからこそ誤った家康の姿が、苦しいです。

『鎌倉伝の13人』?

 「泰」の名とか子供に水遊びは危ないとか、変に鎌倉伝を思い出してしまいました(笑
家康が『吾妻鏡』を読み込んだのは、この一向宗戦の後なのかな。

対等な織徳同盟、可愛い家康

 木下藤吉郎&織田信長こわ〜!
無断で領内で策略調べてるのも武力振るってるのも、「鷹狩り」なのも、皆殺しなのも、全部「可愛い弟分の家康の為」に見えてしまいます。
「対等な関係にしてやってるのだから、しっかり支配しろ、成長しろ」という。
 こうなると、藤吉郎が殊更下品に際したのも、家康の部下たちに威圧的・懲罰的に見せない為だったのかな、と。
 これはこれで怖い無茶振りな気もするのですが(笑

 そして、ここで「怖いから」で資金問題を解決しなかったのも、また罪だという描写。
対等でなくなる危惧はそれなりの理由ですが、民からの収奪と、個人的な恐怖心では、為政者としてどちらを選ぶべきだったかと言えば……

 信長からも藤吉郎からも、本田正信からも千代からも、称される「可愛い」は。
家康の人柄で魅力であり、未熟さなのだろうなぁ。

渡辺半蔵守綱登場!

 木村昴さんそのままやんけ!
なんかもー出て30秒でキャラ全部分かる造形でした(笑
こりゃ悪意無く家康ベシベシ叩くし、千代に全部言っちゃうし、従っちゃいますよね。
そして戦後の顛末も納得です。

 偉そうで古そうな名前だと思ってはいましたが、渡辺綱の子孫なのですか。
なるほど納得。

三河平定、敵は一向宗

 多くの戦国武将にとって長く辛い戦いでありながら、大体本願寺勢の描写だけで終わる一向宗との戦い。
地方の一向宗の描写が丁寧に辛辣に描かれて、新鮮です。
歴史ファンとしてちょっと嬉しかったり(笑

 そして、その魅力と恐ろしさ、そして戦国時代という地獄を見事に見せつけてくれました。

 描写はめちゃくちゃ怪しかったりもしましたが(笑
俗世から地続きの、解放される幸せの国、本證寺。
 室町から浄土真宗が生まれるのも納得ですし、戦国で勢力ますのも納得するしかないですよ。
収奪される民はどこで救われるのか、飯を奪われず、奪い返せる力はどこにあるのか。
一向宗の寺内で、救われるのだ。
 空誓の言葉は為政者から見れば無責任で害悪ですが、国を守らず民を守れずずっと税奪って来てなんで領主なんだ、というのも確かなのですよね。

浄土は此処に

 うへぇ〜 と声が出ました。

 土着、宗教、救い、王道・覇道の対抗勢力。
空誓の人の心を掴むカリスマ、千代の怪しげな魅力、戦国の世に傷つき疲れた人の心を救う、逃避させてくれる、平等、音曲、賑わい、飯、欲、何もかも。

 かつて家康こそが逃げ出そうとした"浄土"に、誰が魅了されまいか。
国の主、為政者としては一向天国を否定しなければいけない。
憎くて許せなくて怖くて、だから否定した、だから誤った。
無法に、力づくで、城で飯を頬張りながら命じてしまった。

 一向宗側もギリギリであることが分からなくて、お互い望まず殺し合いになってしまったのか。
これからの一向宗との戦いと惨劇が、国に家を求めたはずの、家康の明らかな失策、罪として描かれる。
 最後、家族の民たちに打ち倒され刃を向けられる家康の、涙と絶望が、痛い。

どうする家康

 現代の民主主義者の私から見れば、せめて領主と寺で談判、交渉して進めるべきだったと思えますが、果たしてお互い譲歩するほど信頼出来たか、当時の時代性で出来たかというと……

 少しでも良い選択は出来たのか、私には、分かりません。
敗者と弱者だった筈の元康の、家康となって弱者から奪ってしまった結果は。
愛するわが家の家族に刃を向けられた家康は。
ああ、どうするんだ、家康。

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ぶるがり屋 2023/02/12 23:37

どうする家康 6話 の感想

どうする家康 6話
「続・瀬名奪還作戦」の感想です。


見逃し配信 - どうする家康 - NHK

【作】古沢良太
【音楽】稲本響
【出演】松本潤、岡田准一、有村架純、野村萬斎、イッセー尾形 ほか
【デザイン】GOO CHOKI PAR
(C)NHK

どうする家康

 どうする氏真
今回ばかりは、『どうする氏真』でした。
再起した服部党は成功し、その結果に惑い苦しむ今川氏真。
 勢力は半壊、頼みとする有力家臣は多くは死に残った者も多く反し、幼馴染の元康は今や敵の最前衛。
大事な愛する者たち、だったはずなのにも信じられず、殺すべきか罰するべきか、自分で選び取らなければならぬ。
苦しみに沈む、氏真のドラマ。

結成!本田元信&服部半蔵TAG!

