芽生え10
うんちをおもらししてしまったショーツと黒タイツを綺麗に洗って証拠隠滅。
ヌルヌルになったショーツの裏側は……。
ニュルル……ッ。
立ちあがっただけだというのに、柔らかい感触が会陰へと食い込んでくる。
それは今まで経験したことがなかった、未知の感触だった。
……が。
「ううっ、お腹、痛い……っ」
なんとか立ちあがったイリアだけど、早くも腹痛に襲われてしまう。
落ち着いてくれていたと思ったお腹は、立っただけの些細な振動にグルグルと異音を奏ではじめる。
その痛みに、満身創痍のイリアが耐えられるはずもなかった。
「ううっ、あううっ! ふっ、ふうう!」
口から獣のように低い呻き声を漏らし、お尻を後ろに突き出してしまう。
その直後だった。
ブボボッ!
ニュルルルルル!!
極小の布切れに覆われた、イリアの小さなお尻から似つかわしくない爆音が響き渡ると、うっすらとお尻の輪郭が大きくなっていく。
だが、これはイリアが漏らしてしまったというわけではなかった。
ここまで大量のものをショーツにぶちまけてしまったのだ。
もう、我慢するだけ無駄じゃないか。
それなら、少しでも早く毒素を放出して、楽になったほうがいいに決まっている。
「ふっ、ふうううう……!」
ニュルルルル!
ブボッ、ブポポ……もわ。
イリアは立ったままだというのに自らの意思でお腹に力を入れて毒素を排出していく。
色白の頬は真っ赤に染まり、口元からは一筋のヨダレを垂らしながら。
(こんなところでしちゃいけないのに……)
そんなことは分かってはいたけど、排泄欲という、人間の生存に根ざした欲望を満たしているのだ。
気持ちよくなってしまうのは当然のことだった。
ビチ、ビチチ……ッ!
ほとんどお湯と変わらぬ毒素を出し切り――、
ビククッ!
「んうう!?」
イリアは股間から生み出される静電気に、お尻を震わせてしまった。
小さな身体とはいえ、少しずつ快楽に目覚めようとしているのだが……、そのことにイリアが気づくはずもなかった。
(うんちおもらししちゃったのに……気持ちいいなんて……、絶対おかしいのよ……!)
気持ちよくなってしまった自分を認めようとはせずに、一刻も早く家に帰ろうと、小さな一歩を踏み出す。
ヌチャ、ヌチャ。
ヌチョ、ヌチョ。
「気持ち悪い、よぉ……」
一歩進むたびに、ショーツの中に満ちあふれている柔らかいものがお尻の割れ目に、そして会陰へと食い込んでくる。
それはおしっこを漏らしてしまったときの愛撫とは比較にならないほどのネチっこさだった。
だけど今のイリアには、その甘い感触を堪能している余裕さえもない。
「はやく、家に帰らないと……っ」
重たいお尻を、ほんの少しだけ後ろに突き出して、よろめきながらもいつもの帰り道を進んでいく。
幸いなことにこの人気はなく、イリアはその道をゆっくりと進んでいくことができたが……。
ヌチャ、ヌチャ。
ヌチョ、ヌチョ。
未消化物がおまたに食い込んできて、イリアはある変化に気がついてしまう。
(あれ? なんかおまたがチリリってするような気が……する?)
一歩進むごとに未消化物が食い込んでくるという淡泊な責め苦に、イリアのおまたが熱くなってきてしまったのだ。
(おまたが熱くなってきて……ううっ、変な感じがするの。なんだかポワッとして……、おまた、ムズムズするよぉ……っ)
一歩進むごとに、自らの未消化物に責め苦を受けて……、
少女のつぼみは、戸惑いながらも開花しようとしていた。
☆
「よかった……。誰にも会わずに済んだよ」
イリアが屋敷に帰ってきたころには、額には脂汗が浮かび、背筋には滝のような汗が流れていた。
ショーツの中は、グチョグチョに攪拌されて、おまたに食い込んできて気持ち悪い。
一刻も早くこの気持ち悪さから解放されたかった。
メイドさんや母親に会わないようにと、忍び足で屋敷の中を進んでいき、なんとかトイレへと辿り着く。
使い慣れた洋式のトイレは、いつもイリアがおもらし遊びをしている場所でもあった。
「やだ……。なんだかドキドキしてきちゃったよ……」
イリア自身は気がついてはいないが、何度も繰り返してきた禁断の遊びは、すっかりイリアの身体に染みついていた。
イリアは、トイレに踏み込んだだけで濡れるようになっていたのだ。
じゅわ……。
チョコレートシェイクが食い込んできている秘筋が熱く火照ると、ヌルリとした感触が新たに溶け込んでいく。
だが、それをイリアがなんなのかを理解することはできるはずがなかった。
「やだ……。漏らしちゃった……の? 怖いけど、脱がないと……だめ、だよね……」
