フリーセンテンス 2022/01/16 19:11

胎魔召喚士エリザ後編 体験版

 ・・・・・・ルクエラ城より南東に三〇リーグほど離れた深い森の中に、うっそうと生い茂る木々に囲まれて、僧院がひとつ、ひっそりと建っていた。
それは石造りの堅固な建物であった。周囲を煉瓦製の高い壁に囲まれており、入り口は分厚い門で堅く閉ざされている。まるで小さな城塞のようなこの建物は、女神イエラを信仰するイエラ教団が保有する宗教施設のひとつだ。
 イエラ教団は、パルディア王国でも屈指の規模を誇る宗教団体である。信者の総数はおよそ三〇万人。一般市民だけでなく、有力な貴族や王族にも熱心な信者がおり、その影響力は国家運営の中枢にも及ぶとされていた。
教団の創設者は自らを預言者と自称するベルベンガという人物で、彼は女神イエラの信託を受け、いずれこの地に、ゼベガ一族の血を引くゾルアークという者が現れ、パルディアの地を統べることになると予言した。その予言が嘘か真かは定かではなかったが、彼は時の国王に対し、それを阻止するためにはゼベガ一族を徹底的に排除すべきだと主張して関心を買うことに成功し、それ以来、イエラ教団は国内で勢力を拡大していった。
勢力の拡大にあたって、イエラ教団はパルディア各地に幾つもの関連施設を持つようになる。祭事や祝典、儀式などを執りおこなって信者に団結を強めるための寺院、貧しい者に教育の機会を与える学院、怪我や病気になった者に対して無料で治療をおこなう病院、戦争や災害で親を失った子どもたちの面倒をみる孤児院、生まれつき障害を負った者や行く場所のない高齢者を養う養老院などで、その数は五〇を超す。この僧院も、そのうちのひとつだった。
 この僧院は、主に若い修道女たちを対象として、基礎的知識や宗教的な教育を施すことを目的として建てられた研修施設である。男子は禁制で、滞在者は教団の関係者を含めて全員が女性だ。しかもその大半が、一四歳から一八歳の若い娘たちだった。
 この僧院が、禍々しい肉の悪魔たちによって包囲されたのは、王暦一二八三年九月二五日のことである。悪魔たちの目的は、建物の中にいる修道女たちを捕食することではなかった。彼らの目的は、自分たちが新たな生命体に進化するため、彼女たちの身体を肉の「器」にすることだったのである。
 僧院が一万匹を超える肉の悪魔たちに取り囲まれた時、施設には一二〇人の若い修道女たちが滞在していた。彼女たちは朝起きて、ふと窓から外を見た時、施設の周りに数えきれないほどたくさんの肉の悪魔たちがいることに気づいて、悲鳴をあげて恐慌状態に陥った。
「ひ、ひぃぃいいぃいぃぃッッ、な、なにッ、なんなのッ、あの化け物たちはッッッ!」
「な、なんて、なんておぞましい姿なの・・・・・・ッッ!」
「お、おおッ、め、女神よッ、こ、こんなッ、こんなことってッッッ!」
「ひぃいぃぃぃいぃぃいぃぃッッッ! こ、怖いよぉッッ、怖いこわいッ、こわいぃぃいいぃぃいぃぃッッッ!」
「ね、ねぇ、あ、あれって、も、もしかして・・・・・・う、噂に聞く、肉の悪魔なんじゃ・・・・・・」
王国を蹂躙する肉の悪魔についての話は、半ば孤立した施設に滞在する修道女たちの耳にも届いていた。しかし、耳にした話の内容は、どれもこれも信憑性に欠けるような与太話の類であったため、少女たちはまったく信じていなかった。とても現実の話とは思えなかったからだ。
 だが、状況がこうなってしまえばもはや、全てが後の祭りである。もはや逃げることは叶わない。そして、成す術もない。
「オ、オオオ・・・・・・」
「オオオ、オオオ・・・・・・」
「オオオオオオ・・・・・・」
低く鈍い恐ろしい咆哮をあげながら、肉の悪魔たちが攻勢を開始した。一万匹を超す悪魔たちが、ほとんど同時に、一斉に前進を開始して、僧院に群がったのだ。
 僧院に、武装した僧兵の警備はない。
中にいる修道女たちが大混乱に陥った。
「い、いやああぁぁあぁぁあぁぁあぁぁぁあぁッッッ!」
