ふたさこ 2022/09/27 19:02

AIの画像生成で遊んだ話

ふたさこのサクフウです。

話題になってたお絵描きAI、Stable Diffusionはご存知でしょうか?
キーワードを入れるといい感じの画像がAIによって生成、出力されるヤツです。

今回はそれで遊んでみました。

導入でつまづいた

私はWindows環境なので「NMKD Stable Diffusion GUI」というものをインストールして環境を導入することにしました。

これは本来コマンドプロンプトとかの敷居が高くてめんどうなことをしないと利用できなかったAIをマウスでポチポチするだけで扱えるようにしたソフトです。私にうってつけです。

早速ダウンロードしてソフトを開きます。
しかしなにやらエラーを吐いて落ちました。
第一の躓きです。

どうやら保存場所のフォルダ名に日本語とか入ってると起動できないらしく、Cドライブ直下に放り込むと起動できるようになりました。

そして第二の躓きは画像生成時に起こりました。
途中でエラーを吐いてソフトが落ちます。画像が生成できません。

どうやらなんか普通のメモリが足りてない(GPUメモリではない)らしいです。
まさかと思ってタスクマネージャーを開くと開きっぱなしだったブラウザがアホみたいにメモリを食ってました。
なので消えてもらいました。

そうして画像を生成してみると……できました。
これが生まれて始めて私がAIに作らせた画像になります。

これはなんでしょうか?
猫です。
キーワードにcatとだけ入れるとできました。
正直全然いい感じではありません。

AIにとっては必死に描いた猫なのでしょう。額縁までつけてくれています。ありがとうございます。
しかし我々の知る猫はこのような読み込みをミスった画像みたいな感じではありません。
私の背筋に嫌な予感が走ります。

もしかしたらこのAI偽物かもしれません。それとも本当にパソコンが壊れたのか。

しかし全くの杞憂でした。

汝、呪文を唱えよ

実はこのAI、ちゃんとキーワードを具体的に指定してあげないと思ったとおりの画像は生成してくれないのです。

しかしその懐の広さはまさに言葉でならなんでも来い、といった感じで描くものだけではなく、アングルや光の角度、画風、写真かイラストかみたいなのも具体的に指定すればそのとおりの感じにしてくれます。
そうして完成した単語の羅列はまさに呪文。ヤサイマシマシです。

とはいえ今回は試すだけなのでイチから模索はせず公開されてる呪文をベースに色々遊ぶことにします。

というわけで呪文をそのまま詠唱してみます。どれほどの威力でしょうか?
するとこんな感じの画像がじゃんじゃん生成されました。

わーお。この威力、まさに魔法です。

今回ベースに使った呪文はブレックファースト氏が下記URLのCi-en記事にて公開されていたものを使用しています。

https://ci-en.dlsite.com/creator/11483/article/709846

快く記事掲載許可をくださったブレックファースト氏に感謝を。
また今回、ブレックファースト氏がAIについての記事を投稿しないと絶対AIで遊んでなかったのでこの場を借りて改めて感謝したいと思います。わかりやすい記事ありがとうございました。

さらに遊ぶ

ところで導入したNMKD Stable Diffusion GUIには呪文だけからではなく、予め用意していた画像に呪文を唱えることで新たな画像を生成する機能もあります。

早速試してみます。
まず元になる画像がこちらです。


これは当サークル2作目のゲームふたなりおさわりで実際に使われたカットになります。ふたなりになった主人公ネーロエがちんぽ丸出しで思いを新たにするシーンです。

これに呪文を詠唱すると果たしてどうなるか試してみましょう。
するとこうなりました。

目が怖ぇ……
それはともかく大成功ではないでしょうか?元の構図のままクォリティが上がってはいます。

さてここからは生成した画像の中からいくつかピックアップして見ていきます。
まずはこちら。

呪文を優先するか、元の画像を優先するかの割合を変えて生成することができるのですがこれは呪文を優先的にしてできた画像です。
元画像の腕の布部分がAIの解釈によって髪に生まれ変わりました。

しかし色の配置自体は元画像の構図を遵守しようという努力が見られます。
実際遠目でぱっと見だと似たような感じです。

さて、今回の画像では腕の布部分が解釈に困ったようで生成のたびに遠景の山になったりよくわからない装飾になったりしていました。
以下もそのうちの一つです。


羽になっています。割りとよく羽になっていました。

このように元の画像をAIがどのように解釈してくれるかを見守るのが個人的には楽しくついつい時間を使ってしまいました。

こちらでは腕のやつがちゃんと布状のものだと解釈されたものです。

余談ですが元の画像ではぶっちゃけ白くてちょっと太い線程度にしか表現していないスカートのフリルが、ほとんどにおいてちゃんとフリルとして表現されていたところが非常に興味深かったです。不思議です。

