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ガチムチ受けの記事 (51)

鶯命丹 2022/09/06 02:27

村人A、魔王の心臓を手に入れる2

村人A、魔王の心臓を手に入れる2
 
 続きものです。
 魔族の次期族長の心臓を宿してることが発覚したロア。
 普通の心臓に戻るため、平穏な生活のために心臓の持ち主ケルエスへ中出しセックスをすることを承諾。
 2話ではロアの育った村へ結婚?の許可を貰いに行きます。
 一部女の子が出てきて、当て馬的な扱いになってしまうシーンがあります。
 ひどい扱いをしないように注意しましたが、CPのあいだに何者も存在しないでほしい派の方はご注意ください。
  
 前作では逆レイ○的にリードされっぱなしだったロアが自主的に攻めいくおにショタみのあるショタ攻めえろがあります。
 

 
 リブレ×pixiv ビーボーイ創作BL大賞に応募しようかな〜と思ってる作品の先行公開です。10.1には一般公開予定

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鶯命丹 2022/08/29 00:22

村人A、魔王の心臓を手に入れる1

pixivの企画に応募しようと思って書き始めた話。だけど出せるかどうかわからない。

9/30までの限定公開です

攻め・村のみなしごロア
受け・魔族の長ケルエス

あらすじ
貧しい村のみなしごロアはある夜突然魔物に襲われたところを魔族の次期族長ケルエスに助けられる。
命が助かったのもつかの間、今度はケルエスに性的に襲われて「なぜ?」と問うロアにケルエスが告げたのは「お前が俺の心臓だからだ」と意味不明な答えを告げられる。
ロアの心臓に宿る精力を回収するためにしなくてはならない中出しセックス。
ロアは無事、中出しセックスをし終えて、人間の世界に戻ることができるのか?

あらすじふざけてんのか?って自分でも半嗤いなんですけど良かったら読んでいってください。






  みなしごのロアはひとり、家族の残した小さな家で暮らしていた。
 朝早くから起きて村で一番大きな牧場を手伝って賃金を貰い、昼には家家を回っておかみさんたちの昼飯の支度を手伝って小遣いをもらう。それから村の子供らの面倒を見ながら老婆の糸紡ぎを手伝ったり老爺の藁編みを手伝ってパンや布を貰って生活の糧にした。
 忙しく立ち働いている間は考える暇もないが、あと寝るだけの夕食の時間には、どうしても考えてしまう。
「父さん、母さん、兄ちゃんたち……今日も無事に一日を終えたよ……一緒に晩御飯を食べれたら良かったのに」
 ロアの家族は、流行り病でロアを残してみんな死んだ。
 呟いた言葉は、誰にも聞かれることなくしんとした家に吸い込まれていった。
 
  
 夕食を済ませて早めに寝床に入る。
 暗い部屋で目を閉じると外の音が聞こえてきた。
 がたがたと戸を揺らす風の音。ざわざわとこすれる木の葉。狼のような高く響く遠吠え。
「そういえば……最近近くの森に魔物が出るって村長が言ってたな……怖いなぁ」
 夜の闇に眼を光らせる魔物を想像し、ロアはぶるりと身震いをした。
 気味悪さに毛布にくるまりもぞもぞと姿勢を変えたロアの耳に、再び遠吠えが聞こえる。
「……なんだかさっきより近くなってる?」
 闇夜に響く不気味な遠吠えがどんどんと近づいてくるような気がする。
「気のせい……気のせいだよね? 大丈夫大丈夫……寝ちゃえば聞こえないよ」
 自身に言い聞かせ、毛布を頭からかぶりぎゅっと目を瞑る。必死で睡魔を待つが、目を閉じたことでより一層、徐々に鮮明に聞こえる遠吠えを感じてしまう。
「やっぱり、近づいてきてる……どうしよう」
 とにかく何か対抗できる武器は無いかとベッドから立ち上がったその時――
 ガタンッ!
 盛大な音を立てて窓が開かれ、部屋の中に飛び込んできたのは大型の狼に似た魔物だった。
「ひっ!」
 ロアは息をのみ、身体を緊張でこわばらせる。
 狼に似た魔物ははっはっと荒く生臭い息を吐き、鋭く大きな牙を舐めながら、じりじりと円を描くようにロアとの距離を縮めようとにじり寄ってくる。
「っ、ふ……」
 恐ろしさにかみしめた歯の間から息が漏れる。
 ロアは魔物の禍々しい真っ赤な目から視線を逸らさぬよう、静かに後ずさる。
 しかし
「あっ!」
 何かに足を取られ、ロアは尻もちをついてしまった。血走った眼をした魔物がその好機を逃すはずもなく、一瞬ののちに身体を縮め、ばねの様に飛びかかってきた。
 床に着いたロアの手に触れた感触は、柔らかい毛布だった。
 さっき、遠吠えが怖くてベッド立ち上がった時に、ベッドから落ちたんだ……
 死の恐怖とは別に、そんなことをぼんやりと思いながら、ロアは痛みと衝撃への恐怖にギュッと目を瞑った。
 ドッゴォォッ
 轟音が家を揺らす。突如嵐が部屋に入ってきたかのような突風が、ロアの身体を圧迫する。巨大な衝撃に翻弄されてロアの身体はバランスを崩し、ごろりと床に突っ伏した。
「なっ、なに? 家が、揺れた!?」
 自分が噛まれた衝撃かと思ったが、身体は特に痛みも傷もなかった。
 驚いて目を開け周囲を見渡すロアの目の前に、月明かりに照らされた巨大な岩がさっきまでこの場を支配していた魔物を踏みつけ、そびえ立っていた。
「岩?! 岩が、振ってきた? っていうか月?! 月が、見える……屋根は?!」
 パニックになったロアが叫ぶと目の前の黒い大岩がのっそりと動いた。
「え、ひと?」
 突風と轟音と共に現れたのは巨大な岩……とみまごう程の大男だった。
 屋根に空いた大穴から差し込む月明かりに照らされたその四肢は、剛毛の毛皮に覆われていても分かる程に逞しい。黒い毛皮がつやつやと月明かりをはじきなまめましく光っている。
 逞しい肉体のほとんどが毛皮に覆われているが、顔や腹の一部に褐色の皮膚がのぞいている。
 毛皮と同じ黒い髪の間から太くうねり曲がる角が生えている。尖った角の先が月明かりを鈍く反射していた。
 まるで夜空のような黒い姿にロアは呆けたように口を開けて、巌のような巨体を見上げていた。
 その岩のような大男は、体格の割に素早い動作で歩きロアに近づいてくる。
 カツカツとなる床、足元に視線を移すとまるで巨大な猛禽の鉤爪みたいな巨大な爪が床を叩く音だった。
 立ち塞がった男はロアをじっと見下ろして、肉厚の唇をにんまりと歪め、巨大な牙を剝き出しにして笑った。「間違いないお前が余の心臓だ」と呟くと、ロアに覆い被さり唇を奪った。
「んっ! ンンッ! ううっゃ、あめっ」
 ロアが腕を伸ばし、必死に抵抗するも手指に触れた毛皮越しの分厚い筋肉は壁の様にびくともしない。
 大きな手がロアの手首をやわく握ると、太い親指がすりすりとロアの手のひらを撫でた。
 ロアが思わずその親指をギュッと握りしめると、合わせた男の唇から、ふっと笑うような吐息が漏れた。
「なんで……あなたは?」
 ロアはパニックになった頭で、震える唇でそれだけ呟くと、間近にある男の瞳をじっと見た。
 不穏な空の色のような暗い灰色の瞳が細められ、男はゆっくりと唇を開いた。
「お前をずっと探してた」
 深い灰色がじっとロアを見つめ返す。そしてゆっくりと迫り、再び唇が合わさった。
「ダメっこんなことしたらっ」
 男はロアの唇を吸い、ぺろりと舌で舐めると首筋に顔を埋めてすぅと息を吸った。男の短く生えた顎髭がちくちくとロアの首筋に触れくすぐったさを助長する。
「くっ、くすぐったっあんっ」
 流れる呼吸が首筋を擽り、ロアは肩をすくめる。
 しかし男は気にした様子もなく、すんすんと犬の様にロアの匂いを確かめている。
「ふぁっ! んっくふっふふっ……あっ! やだっそんなところ、触ったらだめっ」
 くすぐったさに気を取られていたロアの身体の、まだ誰にも見せたことのない若い陰茎を、男の大きな手が撫でる。明らかに性感を感じさせる、ねっとりとした動きに、ロアの腰がビクッと跳ねた。


