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2023年 06月の記事 (24)

レモネードオアシス 2023/06/25 15:00

TS俺が女の子のレッスン!?10

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目次

TS俺が女の子のレッスン!?

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「次の授業は体育かぁ……」

 そんなことを考えながら、二時限目の数学の授業を右から左へ聞き流す。
 この時間になると、こみ上げてきているのが尿意だった。

(う。やば)

 じょわわぁ……。

 少しでもおまたから力を抜くと、生温かいものが漏れ出してきてしまう。
 まだ女性器に慣れていない司は、あまりおしっこを我慢するのが得意ではなかった。

(だけど、女子トイレになんて入れねえし!)

 じゅもももも……っ。
 じょばばぁ……。

 股間にあてているおもらしライナーを生温かく湿らせながら、司はキュッとおまたに力を入れる。
 尿意に屈しそうになりながらも、しかし女子トイレに入るのは抵抗があった。
 そんなの恥ずかしすぎる。

(いままでは病院の個室だったり、男女共用のトイレでごまかしてきたものの……ううっ)

 じょわっ、じょわわぁ……っ。

 この二週間は、病院での精密検査を受けてきた。
 そのあいだトイレは個室だったり、男女共用のトイレで凌いできたけど、ここは学校だ。
 トイレは男子と女子用にわかれている。
 そのような小技を使うことはできない。

(我慢、我慢しなければ……。だ、だが……次の授業は体育か……我慢、できるのか!?)

 って、ちょっと待て。
 このときになって司は重大なことに気づく。

(体育ってことは更衣室! ってことは、俺は女子更衣室に入らなきゃらならないのか!?)

 女子トイレだけでも恥ずかしいというのに、女子更衣室だなんて。
 しかも着替えたとしても、女子は紺色のブルマを穿いて運動することになっている。
 女子更衣室という難関を越えたとしても、その先にも羞恥プレイが待っているということだ。

(せ、せめて……)

 じょぼぼぼぼ……っ。

 股間を生温かく湿らせながら、入念に脳内シミュレートする。
 重要なのはタイミングだ。

(この授業が終わったらすぐに体操袋を持って女子トイレに行き、おもらしライナーを捨てる。そしてすぐに女子更衣室に駆け込み、クラスメートの女子たちがくる前に、速攻で体操服に着替える……!)

 それが次善の策と言える。
 そのことを伝えるために、隣の席に座っている晶へと目配せをする。ちょうど晶と目が合い、晶は小さく首肯する。
 たったそれだけで伝わるのは、長年幼なじみをやっているからなのだろう。

        ☆
(よし、まずはトイレ! 次は更衣室だ!)

 二時限目の授業が終わり、休み時間が始まった、その瞬間。
 司と晶は無言で席を立っていた。
 そして教室の後ろの出入り口から廊下へと出る。

「まずはトイレだ……っ」
「それから更衣室。女子更衣室までは案内するから急いで」
「ああ!」

 晶が案内してくれるという女子更衣室は、男子の知らない場所にある。
 だから案内が必要というわけだ。
 短いやりとりで確認すると、司は女子トイレへと駆け込み、個室へと滑り込んでいた。

「うっううっ」

 もわわ~ん……。

 ショーツを降ろして露わになったのは、もこもこに膨らんで鮮やかなレモン色に染められた吸水ライナー。
 それはまるで夕暮れ時の入道雲のようにも見えた。
 だけどいまは吸水ライナーを観察している暇はない。
 一刻も早く女子更衣室で着替えを済まさなければ。

「くるっと丸めてポイッと」

 吸水ライナーをサニタリーボックスに捨てると、司は早々に女子トイレを後にする。

「こっち。ついてきて」
「ああ」

 女子トイレの前で待ってくれていた晶についていき女子更衣室へと向かう。
 急がなくてはならないから、やや駆け足で。
 だが、その直後だった。

 ぢょぼぼっ!

「アッー!」

 股間に生温かい感触が広がり、司は足を止めてしまった。
 そのときになって、司は己の過ちに気づく。

(ハッ!? そういえばライナーを捨てることで頭がいっぱいになってて、おしっこをし忘れていたぁぁぁ!!)

