投稿記事

時 自若 2023/02/19 06:53

作品が削除されたものをやり直し。 耳掃除は浜薔薇第一話 頑張って忘れられない思い出刻みます

「おっちゃんは河川ザメの中では、おとなしい方ですけども、でもやっぱり河川ザメなので」
時折見せる抜群の身体能力。
「特に物がこう…落ちてきた時なんか、よくわかるな」
ヒョイ
人間では避けることが難しいスピードや角度からでも、当たることはないのだが。
「避け方がずるいわ」
「なんでそこだけ凹む!」
それはおっちゃんにもわからんな!
当たったと思ったら、人間からすると、それこそ、大袈裟、笑いを狙ったのか?ぐらいのポーズで避けたりする。
「一回Cの字で避けたの見たわ」
「それは見たい、なんか都合よく飛んで…こないか、さすがに、そこまで神に愛されてはないか」
「はぁ、がっかり」
なんでそこでため息が出る?おっちゃんは十分神にも愛されてるし。
「良縁…恵まれたら、信じられるんやけども」
カッ!禁止ワード使ってきおった。
「お前ら、もう時間やぞ」
会議前でも漫才が始まるのはいつものことである。

「悩んでも仕事っていうのは手を抜かねえまんだ」
「そうなんですが…」
蘆根はただいまお客さんの相談にのっていた。
「何が嫌なんだ?」
「嫌ですか?なんかこう…今後が不安で」
「なるほど、食事はとったか?」
「ああそういえばまだですね」
「食ってくか?」
「あっ、…KCJの」
「そうそう、このご時世にも関わらず、きちんとしたものを出してくれてるしな」
「あそこは本当、なんなんです?」
「KCJはKCJなんだけも、うちのイツモが100年生きるそうなんで、そういう猫を家族がいなくなった後も引き取っている団体だな」
「奇特というか、なんというか」
「それは思うな、聞いた話によると、戦争があった際に飼ってたケットシーによって助かったから、戦後は復興に力を尽くした貴族、お偉いさんたちが作った団体とかいってたな」
蘆根たちは知りませんが、これ以外にも異世界に連れさられたケットシーの家族という派閥もあり、これが異世界帰還者の受け入れ先としての機能も持つようになっている。
「帰ってきても、働き先がKC以外ではなかったりしますからね」
「子供の頃から向こうにいると、日常生活を送るのも大変だからな」
その教育プログラムもあるのですが、それでも予定通りに進まないものです。
「腕っぷしに自信がある人はKCの戦闘許可証をとればいいと思うかもしれませんが、統計としては座学もきちんと受けた人ほど、長い期間許可証を有することができるとされてますね」
「座学は今のところ基本以外は任意になっている感じだな」
「年々許可証の更新も難しくなってますからね」
それはとある担当者から始まった。
「あ~試験作るの面倒くさいんだよ」
過去の試験を元にして新たに作成するのだが。
「ストレスが溜まる、自分ならこうしたいっていうのがあるんだけども、それはなかなかできないしな」
でも気分転換に。
「絶対に突破できないの作りたい」
そう思ってしまったのだ。
「これ考えたやつ馬鹿だろう!って出るような奴」
そんな独り言を。
「じゃあ試しに作ってみたらいいんじゃないか?」
KCから赴任した上司が聞いてゴーサイン出した。
「もちろん、そこで落ちた人たちのことも考えた上でだけども」
「いいんですか?じゃあ、頑張って忘れられない思い出刻みます」
やる気がもりもりでたという。
いつもと変わらない更新の試験だと思い、まばらに人が集まったのだが。
「これよりみなさんには限界に挑んでもらいます」
デスゲームのようなアナウンスが流れ出した。
「どこまで食いついてきてくれるのか、私はとても楽しみです」
聞いている方は、みんな「はぁ?」な表情をしていた。
「突然ですが、試験の方式が本日から変わりました、更新までの期日もお知らせが届いた場合は1ヶ月となり、4回のチャンスが与えられることになります」
そして月によって課題は固定難易度のみ調整が行われ。
「試験に伴う予算の増加分は、民間にも試験への参加の拡大、外部からの、試験対策に対応した予備校からの参加、また受験者への過去問や参考書などで賄える予定です」
「えっ?それは俺らが金払うのかよ」
不満が出るが。
「代わりに戦闘許可証取得へのメリットを増大させます、具体的にはKCJの各種サービスを職員と同程度のものとし、詳しいサービスはこちらをご覧ください」
許可証を取得した場合、今までと比べてこのぐらいお金が節約になり、次の更新までの間最大○○万お得である。
「これ今支払っている奨学金も、許可証持っている間肩代わりしてくれるの?」
「KCJはそのぐらいやります」
そこでザワザワし始めた。
「はいはい!それでいいです」
躊躇してしまうような変更も、痛いところをくすぐるようなメリットを用意すると、乗り気になってくれるものはいるようだ。
「今回は通告なしの変更をここで、また対象となる予備校や塾の方々もほぼ同時に聞いているようなものなので、みなさんへのメリットとしての提示はもう一つあります、ここで合格、または惜しくも逃した場合でも、これから試験対策という金脈、産業のために、今回の試験への情報提供というお仕事のお話が来ると思われます、おおっと、話が早いエージェントの方々が試験対策委員会の方にもう連絡してきてますね、合格した方々と必ずお会いして話がしたいとのこと、これはチャンスだと思いませんか!」
これには思わず生唾を飲むものが多くでた。
「ただまあ、ほぼストレス解消で試験は作りましたので、もしもこれを越えるかたがいましたら、私の個人的なコネもオマケではありませんが、つけさせていただきたいと思います、それではやる気は出ましょうか?私もとても楽しみです、合格するかたもそうでなかったかたも、忘れられないような一日にしましょう!」
そこでアナウンスは終了し、やる気に満ちた参加者は、試験対策委員会が作り出した地獄へと走り出した。
「変更後、いわゆる記念すべき第一回なのですが、合格者達は出ました」
「ただ合格したはいいが、怪我人続出し、5回とか6回目ぐらいの合格者がいまのKCJや他の免除になった提携の資格の主力になっているんだよな」
「そういう意味では非常に正しいお金の使い方したとも言えるんですよね」
そしてこの制度は、その時の試験があまりにもあまりだった場合、受験生が試験委員会側に回ることを希望することにも繋がった。
「私が味わった地獄を君たちにも分けてあげるよ」
人間というのはこういうときに、絶大なるエネルギーを発揮するものだということがよくわかる。
そして笑顔も同時に浮かべれることが出来るものなのだ。



