田舎の元気娘と!12
下校中にお腹が痛くなってきてしまった桜子ちゃん。
はたして桜子ちゃんは無事にトイレに行くことができるのか。
それともお背伸び黒タイツを穿いたまま大決壊してしまうのか。
桜子ちゃんの運命や如何に!
給食の時間。
……と言っても、小さな学校なので近所のお弁当屋さんが教師と生徒たちの合計三食分を配達してくれるものなのだが。
だからいつもできたてホカホカで、味噌汁と牛乳までついてくる。それに素材も地産地消で新鮮なものばかりだ。
「東京の学校に通ってたころは、給食は確かに温かかったけど、できたてってわけじゃなかったしなぁ」
「お兄ちゃんっていつも給食の時間は楽しそうにしてるよね」
「そりゃそうだろ。こんなに美味しいものが食べられるんだから」
「そんなに美味しそうに食べてくれてるんだもん。向かいのお弁当屋さんのおばさんも喜ぶと思う!」
と言いながらも桜子はおかずのニンジンを素早くこちらの弁当箱へと移動させているのを真太郎は見逃さなかった。
「こらこら、好き嫌いしてると大きくなれないぞ」
「……ニンジンなんて食べてたらウサギさんみたいに目が赤くなっちゃうよ」
イヤイヤながらも桜子はニンジンをちびちびと食べ始める。
この調子で好き嫌いなく食べていれば、きっと美人さんになれるはずだ。
……って、俺はなにを考えているんだ!
真太郎が首をぶんぶんと横に振っていると、桜子は給食を全部食べたらしい。
今日は特別にデザートがイチゴのアイスクリームだから桜子のテンションも最高潮に達していた。
「今日はアイス! しかもイチゴ味だよ! やっぱり今日はいいことあったね!」
「ああ、良かったな」
「うん! 美味しー!」
桜子はそれはそれは美味しそうにスプーンでアイスをすくっては食べていく。見ているだけでこっちまで笑顔になれそうなくらい幸せそうな顔をしていた。
口が冷えすぎたらごくごく牛乳を飲んで、そしてアイスをすくっては食べ……、
桜子はあっという間にアイスを食べ終えていた。
「そんなに一気に冷たいもの食べたら腹壊すぞ」
「へーきだもん!」
そのときは元気いっぱいだった桜子だが……。
しかし悲劇は下校中に訪れることになる。
☆
「今日はちょっと寄り道していこうよ!」
「寄り道って、どこか寄ってくところなんかあったか?」
「さっきお弁当屋さんのおばさんに教えてもらったんだけど、スイカの落合さんがスイカお裾分けしてくれるって!」
「そうか。それじゃ落合さんところに行くか。俺、道分からないから任せたぞ」
「うん! 任せてよ!」
こうして桜子を先頭にして下校することになったのだが……。
しかしスイカ畑のあいだの道を歩いている桜子の様子がどこかおかしい。
いつもだったら元気よくその辺に落ちている棒を振り回しながら歩いてる桜子だけど、
「ううう~」
低く呻くと立ち止まってしまったのだ。
「どうした、アリの行列でも見つけたか?」
「ち、違うの……。そ、その……ううっ」
桜子はついにしゃがみこんでしまう。
アリの行列は……当然ながらいない。
となると……?