 どうする?
 だけどここでトイレにUターンしておしっこをしに行くのは、なんだかとても恥ずかしいことのように思える。
 それに女子って、和式トイレでどうやってすればいいんだ!?
 更に言えば、一刻も早く更衣室に行かなくてはならない。

「どうしたの、急に立ち止まって」
「い、いや。なんでもない」

 つい咄嗟に応えてしまって、失敗したと思ったときにはもう手遅れ。

「早く更衣室に行きましょ。みんなが来ちゃう」
「お、おう」


TS俺が女の子のレッスン!?11につづく!

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レモネードオアシス 2023/06/24 16:58

TS俺が女の子のレッスン!?9

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TS俺が女の子のレッスン!?

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「ちょっ、女子トイレはさすがに……っ」
「なに言ってるのよ。その格好で男子トイレになんて入ったら大変なことになる」
「うう~っ」

 晶に手を引かれるがままにやってきたのは女子トイレ。
 だけどそのドアを前にして、司は急ブレーキをかけていた。

 女子トイレ――。
 それは、男子にとっては女子更衣室と同じくらい遠い、世界の果てに位置する場所だ。
 その入り口には、見えない壁があると言っても過言ではない。

「待った、心の準備というものが……!」
「あなた、ぱんつのなか大変なことになってるんだから早くしなさい」
「うう~っ」

 晶に手を引かれるがままに女子トイレへ……その一歩。

「ああ……、また一つ男としてのプライドが……」
「なに言ってるのよ。……よし、誰もいない。一緒に入るわよ」
「え、女子って連れションするのか!?」
「しない!」

 晶は言葉では否定しながらも、司は同じトイレの個室へと連れ込まれていた。
 二人分にしては狭すぎる、女子トイレの個室。
 小さな和式の便器が、ちょこんとある。
 ふんわりとした尿臭を嫌でも意識してしまう。
 それは長年に渡ってこの校舎に染みこんできた、女の子の恥ずかしい匂いなのだろう。

「さて、まずはぱんつを降ろしてもらいましょうか」
「な……っ、ちょっと待った。それはいくらなんでも恥ずかしすぎるだろ!?」
「ふーん。それじゃあ、あなたが使ったライナーをどこに捨てればいいか知ってるの?」
「そ、それは……トイレに流す、とか」
「そんなことしたら詰まるし。いいからぱんつを降ろして」
「うう~っ」

 唸りながらも、スカートの両サイドに手を入れてショーツを降ろしていく。
 いくら一緒にお風呂も入って、おしっこの飛ばし合いもしてきた幼なじみとはいえ、おもらしをしたライナーを見られるのはレベルが高すぎる羞恥プレイだ。
 水色と白のしましまショーツとともに露わになったのは、

 むわわぁ……。

 鮮やかなレモン色に染め上げられていたおもらしライナーだった。
 お尻のほうにまでレモン色に染まって、もこもこに膨らみきっていた。
 だけど気のせいだろうか?
 おしっこの匂いはしないように思われる。
 なんというか、ベビーパウダーのようないい匂いだ。

「ぱんつは無事みたいね。匂いも……大丈夫みたい。さすがおもらし専用ライナー」
「す、凄いな……これ」
「こういうのが売っているって言うことは、司みたいな悩みを抱えている女子が多いと言うこと。だから恥ずかしがることない」
「あっ」

 司が短い声を上げたときには、すでにクロッチに置いてあるおもらしライナーは晶によって取り除かれていた。

「おもらしライナーは、こうしてくるくる丸めて、端っこのテープで留めるの。ロールケーキみたいに」
「お、おう」
「それで、そこにある……」

 晶が視線をやった先にあったのは、個室の角。
 そんなところになにが?
 そう思って見やると、そこにあったのはプラスチックでできた三角コーナーのような箱だった。
 蓋は閉まっていて、中がどうなっているのかは分からない。

「これはサニタリーボックス。女の子の日がきたときに使った生理用品は、丸めてここに捨てることになってる」
「そ、そうなんだ……」

 確かに、男女共用の公衆トイレを使ったときに、このサニタリーボックスを見かけたような気がする。
 いままで意識したことがなかったから、開けたことなんてなかったけど。

「はい、丸めてポイ。やってみて?」
「お、おう。丸めてポイッと……」

 ロールケーキのように丸められたおもらしライナーをサニタリーボックスに捨ててみる。
 中には他の女子が使ったのだろう。
 いくつかの紙のロールケーキが入っていた。まだ朝早いというのに大変なことだ。

「あとは……、おまたを拭いて。はい、新しいライナー。ぱんつのなかに入れといて」
「あ、ああ……」

 最早新しいライナーを入れることに異議はなくなっていた。
 それだけ女の子はショーツのなかに装備品をあてておかなければ安心できないということなのだろう。

「今日は三時限目に体育だから、そのときはライナーを捨ててから更衣室にいくこと。いい?」
「なんでそんなことを……?」
「こんなに分厚いのをおまたにあててたら、ブルマのラインに出ちゃうし」
「そ、そうか。女の子って大変なんだなぁ……」
 女子トイレとサニタリーボックスの使い方のレッスンを受け……、司は少しずつ女の子へと近づいているのかもしれなかった。


TS俺が女の子のレッスン!?10につづく!