「ただ未だに、KCJってなんかこう、アレだよねって言われるんですよね」
「う~ん、それは課題でもあるんだよな」
はい、そこ、今ので目を背けない。
明日は今月の三回目の試験日です、初試験という方もかなり多いといいます、こういう時は試験委員会のブレーキは利いてないぞ!
「みんながびっくりするような、最高の試験にしてやるんだ」
それでは今日はこの辺で、明日の朝、会場でお会いしましょう!

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

時 自若 2023/01/29 21:25

今生のローダンセ 第41話 どっちもエッチなんですね。

「お母さん、この花なんの花?」
どこかのご家庭の娘さんがお母さんに聞きました。
「これはローダンセよ、お父さんとしばらくぶりに会ったときに、冷蔵庫も空っぽで、じゃあご飯食べて、買い物しましょうになったのよ」

「ちょっと待っててくれ」
トイレかな?と思って、気にせずに待っていたら。
花を一輪携えてきた。
「あの…だな」


「それでお母さん、受け取ったの?」
「どうしようか、迷ったんだけども」
「それはお父さんが可哀想」
「お花屋さんも大変だろうし」
「そこ?」
「経済って重要よね」
父親に似ている娘は、困った顔は似てないようだ。
「もう結婚していると思ったのよ」
「ありえないでしょ」
「そう?立場的にお見合いの話は結構来てたよ、優しいし、真面目だし、きちんと立場もあったし」
「お母さんの方はどうだったの?」
「元々結婚なんて縁遠かったからね、たまたま相性のいい魔法とかあったから、覚えていってっていう子供の頃よ」
「魔法が規制されている土地柄に生まれると、魔法は簡単には使えないんでしょ?」
「そうよ、でも本を読めると魔法には出会うものなのよ」
「えっ?そうなの?」
「魔法が魔法ではないと隠れているの、だから魔法を見つけるといいわ、そのぐらい魔法はどこにでもあって、上手に隠れているのよ」


