+No.490 officina 2021/10/11 03:30

「執着イネーブリング2」制作感想と裏話(後編)

こちらは「執着イネーブリング2」制作感想と裏話についての記事の後編となります。今回も思いっきりネタバレ満載になっておりますので、本編作品未視聴の方はどうか気を付けてください!

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裏話についてご興味ある方、上記の記事も是非お読み頂けましたら幸いです!


ボイスドラマ本編のお話

【第3話】個人的泣ける場面

秋斗:「なぁ・・・樹、こんな俺を拒否せずに受け入れてくれて・・・本当にありがとう・・・」

樹 :「ずっと秋斗に拒否されるのが怖くて、捨てられてしまうんじゃないかって思ってたのは僕の方だ。ゲイじゃないからどうとかのことは、僕にはよくわからないけど・・・永遠に一緒に居たいと思ってる人は、この世界で後にも先にも秋斗だけだった。だから秋斗・・・こちらこそ、ありがとう・・・」

声優様方のシリアスな演技にしんみりして、この場面の編集中に少し涙が出ました。愛が深く、重い・・・これが私にとっての執イネらしさです。

前作では樹が秋斗のことを一方通行気味に求め続けていましたが、今作では秋斗も樹のことを強く求めていること、樹の存在に救われている部分があるということを、前作以上に伝えられたらいいなと思っています。包容力溢れる保護者の立ち位置の秋斗にも心の弱さがあるし、甘えたい時があります。決して樹だけ秋斗に救われているわけではありません。

【第3話】秋斗の悩み

学生時代の秋斗はゲイであることで親からの関心を失い、当時付き合った恋人とトラブルがあったため、どこかコンプレックスがあります。そして心配性です。

しかし、樹がいつも秋斗のことをかわいいと言うのは、このような弱い一面があるからという理由ではありません。単に樹は秋斗のことが好きすぎて、かわいい(=愛しい)以外の言葉が浮かばないからです。かっこよさですら愛しく見えるのです。

樹:「(はぁ~かっこいいなぁ、秋斗)」本音。
樹:「はぁ~かわいいなぁ・・・秋斗」本音。
秋斗:「え?(今のどこが!?)」

常にこういう感じになっています。

【第4話】初めてのデート

デートでの秋斗と樹の会話が可愛らしく微笑ましくて、もっと長く聴きたかったです。しかし第4話にもテーマがあるため、ただいちゃいちゃさせるために他の場所に行ったりすると、シナリオがまとまらないので、このような短いお話になってしまいました。

近衛様と指永様の演技が素晴らしく、聞いているとシナリオの時点で考えていなかった外で食事や、遊園地デート、本編では行けなかった一緒に買い物など・・・色々ないつあきをもっと聞かせていただきたいと、編集中にずっと思っていました。ここにこれもあれも入れればよかった!と、色々な案が浮かびました!

ちなみに、秋斗と樹は昔一緒に遊園地へ行ったり、外で食事をしたり、買い物したり、手を繋いたこともあります。ただそれは家族として、恋人になる前のことなので、デートとは言えなかったのです。今回のお話で、樹が今秋斗と手を繋ぐことに意味があると感じているのはそれが原因だと思います。初めての恋人繋ぎ・・・

【第4話】デート中の樹

愛しさMAXのキャラクターになっていると思います。前作では闇パワー全開だったため、かわいさよりもいい意味で恐ろしさを感じさせてくれましたが、日常の樹は本来こんな子なんだなと・・・改めて実感しました。指永様の無邪気な演技で「樹はこんなにも嬉しいのか」がよくわかります。ああ、幸せになってよかったね・・・と、聴きながら思わず親馬鹿で涙が少し出ました。

フリトにて指永様に「良かった、本当に2人は幸せなんだな」と言って頂き、凄く嬉しかったです。感無量です!

【第4話】デート中の秋斗

デート中、樹の行動が愛しくてつい笑い出す秋斗が最高でした。

秋斗の「・・・ふっ」の一声だけで、樹に対する気持ちが伝わってくる近衛様の演技は愛に溢れていて素晴らしいです。シナリオのト書きでは「・・・ふっ(樹の喜んでいる姿を見て思わず優しく笑い出す。樹が幸せそうで、悩んでいたことなどどうでもよくなった秋斗。)」になっているのですが、見事な最高の笑みでした!

