ウメ畑 2024/09/28 10:00

skeb依頼 『千年戦争アイギス』星を詠む者・ソラス

「くっ、どうしてこのような事に……! 何とかこの事を、王子たちに伝えないと――」

 一人の女性は足早に歩きながらそう呟いた。
 彼女の名はソラス。
 1000年前に英雄王と共に魔の軍勢と戦った、『英傑』の一人だ。
 占星術師の肩書の通り占いと、そして『星を落とす』力によって1000年後の今も英雄王の子孫たちとともに魔の軍勢と戦っているのだが――。

(まさか魔の軍勢たちが、英傑の塔を狙ってくるだなんて)

 この場所はソラスが1000年前に封印し、相応しいものが現れるまで誰にも侵入を許さなかった聖域だ。
 中には王子たちを強くするための道具や試練場が用意されていて、彼ら以外は近寄れない……はずだった。
 魔の軍勢たちは王子が他国で起きている騒乱を解決するために不在の今、ソラスが一人で『英傑の塔』を管理していたのだが。

「まさか王子たちが居ない時を狙ってくるだなんて。随分と知恵の回る魔族が居るようですね」

 ソラスが向かっているのは、『英傑の塔』の上階だ。
 ここには王子たちを訓練するために高難易度の修練場が用意されている。
 ソラスはその修練場を足止めに使い、何とか逃げている状況だ。

(あの数、とても私一人では相手に出来ません。せめて、足止めが出来る前衛職の方が五人……居てくれたら)

 足止めさえしてもらえたらソラスは力を溜めて必殺の星落としが可能だが、しかし占星術師一人では多数の魔物の足止めなど不可能だ。
 今は逃げるしかないと、ソラスは『英傑の塔』を上っていく……。


『エイケツ、ミツケタ! エイケツ、ミツケタ!!』
「くっ、もう追い付いてきましたか……」

 その声がした方をソラスが見れば、そこには数体のゴブリンが声を上げてソラスの居場所を周囲へ伝えていた。
 しかし、肝心のほかの魔物たちの姿は見えない

「ここまで来たのはゴブリンたちだけ? どういう……ああ」
(おそらく、力が弱すぎて『英傑の塔』の各階に用意されている試練たちが反応しなかったのですね)

 塔の試練は強者をより強く育てるためにある。
 ゴブリンのように非力な魔物は、そもそも強者として認められなかったのだろう。

「ゴブリンたちだけなら、私でも」

 ソラスは自分の追跡を遅らせるために、邪魔者を排除しようと足を止めた。
 距離もあり、ゴブリン程度の弱い魔物なら数回殴られたくらいなら魔導師職の自分でも耐えられるはず。

(少しずつでも数を減らしておかないと。ずっと逃げ続けることも不可能ですし)

 ソラスはそう考えると、戦闘の準備に取り掛かった。
 意識を集中し、魔力を高め、これまで数十、数百――それ以上の魔物や魔族を葬ってきた、強力な『星落とし』を行おうとする。
 ゴブリンたちはソラスを中心として渦巻くように高まっていく魔力の奔流に気が付くと――走り寄ってくるのではなく、近くに落ちていた石を拾って彼女に投げつけた。

「きゃあっ!?」

 ゴブリンのような低能な魔物なら近寄って殴るしかない――そう思っていたソラスは突然投げつけられた石に驚き高めた魔力が霧散してしまう。

「くっ、ゴブリンの癖に……きゃっ!?」

 知能の低いゴブリンらしい原始的な攻撃だが、しかし一人しかいないソラスにとってその攻撃はとても効果的だった。
 魔力を高める隙を潰され、数体のゴブリンが意志を投げている間に、別のゴブリンたちが彼女に近付いてくる。

(マズイっ。逃げないとっ)

 過去に英雄王と戦って『英傑』とまで呼ばれるソラスが、たかがゴブリン数匹を相手にして逃げ出すというのも滑稽だ。
 しかし本人は生き残るため、この危機を王子に伝えるために必要な事として魔物に背を向けて党の奥へ向かって逃げ出した。
 だが、それも長くは続かない。
 魔物としての山を駆け回っているゴブリンと、英傑の塔を封印し、引きこもっていた魔導師。
 体力は圧倒的に不利で、ついにソラスは追い付かれるとゴブリンに抱き着かれてしまった。

『ツカマエタ! エイケツ、ツカマエタ!』
「離しなさいっ!」

 ゴブリンの叫び声に負けないよう大声を張り上げながら、ソラスは背後から自分の腰に抱き着いたゴブリンの頭を叩いた。
 拳を握った一撃だったが、しかし非力なソラスの攻撃では硬いゴブリンの頭蓋骨を割る事など出来ず、むしろ殴った自分の拳の方が痛い。

「つぅ……いやっ、離しなさいと、言っているのです!」

 それでもソラスが暴れてゴブリンを引き剥がそうとすれば美しい銀髪を飾る透明なヴェールが揺れ、夜空を連想させる青のミニスカドレスが際どい位置まで持ち上がる。
 黒のガーターベルトに飾られた太ももまで露にしながら両脚を肩幅に開いて腰を落とすと、ソラスは乱暴にゴブリンを引き剥がした。

「はあっ、はあっ!」
(早く逃げないと、他の魔物まで――キャッ!?)

 一匹のゴブリンを引き剥がしてさらに塔の奥へ逃げようとしたが、しかしすぐに二匹目、そして三匹目のゴブリンがソラスに抱き着いてきた。

『ニガスナ!』
『ツカマエタッ!』
「きゃあっ!?」

 ゴブリンが腰に、そしてソラスのしなやかな美脚に抱き着くと、銀髪の占星術師はこらえきれず床に押し倒されてしまった。
 うつ伏せに倒れたことで強かに鼻をぶつけてしまい、目の前が衝撃で歪んで見えてしまう。

「いたた……え?」

 その時、ソラスは自分の下半身にスースーと冷たい空気が当たっていることに気が付いた。
 視線を後ろへ向ければ、倒れ込んだことでお尻を後ろへ突き出す格好となり、あろう事か――蒼のドレススカートが大胆に捲れ、その下に隠れていたガーターベルトと同色の黒いショーツが丸出しになってしまっている。
 シルク地の黒ショーツは生地が薄く、尻の谷間や恥ずかしい割れ目の凹凸まで丸分かり。
 縁をフリルで飾られた可愛らしくも大人びが色気のあるデザインなのは、占星術の名目で王子の情事を盗み見てしまう彼女らしい好色な下着だ。
 しかしそれは、王子のために履いているもの。決して、ゴブリンなんかに見せるためではない。