「話を聞いたんだが、その…花の話したのか?」
「聞かれたからね」
「そっか」
「嫌だった?」
「複雑だが、自分の子供ならばいいかなと、さすがにあちこちに言うのは少し嫌だな」
「言いふらすような子じゃないでしょ」
「そうか?ならいいが、なんというか、そういうのは二人だけの話にしたいと言うか」
「照れてるの?」
「照れてるよ」
「お花屋さんに、何て言ったんだっけ?」
「…彼女に贈るとしたら何がいいんですか?って」
「それで?」
「花束だと邪魔になるから一輪」
「後で言葉を調べたら変わらぬ思いだったんだけども、終わりのない友情でもよろしくない?」
「お前に友情を抱いたことはない」
「へぇそうなんだ」
「そうだよ、あの目はとても素敵だった、こうクッ!って言いたくもなるし、言わせたくなるような緊張感は、俺の人生に初めてだった」
「お見合いで奥さんもらっちゃえば良かったのに」
「またその話か」
「そうよ、結婚してから、色々あるよりは、最初からそっちの方が楽だし」
スッ
そこで夫が取り出したのはこの薬。
「ちょっと過去とか平行世界に二人で行こうか?」
「えっ?」


スリスリ
頬擦りする感触がある。
目を開けると、彼である。
若い、ということは自分も若い。
(幼馴染みって感じ)
当たり。
本来は大人になってから出会っているのだが。
「もっと早くに出会いたかった」
写真を見てそんなことを言う彼に困惑する。
「いいじゃないか、あの年齢だと修行しまくってて、俺全然遊んでないんだからさ、後最近忙しかったから、無責任に恋をしたい」
「確かに最近は忙しかったからはわかるけども」
「夜食美味しかった」
シチューよりも少し軽めのとろみのある野菜な汁物とご飯。
「それはここで言うこと?」
「さすがに娘や息子やらがいる前では無理だ」
「無理にお父さんやらなくていいのに」
「お父さんはお父さんらしくあるべきだよ、子供たちが困るから」
「ちゃんとお父さんはやれてますよ」
「そうか?」
「ええ、だからこそ、なんでこの人見合いで結婚しなかったんだろうなはありますよ」
「嫌だよ、きちんと、その…この穴がお嫁さんだって見つけたんだから」
「いい話が台無しですね」
「中身はそんなもんよ」
「じゃあなんで私には?」
「平手打ちくらうのもいいかなって」
「変態」
「あっ」
ぞくぞくっと来てる。
「ちゃんと立場があるのに、変態さんでどうするのかな?」
「でも、これだけは譲れなくて、抱いた後に、お嫁さん見つけちゃったねって自然と口にしちゃったし」
何故か彼女は一目で気に入ってしまった。
目がとても良かったのはあったのだが。
「その勘は間違いではなかった」
愛撫で、こぼれてしまった声。
優しくするための理性はここで飛んだ。
「己の見せにくい部分を見せて受け入れてもらった嬉しさよ」
マゾバレにも対応しております。
「後は…もう愛するのみじゃない?」
「そのためにここまでするの?」
逆行した時間、幼馴染みの世界線。
「するよ、修行が厳しくなっても、夜は二人で一緒にいることで取れる幸せがあるんですぅぅ」
「まあ、そこは否定はしないけどもさ」
「じゃあ、同意ってことでいいですね」
修行の辛さは知ってる、それこそ真面目にやったものが心身が折れるほど痛め付けられる。
(あの頃は生きていくためだからしょうがないと思っていたのだけども)
今日はそういうプレイで、設定でしましょうまでになると、ああもうそういう苦しみは終わったのか、ため息吐こうかのところを。
「ウサギ年だから、二人でバニーしない」
「なに言ったんだよ、バーカ」
「せっかくオスバニーという可能性もあるわけだし」
「話聞いてないでしょ」
そんなこと言いながらも、おやおや一時間もしないうちに、何やらバニーなのが二人いますね。
メスの方は網タイツで、オスはそのお尻を喜んでいるじゃありませんか、全くなんだかんだいいながら、どっちもエッチなんですね。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