そのあとの台詞「いや、なんでもないよ」と合わせて個人的に大好きな演技です!秋斗の幸せそうな笑顔が見えてきます・・・(尊)

ト書きについて少しお話します。

基本、声優様方ご自身の解釈で演じて頂きたいと思っております。が、こちらの語彙力不足のシナリオで設定がうまく伝わらず、ストーリーに矛盾が起きリテイクとなると、お手数をおかけしますので、作者としての解釈はいつもト書きで付けさせて頂いております。声優様方の演技に毎回、私以上にキャラクターの気持ちがわかっている!と感じております。いつも目から鱗です。

なので、リテイクなしでそのまま使わせて頂く場合が多いです。ご自由に演じて頂きたいと思っている上での参考用のト書きです。別パターンやアドリブなどを頂くたびに、本当に嬉しいです(´艸`)

【第4話】秋斗の過去設定

本編でさりげなく秋斗の大学時代の設定を入れました。かなり断片的ではありますが、設定が伝わるといいなと思っています。学生時代で大変な過去を持っているキャラクターです。樹&姉夫婦一家の存在は、かなり秋斗の心の支えになっていたと思います。

【第4話】おまけ

前作もそのようなシーンがあったのですが、今作では樹の台詞「服着替えて」のところ、少し訛りっぽく聞こえて、凄く可愛らしくてお気に入りです(´∀`)樹はどこの出身かな・・・と、そういう設定はちゃんと考えていなかったな、と思ったり・・・

【第5話】「樹×秋斗」で終わる意味

「樹×秋斗」で今回の執着イネーブリング2本編が終わります。一見、前作のアフターストーリーとあまり変わらない2人のやり取り・・・ですが前作と聴き比べると、秋斗の「恋人」としての愛と甘さが更に増していて、樹も少し大人っぽく成長したことがよくわかります。

最初の秋斗は樹のことを愛しそうに抱きしめています。勿論シナリオはそのつもりで書いていましたが、想像を上回る愛しい感情が伝わってきました!前作のアフターストーリーを聞き返すと「やはり今回のいつあき、更にラブラブです。」と実感しました。

好きなCPはただ抱きしめているだけで萌える作者なので、樹×秋斗のエロシーンは本番よりもイチャイチャ部分が長くなっていた理由もそこにあります。可能ならば、1時間ただ抱きしめているだけの2人を拝聴(拝見)させて頂きたいほどです。

少し話がそれました・・・本題に戻ります。

「樹×秋斗」を第1話ではなく、第5話に入れている理由は、2人の関係性に成長と変化がありつつも、本質の変わらない2人でお届けしたいからです。「樹×秋斗」のために作った執着イネーブリングなので、前作の象徴としてもこれで終わりたいと思いました。今回のテーマで「秋斗×樹」を中心にお話を作りましたが、「年下攻め×男前受け"寄り"のリバーシブル作品」だということを、ここで改めてお伝えできれば嬉しいです。

前作の初めで秋斗はタチ専として受けになることに抵抗があったのですが、樹を離したくないという理由もあり、受け側に・・・そこから2人は恋人同士、徐々に秋斗は樹に抱かれることは自分から求めていることだと思うようになっています。秋斗も気持ちよく感じています。なので今回の最後に「もう一回」を言い出します。

そして前作最後の樹の台詞「おやすみ、僕の秋斗。」と繋がるのが、今回の秋斗の台詞「もう一回」です。相変わらず素直じゃないところがありつつ、樹との2人の世界に溺れています。

過去編「眠れない夜~秋斗の子守唄~」のお話

【過去編】制作に至った経緯

今年の7月7日、ツイッターは七夕についての呟きで埋め尽くされていましたが、私はその日が七夕だということを忘れ、「創作キャラのキャラソン・・・唐突に妄想が始まる。」と呟きました。嬉しいことに、琥珀ちゃん様にそのツイートを反応して頂きました。

どのようなキャラソンを妄想していたのかというお話になり、琥珀ちゃん様にチビ樹のための秋斗の子守唄を作って頂けることになりました!秋斗の子守唄のお話を聞いた際、「前からこっそり過去編のいつあきの添い寝ネタを描いていたので、なんという偶然!」とビックリしつつ、琥珀ちゃん様のいつあき設定への認識の深さに感動しておりました。

とても素敵な曲を頂いたので、どうしても秋斗と樹の歌声で聞きたいと思いました。キャラソンもほしかったので、この機会に実現できたら嬉しいと思いました。正式に歌を収録していただけることとなり、歌声を公開するだけで終わらせたくないと思いました。ボイスドラマ作品なので、キャラクターが歌を歌う物語を作るべきだと思いました。

