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麒麟がくるの記事 (44)

ぶるがり屋 2021/01/04 00:04

麒麟がくる 39話の感想

麒麟がくる 39話「本願寺を叩け」の感想ですよー。


NHK大河ドラマ「麒麟がくる」オリジナル・サウンドトラック Vol.2
ジョン・グラム
2020/9/2

麒麟がくる

 本願寺の出番少なっ!
本当に明智光秀視点、さらに織田信長との関係が主なのですね。
この割り切りは気持ち良いと同時に、この配役での外伝やら局地戦ドマラも見たくなります。
2時間たっぷり金ヶ崎の退き口やら信長包囲網の中での対斎藤龍興戦とか見たいなー!!

 今回は制御がますます効かなくなる信長を中心に、振り回され苦労が増える光秀。
そしてその中で制御役である光秀に期待が集まる…という展開だったと思います。
それだけならまだ良かった-まぁ戦争が続き人死には増えてますが、まぁ良かったとして-
明智光秀の一番大事なもの=家族、自分を信じてくれる一族郎党、その中でも一番大事なものが失われてしまった。
しかも、信長の横暴が遠因となって。

 煕子の心中がついに描かれました。
普通の一人の女性であり、古き良き武家の女として妻として耐え忍んできたと分かり。
苦労に苦労を重ねて家も再興し子らをもうけ、やっと幸せな家庭になってきた筈なのに、愛する夫はがむしゃらに働き続け戦い続け、果てには死にかけようとした時の、煕子の表情と言葉が、辛い。
本当に大事に思い合った、似た者同士の夫婦なのですねぇ。
古い文化と規律を重んじ、耐え忍び、身を粉にして家族郎等を大事にする。
 だからこそ明智家は、織田信長と羽柴秀吉とは決定的に違う、道が違えると重く強く感じました。

 そしてまさか、光秀を愛するから、その理想を光秀に見たと、
愛と理想を託したまま死んでしまうなんて-
自分のためには動けず、多少以上の主にでも耐え忍んでしまう光秀がどう本能寺に向かうか、まだ分かりませんが。
この願いを背負ってしまったら、愛する妻の最期の願いを叶える為なら、光秀は謀反を起こせるだろう、そうはっきりと思いました。

 煕子の死んだ後の光秀の姿が見られなかったことが、重くて悲しくて、辛い。
ああ、どれだけ光秀は-


 今回信長は今までより激しく横暴で、また今までになく光秀の意見を突っぱねたままでしたが、何が変わったのか。
信長の中でのルールは変わらないままなように考えますが、

①今までも反対意見には罰を与えてきたよ、今回は褒美が無かったから意見聞かなかっただけ
 坂本拝領も丹波攻略も実は罰含みで、命令聞かない者、思い通り動かない者にはもともと厳しい、とたまたま今まで上手くいってただけだったのはありえるかな?

②認めてくれる、喜んでくれる人が多い方が正しいルール
 初期は帰蝶と光秀ぐらいが信長を理解し、認めてくれる存在でしたが、今はもう信長を認め褒めそやすものは数多。
光秀は大好きだし天皇も松永久秀も好きだけど、「自分を褒め言うこと聞いてくれる=自分を大好きな人の喜ぶ選択を最優先」に傾向変化しちゃったのかな。


 また大きく本能寺=滅びの結末へ進んでしまった展開で悲しいのですが、それはそれとして次回の松永久秀・平蜘蛛爆死が見られそうで、ちょっとウキウキしてしまいます(笑

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ぶるがり屋 2020/12/27 23:34

麒麟がくる 38話の感想

麒麟がくる 38話「丹波攻略命令」の感想ですよー。


NHK大河ドラマ「麒麟がくる」オリジナル・サウンドトラック Vol.2
ジョン・グラム
2020/9/2

麒麟がくる

 
 断ち落とされた百合のように、儚く美しい、気高い死。
三淵藤英は敗北して泣き残酷な奸計を経ても、最後まで気骨品格ある武士らしかったなぁ。
古き良き、正しい武士。
そんな憧れを本人に直接言える十兵衛が眩しく、また織田信長と木下藤吉郎とのさを感じて。
 強者に抗っての死は誇りある選択で。
同時に足利義輝・義昭と同じように、強く正しくあろうとして時代の流れと巨大な権力に呑まれてしまったようにも映ります。

