【死神+天使 望】2話-1 「始まりは唐突に」 【宣伝用小説】
目次:
プロローグ[ci-en]
1話-1 [ci-en]
1話-2 [ci-en]
2話-1 イマココ
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どうやらあの事故は、やっぱりうちの小学校の児童だったらしい。
登校中、すれ違う女子たちがみんな話しているので嫌でも耳に情報は入ったし、クラスでもその話題で持ちきりだった。
「知ってる?昨日のあの事故。」
「5年生の子だったんだよね?」
「なんか頭打って、意識戻ってないんだって。」
その情報をつなぎ合わせて状況を推理すると、先生が危険だからあの辺りには近づくなと言う話を聞いて度胸試しをしに行ったらしい。
そんな時に、猛スピードで走っていたバイクにぶつかったと言うのが昨日のことの流れらしい。
「なぁ、昨日の話聞いたか?」
「あの事故のこと?もちろん、おかげで僕まで怒られたよ。」
「日野もか…俺も。」
「危ないから早く帰って来いだってさ。」
「あれは危ないって言うより、あそこで遊んでた子たちの自己責任だよね。」
「なー、度胸試しとか言って遊びに行くなんて、ガキだよな。」
「ん?なにそれ?」
「あぁ、知らね?なんかあいつら、度胸試しであそこ言ったらしいぜ。」
「なんで?」
「担任が危ないからあそこには行くなとしか説明しなかったらしくて、その危険が「幽霊」的な危険だと思ったんだと。」
あの辺りが危ないと言うのは、確かに廃ビルが多くて…幽霊が出る…なんて噂が実際にないわけじゃない。
でも、最近あの場所が危ないと言われているのは、そんな理由だけではなかった。
単純にもろくなってて危険…って意味もあるんだけど、あの辺りにはここ最近柄の悪い人がよくうろついていた。
しかも、怪我をしている人が多くて、揉め事とか多いんじゃないかとか、そう言う噂があった。
しかも昨日の事故でも言われてたけど、結構運転が荒い人が多くて、事故を起こすことも多くなっていた。
5年生なら知ってそうなものだけど…
幽霊の話だけを面白がったのかな?
「今日からはあんま遅くならないようにしないと親がうるさいかも・」
「そうなりたくないならお前は野球の練習をして来い」
「うわっ!大地!!」
「みろこのアザ!!」
「どうしたんだよそれ」
「かあちゃんに「心配かけんな!」っつって打たれた。」
「以外に厳しいよな、大地のかあちゃん」
「言っとくけどな、昨日遅くなったのはお前のせいだからな」
「お前がさっさと特訓の成果を見せてれば、俺は家で怒られることなかったんだ!」
「え!?」
そんな理不尽な…確かにうまくない僕が悪いけど、別にそんな早めに切り上げたってよかったのに…僕のせいなの?
なんて…口が裂けても言えない。
学校に近づくにつれ、校門に人だかりができているのが見えた。
誰も校門に入ろうとしない。
人が動こうとしなかった。
俺たちも、なんだなんだと校門に近づく。
そこには、いかついバイクがあった。
「あれ…あのバイク…」
「普通のバイクじゃねーよな。」
「そう言えば、最近この辺暴走族とか増えたよな。」
「よく信号無視して走ってるバイク見かける。」
「あぁ…改造バイク…ってやつ?」
「そうそうれ」
「でもさ、暴走族って高校生だろ?小学校なんかに何の用だよ」
「それもそうだよな…しかも朝っぱらから…。」
「関係者が…いるとか?」
「教師がってことか?まさか…そんなの問題になんだろ」
「そうだよね。」
この時はまだなにが起こってるのかわからなかった。
でもそれがなんだったのか理解するまで、
あまり時間はかからなかった。