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2018年 04月の記事 (7)

尾上屋台 2018/04/02 20:51

「グランクレスト戦記」

・アニメ公式


僕のファンタジーとの邂逅ってのは、これ中学生の時の思い出語りとかでもちょっと言ってたり、これから書く予定でもあるんですが、海外のファンタジー作品だったりするんです。
「ドラゴンランス」とか「エルリック・サーガ」とかですね。
で、当時もうひとつの大きな流れとして、国産のファンタジーってのが出回り始めた頃なんです。
その頃に一番流行ってたのはやっぱり「ロードス島戦記」なんですよ。

今の国産ファンタジーの流れを作ったのはやっぱり、「ドラゴンクエスト」だったり「ロードス島戦記」であることはほぼ間違いないと思います。
両者に共通する部分はたくさんあるんですが、あえてネガティブな、そして最もポジティブな要素として受け入れられたのは「痛みのない戦闘シーン」だったと思います。
命が、軽い。
これがね、生意気盛りの中学生の僕には、許せない要素だったりしたんですよねえ(笑)。

という思いを抱きつつも、間違いなく国産ファンタジーを今みたいな「あって当たり前のジャンル」に押し上げた功績ってのは、すごく大きいし、その恩恵に与ってる身としては、やはり最大限の敬意を表したいところです。
かようにして、僕にとって「ロードス島戦記」ってのは、好き嫌いを言うにはあまりにも複雑な感情を抱かざるをえない作品なんですよ。
好き嫌いで言えば嫌い寄り、でも多分最もリスペクトしてる作品の一つに上げられるわけで。

んで、そのロードス島戦記の水野良ってことで、やはりここは見てみようかと。
あらためて思ったのが、後のラノベの流れを作ったのは、間違いなく水野良だなあと。
ちょっと個性に欠ける主人公だとか、小生意気で大人っぽい、されど守ってあげたくなるヒロインみたいな、ひょっとしたら今の時代にあっては既に古典的なキャラの配置も、思えばこの流れって水野良が作ったんだよなあと思うと、あらためて感慨深いです。
これがオリジンなんですよ。
イデアっつってもいいかもしれませんよね(笑)。

なので基本的な部分って、そんなにロードス島戦記と変わらない印象です。
これが水野良の作品なんだなって、あらためて。
話の流れそのものはあるんですけど、キャラが前面に押し出されてるってのも、後のラノベの潮流の源流だなあと。
そういう部分って、もう今の漫画やアニメでは絶対外せない部分でしょ?
そこに戦闘、魔法やら異能力やらを絡めてみたいなのって、ほとんど今じゃ当たり前になってるじゃないですか。
繰り返しになっちゃいますけど、この流れを作ったって部分は、もっと評価されてもいいんじゃないかと思います。
当たり前になり過ぎてて気づかなかったりそもそも知らなかったりする人も増えてきたと思うんですけど、僕が中学生くらいの時って、こういう作品の潮流って、当たり前じゃなかったんですよ。

今の漫画やアニメ、ラノベ、ゲームでもですけど、なんか事前に似たような作品あって、その作品の影響受けて描いてるって感じがするんです。
僕みたいに国産ファンタジー黎明期を知ってる身としては、そういう作品の影響受けずに(そもそもなかったので)、ロードス島戦記みたいな、後のひな形になるような作品作ったってのは、本当にすごいことなんですよ。
僕が水野良に最大限の敬意を表したいってのは、まさにその部分で。

と、この「グランクレスト戦記」そのものについての話が少なめになってしまいましたが(汗)、長くなってきたのでこれはまた後の機会に。
これって、そのまま2クール目ですよね?
続き、期待しています!

