+No.490 officina 2021/10/06 03:28

「執着イネーブリング2」制作感想と裏話(前編)

こちらはBLボイスドラマ「執着イネーブリング2」に関しての制作感想や裏話などの記事になっております。こちらの記事ではネタバレしかありませんので、本編作品未視聴の方はどうかお逃げください!


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「執着イネーブリング2」について

続編を制作するきっかけ

執着イネーブリングの続編が聞きたい、「樹×秋斗」もっと聞きたい・・・最初は単純にこの思いで続編を作りたいと思っていました。しかし、作品にするとなるとテーマが必要です。続編全体の流れを繋ぐ1つのテーマを決めなければなりません。そこで出てきたのが「樹×秋斗×樹」です。今となっては、「樹×秋斗×樹」を作ろうとしたきっかけはもう記憶にないのですが・・・樹を抱く秋斗はどのような攻めなのか、秋斗に抱かれる樹はどのような受けなのか、が気になったのだと思います。

前作と比べて闇寄りの雰囲気がだいぶなくなった為、タイトルは「執着イネーブリング2」でいいのか、と少し悩みました。でも、「執着=心をとらわれ離れられないこと」なので、秋斗と樹の愛は重く、お互いの執着の根本はしっかり残っているだと思います。秋斗の「普通の親なら」や、樹の「秋斗のすべては僕のもの」で、根本的なところが変わってない2人ということを伝えたいと思いました。その部分が変わったらもう執着イネーブリングとも言えないし、2人らしくないと思います。ということで、間違いなく今作もタイトルは「執着イネーブリング」と言っていいと思います。

前作もそのようなバランスで作品を作りました。当たり前な日常、ごく普通なやり取り、そんな中でも2人の関係性のどこかに隠れている「歪み」。こんなにも幸せな今だけど、この先ずっと2人はこのままで居続けられるのか・・・幸せな気持ちでいっぱいだからこそ、余計に感じる不安があります。このバランスは私にとって「闇」です。

私がBL作品に闇要素を入れるのはバドエンを求めているためではなく、単に闇のあるキャラクターが好きだからです。愛し合いすぎて若干壊れているところがあるCPが好きです。いつあきは幸せになってほしいと強く思っているので、現実を突きつけられて2人の生活が壊れるということはありません。

今回のメインは秋斗の嫉妬、そしてリバーシブル

今作と前作の最大の違い、それは「CP攻受逆転」です。腐向けの世界では地雷とも言われる存在ですが、自創作なので勇気を出して作りました。前作に引き続き自分自身のややこしい趣味を詰め込んでいます。執着イネーブリング前作と今作を暖かく受け入れてくださった方々、本当に心から感謝しております!

前作の「樹×秋斗」は自分自身の揺るぎのない性癖によって誕生したものですが、今作の「樹×秋斗×樹」は「推しCPなので、こういうのも聞きたい」という・・・「特別なこの2人」だからこそなのです。

まだまだ樹と秋斗で作りたいお話がいっぱいあります。樹と伊吹が日常で会話するところも聞いてみたかったのです。色々考え、自分の中で消化させて終わらせたものもいっぱいあります。考え方が二次創作寄りなので、そのまま創作に取り入れると作品のバランスが崩れると思いました。執イネの二次創作をするもう一人の私が存在してほしいといつも思っています。


CVについて

石黒秋斗(CV:近衛頼忠 様)

前作を作ったきかっけは、近衛様のあすま(当サークル1作目の攻め役)のお声と演技を拝聴させて頂いて、秋斗のようなキャラクターを理想通りに作れると思い、執着イネーブリングが誕生しました。今作も引き続き秋斗を演じて頂けるなんて、本当に感謝しかありません。

お話は作品内容に移りますが、今作で元タチ専の秋斗が樹を抱きたいと告白し、頑張る姿が本当にたまらないです。嫉妬しているのに冷静を装い、声から感じ取れる動揺っぷりも愛しいです。考えてみれば、2人分の晩ご飯を作っていたのに、樹は女性の友達と食べてきたなんて、なんと寂しいお話ですか(笑)「ああ、わかった・・・」と樹の食器を片付ける音で秋斗の寂しさと複雑な心境が伝わるかな、と自分で思っています。

秋斗×樹なのに、樹が相手だとあまり余裕がない秋斗はとてもかわいいので、樹の台詞「こんな秋斗を抱けないなんて、生殺しじゃないか」の説得力が凄いです。思わずその場で受けになってもらいたいと思いました(秋斗が頑張っているのに、こじらせた性癖で本当にすみません!)