「く、来るッ、あ、あいつらッ、こっちに来たわッッ!」
「窓閉めてッッ! 全部閉めるのよ! 早く!」
「扉も閉めるのよ! 絶対にッ、一匹も中に入れちゃダメよッッ!」
「ひッ、ひぃいぃいぃぃいぃぃいぃッッ、あ、あいつらッッ、壁を上ってるッ! 昇ってきてるうぅぅうぅぅッッッ!」
「いやああぁぁああぁあぁぁぁぁッッ! 助けてッッ、たすけてッッッ、お父さぁんッッ、お母さぁぁんッッ! 助けてッッ、助けてえぇぇえぇえぇぇぇえぇッッッ!」
「泣かないの! 大丈夫ッッ、絶対に、大丈夫だから!」
「や、やばいッッ、あいつらッッ、扉壊してるッッ!」
「と、扉をッ、乗り越えてきたッッ!」
「きゃああぁぁああぁあぁぁあぁぁああぁッッッ! は、入ってきたッッ、あいつら、建物の中に入ってきたあぁぁあぁあぁぁッッッ!」
「逃げてぇえぇえぇえぇぇえッッ! 早く逃げてえぇええぇぇえぇぇえぇぇぇええぇぇッッ!」
「に、逃げろって――いッ、いったいッ、何処に逃げればいいのよぉぉおぉぉぉおぉおぉぉおぉぉぉぉッッッ!」
「いやあぁぁあぁあぁあぁぁああぁあぁぁぁぁッッッ! いやッ、いやッッ、いやあぁぁぁぁあぁあぁぁあぁあぁぁぁあぁッッッッ!」
「ひぃぃいぃぃぃいぃぃいぃぃいぃぃッッ! ば、化け物ッッ、こっち来るなッッ、来るなってばあぁぁあぁあぁぁぁあぁッッッ!」
「入れてえぇぇえぇぇえぇぇえぇぇえぇぇッッ! あたしも中に入れてえぇぇえぇぇッッ! ひとりにッ、しないでぇえぇえぇえぇえぇえぇぇぇええぇえぇぇぇッッッ!」
「あ、ああッ、あああああ・・・・・・ッ! く、来るッ、来るッッッ、来たああぁぁッッッッ!」
「うひぃぃいぃぃいぃぃぃぃぃッッッ、べ、ベタベタするッッ、さ、触らないでッッ、わたしにッッ、触らないでぇぇぇえぇぇぇえぇえええぇぇぇぇぇッッッ!」
「ひぃやあああぁぁぁぁあぁぁあぁッッ、ふ、服ッ、服を破かないでぇえぇぇえぇええぇえぇぇぇッッッ!」
「こ、この変態ッッ、どこ触ってるのよッッ! なにするつもりよッッ! 離れなさいッッ、は、離れ――ひぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッ!」
 僧院の中に、若い修道女たちの悲痛な声が響き渡る。恐慌状態に陥った彼女たちのなかで、もっとも賢い選択を取った者は、とっさの勢いで、自らの命を断った者だった。
 ある少女はその場の勢いで塔から身を投げて自殺し、またある少女は食事用のナイフで首の動脈を切って自死を遂げた。逃げ惑う混乱の最中、転倒して仲間たちに踏み潰されて圧死した少女もいたが、彼女も幸運な部類に属する者であろう。なぜならば、苦しまずに死ねたのだから。
最後の最後まで、もがいて、足掻いて、隠れて、潜んで、必死になって生きようとした少女たちが辿った運命は、悲惨のひと言に尽きる。狭い僧院に、逃げ場はなく、彼女たちは結局、禍々しい肉の悪魔たちに捕まってしまったからだ。それも、生きたまま。
 その、捕まった少女たちが、それからどのような運命を辿るかについては、ほとんど等しく平等と言ってよいだろう。ゆえに、ひとりの少女の命運を抽出し、垣間見れば、他の少女たちが辿った運命を知ることも叶うというものである。
 若い修道女の中に、ヴァネッサ・マルセッティという娘がいた。年齢は一七歳。大商家として知られるマルセッティ家の出である彼女は、僧院で生活する修道女の中でもっとも美しいと評判の少女であった。
 彼女が教団に入った理由は、女神に対する信仰心が厚かったわけでも、慈善活動に興味があったからでもない。ただ単純に、家の都合によってであった。
 マルセッティ家にとって、教団は重要な取引相手であった。教団との繋がりは、特に金融の面で強く、マルセッティ家は教団と合同で高利貸しや銀行業を営んでいた。そのため、強い信頼関係を維持し続けなければならず、その一環として、当主の娘であるヴァネッサを教団に入団させたのであった。