 主君とのマジ問答やら菊丸と連れ添っての潜入クエストなど、物語初期を思い出す展開でニマニマしちゃいました(笑
「帰れ!」「帰ります!」「呼び戻せ!」
いやー近習は大変だ(笑
 でも褒美&罰が重過ぎたり、菊丸の正体を知ってしまったりと、決して昔のままではないのですよね。
お駒ちゃんとの遠いままの距離が、それも表していたのだと思います。

 菊丸を最初藤吉郎だと予想してましたし、理由の一つが猿顔だからなので、なかに気に入られるのは当然と流しそうでした(笑
人脈や情報源広げるの上手いなぁ。

 前の坂本と同じく、攻略も支配も難しいけど要地の支配権を与えると言うのは、信長からすると同志&才能ある者への期待と評価だと思うのですが、前後の流れから命令違反への罰っぽくもあるのですよね。
信長としては純粋に褒美&評価だけど、光秀からすると罰も含んでいる、というところかなー。

 バテレン登場は、そんな信長がまた朝廷以外で光秀とは違う方向に大きくなってしまう前兆でしょうか。
その余波がまさかの光秀"第六天魔王"コスだとは(笑
似合わなかったのは長谷川博己さんの演技の力で、悪い顔して笑ってれば似合うと思いますよ!
 煕子が一人褒めてたのは光秀が好き過ぎてなんでも素敵に見えるからだと思いますが(笑

 これからも明智光秀&長谷川博己さんの様々な衣装、楽しみです!

 今回は最終章の始まりだったのかな?
幕府も将軍もすでに"終わったもの"であり、新しい織田政権の産みの苦しみと権力のうねり。
 そしておそらくは、光秀にとって最大の苦難とも言える丹波攻略の始まり。
平和を望む光秀にとって残虐な手段を取らねばならない難行、
褒美とも罰とも取れる信長の命、
信長政権内での地位と権力、支配地域や敵対勢力などの「本能寺の変」を起こす下地。
 まだ見えない栄華とその先の滅びへの道が始まってしまった… そんな風に感じました。


 どうでも良い話ですが、『へうげもの』の初期と時代が被り、『新九郎、奔る!』と場所が近づいていますね。
歴史と物語の連続を感じて、勝手にワクワクしています(笑

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ぶるがり屋 2020/12/20 23:56

麒麟がくる 37話の感想

麒麟がくる 37話「信長公と蘭奢待」の感想ですよー。


NHK大河ドラマ「麒麟がくる」オリジナル・サウンドトラック Vol.2
ジョン・グラム
2020/9/2

麒麟がくる

 
 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛〜
時の流れが!重い!痛い!
敗北した足利義昭や三淵藤英も、勝利した織田信長や木下藤吉郎も、時代に流され、乗っているのですよね。
この流れを導いた明智十兵衛光秀すら、もう流れを変えることも止めることも出来ず、流されるままでしかいられない…

 前回から一週間、信長包囲網+武田信玄進軍が週またぎで崩壊してて吹きました(笑
が、これ義昭からするとたまったものじゃないですね…
 後半の信長の増長と合わせて、立場と権力で人は変わらざるを得ない、と言うことなのでしょう。
無力、付け焼き刃の剣術、侮蔑すらしない優しさ。
全力で人を助けようとした優しく人が良い好青年が、無力と権威と臣に絡みつかれて頑張って、悩んで苦しんで頑張って頑張って、その果てに間違ってしまった。
 負けてもなお、最愛の駒を前にしても、間違ったかもと悩みながらも進み続ける、涙混じりの哀れな姿。
ああ、ああ。
優しく人が良かったからこそ、今もそのままなのに、変わってしまった、間違ってしまったのだなぁ…

 木下藤吉郎の「勝った我ら」には新しい時代を作る信長・藤吉郎が入っているのでしょうけど、光秀も入っているのかな。
それとも「勝ち馬に入れ」と引き入れようとしているのかな。

 絶対のピンチを逃れ、将軍も幕府も追いやり天下・畿内を支配した(よね?)信長。
気持ち良いくらい増長してますね〜(笑
仲が良かった筈の松永久秀の命を軽んじ、権威の形ばかり求めて。
 笑顔だけはまだ可愛いのに、"認められた!"と幸せな信長の、可愛い所がどんどん落ちていって、無邪気な恐ろしさがどんどんむき出しに…
蘭奢待をねだるのも正親町天皇に分けプレゼントするのも、「認めて!」「喜んで!」なだけなのですよね。
本質的には変わっていなくても、権力を得て、結果と影響だけが化け物として成長していく…
 正親町天皇の「信長は変わった奴だ(意訳)」の言葉と表情の冷たさ、その重苦しいBGMの突然の終わり。
怖いよー!

