大決壊!~おもらしカノジョが妊娠するまで11~
いつもあたたかいご支援ありがとうございます!
今日は金曜日なので小説を更新する日です。
妊娠したスバルと流れる緩やかな時間。
今回は最終回ということで全公開しておきたいと思います!
※この小説は、順調にいけば今年の5月→4月末のGW前に配信を開始する同人誌の小説です。
また、今年か来年の暑くなってきたころか寒くなったころか、僕が面倒臭く感じないときにブログのほうで無料公開していく予定ですので、バックナンバーを購入するさいはご一考頂けたらと思います。
なお、めんぼーさんに描いてもらったラフは、無料ブログには載せる予定はありません。
スバルとおむつ登校っ!
☆☆終章 男の子? 女の子?
「……んん、もう朝か……」
柔らかな朝日に大和が目を覚ますと、視界に飛び込んでくるのは未だ安らかな寝息を立てているスバルの寝顔。
2人とも一糸まとわぬ裸体となって、ゆうべは何回も身体を重ね合わせたのだった。
「うーん……ゆうべはがんばりすぎたか」
いつもならスバルのほうが早く目が覚めるけど、今日は大和が先のようだった。
大和は、スバルのおろしてある金髪を梳いてやる。
「懐かしい、なぁ……」
大和は、しみじみと呟く。
おもらしして困っているスバルを助けたのが、去年の春。
それが遠い昔のことのように思える。
(ゆうべは初めてのエッチした1周年記念日で……、それでスバルがいろいろな体位を試してみたいって言い出して……)
そんなスバルのお腹は季節とともに大きくなってきて、いまではぽっこりと幸せそうに膨らんでいた。
――スバルは、妊娠したのだ。
それでもスバルの性欲はとどまるところを知らないらしい。
(スバルの性欲は、間違いなく俺よりも強いしな)
この1年間、一緒に生活をしてきたから間違いない。
あっという間のこの1年間、初体験の申請を出したり、学園中から注目を浴びたりしていろいろとあった。
あれから市役所に行って婚姻届を出して入籍したりもした。
一緒に住むための家も国から支給されて、いまでは新婚生活を送っている。
支給されたのは、学校の近くの小さなアパート。
最初はいきなり一軒家ではなくて、狭い部屋がいいらしい。
小さくて狭いアパートの一室だったけど、スバルがいればそれだけで幸せだった。
こうして夏が過ぎ、冬が過ぎ――、
「俺とスバルの赤ちゃん、なんだよなぁ……」
大きく膨らんだスバルのお腹を撫でてあげると、
「ン……、もう、朝……」
スバルはうっすらと瞳を開いて呟いた。
どうやらお目覚めのようだ。
「おはよ。スバル。身体、平気か?」
「うん……。赤ちゃんにお腹蹴られて起きたし……」
「元気そうで良かった。それじゃあ、簡単な朝ご飯作ってくるからゆっくりしててくれ」
「ありがと」
身重なスバルをベッドに残し、大和は小さなキッチンで簡単な料理を作り始める。
今朝のメニューはトーストとサラダと目玉焼き。
それにおまけのイチゴ。
材料は、きのうの学校帰りに2人でスーパーに寄って買ってきた。
このイチゴは、スーパーで顔見知りになった売り場のおばちゃんからのプレゼントだ。
すっかり町内にも年上の知り合いが増えたし、そのたびにいろいろとくれるし、困っていることがあれば助けてもらっている。
いい社会になったものだ。
「トマトを切って、レタスを千切って……、卵を2つ一気に炒めて……と」
こうしているうちにトースターにセットしておいたパンが焼き上がって、香ばしい匂いが漂ってくる。
手際よく小さなテーブルに並べていくと、大和は再びベッドルームへと戻っていく。
「朝飯できたぞー。おむつ充ててやるぞー」
アパートの手狭なベッドルームでは、スバルは身支度を調えている真っ最中だった。
大きくなったお腹に合うサイズに調整された学校指定のセーラー服を、ワンピースのように着ている。
だけど制服をオーダーメードしたときよりも更にお腹が大きくなってきているから、お尻が隠しきれなくなっていた。
「お願いね、パパ♪」
「おう。おむつのことならなんでも任せてくれ」
お腹が大きく膨らんだスバルに、ベッドで仰向けになってもらうと、手早く紙おむつを充ててやる。
初めて紙おむつを充てたときは説明書を見ながらの見よう見まねだったけど、いまではすっかり上手く充てられるようになった。