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鶯命丹 2022/08/27 12:49

○校生×用務員のおっさん(コミッション改変)

タイトルに精一杯の抵抗を感じますね。

こんにちは
以前コミッションでお渡しした作品をそのままの形では公開出来ないものだったので(ジャンル的な意味で)改変し、投稿・公開致します。
改変に改変を重ねすぎて、まったく面影のないものになりました。

若い男に抱かれる年相応にちょっとたるんだ坊主頭の用務員のおっさんのいちゃラブ用務員室SEXです。




佐藤加津沙(さとうかずさ) ○校生美少年
坂本博雅(さかもとひろまさ) 40代用務員
 
 それは、よく晴れた昼休みの事だった。
「佐藤君、好きです……あの、よかったら付き合ってください」
 俺は校舎の裏で、偶然にもとんでもないものを目撃してしまった。
 俺から見えるのは、俯くように告白している女の子と、その正面に立つ男――和津沙の背中だった。
「ごめん……気持ちは嬉しいけど、俺付き合ってる人がいるんだ」
 和津沙がどんな顔をしてその言葉を言ってるか俺からは見えないが、沈んだ物言いだけが耳に届いた。
 俺は慌ててその場から逃げる。
 人の告白を盗み見て、いい訳がない。
 それがたとえ、恋人が告白されていた状況だったとしても。


 俺は晴れた校庭をぼーっと見つめながら、さっきの出来事をつらつらと考えた。
 和津沙はうちの高校に通う2年生。
 学年でも目立つ、モデルのようなスマートな、いわゆるイケメンて奴だろう。
 若い女の子たちが和津沙を見て、きゃーきゃー黄色い声を上げてるのを何度か見た事がある。
 黒髪はいつもつやつやと光ってるし、白い肌はすべすべで、若いってスゲーなと思うが、俺は自分が高校生の時、あんなに綺麗な肌をしてただろうか?
「いや、あれは若いだけじゃねぇな」
 独り言を呟きながら、俺は和津沙のことを考える。
 あいつの大きな二重の瞳は、いつも黒く澄んでて綺麗だし、なんかこう、やさしげに垂れてて、甘いマスクっつーのはこういう奴の事を言うのだと、思う。
「なんつーか大人びてるっつーか……懐が深いっつーか……高校生ってあんな感じだったか?」
 ぼんやり自分の学生時代を思い出すが、柔道部に勤しみ肌の事など気にしたことも無かったし、髪なんか、バリカンでガーッと刈ってたから坊主だった。
 男子校だったから女子なんか通学路ですれ違うだけでも意識して緊張しまくってたし……
「やっぱあいつが特別なんだよなぁ……」
 和津沙はいったい、俺のどこがよくて一緒にいるんだか。