「だめえっ、見ないでっ!」

 ソラスは慌てて両手でスカートを押さえようとしたが、しかしそれより彼女に抱き着いているゴブリンの方が速かった。
 彼らは伸ばしたソラスの手を掴んで抵抗を封じると、別のゴブリンがさらに強く両足に抱き着いてくる。
 そうすることでソラスの動きを封じて仲間の合流を待つつもりなのだ。
……さらに数匹のゴブリンが合流すれば、ソラスは四つん這いの体勢でショーツを丸出しにしながら六匹のゴブリンに囲まれてしまった。

「あ、ぅぅ……」
(これは、どうしたら……)

 ゴブリンごときに囲まれ、おしりを丸出しにした状態で抵抗できないなど、とても恥ずかしくて悔しい。
 けれどそれ以上に、ここからどうやって逃げればいいのかと必死に思考を巡らせるソラス。
 頬を赤くしながら、ショーツが丸出しになっているという羞恥を忘れて六匹のゴブリンを一気にせん滅する方法は一つしかない。

(魔力を溜めて、『星天召喚の儀』で倒すしかない)

 一匹でも残すと、仲間を殺されたことに逆上して自分に危害を加えられるかもしれない。
 それよりも時間を稼ぎ、魔力を溜め、六匹を同時に倒す――と。

「へ?」
『ナメロ』

 ソラスがそう決意して「どうやって時間を稼ごうか」と考えていると、彼女の眼前にゴブリンの男性器が突き付けられた。
 最初、ソラスはソレが何なのか理解できなかった。
 当然だ。
 魔物たちは自分を殺すために襲ってきたはずなのに……男性器を突き出してくるなんて、意味が分からない。理解できない。

「なにを……! 私がそのような事をするはず――」
『ナメナケレバ、コロス!』
『コロス! コロス!』
『エイケツ、ヲ、コロス!!』
「うぅ……」

 殺すの一言に反応して、ゴブリンたちが騒ぎ出した。

(こんな大声を出されたら、追ってきているほかの魔物たちにも私の居場所が気付かれてしまいます……)
「わ、わかりました! 少し、静かにしてください!」

 ゴブリンたちは単純で低能だ。
 おそらく英傑を殺す事への殺意よりも、欲望を満たすために行動しているのだとソラスは思った。

(じ、時間を稼ぐためです……っ)

 自分は死ぬわけにはいかない。生きて、この危機を王子に伝えなければならない。
 『英傑の塔』にいまだ封印されている力は、必ず王子軍の力となる――それを魔族に奪われるわけにはいかないのだ。

(私一人の恥辱で、この世界を救えるのならっ)
「な、舐めますから……」

 ソラスは自分にそう言い聞かせると、その可憐な唇を風呂にも入らず、痴垢に塗れて異臭を放つゴブリンの男性器へと近付けた。

「うぅ……っ」
(くさぃ……)

 最初に感じたのは、その臭いだ。
 まるで食べ物が腐ったような異臭を放ち、間近で嗅いでいるだけで涙が出てきてしまう。
 ソラスのような美少女が絶対に触れてはいけないような汚物そのもの。
 けれど生き残るためには、汚物に塗れなければならないのも戦いの常だ。

「い、いきます」

 六匹のゴブリンに見守られながら、ソラスは意を決するとキスをするように優しくゴブリンの男性器に自分の唇をつけた。
 それが精いっぱいだった。
 気持ち悪い。
 気持ち悪くてたまらない。
 腹の奥から吐き気が沸き上がり、今すぐに逃げ出したい気持ちになる。
 けれどゴブリンたちに拘束されている銀髪の美少女占星術師は逃げる事など出来ず――まさに敗者そのものの屈辱とばかりに、薄汚れたゴブリンの男性器に口付けした。

「う、オえ……」
(く、くさい……にがい……)

 例えようが無いほどの不味さに自然と涙が溢れた。
 しかしそれでも、ソラスは『英傑』だ。
 これだけの屈辱を受け、恥辱を覚えていても、彼女はしっかりと魔力を高め続けているのだから。

(時間。時間さえあれば……っ)

 まだ逆転できる。勝利できる。
 その事だけを考えてソラスはゴブリンの男性器にキスをする。
 今すぐに唇を拭って水で清めたいけれどそれもせず、彼女は何度もゴブリンの男性器に口付けた。
 けれどそれだけだ。
 ――いまだ性経験を一度も行っていない知識ではそれが限界であり、これまで何人もの人間の女を犯してきたゴブリンはすぐに不満になった。

『モットナメロ!!』
「むぐぅ!?!?」

 ゴブリンはそう叫ぶと、ソラスの頭部を掴んで一気に掴み寄せた。
 キスをするだけでも吐き気を覚えるほどの汚辱感だったのに、突然、乱暴に掴み寄せられ、そのまま口内に男性器を突き入れられたソラスは目を見開いた。
 何が起きたのか分からない。
 自分の口内に何が入っているのかなんて、考えたくもない。

「むぐぅううっ、むぅううぅうっ!!」
(いや、いやいやいやぁ!? やだ、こんなの口に入れないでくださいっ!?)

 ソラスは必死に首を横に振り、涙目になり、上目遣いでゴブリンに訴えた。
 過去に自分たちを追い詰めた『英傑』が、ゴブリンごときの前で泣いている。
 それに興奮したのか、ゴブリンはソラスの頭部を掴んだまま、今度は乱暴にそれを前後に動かし始めた。

「ふぐぅううぅっ!?」
(いや、乱暴にしないで!? 口の中にっ、変な味が広がって……!?)

 それはゴブリンの男性器から滲み出た先走りの精液と、そして亀頭周辺を汚していた痴垢の味だった。
 ソラスはそんなこと気付かないし、気付きたくも無いだろう。
 けれど実際に、銀髪占星術師の口内にはその人生で初めて魔物の精液の味が広がり、その汚辱感と不味さに大粒の涙が自然と零れ落ちる。
 しかし、泣いたからと言って責めが止まるわけではない。
 涙を流す『英傑』の姿に興奮したスライムがさらに激しくソラスの首を動かし、自分でも腰を前後させ始めた。
 所詮はゴブリンだ。
 獣のような本能で欲望を満たすために行動し、それは確かにソラスにとって望ましい状況に変わっていく。
 性行為に集中したことで、高まっている彼女の魔力に気付かないのだ。
 周囲も同じ。
 次は自分のモノを舐めさせたいと考えているのか、銀髪の美少女が乱暴に口辱されている光景を見て残り五匹のゴブリンも股間を硬くしている。

「ふぎゅぅうぅぅっ、むぐぅぅうゥウウッ!?」
(くるし、きつ――はやく、おわってぇえっ)

 ソラスがそう願ってから数分後。
 更にゴブリンの腰振りが激しくなると、僅かに口内の男性器が膨らんだような気がした。

「ムゥウゥウゥゥゥゥゥウゥゥッ!?!?」
(うそ、いや、いやいや――イヤァアアアアアッ!?)