これならいつでも子供が生まれてきても大丈夫だ……と思う。
「よし、おむつはこれでオッケーっと」
「ありがと。お腹……結構大きくなってきたから……ちょっと張ってるかも」
「そっか。それじゃあおむつは多めに持っていったほうがいいな」
「うん」
大和のカバンのなかには今日の授業の教科書とノート、それにおむつ交換に使う道具が一通り入っている。
おかげさまで大和のカバンはパンパンに膨らんでいる。それでも大和は満足げに頷くと、カバンのファスナーを閉めるのだった。
☆
2人の愛の巣であるアパートから、学校までは歩いて10分弱。
2階建てのアパートの外階段をスバルの手を取りながら降りて通学路に出ると、すでに同じ制服を着た生徒たちがゆっくりとした川の流れのように通学していた。
大きく膨らんだお腹を抱えながら歩いているスバルに歩調を合わせて歩きはじめて、しばらくしたときのこと。
「そういえばさ、きのう産婦人科に行って聞いてきたの」
まるで世間話をするかのようにスバルが切り出す。
「聞いてきたって、なにをだ? も、もしかして、身体、なにか悪いところとか……!?」
「ううん。違うの。そういうことじゃなくて……その……女の子だって」
「……?」
一瞬、なにを言われているか分からずに、大和は首をかしげてしまう。
だけどそれがなんのことか理解すると、
「そうか! 女の子なのか!」
大和自身が驚いてしまうほどの声で合点してしまい、周りにいる通学中の生徒たちの視線を一身に集めてしまう。
大和はごまかすように咳払いすると、スバルはいたずらっぽい笑みを浮かべていた。
「これで、今日中にはもう学校でみんなの噂になってるね。きみは奥手だから、こうでもしないとみんなに教えてくれないと思って」
「こいつは一本取られたな。でもそうか、女の子かー。それじゃあ、生まれたときのためにいろいろと揃えておかないとな」
「うん」
ちょっと……というか、朝からかなりびっくりしたサプライズだったけど、不器用なスバルなりに考えた伝え方なのだろう。
びっくりしたけど、これから必要なものも決まってくる。
まずは服はピンク系がいいのだろうか?
いや、最近は女の子だからってピンクというのは古いかもしれないから、ここはスバルと相談しながら揃えていくのがいいだろう。
あとはたしか赤ちゃんの性別が決まったら祝い金が出るらしいから、その申請書も出しておいて……、
と、そこまで考えて大和は、隣を歩くスバルを見やる。
「ときにスバル」
「なぁに?」
「お腹が大きく膨らんできてるのは俺も凄く嬉しく感じるけど……その、最近制服のサイズが合わなくなってきてないか?」
「うーん、そうかな?」
呑気に首をかしげてみせるスバルだけど、絶対にその自覚はあるのだろう。
なにしろスバルが来ているマタニティ用の制服――セーラー服の上をワンピースのようにしている――は、大きく膨らんだお腹に押し上げられて、丈が足りなくなっていたのだ。
花柄の紙おむつが丸見えになってしまっている。
「きみに充ててもらったおむつ……見られちゃってるね」
この通学中に、ゆるゆるのおまたからごく自然に垂れ流したであろうおしっこによって、鮮やかなレモン色に染まっていた。
「テープタイプの紙おむつは、1人じゃ充てられないよね。だから、私がおむつを充ててるっていうことは、きみに充ててもらって……交換してもらってますって宣言してるっていうことなんだから」
「お、おう。そんな深い意味があったとは」
「もうすぐ生まれてくる赤ちゃん……女の子だからさ、名前……これからゆっくり決めようよ」
「ああ、そうだな」
ゆっくりと、ゆっくりと2人は並んで歩いて行く。
最初は前を歩いたり、後ろを歩いたり、ずっと相手の背中ばかりを見てきた2人だったけど。
いつのまにか隣り合って歩いてて、いつしか手を取り合っていて。
それはたぶん、家族が増えてもこれからもずっと続くこと。
おしまい☆☆
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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