Itit Games 2021/09/12 23:15

ポンコツが語る確定申告のやり方

毎年迫り来る確定申告

 同人活動をしてるような人や副業をしてる人、他にも節税意識が高い人なんかは身近な確定申告。少しでもお金を取り戻したい……合法でなんとかしたい! という方は面倒でも青色申告をするよね。ほんでもって青色申告と言えば複式簿記。複式簿記と言えば買掛と売掛。もう10年以上やってるけど未だにやりたくないという気持ちが強い。

 さて、今日は毎年このくらいの時期に「あー、また確定申告だ! カードの履歴見なきゃ! 口座見なきゃ! 領収書どこだ! ていうかどうやって入力するんだっけ?」とあたふたする私が、「確定申告ね。それはここをこうすればいい。やることは簡単なのさ。スマートに終わらせよう」と安心できるメモを残しておこうと思う。

 要はやよいの青色申告で何をやるかの覚書。実用的だよね。

時代の波に取り残されるな。時を超えろ!

 なに言ってんだこいつ。まあ最初は簡単。弥生ちゃんを立ち上げて、必要なアップデートを終わらせる。ここまでは何も悩まない。開くファイルはもちろん最新版で、初年度じゃなければ前年度の最新版(去年確定申告に使ったやつ)だね。そいつを開いてから繰り越し処理で翌年度に進化(もとい更新)する。たったそれだけで準備完了。

自分に合った方法で仕分けろ!

 後は自由だ! で終わってもいいんだけど、それじゃ役立たないし本末転倒。何のためにこの日記を書いてるんだって話になる。私の場合はその時の気分にもよるんだけど、同じ作業をひたすら繰り返していくのが苦になるかどうかで方法は決まると思う。複式簿記で記録しなきゃいけないのは大まかに分けて以下の三つ。

収入関連の記載

●いつどこと収入が確定したのか
●いつどこから収入を手にしたのか

支出関連の記載

●いつ何を買う契約をしたか
●いつ何の金を払ったか

事業主関連の記載

●事業主(自分)にいくら払ったか
●自分にいくら借りたか

 わあ面倒臭い。やる気がなくなっちゃうね。でもこれだけでお金が貰える(貰えないこともある)と思えばちょっとはやる気が出てくるよね。これを全部紙を使って手書きベースでやれって言われたら諦めるけど、パソコンを使えばいいんだから安心。しかも使う機能は一つだけ。それさえ使えばとりあえずなんとかなるからすてき。

仕分けの内容をひたすら記録だ! 自分を曝け出せ!

 あとはぶっちゃけ単純作業。先述した記載項目を確認(先にクレジットカードの明細とか口座の取引履歴を用意。経費があるなら領収書とかも必要)して、ひたすら記録していくだけ。毎日……せめて毎週一回記録しておけば楽なんだけど、私の場合はそこまで取引相手もいないから毎年1日でまとめて終わらせる。だから面倒なんだけども。

 記録の手順は人それぞれで、性格に合った方法を選べばいいと思う。単純作業の方が得意って人は収入関連→支出関連→事業主関連といったように、事業主としてのプラスを先に書いて次にマイナス、最後に自分への振込やら資産の追加なんかを書く方が流れとしては楽かもしれない。単純作業は眠くなるって人は時系列順に入力がオススメ。

全裸になった気持ちでお金の流れを赤裸々にしよう!

 私の場合は単純作業がどうこうよりも、入力して戻ってという作業が面倒臭いから時系列順に記録していくことが多い。個人事業主としての支払いはほぼクレジットカードで済ませてるから、カードを使った日と支払った日を入力するだけで経費関連はほぼ終わり。後はダウンロード販売サイトからの収入を記録するくらい。ザ・簡単。

売上高を入力しよう


売上高(支払われてないけど確定した収入の額)を入力

  金額の微妙さはさておき、仕訳日記帳を開いたら売上高を入力する。売上高は支払われるお金(まだ振り込まれてないけど、これから振り込まれるお金)のことで、家計簿と違って収入が確定した日を記録するやつだよ。この例だとDLsiteの運営会社から13,450円が振り込まれる予定ってこと。まあお小遣いって感じだよね。

 ちなみにいつ確定するのかってのは企業にもよるんだけど、ダウンロード販売サイトの場合は年中無休で稼働してるから、昨日のぎりぎりまでに売り上げた金額を翌日に確定して振り込んでるはずだよね……という考えでやってるよ。だから1月20日に振り込まれるのが前月12月一杯の利益ってな感じ。その辺はフィーリング。

※すげーテケトーな説明だから、合わない人は今すぐ閉じてちゃんとした解説サイトを見よう

銀行口座への入金を入力しよう


入金(さっきの売上高が口座に振り込まれた記録)を入力

 ほんでもって時は流れて1月20日。売り上げが実際に振り込まれましたとさ。今度は売上高が実際に振り込まれました。振り込まれたのはこの銀行口座です、と分かるようにする必要があるよ。例えばこれだと三菱UFJ銀行の普通口座に売上高が振り込まれたって書いてある。注意して見て欲しいのは売掛金の位置だね。


複式簿記だと売掛金の位置がこうやって入れ替わるよ

 売上高(支払いが確定した日に入力した分)は借方勘定科目ってところに『売掛金』を入力したんだけど、実際に振り込まれた時は貸方勘定科目に『売掛金』って入力してるよね。詳しい説明は面倒臭いし出来そうにないから省略するけど、売上高の時点だと「今度お金を払うね。まだ振り込まないけど」って状態なのね。だから帳簿上は貰えるお金があるけど貰えてない状態。つまり宙ぶらりんになってるお金があるってわけ。


