ペンタスラスト 2024/05/16 17:00

ゲームの上手・下手の話【マグワル通信 24/05/16号】

みなさま、ごきげんよう。
みかん三十郎でございます。

今週も製作中の成人向けスローライフRPG『プロジェクトリーン(仮タイトル)』の製作状況をお伝えして行きます!
今回のタイトルは「上手(じょうず)・下手(へた)」ではなく「上手(かみて)・下手(しもて)」の話となっています。

果樹園を作る

主人公の拠点には畑だけでなく果樹園もあります。
というわけで、果樹が育って収穫できるまでの仕組みを作りました。
果樹は樹種に対応した季節がくると実が成ります。枯れることはないので毎年収穫できます。
樹種と場所は固定で、8か所の用地に8種の木が植えられます。逆に言えば8か所全部モモの木にするなどは出来ません。自由度は低いですが、好きな樹種を任意の数だけ植えられる仕組みはツクールだと作るのがなかなか大変なことになります…。(「俺は春にしか採れなくても全部をモモで埋め尽くしたいんだ! どうしても!」というタイプの人はあまりいないと思うのですが…)

壊れた牧場

先週に引き続き、ゲームスタート時のオープニングイベントを作っていったのですが、主人公が最初に拠点に住み始めた時点では、家や牧場は長いあいだ手入れがされておらず、様々なものが使えないことになっています。そして、ゲームが進んだら大工さんに頼んで修理してもらい、機能を解放していくという流れです。
そのためには悲しいですが、ぶっ壊れた状態のグラフィックを用意しなければなりませんので、いろいろな素材を切り張りしてぶっ壊していきます!

ぶっ壊れました。

だいぶ派手にぶっ壊しました。
お金を貯めて直しましょうね…。

ゲームの上手(かみて)・下手(しもて)

たまにはゲーム製作のノウハウの話でもしようかなと思います。といっても本当に基本的なことなので、知っている方も多いと思いますが…。

あるときX(Twitter)を見ていたら「映像の原則が出来ていない」みたいな話を見かけたんですね、批判されてる方の動画を見ると、確かにエフェクトいっぱいでド迫力なのですが、視点がごちゃついて見ていて疲れる感じの動画だったのですね。
私は映像制作は専門外ですが、ゲームにも「ゲーム画面の原則」みたいなものがあるなぁと思い出して、こうして記事のネタにしてみようと思ったわけです。

演劇・舞台の世界には上手(かみて)・下手(しもて)というものがあります。観客から見て右側が上手、左側が下手です。上手には位が高い人、下手には低い人が立つというのが原則らしいです。そして、物語はたいてい主人公がのし上がるものなので、必然的に主人公は左に立って右側を向くことになります。もちろん原則は必ず守らなければならないものではないので、演出次第で例外になる場面もあります。
右とか左とかよく分からなくなったらファミコンの『スーパーマリオブラザーズ』を思い浮かべるのが一番良いです。横スクロールアクションゲームは、左から右に進んでいくものがほとんどです。(アクションゲームでもマップが複雑なものでは左に進んでいくステージもありますが、ゲームスタート時はほとんどが右進行のはず)

私のゲームでも上図のように、立ち絵の会話シーンでは、主人公が左でヒロインが右というのも、この原則に従っています。
主人公が右を向いているというのは、安定感がある構図なのでこの形を基本にしつつ、重要な局面で形を崩すと、無意識にプレイヤーは変化や違和を感じとってくれるかもしれません。

そして、ツクールをはじめとしたドラクエ型2DマップRPGの場合は、画面の上部が進行方向になることが基本になります。これは、疑似的に斜め上から見下ろしているため、上部の方が視野が広く感じ、進んでいくときに心理的に抵抗を感じにくいためなかな(実際には2次元なので上下左右の視野は一定なのですが)、とも思いますが、最大の理由はやはり進行方向を上にしないと「相対する者の顔が見えない」ことだと思います。魔王の城の進行方向が画面下だと、玉座にたどり着いて初お披露目が魔王の背中になってしまいます。
というわけで、2Dマップでは画面上に進んでいくのが原則で、これに関しては意識しなくても自然にそう作る人がほとんどだと思います。

当サークルの『インピュアドリーム』も、ゲームクリアのゴールは上に設定し、1階から2階、屋上へと進行していきます。

最近遊んだプラスカゼットさんの『片桐さんは僕に冷たい。』
謎解き探索ゲームで、マップの上方向にゴールがあり、行き止まりになったら左右を探索して、カギがあったらまた上に進み、という基本に忠実な進行感のゲームです。
美人だけど口の悪いヒロインに罵られたい方にオススメのゲームです。

ちなみに日本語のマンガは右から左に進行していくので、上手・下手が逆になっていることが多いです。進行方向を決めるうえで、文字が縦読みか横読みかというのは重要です。

そして、こういった原則を逆手に取って、主人公の立場が変わってしまった局面などを画面レイアウトで表現したり出来たら、なかなか効果的かもしれませんね!

(いろいろ書いていますが、私の作品の場合、原則が守れてなかったり、特に意図してなかったり、マップ形状の都合で向きがいじれない…などが多々あるので、ご容赦ください!)

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

月別アーカイブ

記事を検索