 俺、坂本博雅はこの高校の用務員として勤める立派も立派。成人して二十年は経つ大人である。
 容姿は至って普通だ。別にイケオジとかでもなんでもない。
 長い事柔道やってて若い頃はそれなりに鍛えていたが、今は寄る年波に勝てず腹の出たおっさんであり、洒落もなんも分からず楽だからと言う理由で、高校の頃からずっと坊主頭のガタイのでかいおっさんだ。
 用務員として長く学校事務に関わってきたが特筆するような事もなく、細々と生きていた俺が、なんの因果なのか在学中の学生、佐藤和津沙と懇意になり、なり過ぎて付き合う事になっている、はたから見ると犯罪者ギリギリのおっさんだ。
 恋人の和津沙は綺麗な男で、テレビで見る下手なアイドルよりかよっぽど容姿が整ってる。
 恋人という贔屓目を抜きにしても、和津沙の笑顔はキラキラしていて、誰にでも優しくまさに好青年だ。
 あんなのに微笑まれたら、どんな奴だってイチコロだろう。
 記憶の中で、俺に笑いかけてる和津沙の綺麗な顔を思い浮かべ、ため息混じりに呟いた。
「なんだってこんな俺なんかにしたんだろうなぁ」
「なんの話?」
 記憶の中で思い浮かべていた顔が突然目の前に現れ、俺は息を呑んだ。
「ばっ! ばかやろ! 入る前にノックしろよ!」
 動揺して椅子から立ち上がる俺を見て、和津沙がくすりと笑った。
「何回かノックしたけど、返事が無かったから」
 綺麗な顔が、いたずら好きの子どものようににやにやしている。
「返事が無かったら入るなっての。何してるかわかんねぇだろ……まぁいいや、そこ座れよ」
 俺は笑う和津沙から目を逸らして、用務員室に備え付けのソファーに座るよう促した。
「コーヒーか? 緑茶か?」
「緑茶がいい」
 ティーパックをひとつ開封し、マグカップに入れてポットからお湯を注ぐ。
 あっという間に滲む緑色を和津沙に渡してやる。
「熱いからな、気をつけろよ」
「うん。ありがとう」
 和津沙は微笑むと受け取ったマグカップにふーふーと息を吹きかける。
 イケメンはそんな仕草もサマになってるな。
 俺は自分の分のコーヒーを持って、ソファーの横に置いてあるデスク、その対になるキャスター付きの椅子に座れば、ギィと耳障りな音が出た。
 そこで和津沙が顔を上げ、不思議そうな顔で俺を見上げる。
「こっちおいでよ。マサさん」
 和津沙は形の良い唇の端を上げて、ソファーの自分の隣をぽんぽんと叩いた。
「いや、いやいや……ここは学校だしな。そこ狭いから」
 動揺して、口をつけたコーヒーが熱く上唇が火傷したが、平静を装ってずずっと啜ってしまった。
 最初に触れた上唇だって火傷したんだ。
 口の中も同じようにヒリヒリと痛む。しかし熱がるのも、痛がるのも忘れ、俺はマグカップを上げたり下げたりを繰り返す。
「大丈夫だよ。いつもここ、誰も来ないじゃん」
 和津沙はにこにこと、上機嫌な顔で俺が隣に来るのを待っている。
「やめろ……そんな顔で見るなって」
 まぶしい笑顔に顔を逸らすが大きな二重の目がキラキラと、俺を見ているのを視界の端で感じる。
「俺、マサさんと一緒に座って話したいな」
 静かな和津沙の声が、ほんのりと甘えを含んでぽつりと言った。
 ちらりとそちらを見ると、バッチリ目が合った。
 俺と目があった瞬間、和津沙はにっこりと嬉しそうに目を細める。
 あんまり嬉しそうに笑うので、俺はため息をついて和津沙の隣に腰を下ろす。
「やった! マサさん俺のわがまま聞いてくれるから好き」
 すかさず和津沙は俺にピッタリと寄り添い、長い腕でするりと俺の腰を抱く。
「おいっ近いってっ! もうちょっと離れろよ」
 俺はデカい身体をなるべく縮こませて和津沙から距離を取ろうとするが、ガタイは急に小さくならねえし、狭いソファーもデカくはならない。
「なんで? 誰もいないんだし、いいじゃん」
 和津沙は悪びれる様子もなく、俺の首筋に顔を寄せてスゥーッと大きく息を吸った。空気の流れがくすぐったい。
「おいっ! なんで嗅ぐんだよっやめろって」
 俺は身体をひねって和津沙の肩を押すと、軽い身体はすんなりと動き、距離をとることに成功した。
 だがしかし、俺から離された和津沙は、叱られた子犬のような顔をして大きな瞳を潤ませている。
「ダメ? 俺、マサさんの匂い好きなのに……」
「う……そんな顔すんな……俺が悪いみてぇじゃねえか……」
 普段穏やかにほほ笑んでいることの多い和津沙の顔が曇るのは、苦手だ。
 俺はその弱弱しい顔に絆されて、突っ張っていた腕を緩めると和津沙の身体を抱きしめる。
「マサさん!」
 和津沙の息をのむ声が、胸に当たってくすぐったい。
「俺がお前の泣き顔苦手なの、わかってしてるだろ」
 和津沙の肩に顔をうずめて、俺も大きく息を吸ってやる。
 制服の下から和津沙の匂いがして、下っ腹の奥がぎゅうっと呻いた。
 和津沙の頭がもぞもぞと動いたので、腕を緩めると、にんまりとほくそ笑む顔が俺を見上げていた。
「俺だって、マサさんのその顔で見られるのダメだもん」
「そ、その顔ってどんなだよ! 俺がブサイクなのはいつもだろ」
 今、自分がどんな顔しているかわからず、動揺する。
 和津沙のように見られるきれいな顔だったら良かったが、あいにく俺はそうじゃない。
「ど、どんな顔だ? お前が嫌いだって言うなら、しねぇようにする……」
 和津沙に不快な思いをさせてたんなら謝りたい、が、なかなかショックで、つい顔面に力が入っちまう。
 しかめっ面の俺を見て、和津沙はぶっと吹き出した。
「おっおい! なんで笑うんだよっ」
 人の胸に顔を埋めてくつくつと震えている和津沙に文句を言うと、はぁーっと息を吐きながら笑う和津沙。
「違う違う! マサさんは可愛いよ! ダメって言うのは、俺のこと大好きって顔で見てくる顔が、ちんぽにキてダメって意味」
「はぁ!? そんなか、んぶっ! おっおぃっかず、あっ……」
 いったい何ふざけたことぬかしてんだ! と怒鳴ってやるために開いた口に、和津沙の薄く柔らかい唇が吸い付いた。
「んぅっおいっくっうぅ……はぅっあっ」
 つるりと柔らかい和津沙の濡れた舌が、俺の口内を暴れまわる。
「はぁっはっ! あぐっ、うぅっンッ、やめっはぁっ」
 驚いて息を呑む俺の口内に、和津沙の舌がぬるぬると侵入する。いやらしく動きまわりちろちろと、俺の上顎をくすぐり、歯を舐めた。
「んっあじゅっ! はぁああっこんあっとこぉっおふっ」
 柔らかすぎる和津沙の舌に翻弄されて、縮む俺の舌を和津沙はじゅぅっと吸って、舌を絡める。