 前回で強い絆で結成したと思った、本田元信と服部半蔵の絆がもう解けた(笑
早過ぎるよこのイカサマ師!(笑

 そこからの颯爽登場、大鼠(2代目)の外連味っぷり…… 最高ですね!
最後まで見ると半蔵の気持ちを慮ったり気に入ってたりと、今回からはこっちのコンビに興味津々です(笑

 元信はまたそこからもヒドい(笑
情報を集め考え差配するのは確かに有能ですが、言動が責任放り投げで全く信頼出来ない!
石川数正との会話はもうコントなので、ぜひ毎回やって欲しいですよ。
でしょうな!(笑

 そしてこの失敗した、出会ったばかりの2人を、元康は信じて使う。
元康は元信の才覚を、半蔵の信念を信頼し始めたように感じました。
将の器が成長してきている、と。

猛将の卵、榊原康政

 あんなニヒルな小坊主っぷりから、意欲あふれる小姓へ。
可愛いなぁ、こやつ!

 一番槍の本多忠勝を尻目に「一番乗り〜!」はちょっと卑怯だけど、それでも危険なのは変わらず、勇気ある若者なのですよね。
そりゃ忠勝も認めますし、煽りもせずに助けますよ。
いいなぁ、青春だ。

NINJA大戦!

 わーい!忍術合戦だ!
油断させ、影に乗じての戦いと破壊工作。
特に小石を落としての合図に起き上がる服部一党の姿、震えちゃいましたね。
格好良いぜ!

 甲賀も戦力としては十分だったと思いますが、人質作戦は失敗。
仲が悪いと言うほどではなく、雇われた別会社、程度の関係でしたね。
武装の金額レベルの差が一番激しかった気がします。

 ただ、武士の誇りと忍者の食い扶持と言う、隔絶は前回より深く描かれたように思えます。
武士の誇り高い武芸を競う戦いは踏みにじられ、忍の金のための人質作戦は誇りのために潰えかける。
それでも、幼い鵜殿兄弟が生きながらえ、半蔵が嫌いとこぼしながらも頼り蹴り飛ばされる仲になったのは、救いだと思えるのです。

武家の命の懸け時

 巴お母様…(涙
前回までは名家のお嬢様らしい甘さが見えましたが、やはり戦国時代の武家の嫁。
命の懸け所を知っていますね……
そんなもの知らない方が良いのですが、この時代では誇りとても大事なのですよね。
関口夫婦、牢屋で子と孫のあっぷっぷーを見ながら、覚悟していたのか。

 花園で出会った甘い恋人と、戦争で分かたれ、戦場で再会する。
多くを失い、多くを諦め捨てて。
今の元康と瀬名の間には何が残って、いつかの守らねばならぬ命を懸ける時は。
関口の仕置きをずっと傍で見た石川数正の覚悟は。
ああ、怖い、怖いですよ。

どうする氏真

 今まで松平家の悲哀を描いてきたように。
今回は丁寧に丁寧に、今川家の辛い空気を描いていました。
こんなことしたくない、正しく優しくありたい、でも罰し殺さなければいけない。
 そしてその辛さを今川氏直が一番背負っているのを知っている。
多くの兵も、岡部殿も、だから辛くても苦しくても、氏真を見ない。
一番苦しんで一番迷っていると、見なくても分かるから。

 肩を怒らせ暗い瞳で、憎しみの言葉ばかり吐き続ける氏真に。
自分たちを殺す関口の誰も憎しみを返さず、だから叱るのですよね。
諭して、すがるのですよね。
今川の主人たれ、正しくあってと。

 川を挟んで英傑が対峙。
でも元康と氏真の瞳は合わず。
2人に見えていても、その瞳に映るものは、我々視聴者には分からない。
許さないのか、殺すのか。
川に瀬名を、川を渡る先に元康を見ながら、采配を強く握り、ぶるぶると震え。
振るおうとしながらも、子供の愛に満ちた声に、父を愛する言葉に、ふっと力が抜ける。