 父親としては別に娘の一生を宗教に捧げるつもりはなかったから、いずれ機をみて実家に戻すつもりであった。それまでは教団で、花嫁修業のつもりで学問や一般的な教養を学んでくれればいい、という程度の気持ちだった。
 むろん、ヴァネッサは不満だった。しかし、父親の意向に逆らえるはずがなかったので、彼女は仕方なく教団に入団し、見習い修道女のひとりとしてこの施設にやってきたのだった。
 僧院での生活は退屈だった。そして窮屈だった。毎日、決まった時間に起床し、決められた雑務をこなしながら、味の薄い食事をとり、つまらない勉学に身を投じながら、同じ時間に就寝するだけの毎日。それがずっとずっと繰り返されるのだ。ヴァネッサの不平や不満は溜まっていく一方だった。
 だから彼女は、溜まった鬱憤を晴らすため、自分よりも立場や力が弱い者に対する「いじめ」に精をだした。金をばら撒いて、仲間を作って。
 ヴァネッサのいじめの標的となった者は、親がいない孤児院出身の者や、貧しい家の出の者たちだった。そしてそのいじめの内容は、大半が性的なモノだった。これは、ヴァネッサ自身の性的欲求を満たすためでもあった。
 ヴァネッサのいじめは過激を極めた。標的の少女の衣服を無理やり剥いで裸にし、冷水を浴びせたり、鞭で打ったり、あるいは乳房に針を突き刺したり、乳首に穴を開けたりした。嫌がる少女を無理やり押さえつけ、掃除用具で処女を奪ったりしたこともあれば、膣にナメクジやミミズを入れたりして辱め、さらには他の少女たちの前で排泄行為や自慰行為を強要したり、同性愛的行為をさせることもあった。
 ヴァネッサにいじめられた者の中には、それに耐えきれず、自ら命を断つ少女もいたが、これが問題になることは決してなかった。ヴァネッサが家の財力と権力にモノを言わせて揉み消したからだ。だから彼女は、この小さな空間の中で、暴君のようにやりたい放題振る舞うことができたのだった。
 だが、この小さな空間の暴君も、外部の強大な力の前には無力だった。
 禍々しい肉の悪魔たちが僧院になだれ込んできた時、彼女は逃げる途中で転倒し、他の少女たちが立て籠もる礼拝堂に逃げ込むことができなかった。いや、より正確にいえば、先に礼拝堂に逃げ込んだ少女たちは、ヴァネッサが逃げてくるのを見て、まだ間に合うにも関わらず、彼女の目と鼻の先でその扉を閉ざしたのだった。日頃のおこないが仇となったわけだ。
「開けなさいッッ! 開けなさいったらッッ! 開けてッッ、ここを開けてえぇぇえぇぇえぇええぇぇえぇぇぇぇッッッ! お願いだからッ、わたしも中に入れてえぇえぇぇえぇぇえぇぇぇえぇぇぇええぇえぇぇええぇぇぇぇッッッ!」
ヴァネッサは礼拝堂の扉を激しく叩きながら、気が狂ったように叫び散らしたが、扉が開くことはついになかった。
 そして、そうこうしているうちに、彼女の背後から、無数の肉の悪魔たちが迫ってきたのだった。
「オオ、オオオ、オオ・・・・・・」
「オオオ、オオオ・・・・・・」
「オオ、オ、オ、オオオ・・・・・・」
「い、いッ、いやあああぁぁぁあぁあぁあああぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁあぁッッッ!」
悪魔たちの、そのあまりにもおぞましく、そして恐ろしい姿を間近で見て、ヴァネッサはひと際大きな悲鳴をあげてその場にへたり込んでしまった。恐ろしさのあまり、腰が抜けてしまったのだ。情けなく、失禁しながら。
「オオオオ、オオオ・・・・・・」
「オオ、オオオ、オオオオオ・・・・・・」
肉の悪魔たちがヴァネッサに近づく。低く、鈍い声を立てながら、距離を詰め、取り囲み、見下ろす。どの悪魔たちもヴァネッサより体格が大きく、屈強で、肉々しかった。そして、彼らはまるで、品定めでもするかのようにヴァネッサを見まわすと、一斉に手や無数の触手を伸ばしてきた。
ビリッ、ビリビリビリリリリリリリリリッッッ!