「うっんぅ……ンンッ、ぅぐぅっふ、ふぁ……はぁ」
 大胆な動きと舌の甘さに、俺の身体全部がびりびりとしびれるような快感に酔った。恐る恐る、和津沙の舌に舌を絡めると、くすりと笑った気配がした。
 ちゅっと小さな音を立てて離れた唇。
 俺は、キスの余韻にぼんやりとした視界で和津沙を見た。
 すっと通った和津沙の鼻先が、俺の鼻先に触れる距離。
「それ。その顔大好き。その蕩けた顔、もっと見せて」
 興奮で滑らかな頬を赤く染め、にやりと男らしく笑った和津沙に、俺の下っ腹が戦慄いた。
「でも、こんな……学校だぞ。もう少しで仕事上がりだから……」
 俺がぼそりと呟くと、和津沙は笑みを深くしてさも当然のように言った。
「そんなの待てるわけないでしょ」
 そう言って笑う和津沙は、花みたいに綺麗だった。
 その輝きに何にも言えず、俺がぽかんと口を開けて見つめていると、和津沙は再びキスをくれた。
 和津沙の形の良い唇が、ゆるく開きながら俺の唇を食む。
「んっはぁっ……好き、好きだよマサさん。待てなんて言わないで。すぐほしい」
 はむはむと、小鳥みたいに唇をついばみながら和津沙が強請る。
 反論しようと口を開いた瞬間に、ぺろりと口の中に舌が入ってきた。
「おぉっんっ! んぶぅっ!」
 抵抗のような声を上げたけど、和津沙はお構いなしにちゅぷ、ちゅぷ、と俺の口の中で舌を遊ばせている。
 そのきかん坊の舌を捕まえようと、俺も舌を伸ばす。
「はっはっ……あっンンッ、マサさっぅ……好き、好きだ……」
「ふっあ、ぐっ待て……んひっ! ひぅっあっあっ待て、んぁっ」
 夢中で舌を絡め合っているうちに、和津沙は俺の膝上に跨ぐように乗り上げていた。
 膝に預けられた和津沙の重みに、俺の心臓がぎゅうと痛む。
 和津沙の長くしなやかな腕が、俺の首に優しく絡まった。
「和津沙……」
 反射的に、俺も和津沙の細い腰を抱きしめて、ぴったりと寄り添う。
「ふふふっマサさん、可愛い」
 和津沙は吐息混じりの笑い声をこぼし、つやつやの舌を伸ばして俺の歯を舐めた。
「んふっ、ああ、マサさん」
 和津沙との深いキスに夢中になりながら、俺は薄く目を開ける。
 こんなに近くで見ても、こいつは綺麗だ。見惚れていたら、瞼が薄く開き和津沙の澄んだ瞳と目が合う。
「ぢゅっんぉっ!」
 驚く俺の頭をぎゅっと抱いて、いたずらっこのように笑った和津沙が唇をぱっくりと開く。真っ赤に熟れた口内が見えた。
 なんだかいけないものを見てしまったように感じて、慌てて目をぎゅっと閉じる。
 その隙に、カプリと俺の唇を口に含んだ和津沙は、ちゅう、ちゅう、と可愛らしい音を立てて唇を吸ってくる。
「あっあっんぶっ、あじゅさぁ……」
 吸われて伸びた唇で舌っ足らずに和津沙を呼ぶ。
「マサさん、可愛い……ねぇ、べろ出して?」
 ねだる和津沙の甘い声に逆らえず、俺は羞恥を飲み込んでそろそろと舌を伸ばす。
 俺の舌先に和津沙の舌先が触れ、ツンツンとつついてくる。
「ふぅ、んぁ……あじゅっあうっふぁ……んぃっ」
 固くした舌先でつつかれると、くすぐったくて、気持ちよくて、情けない声が漏れた。
 眉を寄せた顔の俺を至近距離で見つめ、和津沙は色っぽく目元を染めて言う。
「べろ気持ちいいね」
 それに俺が答える前に和津沙のすらりと長い指が、するすると俺の作業ツナギを脱がしていく。
「お、おい! 待てっなにしてんだよ!」
「マサさんのツナギ脱がしてる」
 慌てる俺を蠱惑的な目線で見つめる和津沙。
 その視線に二の句が告げず、俺は間抜けに口を開けたり閉じたりするしかできなかった。
「マサさん迷ってる。気持ちいいのと、こんな場所でってので、脳が揺れてるでしょ」
 そんな間抜けな俺に、和津沙は蕩けるような甘い笑みで俺の本心を着く。
 和津沙の桜貝のような爪が、はだけてむき出しになった俺の鎖骨ををなぞる。
「んっ、くぅ……んひぃっまて、ダメだってぇ……」
 和津沙に指摘された通り、俺の否定の声は情けないほど弱々しい。
 和津沙の指は楽しそうに鎖骨を撫でて、更に下へとジッパーを下ろしていく。
 むき出しになった俺の乳首を優しく引っ掻いた。
「うひっ! いっいぅっ……かぅっああっダメだってっ声、声でちまうっひぃンンッ」
 乳首を引っかかれ、口から零れた俺の言葉は、和津沙の潤んだ口内に飲み込まれ、舌で舐め回される。
「ふぅっうっ、んっ」
 ちゅぷ、ちゅく、と合わさる粘膜の立てる卑猥な音がいやに耳に残る。
「あっ! あうっぃぃっうひっくっぅぅっ」
 指先でぐにぐにと乳首を潰され、こね回されると全身がぞわぞわと粟立って、俺は夢中で和津沙の腰を抱き寄せた。
 ごりごりっと勃起したちんぽが布ごしに擦れた。
「んぉぉっうっ」
「んぁっ……ふふっマサさんてば。ダメって言いながら、ガチガチのかっけー大人ちんぽになってるよ」
 からかうように言った和津沙の顔は、頬が染まって色っぽい。
「お前があんなキスするからだろうが……」
 むくれたような物言いをしてしまう俺に、和津沙はにたりといやらしく笑った。
「気持ち良かったよね。ベロチュー」
 和津沙はするすると身体を下げていきながら、手早く俺のツナギを脱がしていく。
「おいっまてって! これ脱いだら俺素っ裸なんだぞ!」
 慌てる俺を無視して、和津沙の指がどんどん器用にツナギを脱がして、俺はとうとうパンツ一枚と、靴下というなんとも間抜けな格好に剥かれた。
「誰か来たら、言い訳できねぇじゃねぇか……」
「大丈夫。さっき入ってくるとき鍵閉めたから」
 和津沙が微笑んで安心してと言った言葉に俺は驚いた。
「いつの間に……全然気付かなかった」
「マサさんぼーっとしてたもんね」
 和津沙の指先が、下着越しに俺のちんぽの先端をくりくりといじくる。
「あっまてっおっほ、おぉっん! さ、さわるなってっく、うぅっンンッ」
「下着濡れちゃってるよ」
「はぅっ、ふぅ、ンッし、仕方ないだろっ! あっき、気持ちいいんだからっああっ」
 和津沙は俺の亀頭を攻める手を止めず、にんまりと笑ってとんでもないことを言い出した。
「じゃあ俺が、責任取ってあげる」
 そう言って和津沙は下着から俺のちんぽを取り出し、ためらうことなくその先端に口付けた。
「あっうぉっ! やめっ和津沙っ! んぉぉっおっおぅ食うなっそれ、ダメだっあっあっ汚いだろっぉあっ」
 和津沙の赤い唇が、ぢゅっ、ぷちゅっ、と俺のちんぽをしゃぶり、柔い舌がぬるぬると絡んでくる。
「まっぁぁっあっあひっ……いぃんっあめ……ンッだめだってっ、んぁっくっうぅ」
 