「父上ー!」

 今はただ自問する氏真に、父にすがる子を殺せようか。
ああ、父よ。
今はもういない、偉大なる父よ。

面白きこのドラマ

 いやー、、今回も感情が揺さぶられまくりでした。
戦国の非情と隔絶を残酷に描きながら、忍者のNINJAっぷり、榊原康政の青春ギャグ漫画キャラ度と本田正信の胡乱っぷりはなんだ!(笑
忍者と武士、大領主と小国の武士の隔絶の悲哀はなんだ!
それら全てが一つに収束して、描かれる敗者の悲哀はなんだ!
燃える、辛い、面白い。

 きっとこの多くの人々の望みと悲哀を背負うのが、徳川家康なのでしょう。
一人一人の苦しみと、拘りと、執念と、我欲と、希望と、悲しみを。
今、元康が氏真に何を思うのか、聞きたいな。

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ぶるがり屋 2023/02/05 23:16

どうする家康 5話 の感想

どうする家康 5話
「瀬名奪還作戦」の感想です。


見逃し配信 - どうする家康 - NHK

【作】古沢良太
【音楽】稲本響
【出演】松本潤、岡田准一、有村架純、野村萬斎、イッセー尾形 ほか
【デザイン】GOO CHOKI PAR
(C)NHK

どうする家康

 ああ〜
重厚な演劇も良い。史実に則った厳密な物語も良い。
情動に絞ったドラマ、好きー!
いやもう笑って死んでいく、下賤で嫌われていると分かって死んでいく者たちが格好良いんだよ!
泣いたよ!

 作戦会議のコントに笑って、本多正信の懐柔術に笑って、元康の報いる心に感心し、服部党の再結成に燃えて半壊に泣いて、巴お母様と田鶴の失敗に苦しんで、
正信と半蔵の再起に…燃える!

新しい家族

 「妻も子もすぐ新しく作れるよ!」はこの戦国時代に正しく、また切られた側の於大の方が言うのが重く正しく、またこの新しい義弟妹たちともいつ関係が切れるか分からないと感じさせて重いですよ。

 それでも諦めない松平元康と、その気持ちを、苦しみと勇気を知って助けようとする家臣たちの関係だけは、切れないものであって欲しいですよ。
…いや切れちゃう人も居るのは知ってるんですが。

智将・本多元信

 偽本多(笑
これは確かに知略謀略が得意で、信頼されず嫌われますわ(笑
武辺一本槍の本多忠勝とは水と油ですわ(笑
 服部半蔵をか懐柔するのもまぁ騙しはぐらかし。
コントか!

 ただ三河者の気質なのか、他の戦国絵巻の軍師たちと比べると特に卑怯でも卑劣でもないのですよね。
嫌われる一番の理由は、虚偽で戦いに赴かず、命を張らなかったからじゃないかなー。

卑しき悲しい獣たち ニンジャ!

 服部党再結集にもうワクワクドキドキですよ
なんだその収集ギミックは!(笑
うらぶれていたプロフェッショナルたちが集まっていくシーン、燃えないでいられるか!

 でもその姿は服部半蔵が忌み嫌う通り、醜く汚れ、下卑た獣のようで。
隠密の技は確かでも武装した侍には敵わず、忠でなく金でしか動かない者たち。

 でもそれは当然なのですよね。
役もなく禄もなく、人が生きるのに下賤で何が悪いか。
いや悪い事はしてるんだけど(笑、
家族や子の為に、命を捨てて銭を稼ぐ男たちは、渋く格好良いですよ。
笑って守り死んでいく者たちは、誇り高い戦士ですよ。

 と見せて、その子供たちに外連味たっぷりの女キャラ持ってくるの、卑怯だなぁ(笑

服部半蔵は忍びではなく、本多元信は鳥飼ではなく

 蔑み哀れんでいた者たち、必死に生き家族の為に主人を守った。
金と俸禄の為に動かした者たちは、己の失策の為に死んだ。
の血を張らなかった者たちが、多くの命を失わせてしまった。
 ああ、夢を見ていた半蔵と元信は、元康と同じ過ちをしたのですね。
だからきっと元康は、過ち傷つき、もう一度と願った2人を信じたのでしょう。

騙した者、騙された者

 一流の忍びであった服部党がなぜ失敗したのか。
半蔵と元信が足りなかったのは事実ですが、こう来ましたか…

 ここで巴お母様が不満が有っても優しく甘えが有っただけで、そして田鶴が本当に関口家と瀬名を苦しめる気が無かったことが、そう伝えられていなかったことが、知らずに自ら明かしてしまったことが、辛い……
 そして騙し残酷な制裁を与える今川氏真も、騙され裏切られた側で、決して悪でも間違っている訳でもないのですよね。

 未だこの世は地獄なり。

どうする家康

 ああ、きっとこの物語は、敗者と弱者の物語なのだろう。
蔑み哀れみ救われ、罪を背負った者は、服部半蔵で本多正信で、徳川家康なのだ。
己の弱さに慟哭し、己と付き従うものたちの血と涙を流しながら進む、家康の遠き浄土への道程なのだろう。

 妻と子を奪い、駿河を平定するために、まずは鵜殿長照との戦いを、
どうする家康。

これからどうなる家康!?