そして第5話「2人だけの世界」の秋斗はいつも通り受け側ですが、前作と比べると、エロシーンのお声の男らしさが更にパワーアップしている気がします!愛がこもっていてエロくてかわいい・・・男らしいのにしっかり甘さもある。そのバランス本当にすごいです。編集完成後に思わず「予想以上に短い!!!物足りない!!」と感じました。本来、第3話の秋斗×樹と同じくらいの長さの予定でした・・・

個人的に台詞の「こうやって抱きしめて一緒に居るんだ・・・これでいいだろ?」「しよう・・・」「もう一回」の破壊力が凄まじいです。他の台詞も勿論、破壊力しかないです。元々シナリオを書いていた時、この様な台詞は個人的に萌えツボだと思って入れておりましたが、近衛様の解釈と表現が想像以上に秋斗らしく、色気があってかっこいいのにかわいい、大人の包容力・・・本当にいつも自分の想像を超えています。自分のイラストだけではここまで理想的な男前受けに近付けられなかったと思います。

また、台本では「こうやって抱きしめて一緒に居るんだ・・・これでいいだろ?」と書いているのですが、演じていただくと「こうやって・・・抱きしめて・・・一緒に居るんだ・・・これでいいだろう?」になるので本当に毎回感動しています・・・その「間」・・・神の間です。

「未だに腰が痛いんだぞ」に関しましても、シナリオの段階では普通に文句を言ってるという想像で書いてましたが、予想以上に声が甘く、秋斗が樹を甘やかしているのがよくわかって、「大正解です!!!寧ろ私の想像力が不足しています!!!」となりました。

そして攻め側の秋斗に関しましては、もう流石としか言いようがないです。第1話の夢では、近衛様に余裕たっぷりの優しいS攻めで、そして第3話の方はいつもの秋斗でと、お願いしました。どちらも言葉責めをしている秋斗ではありますが、後者は樹に対し余裕をなくす所も感じられて、夢と現実との違いを繊細に演じ分けて頂いて本当に凄いです。ちなみに、今作と前作の秋斗の攻めとイメージが違うのは、相手が樹だからです。

榊原 樹(CV:指永拷人 様)

「続編の内容について、樹が受け側になる展開を入れたいと思っています。大変恐縮ですが、指永様は受け役の依頼を受け付けているのでしょうか」

今年2月の頃、私の唐突な質問に対し、驚きつつも快くお引き受けいただいた指永様の優しさ・・・全力で土下座したいと思いました。依頼した際、指永様はまだ一度もBLの受け役を演じられていなかった為、断れられる覚悟を持ってメールを送りました。お引き受けくださった際に頂いたご返信では、樹というキャラクターを大切にして頂いたことがよくわかり、感激でした。

今作に関しましては、指永様に前作より樹を少し大人っぽく演じて頂き、夢の中の樹と現実の樹も演じ分けて頂きたい、とお願いしました。樹らしさが残りつつ、繊細な演じ分けが凄いです。

第1話の樹の音声を初めて聞いた際、本当にいい意味で衝撃しました。夢の中の受け樹のHシーンの冒頭で「ん!??樹??!(凄くかわいい!)」となりながら、夢の部分が終わり現実の樹が現れて、「あ、いつもの攻め度が高い樹だ!!」と改めて実感できるので、ギャップがすごかったです。