 ぐぼっぐぼっぐぼっ
 ぶちゅっちゅっ、ぐぢゅぅ
 
 和津沙が一生懸命頭を動かして、俺のちんぽを上下に扱く。すべらかな頬がぽこぽこと膨らんだりへこんだりしてすごくいやらしい。
「おぁぁっ! あっあっあっンッ……だっめっ、ぁあっかずっあっまてぇっえっあえぇ、ぁっ」
 ぬるぬるの口内で感じる熱と快感、若く綺麗な和津沙にこんなことをさせてるという罪悪感。
 そのはざまで俺は必死に腰を引くが、和津沙の腕ががっしりと腰にしがみついていてこれ以上離れない。
「逃げないでよ、マサさん」
 ぢゅぅっと音を立てて、和津沙は口から吐き出すと、にんまりと笑いかけてくる。
「逃げるなって……あっ、ぁぁっまっ! 待てっ待ってくっおっおおっゔっん"ん"っ」

 ぢゃぅぅっぢゅぼぼぼっ
 ぢゅぼっずろろろろっ
 
 再び和津沙の口内へ飲み込まれる俺のちんぽが強く吸い上げられた。
「ンッほっほぉっおぉっ、おぁっあっらめっぁぁっすぅ、のっぉおんっ! すうのっだめだっあっあっあぁぁっ!」

 ずっずっずぼぼぼっ
 じゅる、じゅるるっ

 強く吸われ、快感にぎゅぅと背中を丸める俺を更に追い詰めるように、和津沙は長い指でちんぽを握り込み、激しく上下に扱く。

 ぢゃぅぅっぢゅっ
 ぬちっぬちゃっぬちゅぬちゅぐぢゅっ
 
「あっああっ! だっ、だぇっあっあっあ"っ! ぁゔぅっ、まっまてまて、まてっえぐっうっかずぅっでうっでるでるでるっゔっぐちっはなせってぇ」
 このままでは口に出してしまうっ。
 俺は必死に和津沙の肩を押すが、快感でうまく力が入らない上に、身体は勝手に快感を求めて情けなく腰がへこつく。
「はなっ! あっあっあっあぁぁあ、あじゅっゔっゔっぎもちっいいっいぃぉっおぉぉんっ、も、もう、もうでるっでるっはなせ、うぐっはなせぇっゔゔっぐっ」
 口では離せと言いつつも、身体は気持ちいいに夢中になってしまった。無様にケツをへこへこと浮かせてしまう。
「ゔぐっあ"っああぁぁっだめっあっきもちいいっかずっかずさっだすっぅっあっだすぞっお"っお"っおぉん"っ」
 快感がどっとはじけて、俺はとうとう和津沙の口内に射精してしまった。
「あっあっあっ、ん"あぁっ……か、ずっ和津沙、ほらっ出せ。ぺってしろ」
 俺は身体を起こし、和津沙の口元にティッシュを押し付けた。しかし和津沙は桜色の指先で口元を拭うとごくりと喉を上下させた。
「えっ、なっ!? 飲んだ? なんで飲むんだよ! 汚いだろ!」
 かっと顔中が燃えるように熱くなる。耳まで熱い。
 とんでもないことをしでかした和津沙はけろりと笑って「マサさんのだし、平気だよ」とすっとんきょうなことを言っていた。
「なっ、なんでぇ……」
 俺は恥ずかしくて頭を抱え込む。
「マサさんごめん。嫌だった?」
 そんな俺を和津沙はぎゅっと抱き締めて、背中を優しく擦ってくれる。
「い、いやなわけじゃ、ないが……お前にそんなことさせて俺の良心が痛むんだよ」
 素っ裸で頭を抱える俺を抱きしめていた和津沙の腕が弛む。
「それって、マサさんは俺に悪いことしたなぁって思ってるってこと?」
 ぴったりとくっついていた和津沙の制服の感触が、少し離れた。
 俺は顔を上げて和津沙をチラッと見る。和津沙の大きな垂れ目が、じっと俺を見つめていた。
「まぁ、そう……そんな感じだ」
「じゃあさ、お詫びに俺のしたい事もさせてよ。それでおあいこにしよ」
 和津沙が、また身体をぴったりと寄せてぎゅうぎゅうと抱きついてきた。
「俺は、飲むなって言ったのに、お前が勝手に飲んだんだろーが……ったく。なんだよ、お前のしたい事って」
 訳の分からん屁理屈でわがままを言う和津沙を抱き締めかえすと、和津沙はにっこりと嬉しそうに笑った。
「このままここでえっちしよ」
「やっぱそれかよ……無理だって。ゴムもローションもねぇし……」
 反論する俺をよそに和津沙は制服のポケットから小ぶりなポーチを出すとファスナーを開けて「じゃーん! ここにありまーす」と心底楽しそうに言いやがる。
 和津沙の手には小分け包装のローションと、ゴムがそれぞれ数枚。用意周到さに呆れて物も言えない。
「ちゃんとあるから、心配しないで。ほらほらマサさん足開いて」
 和津沙は嬉々として体毛の濃い俺の足を撫で回した。
「んっ、はぁ……一回だけだぞ。それにあんま、その……激しくすんなよ……音とか、声とか、外に聞こえたらまずいし」
 言い出すと聞かない和津沙に、精一杯しかめっ面で忠告するも、和津沙は嬉しそうにうんうんと頷きながらローションのパックをまとめて二つ開け、どろどろと手に溢している。
「ちょっとひやっとするよ」
 予告通りひやっとした感触が俺の尻穴に触れ、ぬるぬるぬるぬる、塗り広げられていく。


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鶯命丹 2022/08/18 19:00

ひと晩泊めてと運命が戸を叩く

支援者限定公開
山奥に暮らす若いきこりのキコの元に「ひと晩泊めて」と傷だらけのガチムチおっさんが現れて……
その豊満なボディに魅了され「宿のお礼にイイコトしてあげる♡」というToLoveる展開です。
巷で噂のえっちな雌おっさん(屈強)です。


珍しくショタじゃない攻め。
年若い青年×ガチムチ雌おっさん(屈強)