 ソラスはすぐにそれが何の前兆か気付き、慌てて首に力を込めてゴブリンの手を振り払った。
 すぐに口から男性器を抜けば、直後、吐き出したゴブリンの鈴口が広がり、バターのように黄ばんだ精液が発射される。
 口辱されていたソラスは口から吐き出すので精いっぱいとなり、それを避ける余裕など無い。
 結果、至近距離からゴブリンの精液を浴び、その美貌を魔物の精液で穢してしまう。

「いやああっ!? あううぅ……」
(うそ、私が……ゴブリンなんかの精液に……)

 1000年間、英傑の塔を封印してきたとはいえ、ソラスも女であり、相応の自尊心を持っている。
 そんな自分がゴブリン後時の精液に汚れてしまった事実に嘆いていると――射精の快感で呆然としているゴブリンを押し退け、別のゴブリンがソラスの前に立った。

「え……うそ、やすませ……むぐぅ!?」

 ソラスが何かを言い終わる前に、ゴブリンはまたソラスの頭部を掴んで無理矢理に自分の男性器を加えさせた。
 美少女を凌○する光景を見た周囲のゴブリンたちが盛り上がる。

「ふグゥウウゥッ、むぅううぅウゥッ!?」
(やめっ、くるし――せめて、少し休ませて……ッ)

 そんな言葉などゴブリンたちには届かず、ソラスはすぐにまた激しく首を前後させられた。
 同時にゴブリンも腰を振れば、子供のように小柄な体に不釣り合いな、成人男性も顔負けな男性器が口内どころか喉奥まで到達して吐き気がする。
 ――そして同時に、ソラスは一回目よりも口内に感じる不快感が少ない事に気が付いた。

(なんですか、これは……まさか、慣れたとでも?)

 それは『英傑』である彼女にとって、いや、人間である彼女にとってこの上ない屈辱だ。
 魔物との性行為に、魔物の精液の味に慣れるだなんて、あってはならない。
 首を横に振ってその思考を否定しようとしたが、それを抵抗だと感じたのかゴブリンはさらに強くソラスの頭部を掴むと激しく前後させて自分の男性器を刺激する。
 苦しさが増し、大粒の涙が自然と溢れ、なのにソラスは不思議な事に自分の下腹部がキュンッと疼いたような気がしてしまう。

「ふむぅぅうっ!?」
(うそ、どうして……っ!? 違う、違います、こんなの違うっ!?)

 一度意識すると、すぐに自覚した。
 ゴブリンたちは気付いていないが、ソラスは自分の下腹部が熱くなり、同時にショーツが少し湿ってしまうくらい自分が濡れていることに気付いてしまう。
 ゴブリンに凌○されていること以上の衝撃を受けて顔が青くなり、すぐにその事実を隠すよう内股になって股間を隠そうとするソラス。
 しかしそれが悪かった。
 お尻を揺らしたことでゴブリンたちがソラスの下腹部へ視線を向けると、すぐに黒下着が濡れていることに気付いて声を出して笑いだしたのだ。

「~~~~~~ッ!」
(笑うなっ! ゴブリンごときがっ! 貴方たちなんて、仲間が居れば簡単に倒せるのにっ)

 ソラスはそう叫びたかったが、叫ぶための口は塞がれ、しかも喉奥を突かれるたびに下腹部がどんどん熱くなってしまう。

(どうして!? 嫌なのにっ、気持ち悪いのにっ! どうして、よぉ……)

 自分の身体の反応が信じられない。
 これが死を間近に感じた生存本能だとか、種を残そうとする生物の本能だとか、言い訳は頭に浮かぶ。
 けれどやはり、魔物なんかに口を犯されて濡れるだなんて、ソラスのプライドが許さないのだ。

(違う、違う違う違う――こんなの違うっ!)

 必死に自分の身を焼く衝動を否定するソラス。
 ――その答えが、今咥えているゴブリンの男性器。そこから滲み出る魔物の精液だとは、想像もしていない。
 魔物は手を残すために、この1000年で進化していた。
 それは英雄王と共に戦ったソラスも知らないことだ。
 何故なら、彼女はずっとこの『英傑の塔』を封印していたから外の世界の情報を少しも持ち得ていなかった。
 『魔物は魔物』としか考えていなかったのだ。
 この1000年でどれだけ成長し、進化したかなど想像もしていない。
 ――その繁殖方法が変わったことも。

「ふぐぅううっ、ふぅぅうう……」
(くさい、にがい……のに……)

 魔物は魔物たちだけでなく、人間の女を使って繁殖するように変わっていた。
 その可能性は同族同士で行うよりかなり低いが、しかし『人間を滅ぼす』ために生まれた魔物たちは『人間を使って同族を増やす』ことも効率がいい事を学んだのだ。
 1000年という時間をかけて変化した魔物たちはより効率よく人間の女を犯せるように、その体液が代わっていた。
 今、ソラスが咥えているゴブリンの男性器。そこから滲み出る精液。
 ――魔物の体液は女を発情させるものへと変わり、ソラスはそれを直に口に含んでしまっている。
 それにより彼女の身体は強○的に発情させられ、涙を流すくらい『不味い』と感じていた精液が徐々に舌に馴染んでしまう。
 気が付くと、彼女は口内で感じるゴブリンの精液に慣れ、次第に『甘く』『美味しい』者だと感じるようになりつつあった。

「はふ、はぁぁ、ふぅぅ……」

 最初は抵抗心が剥き出しだった瞳が徐々に蕩け、嫌悪ではなく随喜の涙すら浮かべてしまう。
 頬は興奮で赤く火照り、気を抜けば今にも自分から舌を動かしてゴブリンの男性器を舐めしゃぶってしまいそう。
 ソラスはそうならないように強く拳を握り、手の平に爪を喰い込ませる痛みで必死にその衝動に耐えていた。

(おか、しい――こんなの、ぜったいにおかしい、です……)

 自分でも変だと分かる。
 短時間で自分の味覚が変化していく違和感。
 その理由が分からないままゴブリンが乱暴にソラスを揺らし、自分も腰を前後させて快楽を貪れば、それに合わせてソラスの股間からは太ももまで垂れるくらい大量の愛液が流れ出てしまう。
 もう我慢できずに太ももを擦り合わせれば、黒ショーツに包まれた小振りで形のいいお尻が雄を誘うように左右へ動く。
 ゴブリンたちは煽情的な黒のレースショーツに飾られたお尻が揺れるさまを見て楽しみ、順番待ちを我慢できず自分たちで男性器を扱いていた。

