赤羽決亭@木東有稀 2020/10/25 20:48

フシギナパラダイス1話:〜不思議な道〜9/9

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ーい

ールイ

ーールイ!!

「…」

自分を呼ぶ誰かの声が聞こえ、ゆっくり目を開ける

「お前、いい加減起きろよな」

目の前にいたのは洋太だった、周りを見渡すと、そこは教室らしい。おかしいな…私…さっきまで校庭にいたはずで…

「寝ぼけてないで目覚ませ!」

「寝ぼけ…?」

今自分の置かれている状況と、言われてることに理解ができないでいた。

しかし

「木下さん」

「え…は、はい!」

私は別の大人の女性から名前を呼ばれて、返事をする。

教卓に立っている…ということはおそらく先生なのだろう。

先生はため息をつきながら、

「全く、感心しませんね…入学式から居眠りなんて…どういうつもりですか?」

と言葉を投げかけられる。

ちょっと待って…どういうこと…?

居眠り…って、私今まで教室で堂々と寝てたってこと!?

私は慌てて洋太の方を向くと、もう前を向いていて頭を抱えていた。

つまり…今までのは全て夢ってことらしい

「木下さん、早く自己紹介して。」

「あ、はい!えっと…木下涙です…よろしくお願いします」

それだけ言って静かに自分の席に座った。

初日から…やらかしてしまった…

でも…そうだよね、そりゃそうだ。

あんな漫画みたいなこと、現実にあるわけないもんね…

「いたっ」

私は頬杖をつこうとして顔を触ると、ピリッとした痛みを感じた。

あぁ…もう最悪。さっきの傷か…
さっきできたほっぺの傷がまだ痛い…
帰ったら消毒しないと…

そこまで考えて、私はハッとした。

この傷は、さっきの攻撃を受けてできた傷…

だから、あれが夢なら、傷なんか私の顔にできてないはず…

じゃあ…どうして…



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空に浮かぶ、影が一つ。

彼はすぐ下にある建物を見つめ、満足そうな顔で呟いた。

「間違いなさそうですね…あとは…彼女が受け入れるかどうか…」

全ての歯車はもう回り始めている。

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