あと丸出しのちんぽは解釈に困ったのかあったりなかったりしていました。まぁモザイクありですので仕方ないと思います。

ではこの元画像で生成した画像はこのあたりにして次の画像に移りたいと思います。

別の画像の場合

次はこの画像で試してみたいと思います。


これも同じく「ふたなりおさわり」で実際に使われたカットです。
幼少のネーロエとその師匠の家が燃えてるギャグカットです。

とりあえず呪文などを特にいじらずそのまま生成してみます。
するとこのようになりました。


師匠がなんかよくわからないものになっています。
しかし画像自体はなんかスタイリッシュ。ちょっとミュシャ風な感じすらします。

続いてこちら。


知らないおじさんが出てきました。誰なのぉ!?
すみっコでネーロエが崩壊寸前なのも笑えます。

お次はこちら


知らないおねえさんが出てきました。誰なのぉ!?
師匠は可愛い感じになり、ネーロエはかなり厳しい感じです。

「元画像の右下のこれは果たして人間なのか?」
AIの迷いがうかがえます。

さてこのまま調整なしではAIが燃える家に人間を見出してしまいがちだったので呪文に単語を追加して生成物をコントロールします。
追加したのは”火事になっている家(burning house)”です。
するとこうなりました。


とうとうネーロエは花っぽいなんかになりました。
しかし家が家らしくなっています。効果があるようです。
と、思われた矢先。

ネーロエは完全に背景と化し、師匠も火になりました。しかも燃えてる家から知らないおねえさんが顔を出しています。誰なのぉ!?

どうやらAIにとっては横の2人より燃えてる家のほうがよっぽど人間に見えるんだと思います。これからはちゃんと人間に見えるものを描けるよう精進します。

さて最後に一番笑った画像を紹介して次にいきたいと思います。
こちらです。


右下のネーロエが微笑みを浮かべた精悍な男性の顔つきになっています。誰なのぉ!?
試行錯誤してたので結構画像を生成したのですが、結局こういう顔になったのはこれっきりでした。

では次にいきたいと思います。

別の画像の場合その2

次試してみる画像はこちらになります。


これも同じく「ふたなりおさわり」で実際に使われたカットです。
獣人の村を襲撃し、トドメを刺しているニーロエ(別の世界軸のネーロエ)のシリアスなカットです。

ここまでくるとAIに扱いにも慣れてきたので、今回の画像ではちゃんと狙い通りの画が作れるかを試してみます。

この画像からアニメや漫画っぽくありつつ西洋絵画のようなリアルな陰影がつけられた絵ができればより迫力と重厚さが増し、事態の緊迫感をより強く訴えかけることができます。

もしこれぐらいの画像でそのような手間がかかる絵が生まれるならまさに夢のようです。

とりあえずなんの調整もしないとこうなりました。


なんか人っぽいものがあって……とにかくぼんやりした印象です。調整が必要です。

というわけで現状の私ができる最大限の調整を試行錯誤しつつできたものからこれはと思ったものをピックアップしていきます。

まずはこちら。


おどろおどろしい迫力があります。
ニーロエの顔は不明瞭になっていますが、逆に無慈悲さを感じます。
しかし手前の刺されて倒れている獣人はもはや判別不能です。
もっとも、そもそも刺されている獣人はあえてぼんやりとしか表現してないので仕方ないです。

お次はこちら。


ニーロエの目が4つあるように見えます。これはこれで人外剣士といった感じでかっこよさがあります。
さらに背景に奥行き感が出ておりいい感じです。

一方、手前の刺された獣人はさらによくわからないものになっていますが、かろうじてAIが「これ人では……?」と思ったのか目のようなものが描かれ顔に見えなくもないです。
あの元画像でそう思えるのは素直に凄いです。技術の進歩を感じます。

次の画像ではさらにはっきり顔を描画しようとしています。


恐らくAIが顔が2つあることに気がついたのでしょう。
ニーロエはもちろんのこと、手前の獣人はなんと元画像よりはっきり顔が描かれています。
そもそも目を描いてないことを考えると凄いです。

今回一番多く生成したこの元画像ですがちゃんと顔っぽく見えるのはこれぐらいなものでした。

さて次はこちら。


ニーロエが白髪になり、魔剣士といったかっこよさがあります。間違いなく悪役かダークヒーローでしょう。

そしてもはや手前のものがなんなのか全くわかりません。
背景はゲートのようでニーロエがその向こう側の世界からやってきたようにも見えます。

次はこちら。


開かれた両目のせいか非常に狂気的に見えるニーロエです。しかもこちらに向かってきているように見えて怖いです。殺意が高い。

ちなみに元画像強めで生成しているので手前の獣人も元画像に近いです。
どちらにせよこのニーロエはろくな死に方はしないでしょう。

さぁ次で最後です。


得体が知れなくて一番強そうです。
手前のものは……なんでしょうか?よくわかりません。
逆に背景には家っぽいのがあったりと一番村っぽいです。

個人的な所感ですがこれが一番まとまってて好きです。

と、いった感じでどれもある程度の手直しが必要なものの凄い迫力が出ており科学の進歩ってすげー!と思わざるを得ません。

そうすると気になるのは逆に可愛いのはいけるの?ということです。
というわけで試してみました。これが最後になります。

別の画像場合その3

使う画像こちらです。


これは1作目ふたなりネーロエとエロトラップダンジョンで使われたカットです。
少女イスゥメがその姉ネーロエのお尻と出会うシーンです。
ふたさこのCi-enページのヘッダーとしても使われています。