「ふぅぅう、ふぅぅう……」
(ああ、だめ、だめです……いや……)

 喉の奥を突かれるたびに頭の奥が痺れてしまう。
 目の前が真っ白になって、流れる涙で視界が潤んで、頭の中はぐちゃぐちゃで――

「ふぐ……」
(イく……)

 ソラスはあろう事か、ゴブリンに喉奥を突かれる衝撃で意識をトばしてしまった。
 頭部を掴むゴブリンの指の間で綺麗な瞳が白目を剥き、嬌声の代わりに鼻息を荒くする。
 鼻を抜けて出たゴブリンの精液の臭いによってさらに頭の奥が気持ち良くなり、股間からは触られてもいないのにショーツの吸水量を超える愛液が溢れて『英傑の塔』の床に垂れ落ちてしまう。
 けれど、ゴブリンはまだ満足していないのだ。
 ソラスが絶頂して白目を剥いても腰振りを止めずに喉奥を突けば、ソラスは絶頂しながら快楽を送り込まれて更なる快感に翻弄される。
 透明なヴェールに飾られた美しい銀髪が汗に濡れた額に張り付き、白目を剥いたまま頭部が前後に揺らされる。

「お、ごっ、フゴッ、おっ!?」

 苦しさにうめき声を上げながら、けれどゴブリンは止まらない。
 さらに激しく、さらに力強く腰を動かせば、それに合わせてソラスからも重く濁った、けれど快楽の感情が滲む声が喉奥から漏れ出ていた。

(や、だ――うそ、ちがう――こんなことで、わたしは……)

 イかない。イきたくない。
 そう思っているのにソラスは乱暴に喉を突かれるだけで被虐的な快感に襲われ、股間では新しい愛液を漏らしてしまう。
 すでにショーツのクロッチ部分はびしょ濡れになり、黒布全体もソラス本人の汗を吸って小振りなお尻にぴったりと張り付いてしまっている。
 黒のレースショーツは本来の役割である恥部を隠すことを完全に放棄し、見事なお尻の谷間や、女性器の凹凸まで丸分かりの状態だ。
 残ったゴブリンたちは『英傑』星を詠む者ソラスの痴態に興奮し、更に男性器をシゴ久手の動きを激しくする。
 それを知ってか知らずか、ソラスはまるで求めるようにお尻を振り、ゴブリンたちを誘惑した。

「ふぐ、うっ、うぅぅっ!」
(うそ、やだ、いや……また……っ)

 頭部を掴むゴブリンの力が、腰振りの勢いが徐々に増してくる。
 口内にある男性器が僅かに膨らめば、聡明なソラスの思考はすぐにそれが射精の前兆なのだと理解した。
 表情が恐怖に歪む。
 けれど、最初の時のような嫌悪の色は薄い。
 彼女が恐ろしいのは、ゴブリンの射精に合わせて自分も絶頂してしまうことだ。

(魔物なんかにっ、絶頂させられたくないっ)

 ソラスは強くそう思うと、痛いくなるほどの力で拳を握った。
 手の平に爪が食い込む刺激で、意識が鮮明になる。
 今の状況を理解すると、必死に耐えようと気をしっかりと持った。

(大丈夫です! 我慢さえできればっ!)

 そう自分を奮い立たせた直後、これまでで一番強い勢いでゴブリンが腰を突き入れてきた。
 亀頭が喉奥を突き、それどころか食道の入り口まで潰された。
 息が出来ない。苦しい。痛い。

「オ、ふ……」

 ――そんな事など一瞬で消し飛ぶほど、喉奥を乱暴に擦られる刺激は気持ち良くて、ソラスは一瞬前の覚悟など簡単に吹き飛んでグルンッ、と白目を剥いた。
 あまりの衝撃に数秒ほど意識がトび、全身が弛緩すると四つん這いの体勢のまま勢い良く股間から潮を吹く。
 我慢していたのかその勢いはすさまじく、ショワァァァッという水音とともに、たった数秒で『英傑の塔』の床に見事な水溜りを作ってしまうほどだ。
 黒のレースショーツはお漏らしをしてしまったみたいにびしょ濡れとなり、それが終われば腰が激しく痙攣し始める。
 潮吹きはまだ終わっておらず、腰の痙攣に合わせて潮吹きを継続すれば、それはまるで獣が自分の縄張りにマーキングするかのような光景を晒す。
 けれどまだ終わらない。

『グフゥゥゥゥ…………』

 ソラスの口を犯していたゴブリンが全身を強張らせれば、占星術師が絶頂した直後、その口内に精液を吐き出したのだ。
 女を狂わせる精液を口内に、直接食道に流し込まれた苦しさでソラスが意識を取り戻す。
 更に背後のゴブリンたちは自分の手で男性器を満足させると、ソラスの白いお尻に、黒い下着に欲望の塊をぶつけた。
 口内だけではない、お尻まで穢される熱に肌を焼かれると、ソラスは我慢できずにまた潮を吹く。

「ふごっ!? オッ、ごっ!?」
(くる、し!? しぬ、ころされ――――ッ!?)

 口を塞がれ、食道まで犯されたソラスが死を直感し、生きるための本能から精液を飲み込む。
 それを見届けてからゴブリンが口から男性器を引き抜いた。
 屈辱だ。
 精液を飲む姿を見られることに、ソラスは泣きたいほどの屈辱を感じる。
 ……けれど、我慢できない。
ゴクッ、ゴクッと喉を鳴らしながらゴブリンごときの精液を飲み込めば、一瞬の後、腹の奥から燃えるような熱が溢れてさらにソラスを興奮させた。

「ハアッ、ハアッ、ハアッ!? おエッ――まずい、はずなのに、どうして……っ」
(体が熱い。頭がフラフラする、それに……)

 今すぐにでも自分の手を使って自分を慰めたい衝動に駆られた。
 気を抜くとすぐにでも自分の意識を離れて両手が股間や胸に向いてしまいそうだ――が。

「油断、しましたね……ッ」

 だがこの時、ソラスは魔力を高め終えたのだ。
 彼女が使う星落とし――『星天召喚の儀』。
 最大まで力を溜めた一撃は六個の隕石となって召喚され、射精して満足している六体のゴブリンへ同時に直撃した。
 ゴーレムにすら致命傷を与える一撃にゴブリンごときが耐えられるはずもなく、彼らは断末魔の悲鳴を上げる暇もなく絶命する……。