「お腹、痛いよぉ……」
「ちょっ、大丈夫か?」
「うう……、冷たいの、食べ過ぎちゃったのかなぁ……あうう!」
「と、とにかくゆっくり行こう。慌てずに、な」
「うん……」
ここから一番近いトイレは……、
真太郎は頭の中に地図を広げる。
スイカをお裾分けしてもらうために通学路を遠回りしているのが災いし、学校を出て三十分ほどが経っていた。
今から引き返しても、お腹が痛くなった桜子のペースに合わせたら三十分以上の時間がかかることだろう。
となるとスイカの落合さんの家が頼みの綱になるが、それも残念ながらまだまだ道のりは遠い。
桜子に聞いた話だと、ここからだとやはり歩いて三十分はかかってしまう。
正に前門の虎、後門の狼というやつだ。
いや、この場合は肛門の……、というくだらないことを考えそうになって首を横に振る。
「はぁ……、はぁ……、はぁ……。お腹、落ち着いた……。大丈夫、歩けそう……」
「ゆっくり、ゆっくり行こうな」
よろめきながら立ち上がる桜子の小さな手を取ってやると、ビックリするくらい熱くなって汗でビショビショだった。
一刻も早くトイレに連れて行ってあげなければ、大変なことになってしまうに違いなかった。
だが……。
ぎゅるるる~~。
桜子のお腹から、それはそれはとても痛そうな音が鳴り響いた。
握りしめている桜子の手が、一瞬にして冷たくなっていく。
「うっ、ううう! お腹……痛い、よぉ……!」
「まだだ、まだ慌てるような時間じゃないぞ……!」
桜子は顔を真っ青にさせて歩き出す。
だけどその歩みもすぐに止まってしまった。
ぐるるるるる~~。
プリュリュッ!
「あああ!」
桜子の小さなお尻からやや水っぽい音が鳴り響くと、急にへっぴり腰になったではないか。
今のは、もしや……!
「ちょっ、桜子、諦めたらそこで試合終了だぞっ」
「そんなこと言っても……、も、もう……! あああああ!」
ぎゅるるるる~~~!
ごぽっ、ごぽぽ!
小さなお腹から、腸が雑巾絞りされているかのような音が聞こえてくる。
どうやら残された時間は少ないようだ。
と言うよりも、もう桜子のショーツには漏れはじめてしまっているはず……。
「お、おんぶしてやるからっ」
「む、無理ぃ……っ、おんぶしてもらったら、お尻、開いちゃう……うう! うー!」
桜子はへっぴり腰になりながらも、スカートの上から両手でお尻を押さえる。
その指先はお尻に食い込んでいて、もはや余裕さえも残されてはいないようだ。
「が、がんばれ♥ がんばれ♥」
「が、がんばるぅ……っ」
「がんばれ♥ がんばれ♥」
ギュルルルル……ッ!
ごぽぽっ、ぐるるっ!
ブボボッ!
「あっ! だめ!」
スカートの中からくぐもった破裂音。
その瞬間に桜子はしゃがみこんでしまう。
それは和式便器に跨がるときのように。
「諦めるなっ、立て、立つんだジョ―!」
「ジョ―って誰!? ああッ、ダメッ、ジョ―なんて聞いたらおしっこが……ああ!」
ジョボボッ!
ぷしゅっ、しゅわわわわわ!
じょおおおおおおおお!
黒タイツとショーツに覆われたおまたからくぐもった水音が聞こえてくると、おしっこが噴き出してくる。
どうやらおしっこも我慢していたらしい。
給食のときに牛乳とアイスをたくさん食べたのだ。
膀胱も限界を迎えてしまったのだろう。
「ああっ! も、もう……! あうう!」
こうなってしまうともはや為す術はない。
女の子のおまたというのは、おしっこを我慢するにはあまりにも不便な形をしている。
そして、尿道の決壊は、肛門の決壊を意味する。
「あっ、ぐううぅぅ! ダメッ! 出ちゃ、ううう!」
にゅるるるるるるるる!
ブリュリュリュ!
小さなお尻を覆う黒タイツが、うっすらと盛り上がっていく。
どうやら牛乳とアイスでドロドロに溶けていたらしい。
お尻が一瞬で大きくなると、割れ目が埋め尽くされた。
正にジェットコースターのような腹具合。
身体が小さいぶんだけ、アイスでお腹を冷やしてしまうと一気に影響を受けてしまうのだろう。
「ああああ! おしりっ、あっついよぉ……!」
にゅるるるるるるるる!
しょわわわわわわわわ!
正に大決壊――。
桜子の小さな身体は、排泄欲という人間に植え付けられた原始的な欲求を満たそうと二つの穴を開放してしまう。
身体がそういう風にできているのだ。
どんなに我慢しようとしても、ただヒクヒクと痙攣するばかりだった。
ブリュリュッ!
ブボボボボッ! ブポポッ!