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レモネードオアシス 2023/06/23 06:39

TS俺が女の子のレッスン!?8

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TS俺が女の子のレッスン!?

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「もうクタクタだぜ……」
「なに言ってるのよ。これから教室。女子なんだから気合入れて堂々と視線を受け止めてやりなさい」
「ぜ、善処します……」

 こうしてやってきた教室。
 司が一歩、教室に踏み込んだ、その瞬間だった。

『転校生か……!?』
『ムチャクチャ可愛いぞ!?』
『やだ、あたし英語喋れない……っ』

 ざわっ、ざわざわっ。

 クラスメートの男子どころか、女子までもが落ち着かない雰囲気になって、こちらを見つめてくる。
 無理もないことだと思う。
 司だって立場が違っていたら色めき立っていたと思うし。

「なに突っ立ってるの。早く席につきなさい」
「おっ、おおぉっ!?」

 司は思わず戸惑ってしまう。
 なにしろなんの躊躇いもなく、晶が腕を組んできたのだから。
 晶の柔らかなFカップが、二の腕にあたる。

「あ、晶……っ。柔らかいの、あたってるっ」
「なに言ってるのよ。あなたのも充分柔らかいでしょ」
「し、知らないしっ」
「はいはい」

 幼なじみに腕を引かれるがままに、自分の席に。
 晶の席はその隣にある。
 驚くべきことに、晶とは家は隣で、学校とクラスは同じ、更には何度席替えをしても席は隣り合っているという、まるで呪われた装備品のような感じになっているのだった。

「司? 椅子に座るときも脚を閉じること。ぱんつ見えるからね」
「あ、ああ。わかった」

 晶はわざとクラス中に聞こえる声で言う。
 司の名前が聞こえるように。
 その効果は抜群だった。

『えっ、司……!? あの美少女が……!?』
『浅黄君!? 最近欠席してると思ったら……』
『うそだろ!?』

 ただでさえザワザワと落ち着かない雰囲気の教室が騒然となる。
 それでも誰も司に話しかけようとしないのは、司があまりにも美少女になっていたせいか、それとも隣の席で晶が変な虫が付かないようにと目を光らせているせいだろうか。

(ううっ、針のむしろに座ってるみたいに居心地が悪いっ)

 二週間ぶりの教室は、とても居心地が悪いものになっていた。
 クラスメートたちの視線を全身に感じながら、司はごく自然に肩をすくめていた。
 その仕草のせいでFカップの胸が強調されていることにも気づかずに。

(晶は堂々と視線を受け止めろって言ってたけど……無理!)

 じゅわわぁ~。

 羞恥心のあまりに、おまたが熱くなってきてしまう。
 ドキドキするとおまたが熱く、ムラムラしてきてしまうようだった。
 男なら勃起するだけで済むけど、女子はそうはいかない。
 おまたが熱くなれば、ヌルリとした体液が漏れ出すようにできている。

(あっ、ぱんつのなか、温かくなって……)

 しゅわわわわわわわわわわわ……。

 くぐもった水音が、スカートのなかから鳴り響く。
 こうなってしまうともう止めることはできなかった。
 おまたが熱く濡れると、釣られるようにしておしっこが漏れ出してきてしまう。

(だ、ダメだ……っ、勝手に漏れてきて……っ)

 しゅいいいいいいいいいいい……。

 くぐもった水音が止まらない。
 男のころだったら、ドキドキしただけでおもらしだなんて考えられないことなのに。
 まだまだ女性器に慣れていない司は、おまたが熱くなっただけでも失禁してしまうようになっていた。

