時 自若 2023/01/29 21:25

今生のローダンセ 第41話 どっちもエッチなんですね。

「お母さん、この花なんの花?」
どこかのご家庭の娘さんがお母さんに聞きました。
「これはローダンセよ、お父さんとしばらくぶりに会ったときに、冷蔵庫も空っぽで、じゃあご飯食べて、買い物しましょうになったのよ」

「ちょっと待っててくれ」
トイレかな?と思って、気にせずに待っていたら。
花を一輪携えてきた。
「あの…だな」


「それでお母さん、受け取ったの?」
「どうしようか、迷ったんだけども」
「それはお父さんが可哀想」
「お花屋さんも大変だろうし」
「そこ?」
「経済って重要よね」
父親に似ている娘は、困った顔は似てないようだ。
「もう結婚していると思ったのよ」
「ありえないでしょ」
「そう?立場的にお見合いの話は結構来てたよ、優しいし、真面目だし、きちんと立場もあったし」
「お母さんの方はどうだったの?」
「元々結婚なんて縁遠かったからね、たまたま相性のいい魔法とかあったから、覚えていってっていう子供の頃よ」
「魔法が規制されている土地柄に生まれると、魔法は簡単には使えないんでしょ?」
「そうよ、でも本を読めると魔法には出会うものなのよ」
「えっ?そうなの?」
「魔法が魔法ではないと隠れているの、だから魔法を見つけるといいわ、そのぐらい魔法はどこにでもあって、上手に隠れているのよ」


「話を聞いたんだが、その…花の話したのか?」
「聞かれたからね」
「そっか」
「嫌だった?」
「複雑だが、自分の子供ならばいいかなと、さすがにあちこちに言うのは少し嫌だな」
「言いふらすような子じゃないでしょ」
「そうか?ならいいが、なんというか、そういうのは二人だけの話にしたいと言うか」
「照れてるの?」
「照れてるよ」
「お花屋さんに、何て言ったんだっけ?」
「…彼女に贈るとしたら何がいいんですか?って」
「それで?」
「花束だと邪魔になるから一輪」
「後で言葉を調べたら変わらぬ思いだったんだけども、終わりのない友情でもよろしくない?」
「お前に友情を抱いたことはない」
「へぇそうなんだ」
「そうだよ、あの目はとても素敵だった、こうクッ!って言いたくもなるし、言わせたくなるような緊張感は、俺の人生に初めてだった」
「お見合いで奥さんもらっちゃえば良かったのに」
「またその話か」
「そうよ、結婚してから、色々あるよりは、最初からそっちの方が楽だし」
スッ
そこで夫が取り出したのはこの薬。
「ちょっと過去とか平行世界に二人で行こうか?」
「えっ?」


スリスリ
頬擦りする感触がある。
目を開けると、彼である。
若い、ということは自分も若い。
(幼馴染みって感じ)
当たり。
本来は大人になってから出会っているのだが。
「もっと早くに出会いたかった」
写真を見てそんなことを言う彼に困惑する。
「いいじゃないか、あの年齢だと修行しまくってて、俺全然遊んでないんだからさ、後最近忙しかったから、無責任に恋をしたい」
「確かに最近は忙しかったからはわかるけども」
「夜食美味しかった」
シチューよりも少し軽めのとろみのある野菜な汁物とご飯。
「それはここで言うこと?」
「さすがに娘や息子やらがいる前では無理だ」
「無理にお父さんやらなくていいのに」
「お父さんはお父さんらしくあるべきだよ、子供たちが困るから」
「ちゃんとお父さんはやれてますよ」
「そうか?」
「ええ、だからこそ、なんでこの人見合いで結婚しなかったんだろうなはありますよ」
「嫌だよ、きちんと、その…この穴がお嫁さんだって見つけたんだから」
「いい話が台無しですね」
「中身はそんなもんよ」
「じゃあなんで私には?」
「平手打ちくらうのもいいかなって」
「変態」
「あっ」
ぞくぞくっと来てる。
「ちゃんと立場があるのに、変態さんでどうするのかな?」
「でも、これだけは譲れなくて、抱いた後に、お嫁さん見つけちゃったねって自然と口にしちゃったし」
何故か彼女は一目で気に入ってしまった。
目がとても良かったのはあったのだが。
「その勘は間違いではなかった」
愛撫で、こぼれてしまった声。
優しくするための理性はここで飛んだ。
「己の見せにくい部分を見せて受け入れてもらった嬉しさよ」
マゾバレにも対応しております。
「後は…もう愛するのみじゃない?」
「そのためにここまでするの?」
逆行した時間、幼馴染みの世界線。
「するよ、修行が厳しくなっても、夜は二人で一緒にいることで取れる幸せがあるんですぅぅ」
「まあ、そこは否定はしないけどもさ」
「じゃあ、同意ってことでいいですね」
修行の辛さは知ってる、それこそ真面目にやったものが心身が折れるほど痛め付けられる。
(あの頃は生きていくためだからしょうがないと思っていたのだけども)
今日はそういうプレイで、設定でしましょうまでになると、ああもうそういう苦しみは終わったのか、ため息吐こうかのところを。
「ウサギ年だから、二人でバニーしない」
「なに言ったんだよ、バーカ」
「せっかくオスバニーという可能性もあるわけだし」
「話聞いてないでしょ」
そんなこと言いながらも、おやおや一時間もしないうちに、何やらバニーなのが二人いますね。
メスの方は網タイツで、オスはそのお尻を喜んでいるじゃありませんか、全くなんだかんだいいながら、どっちもエッチなんですね。

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