時 自若 2022/12/31 08:48

今生のローダンセ第40話 欲望は肌の上に出る

「いちゃいちゃがしたい」
はぁ~といいながら、こぼす。
チラッ
同意を求めてくる。
「そっちに行ってよろしいですか?」
驚いてそのまま正座になり。
「こちらへお越しください」
動揺しているようだ。
彼女はそのまま近づいていき、ストンと座る。
「俺からいってなんだが、その大丈夫なのか?」
「構いませんよ」
「…そっか」
「自分からいった癖に」
「そうなんだがな、こういうのは、その…照れるんだよ」
「そうですか?」
「そうだよ、夢じゃないかと思うところもある」
「それならせめていい夢を」
「夢オチはやめてくれ、そうなると辛い」
「今年も一年お疲れ様でした」
「ああ、また会えるとは思わなかった」
「そうですね」
「絶対に離さないし、もう追いかけるから」
「そうなると思うので逃げられないんですよね」
「逃げるつもりか?いや、すまん、そうなったら俺が悪いんだな」
チュ
(おっ)
「この年始年末は他の人のところには行かせませんよ」
「お前に惚れてから、浮気したことないんだけども」
「知ってますけどもね、でも恋なんて覚めるし、愛は無くなってしまうものですから」
「そんなことはいだろう、大丈夫ここにあるさ」
「あなたは本当に優しいですね」
「そうか?」
「そうですよ」
「厳しいとか後輩には言われているんだけどもね」
「しっかりやる人が好きですよね」
「そうだよ、だからさ、お前に危ないって何かが飛んできたとき、咄嗟にカウンターが出たときは驚いたんだよ、あれ?うちの流派の技だって」
「不思議ですよね、突然できたんですよ」
「でも危ないことはしないでくれ、ビックリして、抱き寄せてしまったから」
「本当に驚いてましたね」
「それで今日も…その…してもいいかな」
「最近は毎日の様子ですが」
「なんかこう余裕が出てきたっていうか」
こんなにおとなしそうなのに、いざベットの上ともなるとえぐい。
「欲望って肌の上に出るよね」
昨晩のように使用済みゴムで、正の字記録になるかはわからないが。
「きちんと口説いてくれたらいいわよ」
男はその言葉に頑張るつもりである。
少し早いですが今年もお世話になりました、来年もよろしくお願いします。

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