「はあっ、はあっ。くぅ、ぅぅうっ」
(ゴブリン、ごときが……ゴブリンごときに、穢された、なんてっ)

 ソラスは荒い呼吸を繰り返しながらそう考えると、足を震わせながら立ち上がった。
 ズクン、と胎の奥が疼く。
 立ち上がっても足は内股になり、膝から下に力が入らない。
 壁に手を当てて身体を支えながら出なければとても歩けないほど、体力を消耗してしまっていた。

「いったい、なにが……これ、変です……」

 身体が今にも燃えてしまいそうだと、ソラスは思った。
 お漏らしをしたみたいにびしょ濡れの下着が気持ち悪くて脱いでしまいたかったが、さすがに魔物から追われている最中にノーパンなのは絶対に嫌だ。

「今は、逃げないと……」

 ソラスはそう判断すると、フラフラになりながら英傑の塔の奥へと逃げるのだった……。





 ソラスが次に追いつかれたのは、そのすぐ後だった。

「あつい、あつぃ……こんなの、がまんできなぃ……」
(こんな状態で逃げるなんて、出来るの?)

 今の状況に不安を覚えるのも、しょうがないだろう。
 ゴブリンの体液を飲み込み、更に逃げるために放置していたお尻を濡らす精液も時間が経つごとにソラスを追い詰めていた。
 身体のほてりはどんどん高まり、我慢できずに何度も足を止めてしまう。
 スカートに隠れた股間からは絶え間なく汗と愛液が混ざり合った液体がしたたり落ち、ソラスの居場所を知らせるように『英傑の塔』の床に水滴を作っている。
 こんな状況では逃げられないと、不安に思うのも当然だ。

「はあ、はあ……少し、休憩しないと……」
(せめて、この身体の火照りが収まってくれたら……)

 ソラスがそう思って、壁に手をついて身体を休めようとした時だった。

「きゃあっ!?」

 ついにソラスへ追い付いた第二陣――今度はローパーの群れば、伸ばした触手を彼女の手に巻き付けたのだ。
 音がしなかったのは、ローパーの本隊が軟体生物のように床を這うタイプであり、足音が出なかったからである。

「もう追い付かれた!? しかもこいつは――」

 ソラスが慌てたのは、ローパーの体質によるものだ。
 魔術師職にとって天敵とも言える範囲外からの遠距離攻撃を可能にする触手と、何より脅威なのはその体液に含まれる麻痺毒である。
 数回も攻撃を受ければ毒が全身に回り、動けなくなってしまうことをソラスは知っていた。

「離しなさいっ!」

 ソラスは気丈にそう言うと、手に巻き付いている触手を引き剥がそうとした。
 しかし元々非力なソラスであり、しかも今はゴブリンの体液によって身体が完全に発情してしまっている。
 満足に力が入らない彼女ではローパーの触手を振りほどくことなど不可能で、どんどん巻き付かれた右手の感覚が薄れていく。

「早く解かないと動けなくなってしまいます――きゃっ!?」

 そうしている間に別のローパーも触手を伸ばしてきた。
 今度はソラスの左足に巻き付き、さらに別のローパーが胴体に、右足に、ついには唯一自由に動かせていた左腕にも触手を巻き付けてくる。

「しまったっ!?」
(これでは逃げることが――)

 触手によって動きを封じられると、すぐにローパーの触手はその表面から麻痺毒を分泌させ始めた。
 それはまるでローションのように粘り気があり、ソラスの全身、着ている蒼のドレスまで濡らしていく。
 あっという間にソラスは全身が麻痺液まみれとなってしまった。
 濡れたドレスが肌に張り付く気持ち悪さと、スラリとしたスレンダーな肢体、小振りだが形の良い胸、くびれた腰、可愛らしいお尻までその形を露わにしてしまう。
 それを恥ずかしいと思う暇もなく、ソラスは全身の感覚がどんどん鈍くなっていくことに焦った。

(麻痺してしまったら、戦うことが出来なくなってしまいます……っ)

 ソラスは意を決して、残っている魔力だけで『星天召喚の儀』を行った。
 落ちてきたのはたった二つの隕石だけ。
 それでも自分を拘束しているローパーを二匹は仕留めると、右手と腰を掴んでいる触手が緩んだ。

「離しなさいっ!!」

 そう叫ぶと、身体を暴れさせるソラス。
 新羅が見えることも構わず全力で暴れたが――しかしローパーの触手は緩まない。
 ならばと短時間だた溜めた魔力でもう一度『星天召喚の儀』を行おうとしたが、しかしそれよりも早く両脚に巻き付いた触手がそのまま細い足を上り――あっさりと、簡単にソラスの股間に到達した。
 お漏らしをしたように濡れている黒ショーツは何の守りも無いように簡単に触手の到達を赦すと、そのまま黒のレース生地ごしに陰部を一擦り。

「はウッ!?」

 ただそれだけで、これまで経験したことが無いような鋭い快感を覚えてソラスの腰が情けなく引けた。
 『英傑』の女は無様に腰を引いてローパーの触手から逃げようとするが、しかし相手は伸縮自在の触手である。
 その程度で逃げられるはずもなく、ローパーは腰が引けた分の距離を簡単に詰めるとまたソラスの股間をショーツの上から擦った。

「ひぐっ!? やら、なんれ……ッ!? はぅぅうっ!?」

 ソラスはローパーのような気持ち悪い生物の触手に撫でられただけで、気持ち良くなってしまう自分の身体が信じられなかった。
 事前にゴブリンたちによって絶頂させられていたとしても、だからといって今度は人型ですら無い魔物なのだ。
 触手は軟体動物のようにウネウネしていて、生理的に受け付けない外見なのに――。

「はうっ、ひっ、ふぁぁあっ!? なんでっ、なんれっ!?」
(どうしてこんなに気持ち良くっ!? ろーぱー、なのにっ。ローパーごときにっ!?)

