FreeLancers:Re／１０回目

【FreeLancers:Re／１０回目】

ゴブリンに拉致されていたミルコを、
アジトごと壊滅させることで、
奪還した三人の武勇伝は、
既にギルド中へと広まっていた。

いくら相手がゴブリンとは言え、
たった三人で拠点を壊滅させるなど、
不可能と言っても過言では無い。
それを本当にやってのけたと言うのだから、
三人の評価が爆上がりするのも、
当然の結果と言えた。

【ミルコ】
「コホン…今回は本当に助かったよ。
キミたちには感謝の言葉しかないネ」

あの屈辱的な少女姿から一転して、
いつもの中性的な格好へと戻っていたミルコ。
シレーヌたち三人にはしっかりと、
メス化してしまった自分を観られてはいたが、
そこは彼女たちの報酬を上積みする事で、
口止めに成功していたのである。

【ミルコ】
「とっ…特にシレーヌ君…
キミの探索術は大した物だね。
キミのおかげでボクは助かったような物だ。
本当にありがとう…」

そう言ってシレーヌに近づくと、
彼女の長い耳元でミルコが囁く。

【ミルコ】
「ゴブリンのアジトで見た光景は、
絶対に他言無用だからね…後ろの二人にも、
その事は徹底してくれたまえヨ」

相変わらず偉そうな話し方で、
正直ムッとしたシレーヌであったが、
坑道から脱出する時の彼女の様子を思い出し、
思わずプッと吹き出してしまう。

あの時は裸体を隠す意味合いと、
持ち運びやすさを優先する為に、
ミルコを簀巻きにして運んだのだ。
まだメス化の余韻が冷め切っていないミルコは、
実に女の子らしい悲鳴を上げて、
泣き叫んでいたが、
今の姿とその光景を比べると、
あまりにもギャップがありすぎて、
可笑しくなってしまうのである。

【ミルコ】
「なっ…なんだよ…何をニヤニヤしてるんだ！
まさか口外しようとしているのか！？
報酬が足りないと…そういう事なのか？」

【シレーヌ】
「いやいや…報酬は今回ので充分だ。
我々…エルフ族の口は堅いから、
是非とも信用して欲しい」

そうは言いつつも目が笑っているシレーヌは、
何とも信用しがたい雰囲気を醸し出していた。
さすがのミルコも不安を隠しきれない。

【ミルコ】
「ほっ…本当に頼むよ！
あんなこと…皆に知られたら…
ボク…生きていけないんだから…」

ちょっと弱気な感じになると、
一気に乙女っぽくなって可愛らしいミルコ。
シレーヌはそんな彼女をからかうのはやめて、
真面目な表情で「約束だ」と言った。

【ミルコ】
「……よ、よしっ、それじゃ…
ボクもキミたちを信じるとしよう！
報酬は既にギルドの管理官に渡してあるから、
カウンターで受け取ってくれたまえ」

【ミルコ】
「では、また機会があったら頼むよ！」

背丈は小さいが学者様らしく、
堂々とした調子で、
ギルドから退出していくミルコ。
シレーヌたち三人は、
そんな彼女の背中を見送ると、
その足で報酬カウンターまで、
向かっていった。

【マイラ】
「おかえりなさい！
三人ともスゴイ活躍だったみたいですね。
報酬もなんと三人分！
しかもボーナス付きですよ！！
やったぁ！やりましたね！」

まるで自分の事のように、
喜んでいるマイラを見ていると、
こっちの方が気恥ずかしくなってくる。
そんな思いを感じつつ、
シレーヌは三人分の報酬を受け取ったのだ。

成功報酬　　　１００００ver
　生活費　　　－２０００ver
　諸経費　　　　－５００ver
　手数料　　　－１０００ver
報酬残額　　　　６５００ver

　残債額　　２６００００ver

【マテリア】
「あら、今回から残った報酬を
全て借金返済に回すのね。大丈夫なの？」

【シレーヌ】
「ウム…生活していく分は、
先に取っておいたから大丈夫だ。
…これからも宜しく頼む」

【マテリア】
「ふむふむ、良い心掛けね。
それじゃ次のお仕事も頑張ってこなしてきてね。
あ、今月は２５日にユーリアデイがあるから、
来てる依頼もそれにちなんだ物ばかりよ。
よろしくねー！」

【ギルド依頼一覧】

依頼種別「護衛任務」
依頼内容「シスター護衛」
依頼主「エルク修道院」
危険度「★★★☆☆」
破瓜度「０％」
報酬額「５０００ver」
【依頼説明】
「エルク修道院からの依頼ね。
ユーリアデイと言えば、
シスターによる聖乳奉仕活動よね。
当日はシスターが王都を巡回して、
聖乳奉仕をするから、
その護衛をお願いするとの事よ」
【任務相性】
「シレーヌ・○／フィレル・×／アロエラ・△」

依頼種別「採取任務」
依頼内容「貴重な食材の採取」
依頼主「高級料理店のシェフ」
危険度「★★★☆☆」
破瓜度「０％」
報酬額「５０００ver」
【依頼説明】
「貴族御用達の高級料理店からの依頼よ。
ユーリアデイ用の特別ディナーに必要な食材を、
採取して来て欲しいとの依頼よ。
今回は卵じゃなくてキノコが欲しいみたいね。
キノコってもしかして…
リビングナメコの事かしら？
モンスター化してるキノコは危険だから、
充分に注意してね！」
【任務相性】
「シレーヌ・×／フィレル・×／アロエラ・×」

依頼種別「便利屋任務」
依頼内容「記念ケーキ」
依頼主「高級料理店のシェフ」
危険度「★★★☆☆」
破瓜度「０％」
報酬額「８０００ver」
【依頼説明】
「これも貴族御用達の高級料理店からの依頼よ。
こっちの依頼は採取任務では無くて便利屋任務ね。
ユーリアデイ用のケーキになって欲しいとの依頼よ。
ケーキになる？どういう意味かしら？
とにかく報酬は高めだから、
行ってみるのも良いかもヨン」
【任務相性】
「シレーヌ・×／フィレル・×／アロエラ・×」

依頼種別「便利屋任務」
依頼内容「慈愛の奉仕活動」
依頼主「リディア兵団兵役課」
危険度「★★☆☆☆」
破瓜度「０％」
報酬額「１００００ver」
【依頼説明】
「リディア兵団からの依頼ね。
ユーリアデイと言えば慈愛活動。
王都を防衛する兵団への慈愛活動といえば、
徴兵されて厳しい訓練を受けている、
男の子たちへの奉仕活動よネェ。
エルフである貴女たちは、
彼らよりも遙かに年上なんだから、
その身体を駆使して、
彼らを癒しちゃってネン」
【任務相性】
「シレーヌ・×／フィレル・×／アロエラ・×」