時 自若 2022/12/31 08:48

今生のローダンセ第40話 欲望は肌の上に出る

「いちゃいちゃがしたい」
はぁ~といいながら、こぼす。
チラッ
同意を求めてくる。
「そっちに行ってよろしいですか?」
驚いてそのまま正座になり。
「こちらへお越しください」
動揺しているようだ。
彼女はそのまま近づいていき、ストンと座る。
「俺からいってなんだが、その大丈夫なのか?」
「構いませんよ」
「…そっか」
「自分からいった癖に」
「そうなんだがな、こういうのは、その…照れるんだよ」
「そうですか?」
「そうだよ、夢じゃないかと思うところもある」
「それならせめていい夢を」
「夢オチはやめてくれ、そうなると辛い」
「今年も一年お疲れ様でした」
「ああ、また会えるとは思わなかった」
「そうですね」
「絶対に離さないし、もう追いかけるから」
「そうなると思うので逃げられないんですよね」
「逃げるつもりか?いや、すまん、そうなったら俺が悪いんだな」
チュ
(おっ)
「この年始年末は他の人のところには行かせませんよ」
「お前に惚れてから、浮気したことないんだけども」
「知ってますけどもね、でも恋なんて覚めるし、愛は無くなってしまうものですから」
「そんなことはいだろう、大丈夫ここにあるさ」
「あなたは本当に優しいですね」
「そうか?」
「そうですよ」
「厳しいとか後輩には言われているんだけどもね」
「しっかりやる人が好きですよね」
「そうだよ、だからさ、お前に危ないって何かが飛んできたとき、咄嗟にカウンターが出たときは驚いたんだよ、あれ?うちの流派の技だって」
「不思議ですよね、突然できたんですよ」
「でも危ないことはしないでくれ、ビックリして、抱き寄せてしまったから」
「本当に驚いてましたね」
「それで今日も…その…してもいいかな」
「最近は毎日の様子ですが」
「なんかこう余裕が出てきたっていうか」
こんなにおとなしそうなのに、いざベットの上ともなるとえぐい。
「欲望って肌の上に出るよね」
昨晩のように使用済みゴムで、正の字記録になるかはわからないが。
「きちんと口説いてくれたらいいわよ」
男はその言葉に頑張るつもりである。
少し早いですが今年もお世話になりました、来年もよろしくお願いします。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

時 自若 2022/12/24 22:12

今生のローダンセ第39話そろそろキスをしていいか?