 深夜には吹雪くのではないかと思えるほど、冷える雪の夜だった。
暖炉に薪を焚べて、揺れる炎を眺めていたキコはコツコツと戸を叩く音で顔を上げた。
 日もとっぷり更けている、雪の夜に誰かきたのか?
 キコは身をこわばらせてじっと物音に耳を澄ませる。
 コツコツ
 やはり!
「ひっ!」
 キコは息を飲み、咄嗟に口を覆う。
 じっとして様子を伺っているとコツコツコツと戸を叩く音と低い男の声が聞こえた。
「夜分にすまないっ! 道に迷い難儀しているっどうかひと晩ここに泊めてくれないかっ」
 強くなる風の音にかき消されないよう、張り上げた声に余裕はない。
「い、今開けます!」
 キコは慌てて玄関へと走り、戸を開けた。
 ビュービューと吹き荒ぶ雪の中、雪まみれになった大男が立っていた。
「た、大変だっ! さぁ早く中に」
 外気と共に入り込んだ男は雪どころか服のところどころに小さい氷柱さえ垂れている。
「いやぁ助かった! あともう数時間……いや数分外にいたら凍死していたな」
 男は酷い状態の割には快活な物言いをして笑っている。
「さっきも言ったが、道に迷い難儀している。どうか一晩泊めてほしい。すまねぇ」
 そう言ってキコの前に立つ男の逞しいこと。
 キコも山を生活の場にする男であるので、身体の逞しい方であるが、男はそれを上回る巨体だった。
 隆起した肩の厚みは冬用の厚着でもわかるほどに盛り上がり、前を合わせたコートの中に窮屈そうに仕舞われている胸の厚さに圧倒される。
 コートの裾を限界まで押し広げる太腿は堅強で、どんな険しい山道にも耐えられるだろうが、冬山の夜に無闇に歩くのは危険だ。
「ええ。大丈夫ですよ。うちでゆっくり休んで。とにかくまず、濡れた身体を乾かそう」
 キコは男を迎え入れると雪でぐっしょりと濡れた装備を外すのを手伝った。
 コートの中に窮屈そうに収まっていた肉体は防寒着でも守りきれなかったのかじっとりと濡れて冷え切っていた。
「そのまま冷えると良くない」
 キコは急いで乾いた布を持って男の手を引いた。暖炉の真前に椅子を置き男を座らせ濡れた身体を拭く。
 「ああ、悪い」
 防寒頭巾から現れた男は、その低い声に似合いの髭に覆われた無骨な太い顎と、高く大きな鼻、深く精悍な彫りの眼窩に、野生動物のような鋭い眼差しをもっていた。
 更にはこめかみから顎にかけて大きな切傷が付いているのが、男の顔立ちをより一層野生味のある荒々しい強面に見せている。
 傷痕の走る部分には顎髭が生えてない。それ程深い傷だったようだ。
 深い傷痕のある左目の方が引き攣れるようで、よくよく見ると左右で目の大きさが少し違った。
 癖のある髪が無造作に伸びて毛先から水を滴らせている。
 キコは男の迫力ある面持ちにぴくりと身体を強ばらせるも、がちがちと鳴る男の歯の根にハッとして手当に専念した。
「ふ、服も脱いで……火のそばで乾かすから」
「ああ、悪りぃな」
 男は着ていたものを躊躇いなく次々と脱いでいく。
 キコは男の肌を直視出来ずに脱いだ服を受け取ることに集中する。
 受け取った服は、ぐっしょりと濡れて冷たい。
 慌ててそれらを暖炉のそばに干していくキコの鼻に、服に染み込んだ男の匂いがした。
「ん"ん"っ……いま、お湯を用意するから」
 鼻腔から脳を揺さぶる男の濃い匂いを振り払うように咳払いをして、キコは暖炉の端に掛けてあった鉄瓶に手を伸ばす。
 鉄瓶の中でほこほこと湯気を立てていたお湯を木のタライに入れてやり、台所に置いてある水瓶の水を掬って足す。
 少し熱いくらいの湯を張って「ここに足を浸して。そのままだと凍傷になるかも」と男の方にタライを向けた。
「おお、ありがたい。足先がかじかんで痛かったんだ」
 男は嬉しそうに笑うと濡れたブーツを脱ぎ捨て足を湯気たつタライの中に浸す。
「あー……あったけぇ」
 濡れたブーツはぐっしょりと重く、冷え切っている。
「凄い濡れてる……これは本当に凍傷になるところだったな」
 キコはブーツを暖炉のそばに置くともう一つタライを用意する。
 沸かした湯とタオルを入れたタライを男に渡して「これで身体を拭くといい。今、代わりの服を持ってきます」
「何から何まですまんなぁ。助かる」
 男はキコからタライを受け取るとタオルを搾って顔を埋めた。
「ああ……生き返るー」
 タオルに埋もれている男の姿に笑いながら、キコは部屋の中を漁って男の巨体に見合う服がないか探す。
 しかし、キコよりも体格が良い男が着られそうな服が見当たらない。
「すまない……あなたが着られるような服が無くて。替えのベッドシーツでも無いよりマシだろうから、これを身体に巻いて……」
 シーツを持って男の方を向き直り、ついその身体を見てしまった。
 暖炉の炎に照らされて、裸になった男の身体もまた傷が多かった。
 はち切れそうな二の腕にも、ぼこぼこと大木のような腹筋に覆われた腹も、溶けた雪の雫が通るほど、深く大きく筋肉のついた太腿にも、至る所に傷がついている。
「どうした?」
 まじまじと見つめていたキコの視線に気づいた男が、不思議そうに問いかけた。
「あっいや……背中、拭こうか」
「ありがたい」
 キコが背後に回るとじっとりと汗と雪に濡れた背中が暖炉の炎に照らされて光っている。背中もやはり傷がついていた。
「凄い傷……傭兵か何かを?」
 布で拭きながら、バレないようにそっと傷を撫でる。
 気づいてないのか、大仰に笑って男は頷いた。
「あちこちで戦があれば出かけていくヤクザ者だよ」
「どうしてこんな、田舎に?」
 この周辺はのどかなもので、戦争のきな臭い騒ぎも、危険な魔物も滅多に出ない。
 キコの疑問に男は「まとまった金が入ったから田舎に引っ込むことにしたんだ」と笑う。
「この辺は治安が良いから余生を穏やかに過ごせると噂に聞いてな」
 微笑む男の、隆起した筋肉まみれの身体は雄の生気を漲らせ、若々しい。
「余生だなんて……そんな歳には見えない」
 キコがそう言うと「お前さんのような若さは無いさ」と笑った。
 いかつい見た目に反して良く笑う男だった。
 背中にしたたる雫が髪から落ちてきてるのに気づいてキコは湯で温めたタオルで、男の頭をわしわしと拭いてやった。
 「こりゃあいいな! 犬にでもなったようだ」と笑った男に「ご、ごめん! つい……」とキコが手を止めて謝る。
「いいや、続けてくれ。お前さんの手があったかくて気持ちいい」
 男はそう言って項垂れるように頭を下げて、キコの手を待っている。
「じゃあ……痛かったら言って」
 再びキコの手が動く。
「ああ〜いいな。あったけぇ」
 男はされるがままうっとりと呟いた。
 
 「大したものは無いんだけど……」
 そう言ってキコは、鍋を暖炉にかけてスープを温め、しまってあった乾いたパンを出す。
「おお! あったかい食事は久しぶりだ!」
 着替えがわりに渡したシーツにくるまった男が歓声を上げる。
 質素な食事に恥ずかしくなったが、男は嬉しそうに笑ってあっという間に平らげた。
「スープお代わりするかい?」
「いいのか! じゃあ遠慮なく」
 キコの問いに喜色満面に碗を差し出す男。
 本当に犬のように嬉しそうにする男にキコは微笑んで、スープのお代わりをよそってやった。
 