早くこのショーツを洗濯しなければ染みになってしまうし(もう手遅れかも知れないけど)、それにずっとこの格好でいるわけにもいかないのだ。
こうしている瞬間にも、ショーツの中のシェイクは冷えてきて、ベッタリとお尻に張り付いてきている。
(早く綺麗にしないとっ)
そのことはイリアも十分に理解している。
だけどこのショーツと黒タイツに詰まっているモノを目の当たりにすることは、自分自身の失敗と向き合わなくてはならないと言うことでもある。
それはちょっと勇気のいることだった。
(だけど、このままでいるわけにもいかないし……、はううっ、ここは怖いけど……っ)
イリアは一枚ずつ服を脱いでいくことにする。
ただ用を足すだけならばショーツとタイツを下ろせばいいけど、こんなにも派手に漏らしてしまったのだ。
全部服を脱いでおかなければブラウスや制服に、茶色い汚れがバターのようにくっついてしまうことだろう。
それに髪の毛も、だ。
ブロンドのツインテールの先につけばきっと毛先が痛んでしまうし、なによりも汚くて嫌だ。
イリアはお風呂に入るときも、座るときでさえも、いつも毛先のことには気をつけていた。
「ううっ、この格好、恥ずかしい、かも……」
イリアはブラさえも外した、タイツとショーツだという格好になる。
白人系の血を色濃く受け継いでいるイリアの乳房は、同じ歳くらいの女子と比べても大きく育っている。
イリアの双丘の頂には、ツーンとした桃色の山頂が固く突起していて、ちょっとでも触るとシコリになっていて痛い。
それでもまだまだ未成熟で、乳房に触れると、張りがあってやや固さを残していた。
固いということは、それだけ夢が詰まっているということでもある。
イリアの身体は、これからも大人の女性として性徴していくことだろう。
だが、性徴期というのは、大人と子供の境界線で、あまりにも危うい時期でもある。
身体は大人に性徴しようとしていても、子供のような失敗をしてしまうことだってあるのだ。
今の、イリアのように。
「怖いけど、早く綺麗にしないと」
イリアは呟くと、恐る恐るショーツをタイツごと降ろしていく。 その直後だった。
ぬっっちょぉぉぉぉぉ……。
むわ…………っ。
なんとかショーツを太股のところまで下ろすが……。
あまりの悪臭に、ツーンと目頭が熱くなって涙が出てきそうになる。
十日間、イリアのお腹に詰まっていた腐敗物の臭いだ。
無理もないだろう。
「う、うそ……ううっ、酷い、よぉ……っ」
ショーツの内側に広がっている大惨事に、イリアは目を疑ってしまった。
きっと、イリアが勉強しているときも、寝ているときも、そしてご飯を食べているときにも、イリアのお腹のなかでは発酵が進み、熟成されて腐敗していたのだろう。
ご飯やパン。
肉や野菜。
中華料理に洋食。
この十日間で、たくさんのものを食べてきた。
それらのものが熟成されて、ショーツの中ミッチリと詰まって腐敗臭を漂わせている。
むわ……っ。
饐えた茶色い臭気が立ち昇ってきて、イリアは思わずえずいてしまいそうになる。
だがこの失敗から目を逸らしてはいけないのだ。
ショーツの裏側にぶちまけられた茶色い腐敗物には、シュッとイリアの縦筋が刻まれている。
それはイリアの少女として大事で敏感な部分。
(見たくないけど、見ないと、だよね……)
ぬっちょぉぉ……。
「おまたまで……うぇぇ……ううっ、こびりついてるなんて……」
産毛さえも生えていない赤ん坊のようなイリアの秘筋は、茶色いペーストに汚辱されて、見る影もなかった。
ときおりヒクヒクとおまたが痙攣し、埋もれた割れ目に亀裂が入る。
きっとお尻のほうまでチョコレートペーストが張りついていることだろう。
だけどイリアには、そのことを確認する勇気はなかった。
「ショーツ、全部、脱がないと……」
太股のところまで降ろしていたショーツをゆっくりと降ろしていく。
だが小水で濡れた黒タイツは、太股に纏わり付いて脱げにくくなっている。
それにショーツの中にはもっさりと未消化物が詰まっている。
ゆっくりと慎重にショーツを降ろして行くけど、イリアの内股には茶色い筋が残されていった。
「なんとか脱げたけど……、ううっ、汚い、よぉ……」
染み一つないイリアの内股には、自らの排泄物で茶色い筋に汚辱されていた。
それはナメクジが這った跡のようにも見える。
それになんとか脱いだショーツも凄まじいことになっていた。
お尻の部分にはチョコレートがミッチリと詰まり、クロッチへと広がったフォンデュは、前のほうにまで押し寄せてきていた。
それはまるで土石流が起きたあとのようにも思える。