彼の手が迷ってる。
結局出掛けることにした。
まあ、やることはやりましたけどもね!
帰りは歩いて戻ることにし、夜道を二人で歩いていたのだが、その手が迷っていたのだ。
ガシッ
彼女の方からその手は掴む。
捕まれた彼は驚いてる。
その顔を見て、彼女は微笑んだ。
「今日は他の人のところには行かせませんよ」
「浮気なんてしたことないだろうが」
「そうなんですよね…」
「人を浮気者みたいに言わないでくれる?」
「でも結構おモテになる」
「あれは社交辞令と…まあ、中にはあわよくばもいるけどもさ」
「相変わらず優良株ですから」
「そういう見られ方はな、わかるが、見られたくはないな」
「すいません」
「でもしょうがないか…結婚相手がどういう人間かによって、色々と変わる立場というのはあるわけですし」
「魔法使いだと、相手としてマイナスしかないにで」
この世界では魔法使いはあんまりモテないぞ。
「怒らせたら怖いっていうイメージがあるからな、俺は気にせんが」
「少しは気にしましょうよ」
「優しい人間だって知ってるからな、変なのよってこないようにするために、愛想が悪い感じは出しているけども」
「礼儀正しいとこいつチョロいとか思ってしまう方がいるようで」
「そういうやつはろくなものじゃないさ…クリスマスイブの夜にこんな話はしたくはないな」
「じゃあ、なんの話します?」
「映画誘ったけどもさ、他にしたいことなかったのか?」
「特には…」
「もっとやりたいこと言ってくれていいのよ」
「今が十分幸せなんですよね」
「幸せのハードルが低いよ、まあ、美味しいご飯一緒に食べれたら、幸せを感じるけどもね」
「そこは変わりませんね」
「変わらないな、なんというか、お前はイヤかもしれないけども、一緒に過ごす時間が尊いんだよ」
「そうなんですか?」
「そうだよ、お前はイヤかもしれないけども」
「イヤなら、一緒にいませんが」
これには少し驚いて。
「いやいや、そこまで気を使わなくてもいいよ」
今日は何か自信がないようである。
キュ
彼女は彼の腕を組む。
「エッチ」
彼に言われた。
「あなたが本音で会話してくれることが私はうれしい」
「そりゃあ俺だってそうよ、前までは心を見通すように、それは嘘だなとかわかったんだけどもね」
「今は無理なんですか?」
「惚れた弱味だよ、寂しくなったら、なんでもいいやになってしまって」
「すいませんね」
「謝らないでくれよ、自分でもビックリしてるんだ」
「あなたの心からの言葉に触れているときは心地よいんですよ」
「ふ~ん」
「あら、信じてくださらないの?」
「信じるも信じないも今の俺にはないんだよ」
「へぇ」
自宅の近所まで来た。
そのまま話をしながら、自宅へと戻っていった。
「たぶん来年もいると思うので、よろしくお願いしますね」
「…」
「なんです?」
「そっちからそんなこといってくれるとは思わなかった」
「後はクリスマスはあなたを独り占めしますから」
「へっ?」
「ああ、さすがにそれは急でしたかね、男の方がその気になるのは準備が…」
「いや、頑張るよ、そこは」
「無理しなくても、一緒にいてくれればいいですが」
「俺の気持ち置いてきぼり展開だけどもさ、えっ?何?ユーはミーとワンデイ?」
「混乱してません?」
「してる、言われるとは思わないからだ」
「あら、そうなのですか」
「そうだよ」
股間に力溜めておかなければ。
「やっぱり男の人は難しいですね」
「そ、そこまで繊細じゃないから」
「意外とこっちから行くと弱いんですか?」
「理性が飛びそうなんだよ、そんなことされると、俺が理性が飛んだときどうなるかわかってるだろ?」
しばらくお待ちください。
「すいませんでした」
彼女は赤面しながら謝った。
「あの状態で体が慣れてなかったり、体格と体力差があると、怪我するから、そこがよぎるからブレーキかかるんだよ」
「それだと、その…行為楽しいですか?」
「楽しい」
「えっ?」
「もどかしさも、胸をむず痒くさせてくれるし、お前はなんだかんだで、俺のブレーキ利かなくなる」
「そうなったらダメなやつじゃ」
「お前…気持ちよくなると、声変わるだろ?」
「は、はい…」
「あれ聞いた瞬間、俺はもうどうなってもいいぐらいになってるから、いや~あの声最高ですわ、あそこから止まらなくなるから」
「そうですね、一回じゃ満足してくれないですもんね」
「あれが一回で終われるか」
「男の人って」
「悪いがお前の相手は俺だけだぞ」
「おっ、いいますね」
「自信はないが、そこは死守したいんでな」
「もう本気じゃないですか」
人切包丁、埋血錆が似合う目になってる。
「惚れられた相手が悪かったということで」
「そういう割にはとても大事にしてくれるじゃないですか」
「?」
「バーカ、そんなのがわからないほど、鈍感じゃないですからね」
「バカって言われた」
「そんなんだから、他の女性からもアプローチされるんでしょうが」
礼儀正しく優しいので。
「そのうち勘違いされて大変なことになりますよ」
「大変なことってなんだよ」
「えっ、突撃されるとか」
「この屋敷はセキュリティきちんとしてるしな」
二人以外は招かれざる客は立ち入れない。
「誘惑されるとか」
「その対策も研修で受けているし、獏とサキュバスが身内にいるのなら、どうやって一般人または魔法使いが突破するんだよ」
「難しいですね」
「それが突破できるなら、そこで食えるしな」
「あっ」
「気づいてなかったのか」
「魔法使いもピンキリですよね」
おまじない程度でも魔法使いは名乗れる。
「…そろそろキスしていいか?」
「いつもは聞かないのに」
「そりゃあまあ、クリスマスだからな、ロマンチックは大事だろ?」
その後キスをするのだが。
(舌の絡め方がいつもすごくて)
彼女はタジタジになっているのを見て、彼は自分の服を脱ぎ始めたという。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