 どんどん人物が集まってきて、楽しくなって来ました。
このキャラたちでの三方ヶ原、伊賀越えがどうなるのか(笑
 そして王者、聖者として抗う側の家康が、支配する側になった後、治世の為の圧政、お取り潰しはどう描かれるのか。
もう楽しみでたまりません。
どうする家康!

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ぶるがり屋 2023/01/29 22:26

どうする家康 4話 の感想

どうする家康 4話
「清洲でどうする!」の感想です。


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【作】古沢良太
【音楽】稲本響
【出演】松本潤、岡田准一、有村架純、野村萬斎、イッセー尾形 ほか
【デザイン】GOO CHOKI PAR
(C)NHK

どうする家康

 いやー、隆慶一郎や本宮ひろ志作品を読んでる気持ちですな!
悲劇!怒り!主人公立つ!
外連味たっぷり、狼となって殺すか兎のまま踏みにじられるかの乱世の中で一人、元康だけが優しいまま刀を振るう。
覇者と覇者の境で傷つき苦しみながら、王道を進む。

紫禁城、清洲

 岡崎の土と藁と木で作った城から、広大な紫禁城へ。
道も装束も建物も兵も、川も街も全てが違う。
分かり易い!(笑
笑っちゃうくらい、頭に刻まれるくらい、画面の力が強いですよ。

 内情も織田信長の独裁恐怖政治ですし、暴力が当たり前の構造で怖い!
水野信元叔父さんも逃げてんじゃ無いよ!
いや気持ち分かるけれども!(笑

市、藤吉郎、勝家

 「織田信長」という絶対覇者の下に集う傑物たち。
元康配下と違って、意見が違っても物も言えず、ただし従うのみ、といった空気が重い。

 お市の方が女信長というのも新鮮で惹かれるキャラ造形ですが、ゆえに下に付き従うしかないお市の方が痛々しく、そして最後に兄信長にチクリと返すのが晴れ晴れしくもあり。
 信長に近い知略と胆力を持ち、魅力あふれ武芸に通じ、でも女で。
ただ一人優しくあった元康に恋し、だからこそ元康の苦しみを理解し、兄と元康のために最良の、哀しい道を選び取る。
 美しく哀しい、女性でした。

 だからこそ元康との「絶対守る」の約束と、信長に従い藤吉郎に振り回される勝家を見るに、遠い未来の悲劇がより深く見えるのですよね……。

 そう、その悲劇を深める藤吉郎、その闇。
おそらく唯一信長の深謀遠慮、戦略の深さを完全に理解し、かつ人の心が欠けた巨怪。
にこやかにへりくだりながら憎しみを溜め込み嘲笑い。
 これは笑顔で虐殺する魔王豊臣秀吉ですわ。

 織田信長・豊臣秀吉・徳川家康、若き戦国三傑が揃うシーンも魅力たっぷりでした。
格好良い〜!

残された瀬名、裏切られた氏真

 共に暮らした岡崎配下の者たちが殺され、今川に通じる一族なのに裏切り者扱い、側室にすら扱われない。
今はまだ瀬名の愛に疑いはありませんが、それでも元康との間に亀裂が出来そうで、時代があまりにも残酷で、誰も悪くないのに2人が苦しんでいて、辛いですよ。

 親族を痛めつけ、幼馴染を手篭めにし、元康を脅迫する今川氏真。
その哀れなほどに鬼気迫った顔は、幼い頃から恋した瀬名と、弟のように愛し信じ劣等感を抱いた元康に、裏切られた苦しみからだとしか思えないのです。
 強大な一族が綻び偉大な父を失い、自分一人で支えなければ滅びる。
その重圧の中、元康と瀬名が心の支えだったからこそ、許せず憎い。

 …あれ、ちょっとみんな、
元康に重い感情抱き過ぎじゃない?
下手すると幼馴染の正妻・瀬名が3番目くらいじゃない?

