尾上屋台 2016/03/28 03:37

「GATE 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり」(二期目)

・アニメ公式
http://gate-anime.com/index.html

基本、見た作品についてあまり否定的にならないよう気をつけてはいるんですけど、この作品についてはもうひとつ・・・前期、ツイッターなんかでつぶやいてたことと、そう変わんないかもです。
ただ、色々と考えさせられたりもしたので、その点についても触れつつ。

多分だけど、やっぱ強い武器(兵器)を持った主人公側が、戦力的にも文明的にも劣る相手側を、一方的に駆逐するみたいな感じが、どうにも肌に合わないんじゃないかと。
これも前期言ってたことですが、有利な側が有利なまま、弱者をやっつけるみたいなのが、見てて「んー」ってなっちゃうんですよね。
二期目は炎竜との戦いということで 、そこら辺はちょっと変わってくるのかなと思ったけど、全体的にはそう変わらず。
一応この炎竜との戦いでは、強大な敵に少数で立ち向かうみたいにはなってるんですけど、今度はなんでそこまでしてその時期に 少数で立ち向かわなきゃいけないのかの理由が希薄で、やっぱ、んーって(汗)。

いや、必ず主人公側がそうでなくちゃいけない理由なんてないんですけどね。
でも強い者が弱い者をやっつけるみたいなのって、特に人の生き死にかかってる時なんかは、どうにも共感しづらいというか。
強いなら、多少なりとも不利な条件や、絶望的な状況を突破してこそ、みたいなのがあるわけですよ。
自衛隊が、ごく少数で異世界に取り残されて、現代の武器で戦える分圧倒的に強いんだけど、武器弾薬に限りがあって(補給がなくて)、みたいのだったら、結構好きなのかもしれないとか。

ただ、こういう考え方って、ひょっとしたら自分が古いだけなのかなあとか思ったりもして。
チート的な主人公が弱い敵を一方的に屠るみたいのって、ちょっと前からひとつの潮流なのかもしれないとか。
そういう形って、作品としては結構な変化球だと思ってたんですが、そこがひとつのスタンダードになってるとすると、例えばこの作品に自分が感じたような感覚って、まったくないのかもしれないわけですよね。
自分はそこんとこがちょっと障害になっちゃってて、この作品の本質的な部分、ひょっとしたら他にあるのかもと思って、途中からは何故この作品がアニメ化までされるほどの人気作品なのか、考えながら見ていました。

あと自分は軍事的なことって大好きなんですけど、それも大体ルネサンス期くらいまでのもので、現代のミリタリーには全くもって疎い。
いわゆるミリオタって呼ばれる人たちは、兵器の性能やらなんやらってその辺の描写が細かかったり、忠実に再現されてたりする部分に感動を覚えたりもするわけで、ああ、自分もこの手の知識あったら、もっとこの作品も楽しめたのかな、とか。
ただ異世界側の設定やモデルになったであろう背景みたいのはかなりいい加減だとも思ったので、どうなんでしょ、全体的には、なんて思ったりもして。
これもちょっと意地悪な見方しちゃうと、倒される敵側に対して、あんま関心がないんじゃないかと思ってしまったりもして。
ただ軍事や設定うんぬん抜きにしても、僕自身は敵側ってものをいかに強力に、ないしは魅力的に描けるかが、物語の結構大きなポイントだとも思ってるので、ここら辺もやっぱ肌に合わなかったり。

まあ平たく言うと、とにかく命の軽い作品だなあと。
ひたすら軽い。

んー、とにかく自分的にはちょっと受け付けがたいと思ってしまった作品で、ファンの方には申し訳ない感じです。
声優陣は好きな人がむちゃくちゃ揃ってるって感じで、その辺りは楽しめたのですが・・・

基本的に何かしらの作品にあんま良くない感情抱く時って、往々にして自分の理解超えてる、今までの自分の観点で測れないから、みたいなことが多いんですよね。
この作品はまさにそうで、これはいくらか自分の視野を広げるいい機会でもあるなと思いました。
この作品が好きな人、高く評価している人の感想なんかを読んで、どの辺りが魅力の作品だったのか、よく見つめ直さなければならないなあと、そう思った次第です。

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