 動揺している間にもローパーの触手は執拗にソラスの股間を狙う。
 スカートを揺らしながらソラスは必死に腰を逃がそうとするが、まるで追いかけっこのように執拗に動く触手。
 それに気を取られていると別のローパーが追加の触手を伸ばし、またソラスの動体に巻き付いた。

「あっ!?」

 動体を強く掴まれるとソラスは腰を振って逃げることが出来なくなり、股間を狙っていた触手は直後、その気色悪い外見からは想像もできない繊細さでソラスの股間に張り付いた。
――ショーツにくっきりと浮かび上がった女性器の凹凸、そしてその僅かに上でプックリと浮かび上がったクリトリスを同時に刺激された激感に、ソラスが悲鳴を上げる。
 しかし本当の地獄はここからだ。

「なに、なにをしているの!? はなれなさ――くヒィィぃっッ!?」

 張り付いた触手が空間の余白が無くなるまで密着すると、その内側にあった大小様々な短い触手がショーツを横にずらしてからクリトリスを集中して刺激してきたのだ。
 ソラスのクリトリスはあっという間に包皮から剥き出しにされ、可愛らしい小さな肉真珠が無数の――数えきれないほど無数の小さな触手たちによって嘗め回される。
 まるで宝石を磨くような執拗さで快感神経の塊を磨かれたソラスは――。

「ホっ、お゛っ、オォォおぉおおっ!?」

 美少女然とした外見からは想像もできない獣のような悲鳴を上げ、首を仰け反らせた。
 目の前で火花が散り、頭の中が真っ白になり、ゴブリンの口辱とは比べ物にならない快感に下半身の全神経が焼かれたような錯覚すら覚えてしまう。
 一瞬で腰から力が抜けると立っていられなくなったが、しかしそれをローパーたちの触手が支えた。
 倒れることも許されないまま強○的に立たされたソラスは黒のガーターストッキングで飾られた両足を肩幅に広げ、直立不動の姿勢を強○させられる。
 大きなけがもなく、衣服もそのまま。
大事な部分こそドレスのスカートで隠れているが、しかしだからこそ、触手が入り込んだスカートの内側でなにをされているか見るものに想像させる屈辱の体勢だ。

「ひあぁああっ、やめっ、やめ゛っ!? はな゛じでっっ、こんな゛っ、ごんな゛あああっ!?」
(くりっ、とりす!? 私のクリトリスっ、クリトリスがっ!?)

 『英傑』として活動し、性的知識に興味はあってもそれを実践する暇があまりなかったソラスは、自慰の際にもクリトリスを触ることは少なかった。
 1000年生きていても生娘同然の経験薄弱なクリトリスがいきなり、ローパーの触手責めに晒されて頭が混乱する。
 気持ち良すぎて、それが快楽なのだと理解できなかった。

「いだいです! そこっ、痛いから離してくださいぃっ!」

 敏感過ぎるクリトリスからの刺激を痛みと誤解したソラスが叫ぶけれど、ローパーは逃がさない。
 まともに戦えば先ほどの二匹のように塵も残らず消し飛ばされるだろう銀髪の占星術師を前にして、ローパーたちも本能から恐怖しているのだ。
 もし油断して逃がせば、自分たちが全滅する。
 『英傑』とはそういう類の存在だと魔物の本能が理解しているからこそ、彼らも必死でソラスを責める。
 そんな彼女が『痛い』などと口にするなら、そこは弱点だ。
 ソラスが自分から弱点を口にしたことを良い事に、ローパーはそこを重点的に責めた。

「ひぎぁああああああっ!? ああああっ、ヤダっ、そこはやめてぇえええっ!?」
(くりっ、クリトリスッ! ひっ、いヒッ!? こんなっ、こんにゃっ、ローパーなんかにぃいっっ!?)

 ソラスは黒のレースが尻肉に食い込むほど下半身に力を込めてその刺激に耐えようとしていた。
 けれど自分でもめったに触らないほど敏感で、刺激に未熟な快楽神経だ。
 そんなモノがローパーの触手責めに耐えられるはずもなく、ソラスは数秒おきに目の前が真っ白になり、苦痛のような快楽を絶え間なく与えられてしまう。
 ゴブリンの時とは比べ物にならない暴力的な快楽によって全身から力が抜けると、あろうことかソラスは直立の姿勢のまま股間から勢いよくおしっこを漏らした。

「アアアッ、ああああアアアッ!?」
(うそ、うそうそうそ!? わたしがそんなっ、おっ、おもらしなんて!?)

 だが、ソラスの屈辱は終わらない。
 ローパーたちは危険な『英傑』を無力化するためにさらに多くの触手を伸ばすと、彼女の胸に巻き付いたのだ。

「あっ!?」

 すぐに胸元を隠していた生地が中央に寄せられ、ニプレス一枚という下着すら身に着けていないソラスの胸が晒された。
 ドレスの形状が特殊ゆえに下着を身に付けられなかったのだが、しかし乳首を隠す肌色のニプレス一枚だけというのは防御力が何も無いのと同じだ。
 ローパーはすぐにニプレスに触手を巻き付けると、すぐに剥がそうとする。

「だめですっ、それだけはっ!!」

 ソラスが今までで一番暴れると、しかしローパーはそんな抵抗など無視して最後の砦であるニプレスを剥がしてしまった。

「ああっ!?」

 ソラスが隠そうとしていたのは、その乳首だった。
 真っ白な肌に、綺麗な桜色の乳輪は普通の人と同じ。
 小振りだが形の良い胸は美乳と称され、多くの男性が彼女により強い行為を抱く一因となるだろう。
 ただ、その乳輪の中央。
 そこには本来あるはずの突起が無く、代わりに、可愛らしい小さなくぼみがあるだけだった。
 ――ソラスの乳首は陥没していて、その全体が乳房の中に埋まってしまっていたのだ。
 彼女はそれを隠すためにニプレスを貼っていたのだろうが、しかしそれは簡単に奪い取られ、適当に『英傑の塔』の床に捨てられる。

「うぅう……絶対に許しませんからね――ンヒィ!?」

 そんな負け惜しみも、クリトリスを舐めしゃぶられた衝撃で吹き飛び、全身を跳ねさせるソラス。
 ドレスから解放された小振りな美乳がプルンッと魅力的に揺れると、まるで誘われるようにローパーの触手が占星術師の乳房に群がった。

「いやっ、こないでッ! くるなぁあああっ!!」

 ソラスが叫ぶが、ローパーは無視する。
 クリトリスに張り付いているのと同じ触手が、今度は小さなくぼみがあるだけの乳輪に密着した。

「くっ……今度は何をっ」

 また辱める予感がして、ソラスはローパーを睨みつけた。
 しかし触手が生えた軟体生物たちは『英傑』の視線をものともせず、そのまま触手を蠢動させる。
 その内側にはクリトリスを責めているものと同じ大小様々な形をした繊毛に覆われていて、それらの中でも長く伸びる触手が乳輪の中央にある窪みの中へと侵入し始めた。

「ヒッ!?」

 ソラスは胸の中を触られるという異様な刺激と、今もクリトリスから送られてくる痛いほどの快感に悲鳴を上げる。
 無意識に腰を引こうとしても逃げられず、精々が情けなくヒクヒクと腰を前後左右に揺らす程度。
 蒼いドレスのスカートが左右に揺れると、チラリチラリと汗とローパーの体液に濡れた太ももが僅かに覗いた。
 その僅か上では黒のレースショーツではもう受け止めきれない愛液がとめどなく溢れ、ソラス本人の意思ではどうしようもないほど情けなく腰が痙攣してしまっている。

