ぶるがり屋 2023/02/12 23:37

どうする家康 6話 の感想

どうする家康 6話
「続・瀬名奪還作戦」の感想です。


見逃し配信 - どうする家康 - NHK

【作】古沢良太
【音楽】稲本響
【出演】松本潤、岡田准一、有村架純、野村萬斎、イッセー尾形 ほか
【デザイン】GOO CHOKI PAR
(C)NHK

どうする家康

 どうする氏真
今回ばかりは、『どうする氏真』でした。
再起した服部党は成功し、その結果に惑い苦しむ今川氏真。
 勢力は半壊、頼みとする有力家臣は多くは死に残った者も多く反し、幼馴染の元康は今や敵の最前衛。
大事な愛する者たち、だったはずなのにも信じられず、殺すべきか罰するべきか、自分で選び取らなければならぬ。
苦しみに沈む、氏真のドラマ。

結成!本田元信&服部半蔵TAG!

 前回で強い絆で結成したと思った、本田元信と服部半蔵の絆がもう解けた(笑
早過ぎるよこのイカサマ師!(笑

 そこからの颯爽登場、大鼠(2代目)の外連味っぷり…… 最高ですね!
最後まで見ると半蔵の気持ちを慮ったり気に入ってたりと、今回からはこっちのコンビに興味津々です(笑

 元信はまたそこからもヒドい(笑
情報を集め考え差配するのは確かに有能ですが、言動が責任放り投げで全く信頼出来ない!
石川数正との会話はもうコントなので、ぜひ毎回やって欲しいですよ。
でしょうな!(笑

 そしてこの失敗した、出会ったばかりの2人を、元康は信じて使う。
元康は元信の才覚を、半蔵の信念を信頼し始めたように感じました。
将の器が成長してきている、と。

猛将の卵、榊原康政

 あんなニヒルな小坊主っぷりから、意欲あふれる小姓へ。
可愛いなぁ、こやつ!

 一番槍の本多忠勝を尻目に「一番乗り〜!」はちょっと卑怯だけど、それでも危険なのは変わらず、勇気ある若者なのですよね。
そりゃ忠勝も認めますし、煽りもせずに助けますよ。
いいなぁ、青春だ。

NINJA大戦!

 わーい!忍術合戦だ!
油断させ、影に乗じての戦いと破壊工作。
特に小石を落としての合図に起き上がる服部一党の姿、震えちゃいましたね。
格好良いぜ!

 甲賀も戦力としては十分だったと思いますが、人質作戦は失敗。
仲が悪いと言うほどではなく、雇われた別会社、程度の関係でしたね。
武装の金額レベルの差が一番激しかった気がします。

 ただ、武士の誇りと忍者の食い扶持と言う、隔絶は前回より深く描かれたように思えます。
武士の誇り高い武芸を競う戦いは踏みにじられ、忍の金のための人質作戦は誇りのために潰えかける。
それでも、幼い鵜殿兄弟が生きながらえ、半蔵が嫌いとこぼしながらも頼り蹴り飛ばされる仲になったのは、救いだと思えるのです。

武家の命の懸け時

 巴お母様…(涙
前回までは名家のお嬢様らしい甘さが見えましたが、やはり戦国時代の武家の嫁。
命の懸け所を知っていますね……
そんなもの知らない方が良いのですが、この時代では誇りとても大事なのですよね。
関口夫婦、牢屋で子と孫のあっぷっぷーを見ながら、覚悟していたのか。

 花園で出会った甘い恋人と、戦争で分かたれ、戦場で再会する。
多くを失い、多くを諦め捨てて。
今の元康と瀬名の間には何が残って、いつかの守らねばならぬ命を懸ける時は。
関口の仕置きをずっと傍で見た石川数正の覚悟は。
ああ、怖い、怖いですよ。

どうする氏真

 今まで松平家の悲哀を描いてきたように。
今回は丁寧に丁寧に、今川家の辛い空気を描いていました。
こんなことしたくない、正しく優しくありたい、でも罰し殺さなければいけない。
 そしてその辛さを今川氏直が一番背負っているのを知っている。
多くの兵も、岡部殿も、だから辛くても苦しくても、氏真を見ない。
一番苦しんで一番迷っていると、見なくても分かるから。

 肩を怒らせ暗い瞳で、憎しみの言葉ばかり吐き続ける氏真に。
自分たちを殺す関口の誰も憎しみを返さず、だから叱るのですよね。
諭して、すがるのですよね。
今川の主人たれ、正しくあってと。

 川を挟んで英傑が対峙。
でも元康と氏真の瞳は合わず。
2人に見えていても、その瞳に映るものは、我々視聴者には分からない。
許さないのか、殺すのか。
川に瀬名を、川を渡る先に元康を見ながら、采配を強く握り、ぶるぶると震え。
振るおうとしながらも、子供の愛に満ちた声に、父を愛する言葉に、ふっと力が抜ける。

「父上ー!」

 今はただ自問する氏真に、父にすがる子を殺せようか。
ああ、父よ。
今はもういない、偉大なる父よ。

面白きこのドラマ

 いやー、、今回も感情が揺さぶられまくりでした。
戦国の非情と隔絶を残酷に描きながら、忍者のNINJAっぷり、榊原康政の青春ギャグ漫画キャラ度と本田正信の胡乱っぷりはなんだ!(笑
忍者と武士、大領主と小国の武士の隔絶の悲哀はなんだ!
それら全てが一つに収束して、描かれる敗者の悲哀はなんだ!
燃える、辛い、面白い。

 きっとこの多くの人々の望みと悲哀を背負うのが、徳川家康なのでしょう。
一人一人の苦しみと、拘りと、執念と、我欲と、希望と、悲しみを。
今、元康が氏真に何を思うのか、聞きたいな。

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