「あっあっあっ、ぱんつのなか……もこもこに……」

 しゅわわわわわわわわわ……。
 もこ、もこもこもこ。

 おしっこを吸収しているからだろうか?
 ショーツのなかに入れてあるおもらしライナーが、もこもこと膨らみだしている。
 それはまるで入道雲のように。

「い、や、ぁぁ……っ」

 しょおおおおおおぉぉぉぉ……。
 もこっもこもこ……っ。

 股間が生温かくなって、おもらしライナーが膨らみ、その膨らみはお尻のほうにまで広がっていき――、
 司の尿道は、あっけなく弛緩していた。

「司、もしかして」
「……ッ、……ッ」

 すぐ隣の席に座っている晶だけは異変に気づいたらしい。
 晶の問いかけに、司は返事をする余裕さえもなく、顔を真っ赤にさせて首肯することしかできなかった。

「ふ、膨らんで……、あったかく……なって……あっ、ああっ」
「慌てないの。全部吸収してくれるから」
「あっ」

 晶に手を握られる。
 温かくて、柔らかい手。
 その手に包まれて――、

「ああぁ……」

 シュワワワワワワワワ……。
 しょおおおおおおぉぉぉ……。
 じゅもももももももももも……。
 もこっ、もこもこ……っ。

 安心しきった司は、完全におまたから力を抜いていた。
 おもらしライナーがもこもこと、分厚く膨らんでいき、その温もりはお尻のほうにまで広がっていって……。

「あ、ああぁ……」
「……全部、出た?」

 手を繋いだままでいてくれる晶の問いかけに、黙って頷く。
 漏らしてしまった……。
 教室で。
 みんなが見ているところで。

(俺の人生、初日で終わった……)

 熱くなった頬に、そんなことを考えていると、しかし晶は言うのだった。
「一緒におトイレ行きましょ」
「あっ」

 手を引いて立ち上がらせてくれる。
 そのときになって司は気づいた。
 ショーツの外側に、一滴もおしっこが漏れ出してきていないことに。

「うっ、ううう!?」

 しかし立ち上がったときに、司は顔をしかめてしまった。
 なにしろショーツのなかが、ずっしりと重たくなっていたのだから。
 どうやらおもらしライナーが完璧とはいえ、吸収した水の重さまでは消してくれないらしい。


TS俺が女の子のレッスン!?9につづく!

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レモネードオアシス 2023/06/21 09:28

TS俺が女の子のレッスン!?7

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TS俺が女の子のレッスン!?

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♠♥ブルマでおもらしっ。


「はい、おもらしライナー。お守り代わりに、ぱんつのなかに入れておいて」
「な、なんだよこのゴツいのは……」
「おもらししても大丈夫になるお守り」

 翌朝。
 司の部屋にやってきた晶が差し出してきたのは、分厚い紙でできた物体だった。
 長さ30センチほどある。

「紙の吸水ライナー。200ccまで吸える。きのうのうちに必要そうだったから買っておいた」
「そ、それは……すまぬ。そうだ、お金渡さないと」
「大丈夫。あなたのお父さんとお母さんから海外送金してもらったから」
「お、おう」

 どうやら司が入院して精密検査を受けているあいだに、色々と話が進んでいるらしかった。
 だけどいま問題なのは。

「ど、どうやってこんなものを装備しろと?」
「まずはぱんつを降ろして」
「あ、ああ」
「そのライナーをクロッチの上に置く」
「お、おう」
「ぱんつを穿く」
「む、むぅ」

 ライナーを置いたショーツを穿き、しかし司は顔をしかめてしまう。
 30センチほどある分厚い紙のライナーをおまたに充てているのだ。
 違和感がないと言ったら嘘になる。
 むしろ違和感の塊がショーツのなかに鎮座していた。

「股ぐらが……っ、ごわごわするぞぉ……っ」
「女子が股ぐらなんて言わないの」
「お、おまたが閉じれないんだがっ」
「サイズは夜用だから、最初は違和感があるかもしれない。だけどそのうち慣れると思うから」

 おまたどころか、お尻のほうまでごわごわしている。
 それでもおもらししても大丈夫になると言うのならば、入れておいたほうが安心なのだろう。

「女の子は、ぱんつのなかにこんなものをフル装備してても平然としてないといけないと言うことか……うぉぉっ」
 司はスカートの裾を整えると、晶に手を引かれて通学路に出るのだった。

        ☆

「もっと背筋を正して歩かないと。うちの学校、スカート短いんだから」
「はい」
「あんまりへっぴり腰になってると、スカートからぱんつはみ出てるわよ」
「はい」

 朝の通学路。
 司は晶とともに女子の制服を着て、登校することになっていた。
 ただでさえ生まれて初めてのスカートに、司の挙動は壊れたロボットのようになっている。
 男のころにはなにも感じなかったそよ風が牙を剥く。