布地が破ける音がした。
その音に、絹が裂けるような声が重なった。
「きゃあああああああぁぁあぁあぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁッッッ!」
修道服が引き裂かれたことにより、ヴァネッサの白い肢体が露になった。大きな乳房が零れ落ち、肉づきのよい尻が丸出しとなって、まだ薄っすらとしか陰毛が生えていないアソコが白日に晒された。
「い、いやあぁあぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁッッ! あ、あんたたちッッ、なにするつもりなのよッッ! い、いやッッ、やめてッッ、離してッッ! いや、いやッッ、いやあぁああぁあぁああぁぁぁあぁあぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ! 助けてッッ、誰かッッ、誰か助けてえぇぇぇえぇええぇぇえぇぇええぇぇぇぇぇえぇぇぇえぇぇぇッッッ! いやあああぁぁぁぁぁあぁぁあああぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッッ!」
泣き叫ぶ彼女の悲痛な声は、むろん、礼拝堂の中に届いていたが、そこに立て籠もる少女たちは、その悲痛極まりない声を聞いても、決して扉を開けようとはしなかった。少女たちの中には、扉の隙間から覗き見て、ヴァネッサがどんな目に遭っているのか確認する者もいたが、まさかこの後、自分も同じ目に遭うことになるとは思ってもいなかったに違いない。
「オオ、オオオ・・・・・・」
低い声を上げながら、肉の悪魔たちがヴァネッサの四肢を掴んだ。その腕で、触手で、あるいは得体の知れない触覚器官で。そして、「大」の字の形になるようにして、彼女の身体を抑えつけたのだった。
これによって、ヴァネッサの女性として大切な部位が、なにもかも丸見えの状態になってしまった。キュッと閉まった肛門も、貝のようにピタッと閉じているアソコも。このことが、彼女の恐慌を、より一層、搔き立てることになる。
 ヴァネッサは半狂乱になって泣き叫んだ。
「ひ、ひッ、ひぃぃぃぃいぃいぃぃぃいぃぃいぃぃぃぃいいぃぃいぃぃいぃぃぃぃいぃぃぃぃぃぃぃッッッ! な、なにするのッ! あ、あんた達ッッ、い、いったいッッ、このわたしにッッッ、な、なッッ、なにをするつもりなのよぉおぉぉおおぉおぉぉぉぉぉおぉぉぉおぉおぉぉおぉぉぉおぉぉぉおぉおぉッッッ! いやッ、いやッッ、いやあああぁぁぁぁああぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁああぁぁぁぁあぁぁぁぁぁああぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁあぁぁッッッッ!」
 ヴァネッサにも、性の知識はむろんある。ゆえに、こんな状態にされたら、されることは一つだけだと彼女は思った。
 それはすなわち、強○である。自分は、このおぞましい化け物たちの慰み者になるのだと、ヴァネッサは本気で思った。信じ込んだ。ゆえに彼女は、顔中を、涙や鼻水、涎でぐちゃぐちゃにして、かつてないほど哀れな形相に顔を歪めながら、狂ったように助けを求めて吠え叫んだ。
「いやあぁぁあぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁッッッ! いやッ、いやッッ、いやあぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁッッッ! たすけてッッ、助けてたすけてたすけてぇえぇえぇぇええぇえぇぇえぇえぇぇぇぇえぇぇぇえぇぇぇッッッ、誰かッッ、だれかたすけてよぉぉぉッッ、だれかああああぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁッッッ! お父さまあああぁぁッッ、お母さまぁぁぁぁあぁぁッッッ! いやあぁぁあぁぁぁッッッ! 犯されたくないッッ、こ、こんな化け物にッッ、犯されたくないのぉおぉおおおぉぉおぉぉぉおぉぉおおぉぉぉぉおぉおぉぉッッッ! 助けてえぇえぇぇぇぇええぇぇぇぇえぇぇえええぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇえぇぇえぇぇぇぇぇぇえぇぇえぇぇぇぇぇえぇえぇぇえぇぇぇッッッッ!」