 三淵藤英の、裏切られた悲しみをぶつけるしかない泣き顔。
そして最後の達観したような穏やかな表情と仕草。
美しいのに寂しい落日に、何より足利室町幕府、一つの時代の終焉を感じました。
 きっと足利義輝が死んだ時にもう幕府は死んでいたのだと思います。
ただ、一度将軍を見捨てた藤英は、もう二度と見捨てられなかったのじゃないか、そう感じるのです。
だから、幼子を殺すと言う残酷で卑怯な手段を選んでも足利幕府の再興に全てを捧げたのだと。

 藤英が二度と主君を見捨てないと決めたように、きっと伝吾も人生を決めるのだろう。
そして多くの者が新しい人生を見つけて裏切ったように、このまま「信長の時代」に流されるままでなく、自分の人生を選ぶのだろうと。
 藤英と見たあの落日は、光秀自身が導いた「信長と光秀の時代の終わり」も暗示しているような。
そんな風に思えるのです。

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ぶるがり屋 2020/12/13 23:40

麒麟がくる 36話の感想

麒麟がくる 36話「訣別」の感想ですよー。


NHK大河ドラマ「麒麟がくる」オリジナル・サウンドトラック Vol.2
ジョン・グラム
2020/9/2

麒麟がくる

 織田信長と足利義昭=室町幕府、その訣別。
分かってはいた、おそらくはずっと前から何度も何度も告げられて、光秀自身も本当は分かっていた。
それでも、ついに、ついに来てしまったと感じます…

 優しく厳しく、自らを律し公を守り、しきたりや文化を愛する清廉な武士。
その教養高さと時には飛び越えてしまう烈しい心、そして家族を愛する一人の男。
今回は明智光秀の良い所全部描かれましたがー

 光秀の悪い所、大事な人を丸ごと信じちゃう・許しちゃう、好き嫌いが激しいのにそれを行動理由にしない、そんな良識を他人にも期待してしまう、理想を見て醜い感情を見ない、
そんな欠点が、光秀にとって一番悪い結果として叩きつけられてしまいました。

 力と理想ある武士が、将軍を戴いて天下を平らかに。
でもそれは、本質的には光秀だけの理想だったのか。
泣きじゃくって逃げ出すなんて格好悪いのに、この訣別を止める地位と立場は、明智光秀であって、明らかに光秀自身のミスなのに。
それでも、ただ逃げ出す姿が可哀想で仕方ない。
 光秀一生の理想が、一度は叶いかけたのに、壊れちゃったのだものなぁ。
光秀自身は忠義こそ一番大事にしたい筈なのに、何度主君を失うのか。

 先週から期待していた正親町天皇との非公式接触も、それ自体が素晴らしいからこそ、義昭の未熟も空回りな奮闘も変心も、何もかも色あせてしまったから…
 ただこの変化も、最後の決め手は光秀だったと思うのです。
攝津晴門を追放して将軍・幕府自体に力をつけようと、誇りを取り戻そうとした結果の、不恰好な空回り。
力ある将軍となると決心したからこその、自分の理想と誇りを汚す信長との訣別。

 皆が各々勝手に光秀に期待していると示された今回ですが、今一番、光秀に期待しているのは、義昭なのじゃないかな。
 あの鳥が、世俗に染まりきれない美しい鳥が、自分を導いて、自分を好いてくれるのではないかと。
でもその鳥は、家族が大好きで妻の柔らかい膝枕が大好きな、涙もろい一人のおっさんなのですよ。
英雄や天下人の夢や期待を背負うには、あまりに小さな人なのですよ。


 今回、織田家中との語らいが有って勝手ながらほっと安心しました。
良かった、漏らしちゃヤバい不満も、酔っての口論も見せられる信用・信頼のある間柄で。
ちょっと親目線で心配してましたよ(笑
 考えてみれば木下藤吉郎の殿が認められず怒ったのも、煙たがっても人柄は信頼しちゃいますよね。

 佐久間信盛がやっとちゃんと喋った!
多くの作品では臆病者の無能として描かれる彼が、慎重で思慮深く、従順で優しく人を信じやすい人と、逸話とも合致する形で描かれていて、あとやっぱり優柔不断っぽくて、なんとも彼を好きに、優しい気持ちになりました。

 あ、『信長の忍び』の汚名上等退却好きな佐久間信盛もあれはあれで好きですよ(笑
あの個性爆発のるつぼの中でキャラがめっちゃ立ってて。
でも私は、人の弱さが大好きなのです。優しさとか美学とかで、自分さえ傷つけてしまう弱さが。

 斎藤義龍、覚恕と推しが次々に舞台を去る中、次の推しは君だよ!
この後を知ってはいるけど!