(なんとか、何とかこの場を切り抜けなければ……)

 ソラスはそう思うが、いい案は浮かばない。
 非力な彼女に出来るのは魔力を溜めて一撃必殺の『星天召喚の儀』を放つことだけだ。
 その準備が出来ていないなら無力な村娘と同じで――。

「ううぅウゥッ、あぅぅうぅぅぅっ」
(や、だ――本当に、胸の中まで触られてるっ)

 ソラスはクリトリスと同じように、普段は皮を被ったようにその姿を隠している乳首も弱点だった。
 厳重に守られているといえば聞こえはいいが、実際は陥没していて空気に触れることも無いから刺激に対して極端に弱い。
 むしろソラスは、自分の乳首はクリトリス並みに敏感だと考えているほどだ。

「あ、ああっ、ダメッ、そこは敏感だからっ!?」

 ソラスはローパーのような魔物に言葉が通じないと思っていたが、そうでもない。
 確かに言葉は通じないが、彼女の切羽詰まった様子、必死な雰囲気、余裕のない表情から『乳首が弱点』なのだと感じていた。
 そのまま陥没穴の中へ小さくて細い触手を数本潜り込ませれば、その内側で縮こまっている乳首の根元に巻き付いて引っ張り出そうとする。

「~~~~ッ!? ダメ、お願いそれだけはやめてっ!?」

 ソラスが叫ぶが、ローパーは無視する。
 無視して乳首を引っ張り出せば、数日に一回はお風呂の中で洗浄される乳首が簡単に引っ張り出された。

「あ、ああ……っ」

 触手に覆われていて見えないが、感覚で自分の乳首が引っ張り出された事実を知ったソラスが絶望の声をあげる。
 しかも左右同時にだ。
 瞬間――覚悟をする暇もなく、ソラスの空気にすら滅多に触れることのない乳首がクリトリスと同じように大小様々な触手に密着され、巻き付かれ、嬲られた。

「ア――ガッ!?」

 それもまた、痛みだった。
 強すぎる快感を快楽だと頭が理解できず、刺すような痛みとなって脳を焼く。
 あまりの激痛にソラスが悲鳴を上げたが、しかし同時に、乳首の痛みが顕著だからこそ、このわずかな間で嬲られ続けたクリトリスの感度が疼くものへと変わっていることに気が付いた。

「あ、あぅぅぅっ……なに、これ、なにこれ……、なにこれっ」
(くりとりすっ、私のクリトリスがっ、熱い、熱いっ!)

 ゴブリンの口辱で絶頂した時のような熱が、けれどあの時よりも圧倒的に激しく荒い感覚となってソラスの下半身を焼いているようだった。
 ようやっとその刺激を『快楽』だと脳が認識できるようになると、ソラスはすぐに腰を痙攣させて――果てた。

「ふぁあああっ!? あうぅぅうぅっ、やだ、やだやだぁ!? お願い止めてっ、止めてくださいっ! ちょっとでいいですからっ! 少しっ、少し止めてぇえええっ!?」
(くっ、クリっ!? 乳首っ!? 変ですっ、コレッ、こんなのっ、はじめてっ!)

 クリトリスが気持ち良くなれば、それによって乳首の刺激もまた『気持ち良いものだ』と脳が理解したのだ。
 今までの人生でただ『痛いほど敏感』なだけだった乳首とクリトリスからの刺激を『気持ち良いものだ』と理解すると、ソラスは怖くなった。

「いや、いやぁあああっ!? おかしいっ、変ですっ!? こんなのっ、こんなの知らないぃいいっ!!」
(きっ、気持ち良い? 気持ち良いのか、痛いのか、分からないですっ!? 怖い、怖い怖い怖いぃぃいっ!?)
「おねがいっ、とめてぇええっ!? だれかっ、だれかぁああああっ!?」

 未知の刺激に怯えたソラスが悲鳴を上げたが、当然だが助けは来ない。
 その間に銀髪美少女の美肢体が準備を整えたと判断すると、ローパーはまた触手を伸ばしてきた。
 二本だ。
 それはまだ触られていないソラスの女性器と、そしてもう一つの穴――肛門に狙いを定めて伸びてくる。

「いやっ、だめっ!? 今はだめッ、いまはっ!?」
(乳首とクリトリスが変なのにっ、今っ、犯されたらっ!?)

 どうなってしまうか分からない。
 相手は人間ではない。魔物なのだ。
 人間の天敵、自分たちが絶対に倒さなければならない存在。
 ――そんなものに犯されて、気持ち良くなってしまったら。
女としての恐怖からソラスは悲鳴を上げたけれど、麻痺毒で動けない身体は逃げるどころか満足に身動ぎをすることもできない。
触手に巻き付かれたまま無抵抗に肢体を差し出せば、二本の触手は最初の目的通り膣穴と肛門にその先端を密着させた。

「あ、あああ――だれか……誰か助けてください!! 王子っ! トラムちゃん! だれ――」

 その悲鳴は誰にも聞かれる事なく『英傑の塔』の廊下に木霊しただけだった。
 ローパーはソラスの悲鳴を聞きながら触手に力を籠めると――『英傑』星を詠む者ソラスの膣穴と肛門を征服した。

「あ」

 その衝撃に漏れたのはたったそれだけで、ソラスは自分の身に何が起きたのか理解できていないように呆然とした表情を浮かべた後――。

「あっ、アアアッ!? あぐ、やだ、うそうそうそ――イ、ぐ……っ」

 ただそれだけを口にして、顔を伏せた。
 汗に濡れた美しい銀髪が表情を隠したが、全身の痙攣は隠せない。
 ソラスは挿れられただけで絶頂したのだ。
 両脚がガクガクと震え、スカートの下から流れるように多くの愛液を噴き出してしまう。
 足の間には誰でも一目で分かってしまうほど情けなく無様な愛液の水溜りを作り、新しく流れ出た恥液が水音を響かせながらしたたり落ちる。

「う、そ――ちが、そんな……こんなの、ちが……」

 絶頂の余韻が引いたソラスがそう呟くが、しかしそんなものに意味は無い。
 ローパーはソラスが落ち着いたのを待ってから、今度こそ、激しく触手を動かした。

「お、ハッ!? うそっ、なんでっ、なんでぇえええっ!? 魔物なのにっ、まものなんかにぃぃいいっ!?」
(なんで私っ、こんなに気持ち良くっ!? なってっ!? いや、ちがう、こんなのちがううぅううぅっ!?)