「いやぁ本当に助かった! ごちそーさん」
 男は食後に出した温めた酒を飲み干すと、盛大に頭を下げた。
「頭を上げてくれっ! 困った時はお互い様だよ」
 慌てて男の肩に手をやって頭を上げさせる。
「そうは言っても冬山じゃ、下山するのも一苦労だろ? 蓄えだって限りがあるのに……分けてもらって助かった。ありがとう」
 男はじっとキコの顔を見つめ、低く静かな声で礼を述べた。
「いいんだ、本当に」
 真摯に礼を言われ、キコは顔面が熱く火照るのを感じていた。それを誤魔化すように、早口で捲し立てる。
「は、腹に食べ物が入って、身体が温まったうちに、ベッドに行こう! あいにく、ひとつしかないから共に寝ることになるけど……」
「俺は床でも構わんが」
 男の言葉にキコは激しく首を振った。
「薪はまだあるが、こんな日はひどく冷える。床でなんて寝たら明日には冷たくなってる!」
 キコの剣幕に男は目を見開くが、すぐに頷いて「何から何まで、世話になるな」と困ったように笑った。

 暖炉のそばのベッドに二人で入り込む。
 ベッドにはたくさんの毛布やシーツが重ねられていて、二人で潜り込むとほかほかと暖かかった。
 窓の外からしんしんと雪の降る音がする。
「寒く無いか? もう少しこっちに来たらどうだ?」
 男がキコを抱き寄せる。
「あっ! いや、だ、大丈夫っ」
 男の胸に顔を埋めるような形になってキコは慌てて離れようとするが、男が太い腕で離さない。
「さっきから熱っぽい目で見やがって……」
 男が低く甘い声でキコの耳元で囁くと、ぐっと下半身を密着させた。
 存在感のある陰茎を押し付けられキコは小さく息を呑んだ。
「そんなつもりじゃ!……ごめんなさい」
 たしかに、キコは男の身体見て、密かに興奮を覚えていた。そっと盗み見ていただけのつもりだったのに、まさか気付かれていたとは……
 戸惑い、うつむくキコの顎を、男は指先で撫でて自分の方に向かせる。
 吐息がかかるほどに顔を近づけて「暖かい食事と寝床の礼をしたいと言ったらどうする?」と野性味溢れる鋭い瞳を淫靡に蕩かせて誘惑する。
「どうするって……」
 目の前に迫る男の唇に、抱きしめられる力強い腕に、ぴったりと寄り添った肉厚の身体に、辛抱出来なくなったキコは、男の背に腕を回し口付けた。
「んっ、ふっ……はっあぁ……」
 触れるだけの口付けを繰り返すキコに、男はゆるく唇を開けてキコの唇をちゅくちゅくと吸った。
「ふっんん!」
 驚き、逃げようとするキコの後頭部を大きい手で撫でると、逃がさないというように舌を侵入させる。
「ふぁっ! あっ、はぁ……ぅうっん、あぁっ」
 ぬるぬると自身の舌を肉厚の男の舌で絡め取られ、キコは甘い吐息を零す。
 興奮のまま男のくるまったシーツの隙間に手を差し入れて、その逞しい肌を撫でた。
 ふさふさと体毛の濃い部分と、なめした革のような素肌の手触りにキコは夢中で男の肌を撫で回した。
 特に傷跡がキコの気に入りになった。
 ぽこっと指先に引っかかる傷跡は撫でるとツルツルだったりぼこぼこと盛り上がっていたり、凹んでいたりして、キコの指先を楽しませた。
「ふふっはっ、くすぐってぇよ」
 合わせた唇の隙間から男の笑い声が漏れた。
「あ、ごめん……」
 男の反応に、キコが慌てて手を引く。すまなそうに視線を下げて顔を引いた。
「ああ〜いい、いい、冗談だ。気にすんなって。好きに触っていい」
 男がキコの手を取って自身の身体へ触れさせる。
「イヤじゃ、ない?」
 不安げに瞳を揺らすキコの頬にキスを落とし、男はくつくつと笑った。
「嫌じゃあねぇよ。なんも知らねぇ子どもに悪りぃこと教えてるみてぇで興奮する」
「俺は子どもじゃない。もう大人だ」
 キコは反射的に言い返したが、ムキになって言うその態度こそ、子どものようだと気づいてむっつりと口を閉じた。
「悪りぃ悪りぃ……純粋で可愛いって言ったんだ。な、もっと触ってくれよ。お前の触り方、結構好きだぜ?」
 キコのむくれた唇に、男は何度も口付けながらニヤリと笑った。
「本当?」
 キコは手を伸ばし、男のがっしりとした顎に触れる。
「ああ、焦ったくてゾクゾクする」
 キコを真似るように、男の太い指がキコの顎を撫でた。
「それは、褒めてるの、か?」
 キコが訝しむように呟くと、男はとうとう吹き出して笑った。
「やっぱり褒めてないっ子ども扱いしてる!」
 キコは顔を赤くして怒ったが、男は構わずくつくつと身体を震わせて笑いながら、太く屈強な腕を伸ばしてキコをぎゅっと抱きしめた。


続きは支援者様限定・計9300文字

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鶯命丹 2022/08/17 18:00

コミッション作品・女性向けBL二次小説(放サモ)

