時 自若 2022/12/24 22:12

今生のローダンセ第39話そろそろキスをしていいか?

彼の手が迷ってる。
結局出掛けることにした。
まあ、やることはやりましたけどもね!
帰りは歩いて戻ることにし、夜道を二人で歩いていたのだが、その手が迷っていたのだ。
ガシッ
彼女の方からその手は掴む。
捕まれた彼は驚いてる。
その顔を見て、彼女は微笑んだ。
「今日は他の人のところには行かせませんよ」
「浮気なんてしたことないだろうが」
「そうなんですよね…」
「人を浮気者みたいに言わないでくれる?」
「でも結構おモテになる」
「あれは社交辞令と…まあ、中にはあわよくばもいるけどもさ」
「相変わらず優良株ですから」
「そういう見られ方はな、わかるが、見られたくはないな」
「すいません」
「でもしょうがないか…結婚相手がどういう人間かによって、色々と変わる立場というのはあるわけですし」
「魔法使いだと、相手としてマイナスしかないにで」
この世界では魔法使いはあんまりモテないぞ。
「怒らせたら怖いっていうイメージがあるからな、俺は気にせんが」
「少しは気にしましょうよ」
「優しい人間だって知ってるからな、変なのよってこないようにするために、愛想が悪い感じは出しているけども」
「礼儀正しいとこいつチョロいとか思ってしまう方がいるようで」
「そういうやつはろくなものじゃないさ…クリスマスイブの夜にこんな話はしたくはないな」
「じゃあ、なんの話します?」
「映画誘ったけどもさ、他にしたいことなかったのか?」
「特には…」
「もっとやりたいこと言ってくれていいのよ」
「今が十分幸せなんですよね」
「幸せのハードルが低いよ、まあ、美味しいご飯一緒に食べれたら、幸せを感じるけどもね」
「そこは変わりませんね」
「変わらないな、なんというか、お前はイヤかもしれないけども、一緒に過ごす時間が尊いんだよ」
「そうなんですか?」
「そうだよ、お前はイヤかもしれないけども」
「イヤなら、一緒にいませんが」
これには少し驚いて。
「いやいや、そこまで気を使わなくてもいいよ」
今日は何か自信がないようである。
キュ
彼女は彼の腕を組む。
「エッチ」
彼に言われた。
「あなたが本音で会話してくれることが私はうれしい」
「そりゃあ俺だってそうよ、前までは心を見通すように、それは嘘だなとかわかったんだけどもね」
「今は無理なんですか?」
「惚れた弱味だよ、寂しくなったら、なんでもいいやになってしまって」
「すいませんね」
「謝らないでくれよ、自分でもビックリしてるんだ」
「あなたの心からの言葉に触れているときは心地よいんですよ」
「ふ~ん」
「あら、信じてくださらないの?」
「信じるも信じないも今の俺にはないんだよ」
「へぇ」
自宅の近所まで来た。
そのまま話をしながら、自宅へと戻っていった。
「たぶん来年もいると思うので、よろしくお願いしますね」
「…」
「なんです?」
「そっちからそんなこといってくれるとは思わなかった」
「後はクリスマスはあなたを独り占めしますから」
「へっ?」
「ああ、さすがにそれは急でしたかね、男の方がその気になるのは準備が…」
「いや、頑張るよ、そこは」
「無理しなくても、一緒にいてくれればいいですが」
「俺の気持ち置いてきぼり展開だけどもさ、えっ?何?ユーはミーとワンデイ?」
「混乱してません?」
「してる、言われるとは思わないからだ」
「あら、そうなのですか」
「そうだよ」
股間に力溜めておかなければ。
「やっぱり男の人は難しいですね」
「そ、そこまで繊細じゃないから」
「意外とこっちから行くと弱いんですか?」
「理性が飛びそうなんだよ、そんなことされると、俺が理性が飛んだときどうなるかわかってるだろ?」
しばらくお待ちください。
「すいませんでした」
彼女は赤面しながら謝った。
「あの状態で体が慣れてなかったり、体格と体力差があると、怪我するから、そこがよぎるからブレーキかかるんだよ」
「それだと、その…行為楽しいですか?」
「楽しい」
「えっ?」
「もどかしさも、胸をむず痒くさせてくれるし、お前はなんだかんだで、俺のブレーキ利かなくなる」
「そうなったらダメなやつじゃ」
「お前…気持ちよくなると、声変わるだろ?」
「は、はい…」
「あれ聞いた瞬間、俺はもうどうなってもいいぐらいになってるから、いや~あの声最高ですわ、あそこから止まらなくなるから」
「そうですね、一回じゃ満足してくれないですもんね」
「あれが一回で終われるか」
「男の人って」
「悪いがお前の相手は俺だけだぞ」
「おっ、いいますね」
「自信はないが、そこは死守したいんでな」
「もう本気じゃないですか」
人切包丁、埋血錆が似合う目になってる。
「惚れられた相手が悪かったということで」
「そういう割にはとても大事にしてくれるじゃないですか」
「?」
「バーカ、そんなのがわからないほど、鈍感じゃないですからね」
「バカって言われた」
「そんなんだから、他の女性からもアプローチされるんでしょうが」
礼儀正しく優しいので。
「そのうち勘違いされて大変なことになりますよ」
「大変なことってなんだよ」
「えっ、突撃されるとか」
「この屋敷はセキュリティきちんとしてるしな」
二人以外は招かれざる客は立ち入れない。
「誘惑されるとか」
「その対策も研修で受けているし、獏とサキュバスが身内にいるのなら、どうやって一般人または魔法使いが突破するんだよ」
「難しいですね」
「それが突破できるなら、そこで食えるしな」
「あっ」
「気づいてなかったのか」
「魔法使いもピンキリですよね」
おまじない程度でも魔法使いは名乗れる。
「…そろそろキスしていいか?」
「いつもは聞かないのに」
「そりゃあまあ、クリスマスだからな、ロマンチックは大事だろ?」
その後キスをするのだが。
(舌の絡め方がいつもすごくて)
彼女はタジタジになっているのを見て、彼は自分の服を脱ぎ始めたという。

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