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ぶるがり屋 2020/12/06 22:11

麒麟がくる 35話の感想

麒麟がくる 35話「義昭、まよいの中で」の感想ですよー。


NHK大河ドラマ「麒麟がくる」オリジナル・サウンドトラック Vol.2
ジョン・グラム
2020/9/2

麒麟がくる

 室町幕府、その時代の終焉。
時代の変わり目には動乱がつきもの、というかそのものが動乱ですが、大胆で激しい、目を離せないドラマですね!
簡単に人が死ぬ時期でもあるので、体現は御免被りたいものですが。
 結果として光秀は、幕府そのものの実力を削ぎ、その死を早めてしまった訳ですが…
敬愛する足利義輝の死、その時にはすでに死んでいたと、いつか知るのかな。

 摂津晴門は思ったより実力ある策謀家でしたが、やっぱり覚悟は無かったですね。
そして何より敗因は、言葉ばかりおもねってその実侮り蔑み、人を軽んじること。
光秀の情熱を愛する人の多さ、足利義昭の誇りを測らなかった。
優しい義昭の命に従ったら放免ぽかったので、抵抗してくれた時には「やった!」と声を上げてしまいました(笑

 今回の主人公は、足利義昭ですね。
信長は寺であり幕府の形を変えようとし、晴門は幕府を恣にし、それでも幕府の存続を願えば従う以外に無く。
三淵藤英も明智光秀も、本当は頼るのでは無く、彼らの立派な主君をしたいのに。
こめかみの歪な皺も元通りに、駒ちゃんに縋る姿も、光秀に答える様も、あまりに悲痛で。
 挟まれる光秀の苦労をずっと見てきて同情してきましたが、挟む以外の道を自分で選ぶことさえ出来ない義昭の苦労を、今回は痛く感じました。

 なか様喧しい(笑
でもだからこそ本当のことだと伝わってきます。
明智家は一家どころか郎等ごと真面目過ぎるので、これから彼女たちと仲良くなってくれるといいなぁ。

 教養高い公家でオタクで博士で、三條西実澄いいキャラだ。
あのまま何も答えず、そして多分光秀に嫌われず追い返し(ちゃっ)た人柄が憎めず、
彼をして分からないと言った正親町天皇、情報網とその見識の深さが怖いですよ〜。

 光秀もお駒ちゃんも、大夫も化粧と撮り方が中年らしくなってきましたね。
久々、見たかったよ伊呂波大夫!
金さえあればちゃんと動いてくれると信用されてて、お駒ちゃん分かってるなぁと(笑
光秀、天皇様Loveな大夫を連れて言って上げてー!
と思いましたが、大夫は遠くから推すタイプなのかも。

 そして、動乱と暗殺を真っ直ぐ走りきった我らが明智十兵衛光秀。
お前もういい年だろ!
今も若い頃のまま、無鉄砲で正直で頑固で、その呆れ笑ってしまうほどの真っ直ぐさで。
ああ、光秀ですよ。
そのままに、思いと願いと苦労を背負うのですね。
 ただ実澄の前での「帝は〜」の部分は「自分にとっては将軍ですが」と言わないあたり、やっぱり歳をとって"言わない"ように成長してるのですね。

 義昭が、正解でないとわかっていても、涙を流しながら初めて自分で選び取ったその道は。
傷つき苦しんでいる者を助けずにはいられないのは駒ちゃんもですが、光秀もこの義昭を、決して捨てられないだろうなぁ。


 ラスト、また変装・要人接触クエストが発生してる〜!
よもやの天皇相手とは(笑
こんなシナリオ&クエストな、光秀Ver.の太閤立志伝をやりたくなります。

 小さい頃は武将全てが天下を狙ったと思っていましたが。
天下取りを考えられる身分の少なさや、身分だけ有っても無力の痛ましさがよく分かります。
戦国時代はある意味室町幕府の内輪揉めなので、幕府取っ払いたくもなるけど、それを考えられる人間、実行できる人間は僅かなのですね。
今の時代、誰でも「自分が総理大臣になったら」と考えも目指すも出来ますからね。
いい時代だ。

 長谷川博己さんの佇まい、着こなしを見れば、色々な装束を着せたいのもよく分かります。うん、よく分かる。
あとは何でしょう、パリッしてないのも見たいですね。
当代では何に当たるのか分かりませんが、着古した作務衣姿とか見たい。
最後の頃の、茶を楽しんでるあたりで見れないものか。

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