以前ご依頼いただきましたコミッション作品を公開いたします   注意事項  ・二次創作小説(東京放課後サモナーズ・主4×スルト)・R18・ガチムチ受け




 流者がひとり、スマホで動画を観ている。
 珍しく予定のない休日の午後、寮部屋の備え付けのベッドでゴロゴロとのんびりとした時間を過ごしてる。
 ボーっと画面をスワイプしているところに、いきなり意識が覚醒した。
「え……スルト?」
 そこには見知った顔。それどころか流者の想い人が画面に映っている。
 黒い兜に赤い炎をまとった巨人。
 巨躯をシンプルな洋服に身を包みエプロン姿の巨人が、なにやら綺麗に盛り付けられた菓子類を持って画面の中に納まっていた。
「マジでか……」
 動揺に一人で呟きながら、震える指でサムネをタップすると、聴こえてくる心地の良い重低音。
「マジでスルトだった」
 見間違いかと祈るような流者の思いと裏腹に、動画の中で楽しげに調理をする姿があった。
「しかも、生じゃん。これ」
 更に孤狼の独り言は続く。チャンネルは絶賛生配信中であった。
「結構盛況みたいだし。コメントもにぎわってる」
 概要欄を覗けば予想以上のチャンネル登録者数に、盛況に書き込まれているコメント欄。
 どうやら何度目かの生配信らしく、視聴者からの『楽しみ』だとか『待ってた』だとかの、のどかで好意的なコメントに溢れている。
「なんか、すげーな」
 感心と共に零れた呟きは、それだけでなかった。
 スルトが料理上手なことも、見かけによらずひと好きのする好漢であることも、彼の良さが認められたようで誇らしい気持ちは本心である。
 しかし、自分の想い人があまりにも他人に好かれすぎるのも、複雑な気持ちがする。
「面倒くせぇな……我ながら」
 自嘲する流者はふと、彼の家族はどう思っているか気になった。
「これ、みんな知ってんのかな……アルクに聞いてみるか」
 仲の良い家族の事だ。秘密であるとは考えずらいがしかし、ハーロットあたりが反対しなかったのだろうか?
『アルク スルトが生配信してる』
 脈絡ない短文をアプリを使ってアルクへいきなり送り付ける。
 普段ならばもう少し取り繕って久しぶり! だの、元気? だの愛想よく展開させているだろう文面も、だいぶシンプルな文言しか思いつかなかった。考えている時間すら惜しかった。
 返信は意外にもすぐに来た。
 ぽこんとかわいらしい電子音と共に届いたメッセージには『見てくれてるの? 父さん喜ぶよ』とこれまたシンプルな文章が届く。
『知らなかったからすげー驚いた!』
『最近始めたんだ。キッチンを占拠されるって母さんが怒ってた』
 アルクからの返信に、流者は苦笑した。
「やっぱ反対されてる」
 怒っているハーロットの顔が目に浮かぶようで、ひとり笑っていると、更にメッセージが届く。
『良かったら感想伝えてあげて。君の感想なら父さんすごく喜ぶはず』
 文章から、家族を思うアルクの優し気な顔が浮かび、流者もつられるように微笑んだ。
『分かった見て感想送るわ』
 返信し、動画に集中するためメッセージ画面を閉じた。
 動画の中では、キッチンの中に巨体を窮屈そうに押し込めながらも、よどみなく調理を続けているスルトの姿があった。
 粉に卵やら砂糖やらを入れて捏ねる手は大きく筋張っている。
「手、デカいな……」
 ぽつりとつぶやいた言葉は、思った以上に自分の欲望が滲んでおり、流者は誰もいないのに部屋の中をきょろきょろと見回してしまった。
「いやいや……スルトは巨人だしな。でっかいのが普通なんだよ」
 誰に聞かせるわけでもない弁明をする。
 仕方がない。
 思春期の少年が、好きな相手の体のパーツを見て、無心でいろと言うのが無理な話なんだ。俺の反応は普通、普通……
 心中で言い訳を繰り返しながら、流者は画面の中のスルトをじっと見つめ続ける。
 粗野にも見える巨体が器具を操る音は、意外にも静かに丁寧な音が続き、なんとも心地よい。
 ときおり注釈もかねて、落ち着いた声音でスルトが一言、二言、喋っている。
 むくつけき大男の第一印象とは異なる、穏やかなスルトの人柄そのままの、しっとりと落ち着いた動画の内容に流者はふうと息を吐いた。
「なんか、スルトらしいな」
 のどかな内容に毒気を抜かれて、流者が口元を緩めた瞬間に、それは起こった。
 スルトが太い指で掴んでいたボウルには、たっぷりと白い生クリームが入っていた。
 それをカチャカチャと混ぜていた時、ボウルがつるりとスルトの手から滑り落ち、作業台にごつっと音を立てて落ちた。
 衝撃で跳ね上がる生クリーム。
 幸いにもひっくり返ることはなく多少跳ねた程度だったので、大した被害もなかったのだが――カメラが、流者の目が捉えたのは、スルトの胸元に飛び跳ねた少量の生クリームだった。
「うわっ……なにこれエロじゃん」
 思わず、欲望の声が出る。口元がにたにたといやらしく歪んでしまうのを手で隠した。
『失礼。手が滑りました』
 恥ずかしげに兜の奥の目を細めて視聴者に詫びるスルトが、分厚い指先でエプロン生地をつまみあげて、布巾で跳ねたクリームを拭っている。
 少し慌てたような、とんとんと素早く動く指に可愛らしさすら滲んでおり、流者は目頭を抑えて唸った。
「くぅ……大丈夫なのかこれ、卑猥じゃないか?」
 ひとりもだえる流者は、ひと呼吸分目頭を揉むともう一度画面に目をやる。
『結構いっぱい飛びましたね。いろんなところが汚れてました』
 照れ笑いを浮かべて、エプロンだけでなく、作業台の上も布巾で拭っていくスルトを見て、流者はもう一度深く深呼吸をする。
「いやいや。いかんいかん……スルトはけっしていやらしい意味では言ってない。そんな目で見る俺が悪いんだ……」
 邪な目で見てしまう己を律し、頭を振る。
「俺が思春期なのが悪いはずだ……そうだ、あののどかなコメント欄を見よう。きっと平和なはずだ……平和でなければならない……」
 不穏な言葉と共に、流者はコメント欄を開く。
 そこにはさっきまでののどかな雰囲気から一遍、祭りのような賑わいでコメントが次々と流れていく。
「んだよっどいつもこいつも……『ありがとうございます』? 『白いのぶっかけ』?! 『俺のも拭いて』だぁ? はああ?! スルトのことをいやらしい目で見てんじゃねえよっ」
 少し前の自分の言ったことは棚に上げ、流者は苛立たし気に声を荒げた。
 しかしそんな流者の葛藤も怒りも画面の向こうにいるスルトには一切伝わらず、すでに作業へと戻っている。
「スルト、本当大丈夫なのか……俺が気にしすぎなだけ?」
 コメントを気にする暇がないのか? それとも無知なのか?
 流者はもやもやとしながら、スルトの配信を見守り続けるなか、着々と完成に近づく菓子。
「やっぱり、エロいよな……この手」
 繊細な菓子類を作り出すスルトの武骨な手を見て、流者の身体には消えない熾火のような欲情が渦巻き、横たわったまま部屋着のズボンを下ろして、既にほんのり固くなっている陰茎を握る。
「……っはぁ」
 さくさくと作業を進めるスルトの手を見つめ、この手がちんぽを扱いてくれたらと妄想に耽る。
 画面の中で無防備に映る、あの逞しい胸に自分の精液をぶっかけられたらと夢想しつつ陰茎をしごく手が早くなっていく。
「はっ……ぁ」
 勃起した陰茎から、ぞくぞくと痺れるような快感が身体を支配して、思考がぼやける。
 脳みそが快感だけを追うように指示を出す。
「あっ……ぐ、でる」
 それに素直に従って自身の肉茎を扱く手が早くなり、流者は精液を噴出した。
 絶頂の後の気だるい身体を起こして片付けをしていると、動画の中のスルトが作品の完成を告げていた。
 出来上がったまあるい菓子はころりと可愛らしい形をして、スルトの分厚い手のひらの上にいると更に小さく可憐に見えた。
「このままじゃ、良くないよな」
 このままぼんやりとみているだけでは、万が一スルトをいやらしい目で見る有象無象に彼を奪われるかもしれないと自身を奮起させて、流者はスルトのアドレスへ、メッセージを送った。


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