さっそくどうなるか試してみます。
まずは無調整。こうなりました。


多少目が不気味なものの、なんかいい感じです。
今までと違って顔がバンとあるのでさすがのAIも「これは顔!」と解釈してくれるようです。

次の画像にもそんな自信がうかがえます。


ちょっと萌え風にも挑戦してくれたようです。
これはちゃんと調整すれば元画像の感じはそのままに、いい感じにクォリティがアップした画像が生成されるのではないでしょうか。

と、思いきや


ときおり「これ後ろを向いた女性では……?」と思うのでしょう。調整してもちょいちょいこういうのが生成されました。

極めつけはこれです。一応モザイク入れてます。


ふたなりの新しい可能性を見ました。
確かに前についてなきゃいけない法律はありません。

しかし後の画像とほぼ同じ設定でそういう単語一切いれてないのにどうしてこんなものが生まれたのでしょうか?
恐らくAIは私が誰なのか知っているのでしょう。ふたさこのサクフウです。
でも気を利かせすぎだと思います。

と、まぁ、こんな感じで意外にもちょいちょい手前のお尻の解釈に苦戦していました。
次もそんな一枚です。


AIが「これお尻じゃなくて膝なんじゃないか」と思ったのでしょう。
なんかエッチな感じになってしまいました。

次もそんな感じです。


それはともかく髪の流れの表現が非常に美しいです。
ただ無理やり股下から見上げる構図に解釈しているせいか頭のバランスが悪くなってるのが気になります。
ただこういうバランスが好きな人もいるのではという絶妙なラインだと思います。

さて次も無理やり股下から見上げる構図に解釈している画像です。


ですが非常に顔のバランスが整っているように見えます。
まっとうに元画像を進化させるならこんな感じになるのではないでしょうか。

普通に可愛いと思います。凄い。
目の色が急に赤になったのはよくわからないですが。

そしてこれが最後です。


だいぶリアルよりですが今回一番「おお!」となりました。
元画像からこういうのが生まれるんだからAIって本当に凄いと思います。

所感

まず思ったのは解像度低くてもこれだけ表現できるんだなってことでした。
元画像と生成した画像はまったく同じサイズです。

今までは手間を抑えるためにあえて簡素にしていましたが、AIがあればクォリティを底上げできます。
しかしAIはAIで印象ほど手軽ではなく使えそうな画像を生成するためにはそれなりに手間がかかることがわかりました。

もし使うなら元画像よりさらに簡素なラフレベルのものから画像を生成→手直しで仕上げが今は現実的かもしれません。

とはいえ画像生成するのはめちゃんこ面白く、また勉強になります。
特に今回メインだった元画像からの生成において自分で描いた元画像だったからか、なんでこういう質感になるんだろう等の疑問を持ちやすかったです。

またダイレクトに自分の絵に足りてないものが補填されるのでイラスト練習のロードマップをたてるのも使えそうだと感じました。

色々な画風が自分の絵ではどうなるか試せるのも強みでしょう。
今思いつきましたが、フランク・フラゼッタ風にしてみるとか試してみればよかったですね。

画風と言えばピクセルアート、いわゆるドット絵とかはどうなるのでしょうか?
塗りの手間を押し付けられるAIの強みを活かせないのでは?

と、このように次から次へと試してみたくなることが思いつくのが非常に良いです。
今回ふたなりの新しい可能性を発見したように、思わぬ収穫を得る可能性が上がります。

あとAIは「描くにはバカバカしいけど見てみたい画」を作るのにうってつけだと感じています。
例えば「天国の門を荒らし回り神々に喧嘩を売るシャークネード軍団」とか「ガトリングゾンビ軍団に包囲されて困っているスペースサイボーグミイラ」「101匹ゴジラ」など。

いつの間にかどっかいった内なる小学生を呼び戻して遊ぶのが一番笑えるのではないかと思えます。
またいずれやってみます。

最後に改めて今回使用した呪文が公開されているブレックファースト氏の記事と導入のきっかけになった同氏の記事を紹介して終わりとします。

私もそうでしたがAIちょっと興味あるけど用意めんどくさそうだからいいやって人は読んでみるといいかもしれません。
私とはまた違った観点の所感も楽しめます。

呪文
・次回作(巨大娘)の進捗 #11 〜ロードシーンなど〜
https://ci-en.dlsite.com/creator/11483/article/709846
きっかけ記事
・雑記2 〜 Stable Diffusion 〜
https://ci-en.dlsite.com/creator/11483/article/705378

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