売上高だけの入力だと振り込まれたかどうかまでは分からない

 そのお金が実際に振り込まれて、普通預金口座に売上高の入金がありましたという記録になるのが下のやつ。左側(借方)での金額と右側(貸方)の金額が一致して、そこでようやくある会社からの振込額が決まって、実際に支払われましたという説明になる。実際は源泉徴収とかで売上と支払われる額の違いも出たりするけど、そういう場合でも科目とかが変わるだけで左側と右側の金額は合致する仕組みになってるよ。

※売上額と振込額が違う時がよく分からないって人は「源泉徴収 仕訳 事業主」とかで調べよう

還付金は事業主借で処理しよう


またまたテケトーな数値でやっちゃう

 さて、実際に入力を進めていると他にも色々とやることが出てくると思う。昨年度は税金を取られすぎてたって人は税務署からありがたい還付金がある。これは納め過ぎたお金が戻ってくるだけだから、別に新たなお金を貰えたってわけじゃない。それでも貰えるものはありがたく貰っておこう。もし個人事業主の口座に還付金が振り込まれた時は、売上金が振り込まれた時と同じ(借方勘定科目に預金口座を選択する)ように処理して、貸方勘定科目は事業主借にしておく。還付金だと分かりやすくしておけば尚良し。

※他の仕分けもそうだけど、こういうのは処理にも色々ある。あくまで一例としてみてね

お金が無い時は自分に借りよう


やばい時は事業主用口座にお金を入れよう

 事業主用口座と専用の現金でうまくいけば何の心配もないんだけど、思っていたよりも利益が少なくて支払いが多い月もあるよね。そういう時は不安だし、なんなら口座に入金しておかないと支払いが出来ないかもしれない。そんな時は口座に入金して、借方勘定科目に預金口座を選択して、貸方勘定科目に事業主借を選択してお金を追加しよう。

カードの利用日と支払日を入力しよう


地味に面倒な作業だけどやらないといけない

 経費をクレジットカードで支払っていると利用日と支払日が変わってくる。これが現金払いだと利用日がそのまま支払日だけど、カードには締め日と支払日と呼ばれるものがあり、それがカード会社によって異なるから面倒臭い。それでもちゃんと利用日を入力して、支払日も入力しないといけない。でも税金のために頑張る。

 経費は割と簡単で、利用日には借方勘定科目に費目(サブスクライブのサービスやサーバー代は通信費、作業用の机やソフトウェアのパッケージなら消耗費……等)を選択して、貸方勘定科目は未払金にしておく。後は支払日に同じ借方勘定科目を選択して、貸方勘定科目は支払先(カード引き落とし先の銀行口座)を選択するだけ。

カードの内容は出来るだけ分かりやすく書こう


この日記を書いてたら時間が無くなってきててさっきから妙なリアル感が……

 色々と一気に説明できるから一月分で説明すると、カードの合計金額は57,852円。利用日はバラバラなんだけど支払日は一緒。そりゃそうだ。その辺についてはもういいとして、帳簿を見るのは税務署の人。だからなるべく分かりやすく摘要を書こう。わざわざ括弧を付けて前年度のやつですよ、と書いておくのもいつ利用した分か分かりやすくするため。もちろん前年度の帳簿には括弧で翌年度支払いと書いておいた。同人作家だと殆どの経費は通信費と消耗品費になるんじゃないかなあ。あとはイラストやらなんやら依頼したら外注工賃。同人誌を印刷するような人なら印刷費とか。領収書は保管しておいてね。

最後は必要事項を記入して提出しよう

 ここまできたら後少し。所得税確定申告書Bと青色申告決算書の入力を済ませるだけ。給与所得がある人は源泉徴収票を見ながら給与所得を入力して、生命保険なんかに加入している人は保険料控除を入力する。寄付をしているような人は寄付金控除、医療費があれば医療費控除も忘れずに入力しよう。もちろん扶養者がいれば扶養控除も。

 全部印刷して郵送で済ませるか、電子申告(e-Tax)をするかは個人の自由。でも控除の恩恵を最大限に受けたい人は電子申告一択。控除の金額が変わるのは大きいからね。確定申告が終わった後は税金を納めるなり還付金を待つなり開放感に身を任せてフリーダムに生きよう。それから税務署か市役所、区役所なんかから連絡があったらちゃんと出よう。ちゃんと納税の義務を果たす意思があればみんな優しいから安心。

 10年以上確定申告をしてて、私が連絡を受けたのは2回。開業届を出した翌年度の所得税確定申告書Bの提出漏れと、初めての電子申告でうっかり「へっ、電子申告なんてちょろいぜ。これで終わりなんてあっさりだな」と浮かれていたら書類そのものの郵送を忘れていた去年だけ。どちらもちゃんと謝ってやり直したらすんなり終わった。

 昨今はYouTuberも増加傾向で慣れない確定申告に戸惑う人も居るはず。でも不安な時はちゃんと相談するか、それなりに儲けがあれば税理士に依頼してしまおう。たまになんでも経費にして還付金を狙う人もいるけど、たまたま上手くいっても後で脱税と見なされる可能性もある。きちんと業種を理解して、制度は正しく活用しよう。

 ちなみに本来の締め切りは3月15日だよ。油断って怖いよね。

※閉鎖予定の別ブログからの再掲記事です。

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