【過去編】制作過程

まず、琥珀ちゃん様から曲と歌詞の意味を聞かせて頂き、自分の中の過去編の秋斗と樹のお話を加え、追加トラックのシナリオを書きました。

琥珀ちゃん様から頂いた曲のタイトルは「秋斗の子守唄」ですが、私の中の秋斗は作曲作詞ができるキャラクターではないため、学校の先生から教わった子守唄を、彼のお姉さんとともに当時幼稚園の頃の樹に歌ったという設定にしました。ちなみに、秋斗は歌が上手の方だと妄想しておりましたが、近衛様の歌声で本当に「歌が上手な秋斗」になりました(´艸`)

ずっと考えていた過去編のお話が、私の妄想呟きに反応して頂いた事をきっかけに本編で音声作品として公開できるようになり、秋斗と樹の歌を拝聴できて感無量です。本来、落書きで終わっていたネタです。琥珀ちゃん様の素敵な曲と、近衛様と指永様の最高な歌声によって、一番素敵な形で作品として仕上げることができました。改めて素敵な曲&歌声を作品にて使用させて頂き大変有難う御座いました!

【過去編】秋斗&CVについて

秋斗として子守唄を歌って頂けたこと、大変嬉しく思います。唐突と言っていいほどの依頼をお引き受けくださり心から感謝致します。以前、実況動画などで近衛様の歌声を拝聴させていただいたことがありますが、今回はいつもの地声ではなく、秋斗の低音で歌ってくださいました・・・!!初めて聞いた時、本当に鳥肌が出ました。キャラクターとして歌って頂いた上に、完璧な歌声、そして美声だけではなく、癒やし効果が抜群・・・

今回初めて歌を依頼させていただくので、どうすればいいのかよくわからず焦りましたが、近衛様の理解力やスキルの高さに助けられ、一発で収録が終わました。

過去編の編集中、尊さと萌えで死にかける状態になっておりました!!秋斗のいつもより少し若く感じさせる優しいお声、そしてまるで母のような包容力・・・自キャラなのに、思わずこんなお父さん&お兄さんがほしい!と思ってしまいました。しかし、私はカメラであり非人間的存在です。やはり私のお父さん&お兄さんというより、樹のお父さん&お兄さんのような存在でいてほしいのです(真顔)・・・近衛様に演じて頂いた愛に溢れる秋斗のおかげで、樹が幸せに成長している・・・本当に泣けてきます。

【過去編】樹&CVについて

依頼の際、「秋斗の子守唄を聞きながら、一緒に歌い出す樹」という設定なので、伴奏の音源だけではなく、秋斗の歌音源も一緒に指永様にお送りしました。「13歳の樹で眠りかけながら子守唄を歌う」というちょっと無茶な依頼内容にもかかわらず、お引き受け頂けました!!!!(拝)

指永様もリテイクなし、一発で収録が終わりました。贅沢に2パターンを頂いたので、どちらにするか凄く迷いました。「落ち着いていて眠りかけるチビ樹の歌声」と、「無邪気でショタらしくかわいい樹の歌声」の2パターンです。ストーリーの雰囲気的に前者を選ぶことにしました。編集で一箇所だけ後者の音源を前者の中に入れて、現在公開している音源となりました。

また、お歌だけではなくお話自体の樹がかわいすぎて、本当に・・・かわいすぎて・・・編集中にずっとかわいいと連呼していました。「秋斗、一緒に寝てもいい?」の最初の一声、聞いた瞬間、破壊力の高さにまず一回ストップを押してしまいます。だめだ、萌えすぎて負傷です。

しかもこの高いお声で演技をしながら完璧に歌っていたこと、こんな鬼畜なご依頼を送ってしまい申し訳ないと思いつつ・・・心の中で土下座しながら感服しております。

【過去編】秋斗が読んでいる本

秋斗がベッドの上で読んでいる本に関して設定があります。樹がよく悪夢を見ているのを知っているため、彼のために何とかできないのかと、夢に関連する本を色々チェックしていたのです。樹を安心させるため、本の中に出てきた獏のお話をおとぎ話のように教えました。


今回の執着イネーブリング2の制作記事、かなり長くなってしまいました・・・こちらの記事をお読み頂き感謝致します。貴重なお時間を割いて頂き、ありがとうございました!前作を含め、是非作品本編を何度でもご堪能頂けましたら幸いです!

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