初めて第3話の樹の受けを拝聴させて頂いた際は、禁断の扉を開けてしまったような罪深さを感じてしまいました!本当に重みのある受けシーンでした。想像以上に樹らしくて素晴らしかったです。ノンケだからこその受け演技がお見事ですし、樹の秋斗への愛の重さも感じました。こんな形でも、秋斗に愛されている樹は泣きたいほど嬉しいだろうなと深く感じました。このシーンの樹のかわいさは、普通のかわいさではなく・・・秋斗の前だからこそ感じさせられたかわいさ(愛しさ)だと思います。

第5話で攻め側に戻る樹も、前作と比べて大人の色気が増していて、やはり攻め度がすごいです・・ここまで得体の知れないオーラを感じさせるどSな演技をする指永様、本当に恐ろしいです。改めて「樹!やっぱり最強な攻めだ!」と思いました。個人的に指永様のどSで闇深い樹の攻めを推しております。今作を聞いて、前作の攻め樹を聞き返すとまたその違いを感じ、インパクトを感じております。

また、指永様は作品に関する感想やフリートークでよく秋斗の話をしてくださり、個人的に凄く嬉しいです!樹目線でよく秋斗のことを考えて演じていたからかな・・・?と思うと微笑ましくなりました。前作は初めてのBL出演作品だったり、今作はあまりやらない受け側だったり、時にはショタになることもあったり、ショタとして歌って頂いたり・・・本当に色々な樹を演じてくださり、ありがとうございました!

白石伊吹(CV:秋月勇人 様)

ご多忙中、今回も伊吹を演じてくださり、本当に感謝しかありません!!私の構成力のなさで伊吹の台詞を多く入れることができなかったのですが、少ない台詞の中でも、伊吹のアイドルのようなかわいらしさが溢れています。いつか3人の日常シーンの会話も聞いてみたいなと妄想しながら・・・日常会話だけで癒やされます。この作品への愛情はそういう境域に達しました。

伊吹の台詞「いつも頼んでいるわけではないですし、許して下さい☆」
本来の想像では☆が付いているようなあざとさなのですが、秋月さんの演技が素晴らしくて、想像を上回るかわいさになりました!伊吹の彼氏もさぞ幸せだろうと思いました!

個人的に一番のお気に入り台詞は「先生のようにいつでもお家にいるわけではないですから・・・サラリーマンの彼は今、お仕事中です。」伊吹は幸せパワー全開なので、編集中にここの会話を聞き返すたびに思わず笑い出します。秋斗のツッコミ「俺だって仕事中だ」とセットで!(笑)

また、伊吹の設定について今までお話する機会がなかったのですが、実はこの作品は前作から一度も三角関係を意識して作ったことがありません。なので、本来秋斗と伊吹の間では友情と体の関係のみでした。理由は「伊吹を可哀想な立ち位置にしたくない」、そして「秋斗は一方的に他人を性欲処理として扱う男ではない」と思っていたからです。セフレはお互い合意の上で成立した関係です。

前作の追加トラック「伊吹の独白」で本来の設定から少し変更しましたが、今作では伊吹と秋斗は「お互いの本命の話を聴いて相談に乗れる友人関係」に戻りました。

それと、裏設定になりますが、実は伊吹と秋斗のセフレ関係はパートナー固定ではなく、2人には他にもお遊び関係の存在が不特定にいたわけです。ゲイバーで今夜の相手を探していた感じです。秋斗は樹を引き取ってから、忙しさでお相手を探すことが相当減っていますが、伊吹とは1ヶ月~2ヶ月に1回程度しかしていません。だから樹がその場面に遭遇した回数もそんなに多くはなかったのです。

キャラクターの間で色々ありましたが、
今作で幸せになった伊吹を、どうかこれからも宜しくお願い致します!


秋斗も、樹も、伊吹もですが、どのキャラクターも声優様のおかげでキャラクター像が固められたので、もう他の声優様では考えられません。もし声優様が出演出来なかった場合、この作品のボイスドラマの続編は作れないし、作らないと思います。改めて本当に感謝しております!

色々と感想が長くなってしまったため、
第4話や追加トラックの話については、また後日に・・・!

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