「うう……。なんだか視線を感じる……っ」
「無理もないでしょ。司ったら見かけだけは金髪碧眼の美少女になってるんだもの」
「仕方ないだろ、勝手になってたんだから」

 女の子になって初めての登校。
 金髪碧眼の美少女になっているから、いやでも目立っているのだろう。
 通学路を歩いていると、同じ制服を着ている男子たちの視線がチクチクと刺さるのを感じる。
 主に、Fカップに膨らんでいるおっぱいと、ミニスカートで剥き出しになっている太ももに。

「俺は男だぞ。男の胸なんて見てもなにも楽しいことはないぞ……っ」
「なに言ってるのよ。女子ならドーンと男子たちの視線を受け止めてやりなさい」
「そんなこと言っても、このスカート、短すぎて装甲が……っ」
「スカートに装甲を求めない」

 スカートの裾をギュッと抑えるも、春のそよ風はイタズラっぽく太ももを撫で回していく。
 少しでも早くこの場を立ち去りたくて早歩きしようとするけど、隣を歩いている晶から、

「女の子なんだから、しっかり脚を閉じて歩くこと」
「はい」
「あんまり大股で歩くと、ぱんつが見えるから気をつけて」
「はい」
「下駄箱で上履きに履きかえるときも、ぱんちらポイントだから気をつけるように」
「はい」

 晶から女子としてのレッスンを叩き込まれながら、司は登校していくことになる。
 それでも、晶が一緒にいてくれるからこそ、登校することができているのかもしれなかった。
 もしも司一人だったら、絶対に家に籠もっていたに違いない。

「……ありがとな。付き合ってくれて」
「なに言ってるのよ。当然のことをしてるだけ」

 無表情で呟く晶だけど、そのほっぺたは少しだけ桃色に染まっているようにも見えた。
 幼なじみだからこそわかる、ほんのかすかな違いだけど。

「ほら、もうすぐ下駄箱。ぱんつが見えないように気をつけて」
「ま、任せてくれ」

 二人して並んで登校し、校門をくぐって下駄箱にまでやってきていた。
 ここまでくると、昇降口にいる男子たちの視線の集中砲火を受けているような気になっていた。
 当の男子たちは、チラ見をしているつもりなのだろうけど……。
 男子のチラ見は、女子にとってのガン見。
 そのことを嫌でも実感できてしまう。

「ぱんつが見えないように、見えないように……っ」

 ショーツのなかには30センチもある紙ナプキンが入っているのだ。絶対に見られるわけにはいかない。
 ローファーを脱いで、ショーツが見えないように屈んでローファーを拾い上げて下駄箱に。
 それから上履きに履きかえる。
 たったそれだけの動作に、司は精も根も尽き果てそうなほどに消耗していた。
 ……すぐ隣では晶が、平然と上履きへと履きかえている。
 女子、恐るべし。


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レモネードオアシス 2023/06/20 12:02

TS俺が女の子のレッスン!?6

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TS俺が女の子のレッスン!?

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「はぁ……、はぁ……、はぁ……」

 息も絶え絶えになってお風呂から上がってきた司は、晶が持ってきてくれた部屋着に着替えることになった。
 洗い晒しのTシャツに、三分丈の黒スパッツ。
 ぴっちりしたスパッツは慣れないし、それにトランクスを穿いていたら穿くことができないから必然的にショーツを穿くことになる。

「はぁ……しましまぱんつを穿かないといけないのか……」
「早く慣れることね。みんなの前でおもらししたら大変なことになるから」
「うう……」

 そう言われると、早く慣れておかなければならないのだろう。
 女の子の身体にも、ショーツにも。
 こうして少しずつ女の子になっていくのかもしれなかった。

        ☆

 ちなみに。
 司がおもらししてしまった制服は、晶がクリーニングに出してくれた。
 晶はしっかりとスペアの制服を用意してくれていたので、司は何の問題もなく明日から学校に通うことができるようになっていたのだった。

「いつまでも籠もってるわけにもいかないし、なぁ……」
「それじゃ、明日の朝になったら迎えにくるから」

 晶は言い残すと、隣の家へと帰っていく。
 どうやらズル休みできる可能性は捨てておいたほうが良さそうだ。


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