しかし、どんなに助けを求めても、彼女を救いにくる者はいなかった。礼拝堂の扉の隙間からその様子を見て、口元を歪めてほくそ笑む者は数多くいたが、扉を開けて助けに飛び出してくる者はいなかった。
やはり、誰ひとりとして。
「いやあああぁぁあぁぁぁあぁぁあぁあぁぁあぁぁぁあぁぁあぁあぁぁあぁぁぁああぁぁあぁぁあぁあぁぁあぁぁああぁあぁぁあぁあぁああぁぁああぁぁあぁぁあぁッッッッ!」
 気が狂ったような音律で、ひと際甲高い声で泣き叫ぶヴァネッサ。まるで天空に座す神に救いを求めるかのように、顔を上に向け、視線を宙空に向けて天井を凝視しながら。
 その、視線の中に、無数の禍々しい肉の悪魔たちが入ってきた。まるで、自分たちの存在をことさら誇示するかのように、ぬぅっと。
「オオ、オオオ・・・・・・」
「オオオ、オオ、オオオオ・・・・・・」
「ひ、ひいッ、ひぃぃいぃぃいぃぃいぃぃぃいぃぃいぃぃぃぃぃいぃぃぃいぃぃいぃぃぃぃぃぃいいぃいぃぃぃいぃぃぃぃぃいぃぃいぃぃぃぃぃぃぃッッッッ!」
 そしてこの後、彼女は思い知ることになる。
この広い宇宙には、得体の知れない異生物に処女の穴を犯されることよりも、もっと悲惨で、もっと凄惨なことがあるということを、その身を持って知ることになるのだった。
「オ、オオ、オオオ、オオオオオ・・・・・・」
一体の肉の悪魔が、大きく開かれたヴァネッサの股に近づいた。そして、ゆっくりとした動作で、貝のようにピタッと閉じている秘部に手を伸ばした。柔らかく盛り上がったマン肉に、ねっとりとした指が触れた。
その瞬間、ヴァネッサの身体に電流が走って、不快感で全身の毛が総毛立った。顔面から血の気が引いて蒼白になり、恐怖が顔の全てを支配した。彼女は、歯をカチカチと鳴らしながら、捕食される寸前の草食獣のような弱々しい声で、股間に手を伸ばしてくる禍々しい肉の悪魔に対して慈悲を乞うた。
「ひ、ひいぃぃいぃいぃぃいぃぃぃいぃぃぃぃぃぃッッッ! や、やめてッッ、お、お願いだからッッ、お願いだからッッッ、やめてえぇぇえぇえぇぇえぇぇえぇぇえぇぇぇッッッ!」
だが、懇願は無駄だった。
その秘裂に、肉々しい指が突っ込んできたからだ。容赦なく。
ずッ、ぶぅぅうぅぅうぅぅうぅぅぅうぅぅぅうぅ・・・・・・ッッッ!
「うぎゃあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁあああぁぁあぁああぁぁあぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁああぁぁあぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁぁあぁぁあぁッッッ!」
指を挿入されると同時に、身体を大きく仰け反らせて、カッと目を大きく見開いたヴァネッサ。ブチュッと、処女の血が飛び散る感覚にも襲われて、彼女はついに恐れていたことが実現したと思って瞳を動揺させた。
 その、直後だった。
ブチィッ、ブヂブヂブヂッ、メリッ、メリメリッ、メリブヂメリリリブヂブヂヂヂヂヂィイイィィイィィィイィィィィィッッッ!
「ぐぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッッ!」
マン肉の筋がブチブチと思いっきり引き千切られる音がして、ピタッと閉じていたヴァネッサの秘穴が強引に開け拡げられた。拡張、されたのだ。膣穴の奥にある子宮口が見えてしまうほど、思いっきり、力づくで。
 その拡張は、なおも続く。ヴァネッサの膣肉を開け拡げる悪魔の腕に、さらなる力が込められた。
 メリッ、メリメリッ、メリメリメリメリリリリリリリッッッ!
 ブヂブヂブヂブヂブヂヂヂヂヂィィイィィィイィィィイイィィィィッッッッ!