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尾上屋台 2018/04/02 20:21

「恋は雨上がりのように」

・アニメ公式


大体主人公と年齢近いもんですから(笑)、結構共感できる作品ではありましたね。

結構男心をきちんと描いている作品ですよね。
いやーでもなんかわかるなあと思ったのは、仮に自分があきらくらい若い女の子に好意持ってもらったとしても、嬉しいとかより戸惑いの方がでかいと思いますもん。

これね、「漫画の十六歳」とかだったら、ある意味大好物なわけですよ(笑)。
二次元というフィルターがかかってるってのももちろんですが、まあ大体漫画/アニメの十六歳の女の子って、妙に大人びてるじゃないですか。
それがたとえロリータな外見をしてても、中身的に「大人」な部分を持ってる。
周りがよく見えていたりね。
なので変な話、若過ぎる大人、みたいな感じで、大人として捉えられるんですよね。

で、これが三次元というかリアルになると、やっぱ十代くらいって、子供にしか見えないんですよ。
たまに電車乗ることあって、向かいの席とかにかわいい女子高生座ったりするじゃないですか。
これ、僕は多分三十歳くらいまでは「うひょー♡ かわいい!」とか思ってたりしてたと思うんですけど、何年か前から「ああ、かわいいな。将来美人になるんだろうな」みたいな、完全に一歩引いた目で見てる自分に気づいて。
うわ、これがトシか!って、結構衝撃的だったんですけど(笑)。

あとエロマンガに出てくるエロおっさんと違って、世のおっさんってのは意外とそんなに女の子を性的な目で見てるわけじゃないんですよ。
これ、精力的に衰えてきたとかそういうんじゃなく、ものすごく若い子とか見ると、僕みたいな独身でも「ああ、若い時に結婚してれば子供はこのくらいの年齢か」みたいに、子供として見ちゃう。

で、作品の話に戻ると、基本的に主人公近藤は、あきらのことを子供としてしか見てなかったと思うんですよね。
僕これ、よく描いてるなあと思ったのは、あきらに想いを寄せられて、二人で話してるシーンを近藤が想像する時に、学生の頃の近藤になっちゃってるじゃないですか。
そうそう、これだなと思ったんですけど、なんかもう、今の自分そのものがあきらみたいな若い子と恋人になるってことが、上手くイメージできないんですよね。
なので妄想のシーンでは、自分が若くなっちゃってる(笑)。

これ、僕が四十になって実際にわかってきたことなんですけど、故障や病気みたいのを除けば、例えば筋力的なものとか身体の諸々、そういうのって、若い時とそんなに変わらないんですよ。
運動不足気味で筋力とか落ちてきたにしても、ちょっと運動する期間あればある程度は戻せますしね。
ただ、精神的には明らかに大人びていくわけですよ。
まあいまだに子供な大人もたくさんいますけど、色んなことを経験してきて、ひとつひとつに決着着けていけば、自然と大人ってヤツになっていく。

で、この四十代ってのは、男にとって(女性もかもですが) 、身体能力みたいのは若い時と変わらないのに、心だけがどうしようもなく大人びていく、ちょっと難しい年齢なのかもしれませんね。
感性だけは擦り減ってなかったりするんで、ひょっとしたら、一番面白い年齢なのかもしれないですけど。

そういった、結構微妙なお年頃の男ってのを、上手く描いている作品だなあと思いました。

あと、あきらは魅力的ですよね。
この子が近藤の気持ちを揺さぶったってのは、この子がよくわかってる、人の優しさとかそういうものに、気づけるだけのものを持っているからだと思います。
そういうのって、やっぱある程度大人になってこないとわからないんですよ。
その意味では「漫画の十六歳」ならぬ、漫画の十七歳だったりするんですけど。
もう半歩、大人になってるんですよね。
なので近藤からしても、半分くらいは大人に見えてくる。

二人に共通してるのは、やっぱある種の挫折感を味わってるって部分で。
ホントはもう一度走り出せるのに、一度心を折ってる。

「十七歳と四十五歳のラブストーリー」っていう、年齢差をクローズアップした売り出し方になってますけど、本質的には挫折感を抱えた男女の恋愛ですよね。
で、互いが影響し合って、もう一度一歩踏み出すってって終わり方は、根っこの部分をちゃんと表現できてるなあと思いました。
ここ外すと、歳の差以外なんだかわからない作品になっちゃいますからね(笑)。
そういうとこは、丁寧に描いてるんですよ。

長くなるんでこの辺りで締めますけど、その他の男衆ってのも、上手く男心ってのを描いてたと思います。
もちろん、女の子もですね。
派手な展開とかなくても、やっぱ人の気持ちってのをきちんと描いてる作品ってのは、面白いもんです。
しっとりとした、いい作品だったと思います。

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