「とにかく、見えるところから綺麗にしていかないと……っ」
ねっちょぉぉ……、
ぼちゃんっ。
十日分の生チョコの塊……、それを洋式トイレに落とすと、それだけで排水溝が塞がってしまいそうなほどだった。
だけどこれだけで綺麗になったわけではない。
お尻にはチョコペーストが張り付いているし、ショーツにもまだ茶色いモノがこびりついているのだ。
「まずはティッシュでお尻を綺麗にしないと、だよね……」
トイレットペーパーを多めにとって、お尻を拭いていく。
おしっこを漏らしたときと比べてヌルッとしているし、お尻の奥にまで食い込んでいて、何度も拭かなくては綺麗にならなかった。
それでもイリアは何枚もティッシュを取って、おまたの奥のほうまで綺麗にしていく。
その甲斐あって、なんとか綺麗に拭き取ることができた。
「……よし、このくらいでいい、よね……次は……。ううっ、やっぱり綺麗にしなきゃ、だめだよね……」
無様な決壊のあとに残されていたのは、すべての欲望を受け止めることになってしまったネコさんショーツだった。
だが元の姿の面影はどこにもない。
今となっては白かった部分を見つけるのも困難なほどに茶色いペーストによって蹂躙されていた。
辛うじて、おへそのところにプリントしてあるネコさんのところだけが白かった。
「ごめんなさい、ネコさん。こんなに漏らしちゃうなんて」
だけどこの失敗から目を逸らすわけにはいかないのだ。
ここで仮洗いをしておかなければ、洗濯機に入れても元の姿には戻ってくれないことだろう。
ここで手洗いしなければ、母やメイドに怒られてしまうと言うことだ。
「この年にもなって、うんち漏らして怒られるなんて、恥ずかしいもんね」
手洗いなんて本当は嫌だったけど……、イリアは覚悟を決めるとトイレの水を流す。
勢いよく水が流れてきて、生チョコのような便塊と、大量のティッシュが流されていき、綺麗な水が張られる。
さあ、本番はこれからだった。
「洗わないと……」
汚い、というのは分かっている。
だけど、こんな失敗を誰かにバレてしまうというのは恥ずかしすぎた。
イリアは、ベッタリとペーストが塗られて重たくなったショーツを、洋式のトイレの水面へと沈めていった。
だけど、これだけで綺麗になってくれるはずがない。
「手洗い、しないとだめだよね……ううっ」
……ヌルッ。
指先で触れると、ヌルヌルとした感触に鳥肌が立ってしまう。
それでもクロッチとクロッチを擦り合わせて、少しずつ綺麗にしていく。
短い絹糸のようなものは、野菜の食物繊維だろうか?
このつぶつぶは……イチゴだろうか?
……確かに、コーンスープも飲んだかも知れない。
それが十日間のいつに食べたものなのかは、あまり考えたくはなかった。
「ヌルヌルしてるよぉ……」
顔をしかめながらも、自らの失敗を清めていく。
それにもしかしたら、これは将来に向けての練習なのかも知れないのだ。
将来、もしも赤ちゃんが生まれたときに、布おむつを洗うこともあるだろう。
きっと、そのときのための練習なのだ。
そう考えていないと、このヌルヌルとした気持ち悪い感触に心が折れてしまいそうだった。
それでもイリアは、布同士を擦り合わせながら綺麗にしていき、水が汚れたら新しい水で流していった。
その甲斐あって、ネコさんショーツはなんとか元の色を取り戻せそうなところまで綺麗にすることができた。
まだちょっと茶色いけど、洗濯機に入れれば綺麗になってくれることだろう。
「ふう……これくらい綺麗にすれば、いいよね」
ショーツの足口から溢れ出してしまったものを受け止めてくれた黒タイツも、軽く水洗いしてあげる。
黒ということもあるし、タイツ独特の手触りのおかげか、簡単に綺麗にすることができた。
あとは洗剤をたっぷり入れて洗えば、綺麗になってくれる……はずだ。
ここまでくれば、いつものおもらし遊びと変わらないから馴れたものだ。
「証拠隠滅っと」
制服を着てトイレを出ると、タイツとネコさんショーツを洗濯機に放り込む。
あとはいつも通り、乾燥までしてくれるから、ふかふかのネコさんショーツとして戻ってきてくれるはずだ。
「はぁ……安心したら疲れちゃったよ……」
イリアは気怠げに呟くと、よたよたと部屋へと向かう。
ノーパンのおまたが、秋風にスースーして冷たい。
だけど、その秘筋はヒクヒクと痙攣し、イリアが意識しないうちにも熱く濡れていて……。
染み一つない内股に、銀色の筋を残していく。
この小説は電子書籍としてフルカラーのイラストとともに配信している作品です。
気になった人は購入してもらえると創作活動の励みになります。