「ぎゃはああぁぁあぁぁぁああぁあぁッ、ばあッ、うがあぁあぁあぁあぁあぁあぁぁあぁぁあぁあぁあッ、お、お〇こッ、お〇こがあぁあぁあぁあぁあぁあぁぁぁぁッッ! さ、裂けッッ、裂げでッッ、あがッ、ががががあがぁぁあぁぁぁぁあッッッ、や、やべッッ、ひひひ拡げッッ、ぐがッ、あがッ、ぐうぐがががあがあぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁッッッ、ぐひぎがぎゃあぁあぁぁあぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁあぁぁあああぁぁぁあぁぁぁぁあッッッ!」
肺を空にするような咆哮をあげながら、狂ったように頭を振り乱し、全身を使ってのたうつヴァネッサ。なにか抗する言葉を発しようとはするものの、言葉は長くは続かずに、泣き叫ぶ声にとって変わられてしまう。
「あぎゃああああぁぁぁあぁあぁぁあぁぁぁあぁあぁぁあぁぁあぁぁぁあぁぁあぁぁぁあぁぁあぁぁッッ、ぐぎゃあぁあッ、あぎぎッッ、いぎぎぎあぎゃあぁあぁぁあぁああぁぁあぁぁあぁぁああぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁッッッッ!」
 喚く。喚く。喚き散らすヴァネッサ。瞳を大きく見開いて、涙を流し、涎を垂らし、鼻水を滴らせて、全身に力を込めて吠え叫ぶ。
痛いのだろう。痛くて痛くてたまらないのだろう。手足もバタつかせたいに違いない。死屍は他の悪魔たちによってがっちりと抑えつけられてしまっているためピクリとも動かすことができない。肩や股関節が、ガクガクと、壊れた人形のように奇妙な動きをしているだけだ。
「オオ、オオオ・・・・・・」
そんな彼女を見て、悪魔たちがなにを思ったのかは定かではない。しかし、彼らに慈悲の心が一切ないことだけは確かだった。
ずっ、ずずっ、ずずずずず・・・・・・っ。
ヴァネッサの膣穴をこじ開けている悪魔の肉体が奇妙に蠕動したかと思うと、その肩から、あるいは腹部から、腕や、腕の形をした触覚器官が、ずぶずぶと生えてきたではないか。感覚を確かめるように、うねうねと宙空で蠢く。
そして、それら新しく生えてきた触覚器官は、すでに大きく開け拡げられている膣穴の中に侵入すると、その綺麗な薄桃色をした子宮口に様々な方面から触れたのだった。
そして――。
ずぶッ、ずずっ、ずぶりゅん・・・・・・っ!
「ごぎゃああぁぁぁあぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁあぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁッッッッ!」
まるで胎内から肉の果実をもぎ取るかのようにして、ヴァネッサの子宮を無理やり外へと引きずりだした。
それは処女の血によって濡れてはいたが、瑞々しいほどぷるんとしており、出来立てのグミのような色艶をしていた。まるで宝石のように綺麗であって、眺めているだけで癒される雰囲気をも醸し出しており、それがまるで、なにかの生き物のように、物欲し気にピクピクと動いていたのだ。酸欠の魚が、水面で呼吸をするように、子宮口をパクパクさせていたのである。
「オ、オオ、オオオ、オオオオ・・・・・・」
 それは、感動に打ち震える歓喜の声に似た響きがあった。
 その、直後だった。
外に引きずりだされた子宮口の中に、肉の悪魔が、自らの肉体を形状変化させた無数の触覚器官を殺到させたのは。
ずッ、ずずッ、ずぶぶぶうぅぅうぅぅぅうぅぅぅぅうぅぅぅううぅぅぅうぅぅ・・・・・・ッッッ!
 子宮の中に、無数の触覚器官が入ってきた。一斉に。
「ぎげぇええぇぇえぇえぇぇぇえぇええぇぇえぇえッッ、えげげげげえぇえぇぇぇッッ、し、子宮ッ、しぎゅうのッ、な、中にッッ、ぐうげぇッ、おげげッッ、ぶぐぎゅぎぎぎぐぎぎげえげえぇぇえぇぇぇぇぇええぇぇぇぇぇえぇえぇぇぇえぇぇぇぇぇえぇぇえぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッッ!」
 苦しげな咆哮がほとばしった。生きたまま内臓を引き裂かれるケダモノのような声が周囲に木霊し響いたのだ。ヴァネッサの口が大きく開け拡げられ、唾液が滴る舌が伸びて外に向かって飛び出してきた。
そして、その直後、先ほどの膣穴のように、子宮口を思いっきり開け拡げられたのだ。
ブヂブチブチブヂブヂヂヂヂヂヂヂィィィィイィィィィィイィィィィッッッッ!
 筋が引き千切れる音がした。子宮口が引き裂かれるように無理やりこじ開けられて、ヴァネッサの口から絶叫が木霊し響いた。

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