「ひっ、ひっぐ! おしりぃ……ああっ、だめぇ……、おまたの方まで広がってきて……あうう!」
空気混じりの下痢は一気にタイツを押し広げ、会陰を伝っておまたの方にまで広がっていく。
もりもりもり!
むりゅりゅりゅりゅ!
一瞬にしておまたの方にまで柔らかいものが広がっていき、もりもりとショーツが盛り上がっていった。
黒タイツを穿いているからそのすべてを受け止めなければならない。
「い、嫌だよぉ……っ。あううっ、見ないでぇ……っ、」
むにゅう~~~~~!
もりもりもり、もこっ、もこもこっ!
桜子の意思とは裏腹に、小さな身体は毒素を排出しようと大腸を蠢動させている。
小さな身体のどこにこんなにたくさんの量が……目を疑ってしまうほどのチョコレートソフトクリームが黒タイツを盛り上がらせていった。
「あっ! あっ! ああぁ……」
しょぉぉぉぉぉぉぉぉ……。
ブポッブポポ…………モワァ……。
最後におしっこと恥ずかしすぎる空砲がショーツの中に弾け、桜子の大決壊は終わったようだった。
あとに残ったもの……、それは。
「ごめんなさい、ごめんなさい……っ」
背筋を丸めてしゃがみこんで泣きじゃくる桜子。
あまりにも小さな桜子を中心として、地面には大きな水たまり。
そして隠しようもない腐敗臭が漂っていた。
黒タイツを穿いていたおかげでうんちが地面に落ちるということはなかったけど……、それは失敗のすべてを桜子の小さな身体で受け止めなくてはならないということだ。
「お尻、熱いよぉ……っ。おまたも……ううっ、グチョグチョだよぉ……! ううっ、ぐすっ」
「大丈夫か……? もうお腹痛くないか?」
「うん……。全部出ちゃった、よぉ……。お腹、もうスッキリ、しちゃったよぉ……っ」
「そっか。それじゃあ早いところキレイキレイしちゃうか。ちょうどそこに川もあるし」
「えっ?」
桜子はなにを言われているのか分からないらしい。
涙目でキョトンとこちらのことを見上げてきている。
だから真太郎はそんな小さな少女へと手を差し伸べるのだった。
「このままだとおばあちゃんに怒られちゃうだろ?」
「う、うん……」
「だから俺がぱんつを洗ってやるよ」
「で、でも……。汚いよぉ……」
「桜子のなら気にしないし。それとも桜子は、これから赤ちゃんが産まれてきて、そのおしめを洗うとき、汚いって思うのか?」
「う、ううんっ。全然思わない! たくさんうんちできたねって褒めてあげる!」
「そうそう。だから気にするなって」
なんとか納得してもらって、手を引いて桜子を立ち上がらせる。
すっかり元気を取り戻した桜子だけど、さすがにお尻が気になるようだ。
へっぴり腰になっているし、短いスカートの裾からはうんちで膨らんだぱんつがはみ出してしまっている。
それでも桜子は元気を取り戻すと、
「分かった! 将来お兄ちゃんと赤ちゃんができたら、いっぱいおしめ洗ってあげる! 約束だよ、お兄ちゃん!」
「お、おう……」
どうやら俺の赤ちゃんを産むというのはもう決定事項のようだ。
だけど、どうやったら赤ちゃんが産まれてくるのか知っているのだろうか……?
ふと疑問に思っていると、
「赤ちゃんって、どこからくるの!?」
「ぶふぉ!」
ド直球な質問に噴き出してしまう。
だけどさすがにこのくらいの年頃の女の子に教えるのはちょっと早すぎるような気が……。
ここは適当にはぐらかしておくのがいいだろう。
「そ、それはだな。とっても仲がいい男の人と、女の人が一緒に暮らしていると、コウノトリさんが赤ちゃんを運んできてくれるんだぞ」
「そうなんだ! それじゃあ、あたしとお兄ちゃんの赤ちゃん、いつかコウノトリさんが運んできてくれるよね!」
「お、おう。そうだな!」
なんだか納得してくれたようなのでそれで良しとする。
こういうことは、自然と分かっていくのが一番だと思うから。
この小説は同人誌として配信しているものです。
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