尾上屋台 2020/05/01 05:49

「鬼滅の刃」

・アニメ公式

 アニマックスで放送してたので、遅まきながら見てみました。

 と、ブログやってたままのノリで進めたいと思いますが、いずれちゃんとイラストつきで告知やら進捗やら雑記やらと、ちまちまと書けたらと思ってます。
 とりあえず今回は、引っ越し前からのルーティーン通りに、見たアニメの感想はメモも兼ねて、記事にしていきたいと思います。

 で、ざっくりとした感想としては、とにかく丁寧だなあと。
 そんなに強烈な個性やオリジナリティはないんですけど、これまでのアニメや漫画作品の文脈は踏襲しつつ、ものすごく丁寧にまとめあげられているなあと思いました。

 進撃の巨人の、基本的に逆張りで展開しつつ、構成はファンタジー黎明期にあったような(例えばタニス・リーみたいな)基本に忠実、というような凝った構成とは違うというか。
 多分ここ十年くらいのトレンドを、うまく消化してる作品だなと思いました。

 加えて、僕が少年期に読んでたような、努力や人との繋がりに重きを置いた作品に近い匂いもするんですよね。
 努力の過程を見せない作品、ちょっとスタイリッシュな作品が昨今のトレンドだとすれば、むしろ30年くらいに流行った構成に近いものがあって、これが若い層を中心に、結構新鮮に映ったんじゃないかと。
 まして今みたいな困難な、ないしは息苦しさを感じさせる時代に、努力の過程を見せていく、苦しんでるのは自分だけじゃないって感覚は、共感を呼んだのではないでしょうか。

 僕は斬った張ったにリアリティがある作品が好みなんですが、その意味でも、この作品はかなり好みでした。
 戦うところのリアリティって、少ないながらも表現できてる作品、探せば結構あるんですよ。
 この作品の個性の一つは、傷を負った後、その治療や回復過程もちゃんと描いてるところですかね。
 普通漫画じゃこの辺はあんまやらないというか。
 バトルシーンの迫力も特筆ものなんですが、それだけすごい、命懸けの戦いだったんだよってのを、治癒に時間をかけることで見せてくっていう。
 こういう死闘感の演出って、小説とかだとままありますけど、漫画でやるのは珍しいですよね。
 絵的に大人しくなるのを避ける作品がほとんどで。
 で、怪我を治していく時間を、幕間の物語として活用してるってところも、上手いなあと。

 もうひとつの特徴として、構成の話ですけど、伏線の回収が異常に早い(笑)。
 普通、張った伏線って結構温存しときたいものじゃないですか。
 伏線張ったと思ったらポンポン回収してくもんですから、物語テンポも速い速い。
 次々と新しい展開に持ってくわけですから、話の密度も濃くなるんですよね。
 なのでアニメ2クール分とは思えない濃密さがありました。
 飽きられる前に、ないしは忘れられる前に伏線回収してくってのは、なかなかできることじゃないですよ。
 作者の、物語を作っていく能力の高さは、ものすごいものがあるなと。
 これだけヒットするわけですよ(笑)。
 レベルが、高い。

 キャラも一人一人、恐ろしく個性が強いのに、話の中で成長、変化していくスピードが早くて。
 ちょっとアクの強いキャラって、そのままのイメージ保ちたいと思うのが作者の常だと思うんですけど、それをバンバン脱ぎ捨ててくってのもすごいですよね。
 これも、物語のテンポの早さってのと同じことだと思うんですけど。

 ほとんど、欠点らしい欠点のない作品で、かつキャラ、展開、構成全てのレベルにおいて高水準で、なるほどこれは面白いなあと。
 なにか特定の要素において100点って作品じゃないんですけど、あらゆる要素で80点以上の作品って、ありそうでそうそうないですよね。
 どんなジャンルが好きな人でも、これは面白いって感想抱くんじゃないでしょうか。
 その人にとって100点の作品じゃないけど、誰が見ても80点以上はつけるだろうなっていう。

 僕は結構好みに近い作品でしたけど、ばちっと好みというわけでもなく。
 けどこれは、絶対続き見たいって思いましたもん。

 ともあれ噂の(?)鬼滅の刃、とても勉強になりましたし、何よりも面白い作品でした!

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