時 自若 2022/12/24 08:15

今生のローダンセ 第38話 欲望にかられるクリスマスイブ

クリスマスイヴである。
「ただいま」
軽く走ってきた彼が戻ってきた。
「寒いでしょ」
「さすがに冬だなとは思ったな」
ここではコートなどは着て走るが、仕事の場合はそういったものが間に合わない時もあるから、日頃からの慣れも大事である。
衣服類がそれを合わせたものになっていた。
だが今日はクリスマスイヴ、クリスマスイヴなのだ。
そこにコール音。
「はい、もしもし」
「あの~休みを取ってるところ悪いんだけども」
申し訳ない気持ちと断ってほしくないで、連絡するのを頼まれたようだ。
「…すまん、仕事だ」
「はいはい」
「三時ぐらいには終わるから、三時ぐらいには!」
今日も一緒に過ごすつもりでした。
「シャワーは?」
「使う。ああ、それと着替え、着替え」
「出しておくわ」
「悪い」
そういってバタバタ書類を鞄にまとめあけた後に、シャワーを使う。
(あ~今日は一緒にいて、お出かけするつもりだったんだがな)
人が足りないのもわかっている。
ままならないものであった。
現場に行くと、凄惨で、ああこれは自分が呼ばれるなといった感じ。
若手が臭いで辛そうにしてる。
「無理はしないでくれ、マスク類の装備をした方がいい」
「ありがとうございます」
臨時で呼ばれた男はさっさっと気を回して、仕事をサクサクと片付けていく。
「先に上がってくれよ」
「いいんですか?」
「特別手当て分は働いたさ、一番大変なところをお前さんがやってくれたからな」
「わかりました」
このまま帰るにしても、それこそ臭いでダメだろう。
着用しているものは血やら何やらの臭いで汚れている。
こういう現場に商売しに来るものがいて、キョロキョロと探すと顔馴染みがいた。
「チッス!」
「すまないが着替えを」
「は~い、お任せください、サイズはいつもので」
「ああ、お願いする」
馴染みなので、服のサイズや好みも把握されていた。
「これからデートします?」
「するが、一度家に戻る」
「…わかりました」
あっ、これ、ジョークで言ったら本気で返されたタイプだ
「お待たせしました」
支払いになるが、あれ?いつもより安くない?
「身罷の大家関係は、誠実な商売をした方が気を回してもらえますから、先月ぐらいから値下がりしてて、今日はお帰りは?」
「送迎される」
「ああ、ではちょうどいいですね」
それでドサッと箱で他のものもセットとして持って帰ることになった。
「いいのか?」
「いいです、たぶん見れば意味がわかりますから」
「わかったそのまま渡そう」
「そことは別にこちら買いません?」
「なんだ?」
「知己のレストランのテイクアウト付きの映画鑑賞チケット」
「映画の内容にもよるんだが…」
「そこはほら、わかってますよ、ここでサメ映画見てもね」
クリスマスイヴにサメ映画?最高やんけ!
(なんか今、どっかと混線したな)
「ヤドリギ、アカミヤのキスを原作とした、クリスマスにベタすぎる恋愛ものです」
「買おう」
「ありがとうございます、テイクアウトの方は、本日からお正月まで引き換えできるもので、あっ、ええっと彼女さん?詳しい人ならば聞いてみたら…」
商人は彼女が同一人物だと思ってません、身罷の大家関係の人に紹介されたのかな?と思ってます、実際に紹介されて断ってるのを見てましたから。
連絡したら。
それならばもう1セット買ってほしいとのこと。
「あざす」
「そのレストラン、かなりの腕があるみたいだしな」
「そうなんですよ、ただ…腕がある人にありがちな、宣伝がね」
「ああ、なるほど、結構値段がはると思ったが、ほぼ食材で消えるのか」
「いい食材扱わせると、イキイキする人なんで…こういうときにさせてあげないと」
「まあ、うちは助かるがな」
ここで笑ったのを見ると、いい人と付き合ったんだなと思うのだ。
「よいクリスマスを」
「おう!そっちもな」

「それでさ、ちょっと…お願いがあるんですけどもね」
「何かしら」
「映画を見た後にですね、その、映画のようなキスしてもいいですかね」
「?」
「ああ、ええっとですね、この映画はヤドリギという名前なんですが、クリスマスにこの下でキスをすると幸せになり、家庭円満、ずっとハッビーに」
チュ
キスの不意討ち。
「ここでそういうのは早いだろう?」
そういってお返しのキスをしてきた。
(映画行かないで、このまま部屋ですごそうかな)
そういった欲望にかられるクリスマスイブ。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

« 1 2 3 4 5 6 7

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索