魔王・織田信長の弟

 最後、お市の言葉を聞いてみれば、確かに破格の扱いなのですよね。
ほぼ対等の約定、境界は松平任せ、妹を嫁に出す。
それは元康を仲間に、弟にしたいということ。

 ああ、これは「信長殿を我が兄と存じてます」で実は最高に喜んでて、相撲でも調停でも抗ってきたのが嬉しくて、信じたい相手なのだろうなぁ。

 踏みにじるか踏みにじられるか、どちらかしか選べない戦国乱世で、優しさに涙を流しながら抗う元康を、瀬名が氏真が、市が信長が、信じたいんだ。

どうする家康

 妻を子を愛している。
国を郎党を民を守らなければいけない、忠義を尽くしたい、愛した人を傷つけたくない。
でもそれには、力がいる。
力を得なければ、何も出来ない、守れない。
だから元康は、決めた。
涙を流し血を流し、力で守ると奪うと決めた。

 そう、今回は珍しく45分が終わる前に腹を決めた家康=元康なのに、今川にも織田も勝てないから今まで苦労してきたわけで、やっぱりこの先も「どうする!?」の連続なのですよね。
一安心も浄土も見えないまま……

 とりあえず来週は本多正信と服部半蔵、不足している知略と搦め手ですか。
戦略SLGの仲間集めみたいで、ちょっとワクワクしています(笑

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ぶるがり屋 2023/01/22 22:32

どうする家康 3話 の感想

どうする家康 3話
「三河平定戦」の感想です。


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【作】古沢良太
【音楽】稲本響
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どうする家康

 1話2話も十分地獄だったのに、本当の地獄を見せてくれました。
これが戦国時代の習い……

本多平八郎忠勝討死!

 前回死ぬか死なないかドキドキした鳥居忠吉はどんどん元気になるし、平八郎は疲れて倒れてただけだし(笑
ちょっと三河勢の武士、丈夫過ぎですよ!

 戦国の世に周りは敵だらけ。
それでも武士は武士は意気盛ん、農民も生き生きと参戦。
三河・岡崎の和やかで元気な様。
そして駿府の瀬名ひめと子ら、郎党たちの妻子たちとの仲睦まじい日々。

 これが最後の、現世の地獄に繋がるとは……

敗戦また敗戦

 そんな化け物三河武士を除けば、負ければ当然人は死に。
ギャグ的描写だった「忠勝討死」も、多く人が死に、忠勝が死んで当然の戦いだったということでしょう。
もう慣れたはずでしたが、流石に首桶中身描写はキツかったです。

 今川勢は本領立て直しで精一杯。
三河勢は化け物が何人かいるけど、忠誠心と武力がそれなり、軍略ギリギリなんとか、外交政略はからっきしと見せてくれますねー。
国衆だけで織田と戦わされて痛い痛い。
 まぁ今までは有っても今川支配下で若領主が人質では使ったらまずいぐらいでしたが。

 徳川勢の知略担当というと(検索して)本多正信かぁ、遠いなぁ。

叔父・水野信元と母・於大の方

 家は滅亡寸前、妻子とも会えず。
その中で敵対してきた叔父と、ずっと会えなかった母との再会。
信じられないような顔からおずおずと差し出された手を拝むように掴む元康、そして涙の抱擁。
見ているこちらも涙が出そうでした。

 でも、ここは戦国乱世。
家を守るために、家臣と民を守る為に、父はなぜ子を捨てたか、母はなぜ追われたか。
ずっと会いたかった、愛しい母を追い返すしかなかった元康。
田畑を渡り、泥に塗れて懇願する酒井忠次と石川数正。
きっと2人にも駿府に親しい人が居て、それを元康も分かっていて。
愛する家族の文を、子らの手形を泥に塗れさせて、泣く元康が、
同胞を裏切り泣く元康が、哀しい。

 叔父も母も悪人では無い。
いや水野信元はちょっと悪人な気がするけど(笑、
悪意で元康を苦しめているのではなく、本当に元康の為に動いていて。
戦国の世では、本当にこれが唯一の最善で。

厭離穢土欣求浄土

 過程で郎党と民が死に大怪我をし、
結果で妻子を捨て、主君と同胞を裏切り殺し、配下の家族が殺される。
元康は、涙を流して生き抜いていく。

 コミカルな演出に、情け深い三河勢ばかりなのに、新たな味方はヤクザ、状況は地獄ばかり……!
水野信元とか織田信長とか、絶対自分から頭を下げたく無いけれど、状況がそれを許してくれず、地獄は深まるばかり。
麒麟は来ず、厭離穢土欣求浄土ははるかに遠い……

尾張ってどんな国?

 『どうする家康』
ライトな雰囲気かと思ってたら、コテンパンにやられました。
 と思ったら次回予告
尾張が、信長と元康の再会がトンデモなさそーな!?
家康の苦労も少年漫画世界観も、目が離せないなぁ(笑

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