 信じたくなかった。理解したくなかった。
 『英傑』である自分が魔物に犯されて即絶頂したなんて分かりたくなかった。
 けれど現実にソラスは挿入されただけで絶頂し、しかも彼女はアナルを穿られた衝撃でも絶頂したのだ。
 それが麻痺毒によって弛緩した括約筋が締まりを良くしたとか、媚薬効果のある麻痺毒で滑りが良くなったとか――そんな事実を知らないからこそ、耐えがたい。
 ソラスは『自分が魔物の触手でイった』という事実が耐えきれず悲鳴を上げたけれど、それ以上に耐えられない現実がまだまだ襲い掛かってくる。

「もう止めて下さぃっ!?」
(まっ、またイく!? イっちゃう!? やだ、魔物の触手なんかでイきたくないぃいいっ!?)

 必死に歯を食い縛って絶頂を抑え込もうとするソラス。
 けれど同時に弱点の乳首とクリトリスを激しく舐めしゃぶられ、子宮口を突かれ、括約筋を削るような激しさで排泄するように触手を引っ張り出されると、耐えられない。
 歯を食いしばりながら呼吸するために鼻の穴を広げ、涙や涎を流してソラスは絶頂した。
 ミステリアスな占星術師という美貌が消し飛び、情けない顔を晒しながらの絶頂だ。
 あまりにも気持ち良すぎて、頭の奥で神経がブツブツと切れていくような気までしてきた。
 痛い。苦しい。気持ち悪い。
 けれどそんな刺激なんか消し飛ぶくらい、気持ち良くてたまらない。

「いや、いやだぁアアアッ!? これ以上気持ち良くしないでっ、これ以上気持ち良くなりたくない――これいじょうイきたくないぃぃいっ!?」

 ソラスはそう叫ぶとまた絶頂した。
 股間から激しく潮を吹き、更に足元の水溜りがその面積を広げていく。

「ひああぁアアアああ!?」

 絶頂しながら絶頂し、次の絶頂まであっという間に押し上げられる。
 人生で初めての連続絶頂を耐える事など出来るはずもなく、ソラスはその細い体を絶え間なく痙攣させ続けた。
 それでもローパーの触手は動きを止めず、特に、膣内の触手はその勢いさらに激しくした。
 膣内で触手が僅かに膨らみを増したのを感じて、ソラスの顔が青くなる。

「うそ、まさか――ダメッ、お願いそれだけはっ!?」

 ソラスは慌てたが、けれど麻痺毒で身体は動かない。
 ローパーの成すがまま――触手が膣穴の最奥、子宮口に密着した。

「お願いダメッ!? 赤ちゃんができちゃ――」

 人間と魔物の間に子供が出来るかは疑問だが、しかしソラスは咄嗟にその失敗をした。
 『英傑』とまで呼ばれ、魔物から恐れられる女の口から「赤ちゃん」なんて可愛い言葉が出たのは微笑ましいが、状況は最悪だ。
 ソラスの考え通り、ローパーは触手の先端を子宮口へ押し付けるとその先端を捻じ込み、子宮内へ直接射精した。

「いや、いやぁアアアああああああ!?」
(でっ、出てる!? うそ、出てる!? 魔物の精子が、私の中にぃいいっ!?)

 その射精が数分も続けば性も根も尽き果てたように脱力し、その動きが鈍くなった。

「おわ、った……?」

 それを射精の終わりだと思ったソラスは、嗚咽を漏らしながらそう呟いた。

「ださ、ないと……精液、出さないと……魔物の赤ちゃんなんて、いやぁ」

 けれど身体は麻痺毒で動けないし、四肢は触手で拘束されてしまっている。
 その事実にソラスが新しい涙を流せば、ローパーたちは膣と肛門の触手を抜いて新しい触手を伸ばしてきた。
 まだこの地獄は続くのだ……。

「……たす、け……王子……」

 本来なら古くから生きる『英傑』として自分が助けなければならない立場なのに、ソラスはもうそんな関係も分からなくなるくらい追い詰められていた。
 その数分後には乳首とクリトリス、膣穴と肛門はまた嬲られ続けている。
 身体の痙攣は止まらなくなり、下半身は緩みに緩んで、壊れたみたいに潮か愛液かおしっこか分からない液体を垂れ流す。

「あ……あ……」

 不意に床が震えたような気がして、ソラスが顔を上げた。

(たすけ……)

 助けが来たと思った。
 王子の軍が異変を察して、『英傑の塔』に来たのだと。
 けれど、ソラスは忘れていた。
 『英傑の塔』は魔物の襲撃を受けていたのだ。
 ……その魔物たちが当の試練を突破し、ついに追いついてきたのだ。
 それはゴブリンやローパーなどとは比べ物にならない、屈強で、狡猾で凶悪な魔物たち。
 中にはグレーターデーモンやゴーレムのような巨大な種族まで存在している。

「あ、ああ、あああああ……」

 最弱の魔物たちにも捕まるくらい、ソラスはたった一人で戦うには非力な『英傑』なのだ。
 そんなソラスが無数の魔物や魔族に囲まれて逃げられるはずもない。
 魔物たちが歩み寄ってくる。
 その全部が、顔に笑みを張り付けていた。
 1000年前に自分たちを追い詰めた『英傑』の一人。
 それをようやく捕まえたのだから……。

(でも……)
「やっと、死ねる……」

 魔物たちは自分を生かしてはおかないだろう、とソラスは思った。
 だから。

(王子、すみません。私はここまでのようです)

 だがそれによって、自分の死によって『英傑の塔』は閉じ、封印され、誰も立ち入ることが出来なくなる。
 ソラスはそうするつもりだった。

(塔の遺物を魔の者にわたすくらいなら、いっそ……)

 自分を殺して、塔ごとこの魔物たちを封印しよう。
 ソラスがそう決心しても――しかし魔物たちは彼女を殺さなかった。

「どう、して……?」

 魔物たちはローパーの触手からソラスを回収すると、塔の奥へと進んでいく。
 彼女は抵抗できない。
 ローパーの麻痺毒で動けないからだ。

「どこに行くんですか!? いや、離してっ!」

 魔物たちは考える。
 王子の軍は強力だ。
 だから、それよりもっと強力な『魔物の軍』を作らなければならない。
 それには優秀で強力な母体が必要で――『英傑』の身体なら、それに相応しいのだと。

「はなして――いやぁアアアああああっ!!」

 最後にソラスの悲鳴が『英傑の塔』の中で響いたが、それは誰の耳にも届かないままいまだ王子たちが到達したことのないはるか上階の扉が閉じると聞こえなくなった。

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