Itit Games 2021/01/23 14:30

在りし日のストリエにさよならを

一通のメール、突然の別れ

 みんなはストリエを知ってる? 知ってる人には無駄な説明だけど、知らない人のために説明しよう。チャット風の画面でイラストに吹き出し、効果音の書き文字や地の文といったものを活用する比較的新しい表現のサービス――それがストリエだった。同時期に似たようなサービスが他にもあった気もするけど、とにかくまあそんなサービス。

 そんないまいちメジャーになりきれなかったサービスのストリエからメールが届いた。はてさてなんだろうか、放置状態の自作品に新たな反応でもあったのだろうか。そんな期待を抱くことすらなく、件名から運営の強いメッセージが届いていた。「【重要】ストリエサービス終了のお知らせ」そう。ついにストリエが終わってしまうのだ。

 しかし利用者ではあるものの、サービス開始当初に試してみた程度。思い入れがあるかといえばない。ところが不思議なものである。終わると知った瞬間に未練のようなものがふつふつと湧き上がってくる。ちくしょう、もっと盛り上げてやれる力があれば! そもそも運営のやる気が足りない! もっと宣伝に力を注げよ……と。これ未練か?

突然の喪失、やる気の消滅

 Twitterまでチェックしてくれてるような物好きな人なら知ってるだろうけど、実はこの記事って元々別の日に書いてたのよね。でもうっかり編集中にブックマークツールバーを誤クリックしてデータが全部飛んじゃった。もうちょっとまともな文章を書いてたのに。それで不貞腐れて書くのをやめたんだけど、またこうやって書いてみた。

 もちろん面倒臭がりの私が意味もなく書くわけもない。といっておいて思いつきであれこれやるような人だし何の説得力もないんだけども。それはまあいいじゃない。人間だもの。まあ手っ取り早く単刀直入に言っちゃえば、せっかく書いた文章を無駄にしたくないってやつよ。やる気を失ってただけで、公開してた作品には愛着もある。

 たった二話分でも、書いた当時の私には人一倍の愛情があった。このサービス――ストリエだからできることはなにか。そこで表現できる自分の文章とはなにか。自分らしく、面白くできるとしたらどうしたらいいのか。なんだかんだであれこれ頭を悩ませておぎゃあおぎゃあと産み出した作品をそのまま消し去りたくはない。

 だからとりあえず新しく実装されたエクスポート機能を使って、作品のデータをサルベージしておいた。出力されたテキストファイルを見たら書き文字の部分はすっからかんで「せめて何が入ってたか分かるようにしろよ!」と文句の一つも言いたくなったけど言わなかった。大人だからね。まあ本当の大人は思ってても口にしないんだけども。

勇者の復活、ストリエからの脱却

 ストリエの特徴であるイラスト、吹き出しによるセリフ。効果音と描写をそれ一つで終わらせてしまう書き文字。これらがなくなってしまえばそれはもはや単なる小説に過ぎない。イラストの描写に情景描写、演出の表現まで書き加えなければ小説どころかト書きになりかねないのだ。ああ恐ろしい。どれだけイラストに頼っていたのだろうか。

 果たしてストリエの文章がどこまで小説らしくなるのか。それかいっそストリエのような形態を模索して表現していく方がいいのか。なかなか答えは出ないが、作品をこのまま地べたへと放り出して埋もれさせてしまうのだけは避けたい。どういう形にするのかは明日の自分に考えてもらい、とりあえず勇者の復活を宣言しておく。

 ちなみにサービス終了は3月2日とのことで、まだ作品を読むことはできる。ストリエとはなんぞや。こいつはなんでさっきから勇者だなんだと語っているのか。大丈夫か? と心配している方。それから特に何も理由はないが暇ならあるから何か読ませろという方まで。もしよかったら投げ出されたままの自作品を読んでほしい。

そこそこ強い勇者の話

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

記事のタグから探す

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索