尾上屋台 2019/03/30 12:17

「どろろ」

・アニメ公式


まあさすが手塚治虫というか、一話目から「物語」として完璧でしたね。
こうやって物語ってのは作るんだっていう。

余談から入りますけど、どろろ見るの初めてなのに、なんか百鬼丸のこととか、妖怪倒して身体取り戻していくんだみたいのって、何故か知ってたりするんですよね。
まあそれくらいメジャーな作品というか、昔はたとえ話みたいのでもちょこちょこ出てたのかもですね。
作品そのものとしては、既に四十を超えた自分らの、親の世代の作品なんですけど。

で、原作読んでないんですけど、今風にちょっと構成いじってたりするんですかね。
ともあれ、およそケチのつけようのない、完璧な作品だと思います。

キャラそれぞれの配置、立ち回りに、全部意味があるんですよ。
まったく無駄がない。

そういうとこもすごいなあと思いつつ、このどうしようもなく悲しい物語ってのは、自分的にもかなり好みでした。
やっぱ、戦うシーン、斬った張ったが描かれるものって、そういう部分は必要だと思うんですよね。
正義や大義の為に敵を殺す、みたいのって、ものすごい欺瞞だなあと思ってしまうもので。
まあ仮にそちら側に立つにしても、そこに何の疑問も抱かなくなったら、これは恐ろしいことだなと。

90年代以降かな、ある種の様式美みたいなものが定着しすぎてしまって、相手を倒す、殺すことに何の躊躇もない作品って、ちょっと良くないと思ってるんですよ。
で、かつての名作だったりが自分的に好みなのは、あまりそういった悪い様式美に染まってないことですね。
まあ全てをリアリティ満載で描くこともないんですけど、相手を殺すことになるかもしれない時は、ちょっと思考停止でやっちゃうのはいかがなもんかと。

その意味で、この作品は大事なとこはちゃんと描いていて、まあさすがだなあと。

あと、やっぱ今ある作品の多くが、手塚治虫を筆頭とした当時の作家たちの影響化にあるんだなあと、あらためて。
もちろん物語の源流は映画なり昔の小説なんかに辿っていけますけど、そういった流れを上手く漫画に落とし込んでいったってとこで、やっぱ手塚治虫はすごかったんだなあって。

とにかく、物語としてはほぼ完璧ですよ。
と、作品を総括してしまうには、まだ後半が残ってますね。
引き続き、来期も楽しみにしたいと思います!

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